リリン【1】
「なーに、このありさまは? ここももうおしまいかもしれないわね」 黄昏の世界から遅れてやってきた少女は、あまりにも凄惨な地上の状況を見て、少しだけ呆れた表情を見せる。 |
リリン【2】
「どうしよっかな? 少しだけ時間を戻しちゃったりして……」 蝙蝠のような羽根をパタパタさせながら、少女は悪戯な笑みを浮かべた。こう見えても彼女には、時を操る能力が備わっている。 |
リリン【3】
「でも、それじゃあまた人間は同じ過ちを繰り返すだけよねぇ……」 天を見上げ、少しだけ思案した少女は、再び目に輝きを灯して、杖を持つ手に力を込めた。彼女の決断が、地上の命運を分ける。 |
リリン【4】
「さあ、いくわよ! この地上の最期を私が見届けてあげるわ!」 吹きすさぶ風の中をリリンはゆっくりと歩いていた。太古の時からやってきた彼女の目的、それはこの星の行く末をみとること。 |