【再誕】リヴァイアサン【1】
「我が玉座を奪いし者よ!我は断じて其を許さじ」 怒りを帯びたリヴァイアサンの顔は、それにより美しさが増しているようにさえ見えた。荒れ狂う怒りにより解き放たれた水流は、人も、町も、全てを打ち砕き、押し流していく。 |
【再誕】リヴァイアサン【2】
「決して認めぬ! 我こそが至高の存在!」 水流の余波に流されていく人々の悲鳴が聞こえた。彼らがこの戦いに巻き込まれる由縁は本来、ない。だが本来ならば、この町も住人たちも、全てリヴァイアサンのものだったはずなのだ。己が財を己で壊したとして、何を省みる必要があろう。 |
【再誕】リヴァイアサン【3】
「全て打ち砕いてくれる!我が供物であろうと、神の手に堕ちたものなど要らぬのだ! 」 リヴァイアサンの戦うべき相手は神だった。一度はリヴァイアサンのものになったはずの玉座を神は奪い取ったのだ。許す理由など、ありはしなかった。 |
【再誕】リヴァイアサン【4】
「理屈も道理も不要! 力あるものが王となるのが正しき姿だ」 リヴァイアサンは荒ぶり続ける。この怒りはリヴァイアサンが滅するまでーーあるいは、リヴァイアサン自身の命が尽きるまで、治まることは無いだろう。この戦いでたとえ世界が滅びようとも、その責は神にこそあると言えるのかもしれない。 |