スマブラ個人小説/スマゲンの小説/読み切り小説 勝利の秘宝

Last-modified: 2009-05-24 (日) 13:36:13

勝利への意欲が自分のプライドを捨てることになったクッパの話です。

勝利の秘宝

スネークは宝箱を開けた。
「これが勝利の秘宝だ。これがお前の欲しかったものだろう。」
スネークが言った。
「そうだ。ありがとよ。スネーク。」
クッパが言った。
「ハイよ。礼だ。」
クッパはスネークにロケットランチャーを差し出した。
「おお!これはいい!」
スネークはとてもうれしそうだ。
「しかし、クッパ、お前は本当にこの秘宝が欲しいのか。」
スネークが聞いた。
勝利の秘宝・・・。それは手に入れたものを必ず勝利へ導く秘宝だ。ある高い山の頂上にある。
しかし、ファイターにとってはそれほど苦悩しないと取れないものでもなく、誰だってがんばれば取れるものだった。ではなぜ今までそんな簡単に取れて強くなれる秘宝なのに誰もとらなかったか。
それは「ファイターの意地とプライド」があったからだ。
そのプライドとは「自らの力で勝利したい」という気持ちだ。道具なども一緒って?それは違う。道具もそのファイターの強さの一部。どれだけ使いこなせれるか、それが明らかに違う面。勝利の秘宝は誰にでも簡単に勝利へ向うことができる・・・、だから、ファイター自身の強さなどの世界ではない。
一つ目の秘宝・・・、それはレジェンドソードだ。
究極の剣、レジェンドソード。レジェンドソードは圧倒的な威力で相手を簡単に蹴散らしてしまう。一振りすれば衝撃波が出て、強く振れば龍の召喚での攻撃なんかもできる。まさに無敵の剣だ。
二つ目の秘宝・・・、それはセイントディフェンスだ。
聖なる盾、セイントディフェンス。最強の防御力を誇り、相手の攻撃を全く受け付けないほど。飛び道具の反射など朝飯前である。守護霊だって呼び出せる。
三つ目の秘宝・・・、それはゴールデンアームだ。
黄金の鎧、ゴールデンアーム。装備すれば、体が重くなると思いきや逆に強烈なスピードを与えるというのだ。攻撃力も上昇。無論防御力も上昇する。その防御力とはセイントディフェンスを体中に身につけてるに等しい。つまりは身体を強化させる鎧、身を守るためだけに使うのではないのだ。
四つ目の秘宝・・・、それはベルガルスの弓だ。
伝説の弓、ベルガルスの弓。矢は相手を追尾し、いつの間にか自分の手に戻ってくる、まるで生きてるよう。
弓は矢に最強の攻撃力と最速のスピードを与える。一度狙われたら逃れることは不可能に等しい。
五つ目の秘宝・・・、それはデイクロスの靴だ。
風のような速さを手に入れる、デイクロスの靴。眼にも止まらぬ速さを手に入れれる。その速さで突撃されたものはタックルのようなものでなく、体を引き裂かれるように攻撃されると言われている。
六つ目の秘宝・・・、それはゴッドステッキだ。
神の杖、ゴッドステッキ。攻撃の魔法、守りの魔法、妨害の魔法などたくさんの術を放つことができ、それを使うものに絶対の勝利を約束する。
七つ目の秘宝・・・、それはメタリオのマントだ。
超絶のマント、メタリオのマント。自らをかなり広範囲まで瞬間移動させることができ、相手に幻影を見せたり、相手に幻術をかけることも可能。また飛び道具の反射もできる。身につければどんなものにでも身を惑わせることができる。
八つ目の秘宝・・・、それはオレリア・ダガレルクの仮面だ。
どんなものでも見極める眼を手に入れれる、オレリア・ダガルクの仮面。その仮面をかぶれば究極の見極めの眼を手にれれる。相手の攻撃を簡単によけれるようになり、そして確実に自分の攻撃を相手に当てれるようになる。戦場を制する仮面だ。
九つ目の秘宝・・・、それはウィナーズコンパスだ。
どんなものでも勝利へ導くコンパス。コンパスを見ると見た者にコンパスはどうすれば勝てれるかのすべてを教えてくれる。コンパスの針が指すものなどには特に意味はないがその針の回転は止まることなく動き続け、強力な魔力を放っており、持ち主を極限まで強くしてくれる。これ自体では相手を攻撃したりはできないが、恐らく勝利の秘宝の中で最強の秘宝だろう。
