スマブラ個人小説/Shaillの小説/大乱闘!スマッシュブラザーズ 2

Last-modified: 2013-03-15 (金) 23:00:09

ACT7 散乱

21

マリオ「ここは…?」
暗闇の中で目が覚めた
マリオ「誰か居ないのか?」
辺りは闇に包まれ、足元すら見ることが出来ない
しかしこの邪悪な気配は
マリオ「亜空間の中、だな。此処は」
間違いない
ファルコ「なに独りで呟いている」
マリオ「!!」
マリオの隣にはファルコ……とフォックスが白けた目でこちらを見つめていた
マリオ「何だ、居たのか」
マリオは孤独でないことに安堵した
ファルコ「なんだ、じゃねえよ」
マリオ「は?」
ファルコ「早くその手をどかしてくれ」
マリオ「あ……」
左手はガッシリとファルコの右翼を掴んでいた

 

フォックス「で、どうするんだ?」
マリオ「何がだ」
フォックス「はぐれた仲間と合流しなくちゃならないだろ」
マリオ「どうやって?」
フォックス「だからそれを今から考えろって言うんだよ!」
苛ついたフォックスは暗闇の地面を叩きながら言った
マリオ「こんなに暗くちゃ、間近にいるくらいじゃないと見えるわけないだろ」
ファルコ「それに闇雲に探し歩いたって見つかる訳ないだろ」
二人してフォックスに詰めよる
フォックス「分かってるよそんなこと!それに何で意気投合してんだ!何で俺を責めるんだ!?」
疑問を一気にぶちまけたフォックス
だが華麗にそれをスルーし、話題を戻す
マリオ「声だけが頼りだな」
ファルコ「ああそうだな。声だと遠くでも聞こえるかもしれないしな」
作戦会議というより、ただの凌ぎの談話
そんな会話にとうとうフォックスの顔に影が差した

22

また別の亜空間
リンク「んっ……」
深層の闇
右か左かも判らない暗闇の中
リンク「姫様?姫様、お側に…!」
辺りを探るが、何もない
リンク「くそっ。なんたる失態!一人の君主すら護りきれないとは…」
リンクは己の軟弱さを恨んだ
すると
サムス「貴方、堅すぎでしょ…」
リンク「!」
少し離れた場所から声が聞こえた
リンク「サムス・アランか?」
サムス「ええそうよ」
さらにリンクは己の不運を恨んだ
サムス「貴女もそう思わない?」
ピーチ「同意だわ」
そこにはもう一人の姫、ピーチ姫の姿が
ピーチ「マリオはもっと気楽だったのに」
リンク「私は姫様の命を預かっている身です。遊び半分とは許されません」
サムス「そんな貴方と一緒にいるゼルダも、結構肩苦しいと思うけど…」
ゼルダ姫のことを引っ張り出され、リンクは言葉に詰まった
そして二人はさらに追い打ちをかける
ピーチ「とにかく…ゼルダだって羽目を外したい時がある筈よ。貴方がそんなに堅いと、彼女がやりにくいわよ」
サムス「つまりこれからはもっと楽にやれってこと。本当にゼルダのことを想うのなら!」
リンク「え…??」
場の空気が固まった、というのはこのような状態を指すのであろう
リンクの顔は…伏せていて解らない
ピーチは開いた口に手を当てている
サムスはどこか得意気に見える
そいて不意にリンクが顔を上げた

怒りの炎を眼に称えて…

23

ルイージが目覚めてから数十分
闇の中をさまよい歩き続け、脚が痺れて動かない
ルイージはひやりとした地面に体育座りした
ルイージ「兄さん…どこ行ったの…?」
ふうっとため息を吐いた
確か兄さんが手を繋げ、とか言ってたけど…
僕も隣にいた誰かに手を繋ごうとしたんだけど、何故か振り払われちゃって…(なんで~!)
と鬱になっていた
ルイージ「誰か……誰か助けて~!」
自棄になって思い切り叫んでみた
ルイージ「来るわけないか………はぁ」
しかしその声が天に届いたのか…
ゼルダ「その声は……ルイージさん、ですか?」
ルイージ「ほぇっ?」
ゼルダ「やっぱりルイージさんなのね!」
思わぬ返答に拍子抜けして間抜けな声を出したが、間違いない
ゼルダ姫だ
ルイージ「たぁ…助かったぁ~~……!グスン
情けなく涙が出てしまった。しかしこの暗闇なら隠せるだろう
ゼルダは貧弱事この上ない涙目のルイージを、優しく包み込んだ
ルイージは貧弱極まりない嗚咽を漏らしながら

24

戦艦ハルバード
アイク「ぃてて…」
アイクは額をさすりながら身体を起こした
この船が風に煽られ、亜空間に突入してしまったところで意識が飛んだらしい。みんな気絶していた
アイク「ん?」
床が、斜めに傾いている
恐らく船体が地面に墜落したんだろう
となると、
アイク「この船は、もう使えないか…。取り敢えず、皆を起こすかっ」
乱暴に

 

