花魄【1】
「桜はいつ見ても美しいものですね」 花の妖魔である花魄。彼女は花と会話し、花と通じ合う。彼女にとって花は無二の親友であり、生涯に渡る仲間なのだ。そして、今年も花が咲き乱れる季節がやってきた。 |
花魄【2】
「どの季節にも美しい花は咲くけれど、私はこの季節の花が一番好きよ」 春の訪れが花魄と花々の気持ちを陽気にさせる。人々は桜の開花に小躍りし春の訪れに歓喜する。 |
花魄【3】
「桜の花はすぐに散る。その無常こそが、この世の条理」 咲いては散る桜のように、人も世も常にうつろう。出会いがあれば、別れがある。だが、その別れが次の出会いにつながっていく。連綿と続くそんな人の営みに、花魄は花の美しさと儚さを重ねる。 |
花魄【4】
「次にこの季節が訪れた時、大陸がよりよくなっていることを祈って」 過去、どれだけの人間が舞い散る桜吹雪に心奪われたのだろうか。そして、こんな美しい光景が、あとどれだけ見ることができるのか。いよいよ混迷を増す大陸の情勢を憂いつつも、花魄は美しい花々を愛でる。 |