セークレートゥム【1】
「魔界に伝わる禁断の知識、私はその守り人なのです」 溜息をついているところを見ると、セークレートゥムは元来、口の堅い方ではないのかもしれない。 それでも秘密を守り続けるということは、よほどの重みを持った秘密なのだろう。 |
セークレートゥム【2】
「皆さん、あの手この手で探りを入れてくるんですよ」 他人が隠している秘密を暴きたいと思うのは、人も悪魔も変わらないらしい。セークレートゥムの守っている秘密を暴くため、様々な手で探りが入るのだという。 誘惑に負けそうになる事もしばしばだという。 |
セークレートゥム【3】
「辛いのは、人を信頼する事が、出来なくなる事」 親友、恋人、家族に対しても秘密を明かすわけにはいかない。 純粋に見える愛情や友情も、セークレートゥムの心の隙に入り込むために演じているものに過ぎないかもしれないからだ。 常にその疑いを心に抱き人と接するのは、心が渇く。 |
セークレートゥム【4】
「もしうっかり話してしまったら……そうですね」 セークレートゥムは深淵の扉を魔力で作り出した。ひとたび入ってしまえば、二度と外に出る事のできない扉だ。 知られてしまった知識ごと永遠に封じ込めるのものだといい、毎月幾名かは扉へと導かれているとか……。 |