アイク「おいっ。起きろ」
と、マルスの両頬を鷲掴みにする
アイク「早く起きろよ」
と、カービィの頬を抓る
アイク「いつまでも寝てんじゃねぇよ」
と、デデデを叩き起こす
アイク「さっさと体を起こせよ」
と、メタナイトの仮面をむしりとった
アイク「……」
ワドルディ達は多いから無視
すると苦労の甲斐あってか…
「「~~~~~!」」
アイク「おっ。やっと起きたか」
「「起きたかじゃねぇよ!!ゾイ」」
アイク「…ゾイ?」

explanation

「それ」は天賦の才の持ち主だった
そして「それ」は底知れぬ暗愚を犯した
それは善と成り損ね、非行へと走り、人で在ることを拒んだ男の成れの果て……
「彼」は総てを無にし、総てを失った
心も、感情、躯…も
「彼」は、たった独りの世界で、たった一人の住人
むしろ「彼」はそれを好んだ
邪魔する者は居ない
異論を唱える者も、誰も居ない
しかし…

 

亜空間最深部
「彼」は数千年ぶりに「人」の気配を感じた
”u……Aar………”
邪魔者なのか…
邪魔者だろう…


ジャマモノ ダッタラ…




コロス………!!

ACT8 挿話

25

負傷者二名
残る一人は心の傷を負った
行く先もないまま歩いて仲間を探すものの、依然と人数は変わらない
マリオは気力を無くしてその場に座り込んだ
マリオ「ったく……どこに行きやがったんだ、彼奴ら…」
ファルコ「まったくだ」
フォックス「……」
暗闇に目が慣れたとは云え、未だ先は見通せない
加えて三人のコンディションは落ちる一方だ
マリオ「少し、休ませてくれ…」
寝そべり返ったマリオに対し、少々呆れ顔のフォックス
フォックス「暢気なもんだな。敵地だってのに」
マリオ「だーいじょぶ。何も襲ってきやしない。敵も見えてない筈さ」
フォックス「緊張感に欠く奴だな、本当に」
マリオ「どうとでも言え」
フォックスは何も言うまいと口を噤んだ
ファルコ「おい、寝てる暇なんか無いぞ」
マリオ「そうだな」
ファルコの言葉には耳を傾けるマリオに、狐の硝子製ハートはさらに傷ついた
マリオ「よし。じゃあ宛てなんかないけど、仲間探しに行くか…」
適当なマリオに絶句するフォックス
その時彼は心の中で誓った
もう流れには逆らわない、と
それは要するに、一種の開き直りであった

26

重傷者一名
リンク「………!」
ピーチ「…まだ怒ってるの?」
リンクの脇には、雑巾みたいに朽ち果てたサムスが抱えられていた
リンク「当然です。あれほどの侮辱は万死に値するが。まあ、部外者である貴女には、関わりのない話です」
ピーチ「やっぱり随分堅いのね」
リンク「……」
ピーチ「……」地を蹴る革靴の乾いた音だけが辺りに響いていた
すると唐突に、それまで沈黙を保っていたピーチが口を開いた
ピーチ「恋愛沙汰なんて怒るようなものじゃないのに…」
リンク「貴女は主従関係というものをまるで理解していないようだ」
溜め息混じりに即答された
リンク「一国の姫で在りながら、そこまで無知なのは如何し難い。無礼を承知で言わせてもらう」
流石のピーチもカチンとくる
ピーチ「同じ姫なのに随分と私には扱いが雑ね」
リンク「是非もない。私が仕えるべき主は貴女ではないからな」
ピーチ「もう完璧な言い分ね…」
もはや非の打ちどころのない
マリオとは職が似ているものの、180°逆であるリンクとは完全に合わなさそうだ
ピーチ(だったら合わさせればいいだけのこと…)
そんな計画を企てているとは露知らず、リンクは抱いているサムスを地に置いた
リンク「腕が麻痺しそうだ。少し休ませろ」
と、その場に座り込み、一息を吐いた
ピーチ(計画、実行!)
ピーチ「ねぇ…」
リンク「何だ」
ピーチ「……ゼルダが見つかるまでの間だけ、もっと気楽に振る舞ってくれない?」
リンク「何故だ」
ピーチ「だって…」
サムス「だって楽しい方が良いじゃない!」
突如話に割り込んだのは、半死状態のサムスだった
リンク「生きてたのか」
彼にも意外だったらしく、少し驚いた口調で吐き捨てた
サムス「って死んでほしいの!?」
リンク「ああ。大いにな」
サムス「…貴方やっぱり酷いわ」
ピーチ(う~ん。やっぱり重症ね…)
リンク「兎に角、姫様の捜索が最優先だ。戯言は後でまとめて聞いてやる」
ピーチ「判ったわ。ゼルダ捜索には力を貸すけど、ちゃんと要望を聞いてね」
リンク「ああ。聞いてやる」
交換条件で交渉成立
ひとまず、ゼルダ姫の模索に向かうことに
ピーチ(この人……疲れる!)
ふとそんな感慨を抱いたピーチ姫であった

