タローマティ【1】
「地獄の底へようこそ、愚昧な天使諸君。私が君たちを丁重にもてなすよ」 地獄に宣戦布告した天使の軍勢は、ついに地獄の最下層部にまでたどり着いた。そこで待ち受けていたのは、地獄そのものの顕現であるタローマティであった。 |
タローマティ【2】
「天使諸君、ここは地獄だ。ここで死ねば死後の手続きが楽で済むよ」 魂を喰らう邪悪な竜たちを従えるタローマティは、次々と天使たちを斬り捨てる。断末魔の叫び声とともに散っていく天使を見ても、彼女は眉一つ動かさない。 |
タローマティ【3】
「地獄で我らに挑むということが何を意味するのか、知らないわけではないでしょう?」 激しい戦いの中で、無数の天使の魂が地獄の炎に焼かれた。その炎の中心に立つタローマティは、淡々と槍をふるう。決着の時は近かった。 |
タローマティ【4】
「苦しみも悲しみも、すべて燃やしましょう。肉体も魂もなくなった後に、諸君らに残るのは後悔だけだ」 すべての天使が地獄に散ると、凄まじい竜の咆哮が地獄に鳴り響いた。勝利を告げる雄叫びの中で、タローマティは静かに槍をおさめた。こうして、地獄に再び邪悪な平穏が訪れたのだ。 |