マルクト【1】
「地上? そんな場所があるのなら、我が威光を知らしめねばならんな」 地下王国の女王マルクトは、臣下が伝えた『世紀の大発見』に興味を示した。地下王国は豊かで完璧だ。地上という未開地を切り開き、王の威光で原住民を文明と幸福に導かねばならぬ。それは王として当然の使命であった。 |
マルクト【2】
「従う者には幸福を与えよう。逆らう愚か者は、仕方がないな、死ぬが良い。我が国に愚者は不要だ」 地下から突如として現れた勢力に、地上の民は敵意を向けた。けれど、地下兵団の戦力は途方もなく。マルクトの兵は『無数』であった。まるで波の如く、地下王国は地上を支配していった。 |
マルクト【3】
「地上とはこんなに広いのか。さて、我が威光をあまねく届けねばならんな」 地上の広さにマルクトは驚きを覚えた。同時に強い使命感を抱く。王の威光で世界全てを照らすこと、それこそが民にとっての幸福であると彼女は信じている。王は兵団と共に、更なる支配地拡大に向けて踏み出した。 |
【女帝】マルクト【4】
「天界? 魔界? ーーほう、我が威光を知らしめねばならぬ場所は数多いな」 マルクトは、臣下が伝えた『世紀の大発見』に興味を示した。世界のなんと広きことか。ならば、地下王国の女王の威光で、全ての世界を燦然と照らそうではないか。女王陛下万歳、臣下達の声が地平にまで轟いていた。 |