【夜宴の魔女】サバト【1】
「……なるほど。降りかかる火の粉は、払わねばなりませんね」 夜会の準備をしている最中、その報せは飛び込んできた。天使の軍団が、ここに集う魔女たちの討伐に向けて動き始めたというのだ。 |
【夜宴の魔女】サバト【2】
「焦ることはありませんよ。私たちは今、こうして仲間たちと集っているのですから」 夜会の日を狙ってきた以上、魔女たちを一網打尽にしようとしているのは明らかだった。そんな天使たちの意図を察していながら、サバトの美しい横顔には、動揺の色は浮かんでいなかった。 |
【夜宴の魔女】サバト【3】
「あとは、どれだけ魔力を集約できるかにかかっています」 サバトは魔女たちを指揮して、草原に巨大な魔法陣を描かせた。ここから大魔法を発動するには、八十八の魔力点に立つすべての魔女が、中央に立つサバトに魔力を送ることができるかにかかっている。一人でも逃げ出したり、動揺するものがいれば終わりだ。 |
【夜宴の魔女】サバト【4】
「特に問題はなかったようですね、さあ、パーティを再開しましょう」 大魔法は成功した。天使の軍団は、魔法陣による結界をこえることができず撤退を余儀なくされた。魔力の量だけでいえば、サバトを超える魔女はこの集いの中にもいるかもしれない。だが、彼女ほど仲間に信頼されているものは他にいないのだ。 |