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魔属性/SSR/アストロロギア

Last-modified: 2018-03-23 (金) 12:24:48

アストロロギア【１】

「運命を恐れるな、これも星の導きじゃ」
ｱｽﾄﾛﾛｷﾞｱと名乗るその女は、青年が青ざめるより早く言い放った。
女に言わせれば、女と青年との出会いも、星により定められたものだったのだという。

「夜空には、この世に起こりうる全ての事象がすでに書きこまれておる」
ｱｽﾄﾛﾛｷﾞｱは、星の運行により全てを見通す事が出来るのだという。
世の占い師たちが時にﾃﾞﾀﾗﾒな占いを下すのは、夜空に刻み込まれし無謬のﾒｯｾｰｼﾞを読み誤るからに過ぎないのだと。

「己が運命を知ろうとする事自体、誤りなのだよ」
自分の運命を教えてくれと頼む男に、ｱｽﾄﾛﾛｷﾞｱはそう言った。
星に定められし運命を、ちっぽけな人の力で変える事など出来はしない。
人の運命の末に必ず死が用意されている以上、運命を知る事は絶望と向き合うことなのだと。

「だが妾は星を読み続ける、全ての絶望を己がものとするため」
いつか遠い未来、この世界にも終焉が訪れる。
そこに至るまでに生まれる絶望の全てを読み取り、己が胸に刻み付けたいのだという。
そうする事で何かが変わるのか、その答えもｱｽﾄﾛﾛｷﾞｱは知っているようだった。