【十刃】エロヒム【1】
「今宵も闇の衣をまとわん」 黒い衣に褐色の肌。闇に紛れて美しき戦士は動き始めた。彼女の名はエロヒム、至高の母とも呼ばれる戦士である。 |
【十刃】エロヒム【2】
「貴様ら如き、二本の腕で十分よ」 エロヒムには無数の腕があるーー闇の世界でささやかれるうわさだ。だが、生来より備わっているのは常人と同じ二本の腕のみ。この腕に刀を持てば、討てない敵などめったにいるものではなかった。 |
【十刃】エロヒム【3】
「我が太刀をかわすとは、多少は楽しめそうだ」 時としてエロヒムの顔には笑みが浮かぶ。真の力を見せるに値する強敵と出会った時だ。そんな時、エロヒムは闇の衣を脱ぎ捨てる。その下から現れたのは、自在に動く機械の腕だった。 |
【十刃】エロヒム【4】
「我が守護星よ、我に力を」 目に見えない力がエロヒムに降り注いだ瞬間、その刹那、敵は紅血にまみれて倒れる。エロヒムが真の力を解放した時、生きて帰ったものはいない。そして彼女は闇の中にまた微笑みを浮かべるのだった。 |