27

事実、ルイージは強い
本来ならばマリオにも引けを取らないが、その臆病故に弱者扱いされてしまう
しかし、そんなルイージでも今は一肌脱がなければならない
なぜならー


ルイージはゼルダの腕に掴まり、暗闇の中を進んでいた
この異国の姫は、こんな深い闇の中でも視えるらしい
数十分歩いたとこだろうか、唐突にゼルダが口を開いた
ゼルダ「ルイージ、さん…」
と、言うと同時に立ち止まる
ルイージ「?」
どこか弱々しく、絞り出すような声に聞こえる
まさか腕を強く握りすぎたのか
ゼルダ「もう…限界……です……」
ルイージ「えぇーー!」
ルイージは叫んだ
何にかって云うと、ゼルダ姫がその場に崩れ落ちてしまったのだ
ルイージ「姫!気を確かに!」
なんて言葉を産まれて初めて駆使し、駆け寄った
ゼルダ「或いは、と思っていたのですが……魔法の過剰使用が…堪えたみたい、です…」
ルイージ「!??」
もう理解不能だ
ルイージ「ど…どうにか治らないの!?」
ゼルダ「御安心を…。睡眠をとれば回復します、が」
ルイージ「が?」
ゼルダ「不運、です…。ここ、敵が沢山いますね…」
そう言うといなや、ゼルダは残量の魔力をありったけ費やし、意識と引き替えに眩しい光を放った
これで見通しは利く筈だ
ルイージはサッと身構えた
ゼルダの言い分通り、大量のプリムに囲まれているのが見て取れる
一人で相手できるかは判らない
だが、やるしかない
ルイージは、護り抜く


ただ、生存することを願って…

28

カービィ「ぽよ!」
アイク「あったか?お!懐中電灯発見」
カービィが指した位置に埋もれていたのは、しばらく使用されていないだろう、多少古ぼけたライトだった
それをひょいと取り出して、皆に見せつけた
アイク「俺……とカービィが見つけたんだぜ」
マルス「お前は引っ張りだしただけで探してないだろ」
デデデ「まあ、これで外の探索が出来るゾイ」
デデデはライトを奪い、埃を払いながら言った

 

先頭はライトを持ったデデデ。次にメタナイト、アイク、カービィ、マルス
歩いている途中、アイクはふと疑問に思った事が
アイク「なあ、デデデよぉ。何処に向かってんだよ」
デデデ「……」
アイク「宛なんか無いだろ。だって懐中電灯付けたって…なんも見えねえじゃん」
光を照らした場所は、真っ暗
ちっぽけなライトなど、意味も為さない
完全にお手上げだ
デデデ「……ゾイ…」
マルス「うわ…暗。気分が」
アイク「ややこしくなるから黙ってろ」
メタナイト「まあ、船には戻れないし。このまま突き進めば何かあるかもしれない」
アイク「…仮に何にも無かったら?」
メタナイト「そのときはそのときだ」
マルス「なんかアイクみたいだな、メタナイト」
アイク「どーいう意味だよ!それは!!」
彼らは亜空間のさらに奥へと、足を運んでいた
勿論意図してなど向かっていない


見えない力に引き寄せられているなど、彼らが知る訳もない

ACT9 合流

29

マリオらは、途中で偶然にも出会ったアイスクライマー、ルカリオ、そしてヨッシーを引き連れ、
少し賑やかになったメンバーを結成して先に進んでいた
マリオ「こっちで方向合ってるかな?」
マリオは悠然とヨッシーに跨り、手綱を握って振り向きざまに言った
フォックス「そうだな」
マリオ「…飯はまだだよな?」
フォックス「そうだな」
マリオ「……もう朝だよな?」
フォックス「そうだな」
辺りを見回した
真っ暗である
マリオ(つまんね…)
フォックスの適性プログラムが乞を期したようだ
アイクラ「ねーねー、アレ何だろ?」
いきなり話に介入してきた
ポポは手袋に覆われた手をあらぬ方に向けている
マリオ「なんだよガキ」
ファルコ「…コラッ」
ファルコが頭を小突いた
よく目を凝らすと…
暗闇に紛れて、何か…光っている?
いや、ただ光が反射しているだけだ
つまり、この闇の中で光を発している人物が何処かにいるということ
近寄るごとにその物体が露わになっていく
ルカリオ「これは…」
マリオ「クッパ…!?」
それは硬いフィギュアと化した、クッパとガノンドロフの成れの果てだった…

