妖戦士 ヒルダ【1】
「大丈夫、この子は何もしないわ。ワタシが命じない限りね」 妖女が手をさしのべると、怪物はその手に頭を擦りつけた。彼女の命令には絶対服従、それが契約なのだ。 |
妖戦士 ヒルダ【2】
「この子、お腹が空いているみたいなの。食べられてあげてくれない?」 腰を抜かしている旅人に、妖女は申し訳なさそうに頭を下げた。その後ろでは、怪物が巨大な口を開けている。 |
妖戦士 ヒルダ【3】
「ふふふ、全部残さず食べるのよ」 襲ってきた壁の一団を返り討ちにすると、怪物は兵士の死体を貪り始めた。その凄惨な光景を、妖女は笑みを浮かべて眺めている。 |
妖戦士 ヒルダ【4】
「命知らずなのね。ワタシ達に刃向かうなんて」 妖女の命令で、怪物が立ち上がった。見上げるほどの巨大な姿は、戦う兵士達にとっては、この世で最悪の光景に見えたことだろう。 |