【転生】スザク【1】
「貴様等が分をわきまえるのならば、妾が庇護してやらんこともない」 炎の魔神、スザク。彼女は魔種族でありながら、その絶大なる力から、人々から神獣として崇められている崇高な存在だ。豪勢な朱塗りの神殿、ひときわ豪華な王の間に『神』は鎮座している。 |
【転生】スザク【2】
「屈服する者は好きであるぞ。そうでない者は……死ぬがよい。」 スザクのプライドは天より高く、この世に現界した瞬間から、崇められて当然と思っている。『神』ではあるが、もし人々が信仰を疎かにすればーーもしくは彼女の不興を買うことがあれば、スザクはたちまち破壊神となるだろう。 |
【転生】スザク【3】
「……妾以外に『神』がいるとな? ほう。それはそれは」 どうも人々の間で、スザクとは異なる新しい信仰が密かに広まっているらしい。片眉を上げたスザクは微笑んでいたが……その様子は明らかに『不愉快』。玉座から緩やかに立ち上がるその体の回りには火の粉が舞っていた。 |
【転生】スザク【4】
「妾を不興にした罪、万死に値する。さぁ!悔いよ愚者ども」 刹那、空が深い赤に染まった。それを正しく形容するならば、「空から焔の雨が降ってきた」。これが神に逆らうことだと、スザクは冷酷な眼差しを向ける。だがその焔は全てを殺しはしない、生き残りはより強い信仰を持つものだ。 |