秘宝はこれら九つ。ひとつ持つだけでも勝利は確定、ましてや全部持つなど天変地異である。
こんな秘宝をクッパはスネークに道を教えてもらいながら山を登り、手に入れた。
スネークはこの秘宝を欲しいとは思っていない。しかし、クッパは違う。スネークの質問にこう答えた。
「この秘宝さえあればもはや俺と戦う奴は無力。すべての者に勝利できればそれでいいんだぜ!ハハハハハ!」
クッパは早速デイクロスの靴で山を駆け下りた。本当に目にも止まらぬ速さだった。
「嫌な予感がする・・・。」
スネークは遠くに行ったクッパを見てつぶやいた。
スネークが山を下りてたくさんのファイターが集まっている空中スタジアムを覘いてみるとまるで悪夢のような光景を目の当たりにした。
「これは・・・!?」
スネークが見たもの、それはたくさんのファイターのフィギュアだった。ちゃんと立ってはいなく、放り投げられたような感じだ。
「マリオ、ヨッシー、ピット・・・!!!!」
スネークはすぐさま助けるためフィギュアに触った。しかし、なぜかファイターは元に戻らない。
「な、何が起きたんだ?」
「まさか、ゴットステッキによる、復活封じの呪文!?つまり、クッパの仕業ということか!?」
「いや、そんなわけ・・・。」
スネークは心をこめてもう一度触った。マリオたちのフィギュアはびくともしない。
「く、くそ!勝利の秘宝のことをクッパに教えた俺のせいだ。く・・・。」
スネークはその場にしゃがみこんでしまった。
「復活封じの呪文は1週間したら解かれる。短い時間かも知れんが、ファイターにとって1週間も大乱闘できないことは最悪のことだ・・・。どんなファイターでもそれはさせてはいけない。しかし、クッパは、それを皆にさせてしまった。そしてそれをさせたのは俺だ・・・。くそぉぉぉぉっっーーー!!!!」
急にスネークは走り出した。
「確か、勝利の秘宝には、何か大きな弱点があったはずだ・・・。しかし、それは覚えてない。でもできる限りのことはやってやる。」
「きっと、クッパはあそこにいる・・・。」
スネークが向かったところ、そこはマスターズスタジアムだった。スネークがスタジアムの入り口付近で見たものは、さっきよりずっと多い数の無様に散らばったフィギュアと、悪魔のようなファイターだった。それはクッパだった。クッパは予想通り、マスターズスタジアムにいたのだ。
クッパァァァァァーーーー!
スネークは叫んだ。目を赤く染めたクッパはゆっくりと振り返った。そして、クッパは疾風のようにこちらに来た。
「おぉ、スネーク、あんたのおかげで、大量のファイターに勝利したよ。ああ、間違えた。この秘宝おかげだった。」
スネークは表情を変えずに、じっとクッパを見つめ考えていた。
「おい、どうした、スネーク。・・・どうしたんだよ!!」
そう言うとクッパはスネークをレジェンドソードで、切り裂いた。しかし、スネークはフィギュアにならなかった。
「話があるのか?そう思って、一瞬でフィギュアになるほどの力は入れずに切ってやったぞ。ちなみにウィナーズコンパスによれば、次のレジェンドソードの一撃で、お前は負ける。そしてその一撃は、お前の装備とかの関係上、よけれないぞ。話すなら今のうちだ。どうせ、お前は無力、負けるのさ。俺の全てのファイターを倒すという目標を達成するために、例え、俺に協力してくれたお前であろうとぶっ倒してやるよ。ホント、バカだなぁ。自分が倒されることを自分から協力するなんて。」
スネークはクッパに何を言われようが、動じなかった。
スネークとクッパの間には、沈黙が続いた。
「いつまで黙ってんだよ!自分に絶望したか?はっはっは・・・。じゃあな!」
クッパはついに第二の一撃をしようとした。するとスネークはまた叫んだ。
待てっ!
一時中断