チェル【1】
「こんな陰気な場所に何用かしら?……まぁ、聞かずとも分かるわ」 空にかける美しき虹。その根元に何があるのか、夢想する者は多い。だが、間違ってもその場所を探してはいけない。虹の根元を探していきつく場所は深淵なのだから。 |
チェル【2】
「虹の根元を探しに来たのでしょう?ここがどこなのかも知らずにね」 世界には踏み入れてはならない場所がある。禁忌に触れる愚か者は、自分が何に触れているのかすら知らず、危険に近づく。美しい虹には毒があるというのに。 |
チェル【3】
「ここは地の果て、世界の底……世にも恐ろしい虹の出発点よ」 チェルは虹を作り出す。美しい虹が何で作られているのか、それを知るためにはチェルの元に行くしかないだろう。だが、それはお勧めしない。 |
チェル【4】
「虹は天にかける魂の橋。『魂の橋』……この意味が分かるかしら?」 橋の材料が常に物質とは限らない。空に輝く橋が、意外なものでできていたとしても不思議ではない。たとえば深淵に送られた地獄の亡者の魂、たとえば好奇心に突き動かされ虹の秘密を探ろうとした冒険者の魂。 |