【月光】ノトリア【1】
「どう……綺麗でしょぉ? もっとよく見てもいいのよ」 美しき魔女、ノトリア。彼女は自分の美貌を自慢に思っているが、それ以上に、その身にタトゥーのごとく刻んだ魔法陣を自慢に思っている。そしてそれを見せびらかすことを好むのだという。 |
【月光】ノトリア【2】
「ねぇ見てよぉ……あたしの魔法陣、綺麗でしょ? ね? ……違う! そこじゃないわよ!」 ノトリアは自らの身体に刻まれた美しい魔法陣を見られることを、心から悦んでいる。だが誘惑に負け、ひとたびやましい気持ちで彼女を見つめた時には、強大なる魔法による制裁が待っているという。 |
【月光】ノトリア【3】
「洗練された魔法陣は、美しさと強さを兼ね備えた素晴らしい力となるのよ」 ノトリアは時に妖艶に微笑み、旅人にそう告げる。そして問うのだ。貴方もそう思うでしょう、と。もし問われた際は、決して、彼女の信念を否定するようなことを言ってはならないという。 |
【月光】ノトリア【4】
「魔術において、美しさと力は比例するの。そんなことも分からない醜い者は、消えてしまうがいいわ」 彼女の美学を侵した者は、彼女の魔法の餌食となる。それは逃れられぬ強大なる力。彼女が陣使いの魔女と呼ばれる由縁は、ここにあるのだという。 |