サラマンド雪原

戦いながら逃走を続ける。必死で火山を下り
たつもりだが、気がつくと氷の世界にいた。
永久凍土に覆われ、火山の熱もものともしな
いサラマンド雪原。
ラルドを失い茫然自失としている自分をみて
「とにかくこれを口にいれて食べなさい。ラ
ルドは大丈夫。きっとどこかで戦ってる。
私達も生きて帰らないと。いいわね！」
そうだ。ラルドならきっと大丈夫。自分が
心配するまでもない。ここから進もう。

小さい居住ポッドを見つけた。中をのぞくと
モーグリ達がいる。いったんは警戒されるが
ピクトロジカーであることがわかると中に入
れてもらえた。ここでしばらく体をやすめら
れそうだ。この永久凍土の地では珍しいプレ
ートが発掘されるらしく、このモーグリ達は
それを求めて遠征してきているとのこと。
「いい土のところがあるんだけど、そこには
モンスターがいて近づけないんだクポ…回復
したらちょっとみてきてほしいんだクポ」

モーグリのいう「いい土」まわりのモンスタ
ーをアイオラと一緒に倒した。モーグリから
感謝されたが、感謝するのはむしろこっちの
ほうだ。アイオラも困った顔でお礼を言って
いる。体調のほうもかなり回復できた。ここ
からは雪原を越えて、街へ向かう。
「なんだか最近はあなたとずっといるわね…
ていうか、ピクトロジカーになったばかりの
頃からか。英雄にはまだまだだけど、逞しく
なってきた気がするわ」悪い気はしない。

雪原の果てにある丘陵地帯にたどり着いた。
目指す街ももう見えている。はやる気持ちを
抑えて、モーグリから譲ってもらったスパイ
ク靴を履く。この丘はツルツルの氷が張って
いて普通の靴では一気に滑り落ちてしまう
のだ。慎重に一歩ずつ踏みしめて進むが、後
ろから悲鳴が！みると上から人間が滑り落ち
てくる！タイミングを見計らって体ごとキャ
ッチするが、自分も滑ってしまった！「これ
に捕まって！！！」アイオラの声が届いた。

アイオラの投げたロープに捕まってなんとか
窮地を脱した。メモリアの力で支えてくれた
らしい。滑り落ちてきた男もピクトロジカー
だというが、装備はぜんぜんなっていない。
気をつけるように伝えて別れる。
「ああいうピクトロジカーも多いわね…メモ
リアに助けてもらってるってタイプ。まあ、
ラルドやあなたみたいなタイプのほうがレア
な気もするけどね」
麓までもう少し、滑らないように進もう。

あれから、アイオラと共に危機を乗り越え、
無事、生きて帰ることができた。
巨大プレートと共に消えたラルドの行方はと
いうと、協会預かりとなり手がかりもない。
自分は最後にラルドが呟いた言葉を思い出す
「そうか、やはりそうなのか……」
なにが？ ラルドが理解したものが自分には
わからない。でもそれは当たり前のことだ。
だから思考し続けよう。
それが「真実への道を拓く」だろうから。