ラミア【1】
「ごめんなさい、もう無駄な契りはしないって決めてるの」 ラミアは今月何度目かの断り文句を口にした。断った相手はすべて別の悪魔だ。彼女は長年、魔界の契りを交わしたい悪魔ランキングのトップテンから落ちることがないという。 |
ラミア【2】
「お気持ちはありがたいけど、もうあんな思いはこりごりだわ」 かつて、ラミアは神々のひとりと恋に落ちたことがあった。とある国の王女であった彼女が、散々な騒動の末に悪魔になってしまったのは、その時の三角関係のせいなのだ。 |
ラミア【3】
「蛇になっても、やっぱりナイスバディーは隠せないみたいね」 下半身をくねらせるラミア。かつて多くの人に愛された、彼女の魅惑的な二本の脚。それは今、蛇の尾のようになってしまっている。これも三角関係の代償だった。 |
ラミア
「私と契りを交わすなら、相応の覚悟があってのことよね」 そんな事を考えている間に、またも次の悪魔からの求愛を受けた。膂力、知性、上品さ、そして大人の色香。失った脚よりも魅惑的なものをいくつも備えていることに、ラミアは気づかない。彼女を射止める相手はいつ現れるのだろうか。 |