【冥神龍】バハムート【1】
山が動き、岩が砕ける。 雲の隙間から差し込む光は魔竜の巨躯を照らし、それに呼応するように業火が口蓋を朱色に染める。 ああ、絶望が始まる。 |
【冥神龍】バハムート【2】
夜の訪れは安息と静寂ではなく、恐怖と混沌をもたらす。月明かりに照らされた魔竜は咆哮と共に全身を振るわせる。決して明けることのない、死の夜が始まるのだ。 |
【冥神龍】バハムート【3】
周囲の空気は震え、地を流れるマナが躍る。久しぶりに目覚めたかの巨竜は、滾る力の放出先を探していた。その咢の先には、復活した魔竜を討つべく集まった天使と悪魔の連合軍の姿があった。 |
【冥神龍】バハムート【4】
時空を歪めるほどの強大な魔力の収縮に、魔竜を討つべく集まった兵士たちは戦慄した。 地は裂け、空は堕ち、時が狂う。それは原初の光であり、終焉の闇。 すべてを等しく灰燼に帰す魔竜の炎が放たれた。 |