【GOE72】シトリー【1】
「あ、ありがとー……」 ライブ終了後、他のメンバーがファンの声援に大きく手を振り、大きな声であいさつしているのにシトリーは消え入るような声しか出せなかった。魔界のアイドルグループ、GOE72。どうしてその一員に引っ込み思案な自分が入っているのすら、よくわからない。 |
【GOE72】シトリー【2】
「私、他人の視線がダメなんです」 ライブ中も他のメンバーの背中に隠れながら歌い踊り、普段はどうにかやりすごしているシトリー。だが、今日は自分より背の小さなメンバー、デカラビアの後ろというポジションだったのだ。隠れ場所がなく、最悪なライブだった。 |
【GOE72】シトリー【3】
「誰が、こんなグループに応募したんだろう?」 おそらく友人が勝手にGOE72のメンバー募集に応募してしまったのだろう。気付けば、アイドルにされてしまっていた。早く辞めさせてもらいたいのだが勇気がなくて言い出せない。 |
【GOE72】シトリー【4】
「もっと目立ってください、かぁ……。困ったなぁ」 そんなシトリーにも、ファンレターは続々と来る。コアなファンが多いのだ。今はまだ、目立たないようにふるまっているが、彼女の美しさに他のファンたちが気付いた時、ますます本人が望まぬポジションに引きずり出されるのは明らかだった。 |