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魔属性/LLR/【白雪】メフィスト

Last-modified: 2018-03-25 (日) 15:05:34

【白雪】メフィスト【１】

「ｱﾊﾊｧ♪ 私からのﾌﾟ･ﾚ･ｾﾞ･ﾝ･ﾄ!」
満月の夜、ﾒﾌｨｽﾄは南国のとある島に大量の雪を降らせた。常夏の島だから、民のほとんどは雪など見たこともない。雪を降らせる理由など、とくになかった。強いて言うなら島民たちの困った顔が見たかったから。だろうか……?

「みんな起きて来たわねぇ、やっぱり寒いわよねぇ♪」
ﾒﾌｨｽﾄの目論みどおり、島民たちは呆然とした。大地も、砂浜も、ﾔｼの木もみんな白い。赤道直下の雪景色など誰も見たことがなかった。

「寒いならｺｰﾄはいかがかしらぁ?」
ｶﾞﾀｶﾞﾀ震える島民たちを小気味よさげに眺めるﾒﾌｨｽﾄ。都から救援に来た親切な役人を装ってｾｰﾀｰやｺｰﾄを配る。島民たちは我先にと奪い合い、瞬く間に品切れになった。

「ざぁんねん、もう溶けちゃったね♪ ｺｰﾄは記念にとっておいて♪」
島民たちが冬着を着こんだとたん南国の太陽が戻ってきた。あまりの暑さに、手に入れたばかりの服を次々脱ぎ捨てる。その様子を眺め、全く意味のないｲﾀｽﾞﾗの出来ばえにﾒﾌｨｽﾄはひとり大満足の様子だった。