30

サムス「ねぇ~。疲れた、少し休みましょうよ~」
のっけから駄々をこねるサムス
そしてそれを
リンク「姫様を救出するまでは休みは無い。歩け。置いてくぞ」
冷たくあしらうリンク
さらにそれを
ピーチ(自分だって腕がダルイって休んでたくせに…)
心中で揚げ足を取るピーチ
この危険な三角関係を築いた三人は、今も亜空間を彷徨いている
サムス「ほら~。休んでないとお腹まで空いてきたじゃない」
リンク「知るか」
一瞥もくれず、前だけを向いて歩くリンク
ピーチ(この人は振り向く、という動作を知らないの…?)
ふと有り得ない疑問が脳内を過ぎたその時
リンク「あれは…」
ピーチ「ん?」
サムス「何何?」
奥に小さな点が浮かび上がった
光、だ
ただ、かなり遠くにあるようで、霞んで見える
今の一歩を踏み出してようやく肉眼で発見できる程に小さい
リンク「あれは…姫様の…」
理解した瞬間、リンクはもう駆け出した
条件反射のように、だれよりも素早く
サムス「あ!ちょっと待ちなさいよ!」
サムスとピーチは、慌てて呼び止めながら後を追った
リンク「これは…」
リンクは、そのあまりにも凄まじい惨状に目を疑った
暗闇の地に伏せているのは大量のプリム
そしてその真ん中で倒れているのは…
ピーチ「ルイージ…?」
傷だらけで、全く動こうとしない
その場に駆け寄ったピーチ姫は、隣に居座っていたゼルダに問い糾した
ピーチ「ねえ、ルイージはどうしたの?なんで動かないの!?」
ゼルダの掌には拳サイズの光の珠が浮いている
この光のお陰で場所が判ったのだが、この際どうでもよい
出来れば眠っている、だとか気を失っているだけだ、と言ってくれと希っていた
ピーチ「ルイージは、大丈夫よね…!?まだ死んでなんかないよね…!?」
死という単語がでてくる地点で、もう諦めていたのかもしれない
ゼルダ姫は首を…横に、振った
ピーチ「……そ…そんな…」
サムス「……!」
リンク「……」
ピーチは愕然と地面に崩れた
ゼルダ「御方は…命と引き換えに、私を護り抜いて下さいました。彼の死は無意味ではありませんよ」
ゼルダの慰めの言葉など耳には届かない
ピーチはルイージに縋り、慟哭し、嗚咽を漏らしている。その眼には涙で溢れていた
リンク「……死を悼んでいるのか」
ピーチ「あ…当たり前じゃない」
リンク「これもいわば戦争だ。犠牲の一人や二人は覚悟しなければならない。そんな虫の良い甘い考えは捨てておけ」
ピーチ「アナタ…!」
いつもなら我慢出来るが、今では苛立ちが収まらない
ついに怒りを抑えきれず、今までのリンクに対する鬱憤が爆発した
しかし、それが文句となって口から出るよりも早く、
リンク「退け」
リンクの腕がピーチ姫を乱暴にも退かせた
そして彼の掌はルイージの胸に当てられる
ピーチ「?」
鼓動、脈拍、呼吸…
暫くして調べ終えたのか、一息吐いて、告げた
リンク「完全に機能が停止している。完璧に死体だ。だが…」
サムス「だが…?」
リンクは向き直った
ゼルダ姫と
リンク「全て外傷です。病死ではない限り、修復の余地はあります」
ピーチ「…え……?」
サムス「どういうことよ?」
すると観念したように、ゼルダが口を開いた
ゼルダ「流石、私の騎士ね。貴方だけは騙せないと思ってたのよ」
サムス「騙す?一体何を?」
あからさまに疑問を露わにするサムスに対し、ゼルダは愉しげに見えた
ゼルダ「いえ、騙す、といっても嘘をつく訳じゃないわよ…
    そうね、これも算段といったところかしら」
サムス「はぁ?」
ピーチ「結果、ルイージは助かるの?」
焦り混じりにゼルダに訪ねた
ゼルダ「えぇ」
彼女は躊躇いもなく首を縦に振った
ピーチ姫にえもいえない脱力感が覆う
今までメソメソ泣いていたのはなんだったのだ。あれではただの馬鹿みたいではないか
ピーチ「って言うか何で黙って隠してたのよ!?」
自分の恥ずかしさを見直し、少し頬が火照っている
リンク「これも一つ教育の導としましょうか、姫様。隠し事は恥ですぞ」
ゼルダ「あら、隠し事だって算段の内よ。貴方達の絆、存分に魅させてもらったわ」
ルイージが還ってくる。その歓喜故、こんな言い分でもつい許してしまう
ピーチ「とにかく、早くルイージを蘇らせてちょうだい」
ゼルダ「えぇ、分かったわ。彼は私の救世主ですから…」
リンク「……」
そう呟くと、今までの表情とは打って変わり、気を引き締めた真剣な表情に
辺りに、より一層の静寂が被った
ゼルダがルイージの胸に掌を当て、呪文を説いた


ゼルダ「告げる…」

31

フォックス「何だ…これは…」
マリオ「おい、起きろよ!」
マリオがクッパのフィギュアを強く殴った
ガキンッ!
マリオ「硬!そして痛ぇ!」
ファルコ「…硬いことくらい見たら分かるだろ。しかし…」
ルカリオ「どうにか出来ないのか、これは?」
ルカリオが手を当てた。接触部位を、蒼い気が包む
ルカリオ「ふむ。まだ死んでいないようだ。生命力は感じられる」
マリオ「何でそんなこと解るんだよ?」
ルカリオ「波導だ。私の力の源でもある物質のことだが」
マリオ「波動?」
ルカリオ「いや、その波動ではない。私の操る波導は(ryファルコ「どうでもいいだろ、今は」
波導について論じようとしていた二人を、ファルコが遮った
フォックス「とにかく、こんな重たいのは担いで歩けない。元に戻す方法を探るんだ」
マリオ「探る…って。そんなの触ったら元に戻るんじゃねーか?」
フォックス「根拠は?」
マリオ「だいたい…そういうもんだから」
そう言うと、試しにマリオがクッパに触れた
すると…
突然発光し始めたのだ
フォックス「…え?」
そんな馬鹿な
クッパを包む光は徐々に強くなっていき、
ついには…
マリオ「なっ☆!」
マリオが笑顔を向けた
その顔の向こうには、巨大な体躯をしたクッパがなんと復活した
正直、あまりに出来すぎの展開についていけなかったが、振り絞って声を出した
フォックス「いったい何があったんだ?」
クッパ同様、ガノンドロフも元に戻す
クッパ「うむ……一瞬だったからよくは覚えていないが…」
GD「何やら波紋のようなものが突然来たもんだからな…」
アイクラ「波紋?」
マリオ「知らないのか?水面に物を投げた時に波打つあれだよ」
ファルコ「それは知っていると思うがな」
と、冷静な突っ込み
アイクラ「今までそんなことなかったのに」
GD「相当奥に来たみたいだからな。何かに攻撃されたんだろう」
ルカリオ「ではここも危険区域じゃないか?」
クッパ「そうだな。いつ攻撃されるか判らない。気を付けないとイカン」
要は
マリオ「むぅ」
圧倒的に不利ということだ
敵は有象無象をフィギュアに変える術を持ち、コッチはひたすら避けるのみ
敵の位置も掴めていないに対して、敵地である為コッチの居場所は丸見えだ
ままよ…
一人でも耐えてくれればいい
そう、心の中で願っていった…

