猫又【1】
「はにゃ~? あんたご主人じゃ~ないにゃ~?」 遥か東方の民家に住み着く家猫が、妖気を帯びて転生し女人の肉体と分かれた尻尾を持った。それが猫又である。 |
猫又【2】
「しっぽがたくさんだと便利なことばっかりなのす~」 長く複数に分かれた猫又の尻尾は闖入者を締め上げるばかりでなく自らの身体の繕いにも利用できるようだ。 |
猫又【3】
「あたしは狐ちゃんじゃ~ないのす。遊んで遊んで~」 猫又は妖狐と間違われがちだが、元が愛猫だけに自ら人間を籠絡することはない。生来構われる性分だ。 |
猫又【4】
「もう怒ったのす!暗いところでいじめてやるから~!」 気まぐれな猫又は一度怒らせると、敵を雷とともに虚空に引きずり込み、三日三晩その亡骸を辱めると謳われる。 |