【72柱】ガミジン【1】
「あなたが私を召喚した者ですか?」 目の前に現れた人の形をした人ならざる者は、しわがれた声で質問したという。その物の周りには何か奇妙な雰囲気が漂っていた。 |
【72柱】ガミジン【2】
「では、あなたが私を召喚した理由を教えてください」 人ならざる者は自身を召喚した理由を聞いて来た。召喚する前に考えていた自身の望みなど、彼女を召喚した後から徐々に変化していった冷たい空気の原因に気付いた時から頭からすっぽりと抜け落ちていた。 |
【72柱】ガミジン【3】
「すごい汗ですね……どうかしましたか?」 彼女の周りに次々と集まっているそれが何なのかを知った時、召喚した者は恐怖で動けなくなってしまった。そのしゃがれた声ですら、聞く度に足がすくみあがってしまう程になっていた。 |
【72柱】ガミジン【4】
「ふむ、望みが言えるようになるまで少し待つとしましょうか?」 そういうと彼女は召喚された時から周りに漂っていた死者の魂を一点に集めて消滅させた後、ひたすらその場に留まっていた。意外な真面目さに面を喰らった召喚者は、自身の望みを彼女に語った。 |