32

メタナイト「むっ」
アイク「どうした?」
何処か異変を感じ取ったのか、メタナイトが不意に足を止めた
そしてジッと周りを見据える
アイク「……」
敵でもいたのか?
腰に提げた剣の柄を掴んだ
しかし、それはただの杞憂だったらしく
メタナイト「ぬぅ……気配がしたと思ったのだが」
アイク「…何だよ、それ」
メタナイト「私の勘は抜かりない。案外、目に見えていないだけかもしれないがな」
冗談で言ったつもりだが、
アイク「それ有り得るだろ、此処だったら…」
余計不安にさせられた
アイク(フラグ立ったかもしれないな…)
メタナイト「ま、敵だったとしても返り討ちにしてやるがな」
アイク「敵は見えないんじゃなかったのかよ」
アイクの指摘はまさに図星
メタナイトも負けてはいられない
メタナイト「そんなのライトでも当てたら確視出来るようになるだろ」
アイク「出来なかったら?」
メタナイト「その時はそのときだ」
しかしそんな口論も、また別の禍々しい気配によって打ち破られた
メタナイト「!今度は敵だな」
アイク「…ああ…ついてない」
と、愚痴をこぼしながらも剣を手に執った
5人は背中合わせになり、闇の中から姿を現した敵を見据えた
アイク「囲まれたな」
メタナイト「ああ。五十、といったところか」
デデデ「なに、心配には及ばんゾイ」
マルス「雑種には引けを取るまい」
カービィ「ぽよっ!」
そのかけ声が合図だったかのように、戦士達は敵の群に突っ込んだ
マルス「貫け!ラッシュブレイド!」
マルスの一閃が敵を突き刺した
メタナイト「遅い!ライトニングブレイド!」
メタナイトの連撃が敵を斬り裂いた
デデデ「打ち砕く…メガトンハンマー!」
デデデの一撃が敵を粉砕した
アイク「焼き付け……ロート…」
剣に炎を纏わせ…
アイク「…ブレイド!!」
ジャンプ斬りをたたき込み、敵を炎上させた
知能の持たない雑魚相手には、あまりにも過ぎた制裁だっただろう
為す術なく、地にひれ伏していく
カービィは…?
アイク「何だ?どうした!?」
カービィは大口を開けて…
アイクの剣によって炭素化した敵を吸い込んだのだ
アイク「おいおい!そんなに腹減ってるのか!それにまだ火が残ってたぞ!」
火。それがねらいだった
コピー能力の…
カービィ「フャイアー!」
イク「!?」
まだカービィの能力を知らない二人は、そのコピー技に圧倒された
口から火炎を噴き出し、次々と敵を倒していく
アイク「ふんっ、負けてられるか」
5人が戦闘を始め、3分足らずで全滅
地面には沢山のプリムスパーパッチタウタウマイトキラーガルアイスアロアロスジャキールクリボー諸々
全てくたばっている
メタナイト「口ほどにもない」
まるで些事のように、吐き捨てるように言った
アイク「しっかしお前凄いな!」
カービィ「ぽ…ぽよ?」
メタナイトの言葉に同意するもなく、まるっきり無視してカービィに縋りついた
何やら言っているが、どうせカービィに対しての褒め言葉だろう
コッソリとマルスに耳打ちした
メタナイト「…仲が良いな」
マルス「カービィの能力が気に入ったみたいだな。同じ腹ぺこ人間として」
メタナイト「こちとら、迷惑なんだが」
マルスはそれ以上、何も言わなくなった
いつだったか、船の食材庫がごっそり消滅したのは
デデデ「そんな所で油売ってないで早く出発するゾイ。いつ追手が来るか分からん」
アイク「ん、そうだな。じゃあ行くぞカービィ!」
カービィ「ぽよ!」


