ハエレシス【1】
「求道者は孤独だ」 この世に魔女は沢山いるが、彼女は誰とも仲間になれない。 原理の異なる魔術を操る彼女は、同じ悪魔の中であろうとも、常に孤独だ。 異端中の異端。彼女を知る者は、彼女をそう呼ぶ。 |
ハエレシス【2】
「孤独は人を強くする」 そう己に言い聞かせ、彼女は研究にのめりこむ。 異なるもの同士が交わって、新たなものが生まれる事もある。 それがわかっていても、人は異端を避ける。 異端と交われば、己も異端として扱われる、それが世の理なのだろうか? |
ハエレシス【3】
「迷いの蔦に捕らわれた時、助けてくれるものはいない」 孤独の研究は、時に行き詰まる。 教えを乞おうにも師も同輩もおらず倦怠し、頭も淀む。 迷いの蔦に絡まった時に、互いに助け合える他の魔女たちを羨ましくも思う。 |
ハエレシス【4】
「いっそ、師となるか」 同じ門派の仲間が欲しいのなら、自身が弟子をとればよいのだ。 それを育てるうちに孤独も癒え、いつかは己が力となってくれるかもしれない。 そう思いながらも行動に移せない彼女は、すでに孤独という不可思議な魅力の虜にされているのかもしれない。 |