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魔属性/LLR/【白雪】ベルゼブブ

Last-modified: 2018-03-25 (日) 13:23:14

【白雪】ベルゼブブ【１】

「余興じゃ、雪でも降らせてみるか」
地獄の最下層、ｺｷｭｰﾄｽには無数の罪人が氷づけになって封じ込められている。白いﾄﾞﾚｽをまとい、そこに舞い降りたのは首領ﾍﾞﾙｾﾞﾌﾞﾌﾞ。名だたる悪魔のﾄｯﾌﾟとも言われる強者である。

「美しかろう?初めて見る者もいるのか」
氷づけの罪人たちの上に、白い雪が降りつもる。視認できているのか、見た目にはわからないが、氷像に変えられた罪人には五感が残っている。氷の上から染みこむように、さらに冷気が降り積もる。……残酷だ。だが、それがﾍﾞﾙｾﾞﾌﾞﾌﾞの好みでもあった。

「わらわとお揃いじゃ、お前たちも美しくなったのう」
雪をまとい、まるで雪だるまのようになった罪人たち。その色はﾍﾞﾙｾﾞﾌﾞﾌﾞのﾄﾞﾚｽと同じ彩りを持っていたが、それを光栄に感じられる者は、罪人たちの中にいるのだろうか。

「もうしばらく降らせてやろう、この巨人が白く染まるまで」
ｺｷｭｰﾄｽには、天を突くような巨人も氷づけにされていた。巨人が白いﾄﾞﾚｽをまとうまでどれほどの雪が降り積もるのだろう?氷づけの小人や人間、亜人たちは動けないまま、ただ視界を白一色に染められていく。