敵を蹴散らしたところから、少し浮かれていたのかもしれない
緩みきった危機感が彼らの命運を奪うこととなる
かつてクッパとガノンドロフがそうなったように
アイク「なあ、こいつの体内はどうなってんだよ?メタナイト」
てくてくと歩きながら訊ねた
無論、カービィの事である
メタナイト「さあな、本人に訊くといい。それより…」
アイク「それより?」
メタナイト「気を引き締めろ。またどこから敵が来るか判らない」
メタナイトだけは警戒していたようだ
マルス「なに、また返り討ちにしたらいいだろ」
もう敵は来まいと。来てもやられはしないと
完全に警戒心を解いていた
まさか敵の超射程攻撃など予測もしなかっただろう


どこからともなくやってきた波動攻撃に対応する間もなく、
ゴトゴトと音を上げて四人は倒れた
メタナイトだけはとっさにディメンジョンマントを使って逃れれたのだ
メタナイト「くっ。やはり来たか…」
しかし、どうする?
ここで、新たな助っ人の登場である
事の一部始終を観ていた、
[潜伏が得意な傭兵]と[影の薄い平面人間]
やはり、メタナイトの勘は抜かりなかったのだ

ACT10

33

ゼルダ「Tha person that I heal your wound…」
ピーチ「……?」
ゼルダの手はルイージの胸に当てられ、呪文を詠唱していた
その口から発せられる言葉は、意味の掴めない、遠い異国の言語
ゼルダ「You return to a circle . I disturb it…」
すると、除々にルイージの肉体が光を帯びていく
リンク「……」
ゼルダ「I celebrate you if I receive it」
彼の体の怪我が次々と塞がっていく
ゼルダ「Your soul in my bottom…」
ゼルダの額からは汗が流れ出ていた。相当の魔力が奪われているのだろうか
ゼルダ「Thus…tha person that I bring you to life…!」
カッ!と強い旭光を放った
ルイージの血潮は再び流れ、脈拍は波打ち、細胞は呼吸を始める
故に
蘇生は叶ったのだ…

 

最後の一節を詠唱し終え、クラッと床に倒れ込んだ
リンク「姫様!無理はなさらずに」
慌ててリンクが抱き抱えた
リンク「寝ている…」
スゥスゥと寝息とたてながら、眠るというより気絶していた
彼女の使用した魔法は治癒魔術だが、死人を蘇生されるとなれば膨大な魔力を有することになる
ルイージが戦っている間に溜めた魔力も形無しという訳だ
ルイージ「ん……、あれ?僕は一体…?」
ピーチ「ルイージ!」
ルイージ「うわっ!!」
ピーチ姫がルイージの胸に飛び込んだ。ルイージは吃驚した
今までこのようなシチュエーションが産まれて一度も無かったのだ
ましてや、敵もろとも命を散らすような活躍も無かった
ルイージ「ピーチ姫?」
ルイージが顔を覗き込んだ
やはり泣いている
ルイージ(何か泣かせるようなことしたっけ?確か僕は敵群と戦ってて…)
そしてふと意識が絶えたのだ
気を利かせてなのか、
リンク「貴様は姫様を護るために闘い、戦死した。そして姫様の魔法で生き還った。それだけのことだ」
ルイージ「生き還った…?」
リンクにお姫様だっこされているゼルダに目を移した
小さな体躯には似合わず、内に秘める力は計り知れない。といったところか
ルイージ「つまり僕は今まで死んでたってこと?」
リンク「死んでいた時の気分はどうだ」
ルイージ「……」
実感は沸かないが…
リンク「まぁ、貴様が姫様を護るためにとった行動なら、奨励せんでもない」
サムス「どっちなのよ」
沈黙を通していたサムスが口を挟んだ
リンク「そうだ。貴様にも一つ問うておくべきだったな」
サムス「私も?」
リンク「貴様が動機としているトレジャーハントだが、見ての通り宝なぞ一片も無い。これからどうするつもりだ?」
サムス「どうするって言われても…」
リンクからすると、もう帰ってほしかった
彼女は騎士というものを理解しきっていない邪魔者なのだから
しかし的外れに
サムス「帰る方法なんか、判らないじゃない。帰らないし帰れない。元の元凶を潰すまではね」
リンク「…………想定通りにはいかないということか…」
サムス「何よ。なんか文句言った?」
リンク「いや、別に」
サムスの不満を軽くあしらった
リンク「ではさっさと進むぞ」
リンクが号令を執った時、脳裏にふと思い出した
ピーチ「ねえ、ちょっと…」
リンク「なんだ。何が不服か?」
ピーチ「違うわよ。ちょっと前のアンタと私の約束、覚えてるわよね」
リンク「何だ?」
ピーチ「だーかーら!ゼルダが見つかったらもっと優しくしてって条件よ!聞くって言ったじゃない!」
赤く泣き腫らした頬が、再び赤く染まる
リンク「そうか」
ピーチ「そうよ!」
リンク「では、条件は満たした。以上だ」
ピーチ「は?」
染まり具合がさらに紅潮していく
ピーチ「ちょっと!どういうことよ!」
リンク「まさに言葉の通りだ」
ピーチ「聞く、って…!アンタまさか…」
そのまさかである
今度は赤く染まった顔が青ざめる。なんという起伏だ
リンク「ああ。言っただろう、聞く、と。この言葉に裏も偽りも無い」
ピーチ「ちょっと待って!!納得いかないわそんなの!」
キーッと喚くピーチ姫を無視し、
リンク「姫様、目を開けてください。貴方は眠ってなどいない」
すると眠っていた…いや、途中で寝たフリをしていたゼルダが目を開いた
ゼルダ「やっぱり貴方だけは騙せないのね…」
リンク「さっきも言ったでしょうに。今の会話は…」
ゼルダ「ええ。きっちり聞かせてもらいましたわ」
リンク「……」
ゼルダ「貴方も私のこと言えないでしょう」
リンク「それは…」
リンクは言葉に詰まった
ゼルダ「まあいいわ。それより…」
リンク「彼、ですね」
リンクは頷いて歩を進め、ゼルダをお姫様だっこのままルイージに歩み寄った
ルイージ「……?」
そっとゼルダ姫を床に降ろし、
リンク「大義、ご苦労だった。貴殿の功績は賞賛に値する」
ルイージ「…え?」
何を言っているのかさっぱり解らない
ゼルダ「貴公の活躍で我が身は救われました。そのお礼です」
ルイージ「ぁ…そりゃどうも……」
焦り戸惑い、後頭部に手を遣った
そしてピーチ姫は口を尖らせた
ゼルダ「しかし、困りましたね…。こんな殺伐とした中で、礼など尽くせませんから…」
ルイージ「いえ…お礼なんて結構ですし…」
何だか違う世界に入りかけたような錯覚を覚え、怖くなったので断っておいた
しかし
ゼルダ「いえいえ、遠慮なさらず。お金が欲しいですか?抱きしめてほしいですか?それとも……kiss?」
ピーチ&サムス「うわあああぁぁー!!!」
ゼルダの爆発的発言に大声を張り上げた
ゼルダ「うふふ…。冗談ですよ。でもどうしてもって言うのなら、考えないこともないですが…?」
ルイージ「いいですいいです結構です!」
猛烈に拒否した。抵抗が低いのもあるが、祖国の姫が何を言うか分からない
ゼルダ「そう、残念…」
リンク「姫様。おふざけは程々に」
ゼルダ「楽しませてくれたっていいじゃない♪」
ルイージはもう何が真偽が判らなくなってきた
リンク「では、コンディションも回復したことだし、先に進むぞ」
リンクがゼルダの手を繋ぎ、引っ張った
ルイージは…
ルイージ「ピーチ姫…?」
ピーチ「……」
サムス「今度はこっちが気絶してるわよ」
立場が逆転した
ルイージ(おかげでこっちのコンディションは肩下がったよ…)
ルイージは気を失っているピーチ姫を背に担いでおんぶした
そして先を歩く中睦まじい主従の後ろを付いて行くのだった…

