【星守】ズー【1】
「ズー、まずはあの砦よ!」 眼下に敵城の砦を見つけ、女騎士は自らが騎乗する空飛ぶ獅子に話しかけた。この獅子の名はズー、かつては神の使いだったが天の宝を盗んだ罪で地上界に落とされたという伝説の怪物。だが、女騎士が生まれるはるか前の話である。今は女騎士の愛馬、いや愛獅子なのだ。 |
【星守】ズー【2】
「ヘナチョコな矢ね! 吹き飛ばしちゃいなさい!」 砦の兵士たちが、上空からの巨大な影に気付き、矢を放ってきた。だが、ズーの元へは届かない。はばたきが巻き起こす風が矢など簡単に吹き払ってしまうのだ。 |
【星守】ズー【3】
「耳栓をしたわ、あとは任せたわよ」 矢が効かない事に気付いた砦の兵士たちは大砲に弾丸をこめはじめた。ズーを駆る女騎士は耳をふさぐ、兵士たちは、女騎士が大砲の発射音におびえているのかとあなどった。 |
【星守】ズー【4】
「相変わらずいい声で鳴くわね、耳栓をしていてもしびれたわ」 獅子がいななくと、辺りに衝撃波が走った。その威力に砦の兵士たちは気を失っていく。第一の砦を攻略した女騎士はズーを操り、敵の本城へと向かうのだった。 |