エレミータ【1】
「私は魔族だが、それでも生きるのはたかが数千年。この世界のすべてを知るには時間が足りないね」 魔界の最下層部のさらに奥。そこにエレミータの隠れ家がある。悠久の時代を生きてきた彼女は、そこで隠居生活を送っていた。 |
エレミータ【2】
「これでも割と長く生きてきたほうだから分かるのさ。大陸がこの後どうなっていくのかね」 エレミータはかつて魔界で有名な魔法学者であった。多くの革命的な発見や研究により、彼女は多くの名声を集めた。だが、ある時から彼女は表舞台に現れなくなった。 |
エレミータ【3】
「私は多くを調べ、多くを暴き、多くを知った。だけど、この世界から謎はなくならない」 好奇心と冒険心がエレミータの研究人生の原動力だった。だが、ある時彼女は自分が一生を費やしたとしても、すべての謎を明らかにすることなどできないと気づいてしまう。それが彼女の研究人生の終わりだった。 |
エレミータ【4】
「今の私は所詮は隠者。世界の謎とは無縁の者よ」 そんなエレミータの耳にあるニュースが届いた。魔法学会の中でも永遠の謎とされた問題に解決の糸口が見つかったのだ。血沸き肉躍る感覚が蘇る。 「どうやら、私は生粋の魔法学バカらしい」命が尽きても謎が尽きないことは明らかだ。それでも研究をやめられない。エレミータは隠者としての生活を脱することにした。 |