34

マリオ「来ねえな…」
ファルコ「…ああ」
あれから気を引き締めて辺りを警戒しているのだが、第二波は一向に来る気配がない
敵からの攻撃として挙げられるのは、第一波と、ついさっき倒した敵衆くらいだ
マリオ「ルイージたちとも合流しなくちゃならないし…」
ファルコ「おい見ろ!」
マリオの話している最中、ファルコが前方を指さした
マリオ「何だよ、人が喋ってるのに」
ルカリオ「どうしたんだ。何も見えないが…」
先はただ今まで通り、虚無の空間が広がっているのみ
フォックス「あーファルコは鳥だからな。視力がいいんだよ」
ファルコ「それより明かりだ!明かりが見えたんだ!」
マリオ「明かり?…行ってみるか?」
ファルコ「ああ」
是非もなく頷いた

 

マリオ「ここだな」
走ってたどり着いたのは、光というよりも空間の裂け目という方が似合う
空間が破れ、そこから光が漏れていたのだ
ルカリオ「見たところ入れそうだが、どうする?この先は何が起ころうと不思議ではない」
マリオ「むぅ…。一端ルイージと合流する必要性は…」
ルカリオ「早く決めないとな」
マリオ「うるさいな、じっくり悩ませろ…」
ルカリオ「……時間切れだ」
マリオ「は?」
そう言うといなや、轟ッ!と風が沸き立った
少し前に味わったパターンだ
フォックス「風で……足が取られるっ!」
亜空間に引き込まれたように、空間の裂け目にも引き寄せられる
掴まる物などあるはずもなく
「「うわああぁぁーー!!!………ぁぁ…ぁ…………」」
あらがうことも出来ず、無惨に吸い込まれてしまった…

35

アイク「っつぁ…いてて…」
額をさすりながら、アイクは身体を起こした
マルス「う~ん…迂かつだったな…」
メタナイト「言わんこっちゃない。助っ人のお陰で命拾いしたな」
「「助っ人?」」
メタナイト「ああ。何処に居るか探してみろ」
アイク「あ?そんなの…」
カービィ「……!ぽよ!」
カービィがあからさまに怪しい段ボールを指した
これは…
アイク「この中、だよな…?」
アイクがひょいと段ボールを持ち上げた

