アングルボザ【1】
「ほら、この子なんてどうかしら。チャーミングでしょう?」 アングルボザは、手に持った髑髏を愛しげに撫でまわした。それは彼女に立ち向かってきた、勇敢で愚かな騎士の骨である。 |
アングルボザ【2】
「わたしの手にかかって死ねるなんて……幸せ者よあなた達は」 アングルボザが手に持った鎌を掲げる。幾人もの血を吸ってきた鎌が、不吉にギラリと光った。 |
アングルボザ【3】
「神であろうと、わたしの鎌から逃げることは出来ないわよ」 アングルボザは生と死とを司る。その力が及ぶ相手は、限りなく不死に近い神にすら例外ではない。 |
アングルボザ【4】
「ほら、起きなさい。今一時だけ、あなた達に命をあげるわ」 アングルボザの声に従って、転がっていた骸骨たちが立ち上がった。窪んだ眼窩に光が宿り、切り刻むべき敵を探している。 |