「「!!!」」
マルス「……誰…?」
額にバンダナ。体育座りで段ボールに隠れていたのは…
スネーク「待たせたな!」
アイク「いや、待ってないけど…」
メタナイト「私もさっき紹介に上がったばかりだが、紹介しよう。彼の名はスネークだ。以後、仲良くするよう」
アイク「はあ…」
カービィ「ぽよ…」
何で段ボールの中に…
スネーク「仕方がないんだよ。隠れる場所なんて他にあるわけないだろ」
デデデ「それもそうだが…」
メタナイト「おっと、まだもう一人居るぞ」
「「えぇ!?まだ居るのか?」」
メタナイト「そうだ」
キョロキョロろ見回していたが、段ボールのような目ぼしい物は無い
マルス「何処に、そんなもんが…?」
全然全く見つからない
メタナイト「ギブアップだな。出てこい、ゲムヲ」
GW「……」
すーっと隠れていたというより、闇に溶け込んでいたのは、
メタナイト「紹介しよう。Mr.ゲーム&ウォッチ、ことゲムヲだ」
ガン黒い体、無表情、平面2Dの突っ込み所溢れる
アイク「GWって……ゴールデン・ウィークじゃないか!」
GW「……」
アイク「…おい、何とか言えよ」
GW「……」
メタナイト「見ての通り、彼は話すことが出来ない。だからさっきもcommunicateするのに苦労した」
アイク「はあぁ!?ただでさえ居場所が分からないのに!?縦から見たらただの線だぞ!?」
メタナイト「さらにここは背景がゲムヲと同じ色をしている為、保護色になっている。格段に視え辛いぞ」
マルス「だからなおさらなんだよ!」
GW「……」
アイク「いいからお前は
「「話せ!!」」


メタナイト「しかし、なんでこんな所に居たのか謎だな…」

 

画して
新たな仲間を引き連れた彼らは、先へと進むべく、歩を歩めるのだった…

ACT11

36

フォックス「う…ん…」
瞼の裏に光が差し、目が覚めた
どうやらまた気絶していたみたいだ
フォックス「ここは…あの空間の中身、か…?」
以前とは違い、光が通っている
しかし床の蒼と辺りの黒しか色はなく、なんとも殺風景な場所である
フォックス「そうだ、みんなは…!」
床にはまだ気絶したままのマリオたちが転がっていた
フォックスがファルコの元に駆け寄り、
フォックス「おい!起きろってば!」
ファルコ「……」
フォックス「駄目か…」
ため息を吐き、床に胡座を掻いたその時だった
「「ぅぁぁぁぁああああぁぁああああー!」」
突如人の声が聞こえたかて思うといなや、フォックスは身体に重量を感じた
フォックス「お…重い…」
身体の上にはさっき降ってきたであろう、ルイージら5人組がのっかっていた
リンク「おっと。これは失礼したな」
ひょい、とリンクとゼルダ
サムス「同じく」
ひょい、とサムスとピーチ
残るは
フォックス「…よお、俺のアーウィン壊した奴…?」
ルイージ「……」
リンク「感動の再会、とは言い難いみたいだな」
ルイージ「…あ。そ、そうだ兄さん!」
ただの言い逃れだが、気絶したままのマリオに駆け寄った
フォックス「やれやれ」
リンク「あれは起きないのか?」
フォックス「ん?ああ。叫んでも揺すってもビクともしない」
リンク「そうか」
そう言いながら、彼もマリオに近づき、
リンク「私が起こそうか」
ルイージ「え?あ、頼む」
何をするのかは分からないが、起こしてくれるなら訳ない
リンクはマリオの腹の辺りに拳を構え、
リンク「内臓、一発…!」
ぐっ、と内臓を圧した
ルイージ「?」
見た目はそうでもないが、受けは強烈だったらしく
マリオ「ぐぼぁっ!」
嘔吐しそうになりながら、目を覚ました
マリオ「げほっ!げほっ!げぼっ!ぉえ」
リンク「こんなところだ」
ルイージ「……」
フォックス(…えー……)
リンク「さて、残りの連中も起こしにかかるか…」
フォックス(ファルコー!逃げろー!起きろー!)


ドス
アイクラ「ギャッ!」
ズド
ルカリオ「ぬおっ!」
ドカ
クッパ「グオ!」
ズドン
ヨッシー「……!」
バチン
ファルコ「ぐおぉ…!」
ズガァッ!!
GD「のあぁ…!」

37

メタナイト「しかし、何だ」
アイク「何だよ」
メタナイト「人数が増せば、もっとうるさくなると思ったんだがな」
マルス「まぁ、それが常人であればの話だ、ゲムヲ」
ゲムヲの方を向いたつもりだったが
GW「……?」
アイク「ゴールデンウィークはこっちだ。どこ見てやがる」
マルス「あ…」
後ろ…
マルスは照れ隠しに咳払いした
スネーク「暗視ゴーグルでも持ってくるべきだったな…」
アイク「あ?なんか言ったか?」
スネーク「いや、こっちの話だ」
アイク「……」
それからは黙々と先に進むのみ
「「…………………


  …………………


  …………………」」
アイク「いやいやいや喋れよ!!」
マルス「話が進まねえだろ!喋れよ!!」
痺れを切らした二人が怒鳴った
メタナイト「…うるさいな」
アイク「そーゆー問題じゃねんだよ!」
メタナイト「もう目的地に到着だってのにな…」
マルス「え?」
よく見ると、目の前には一筋の光
かつて、掌底の餌食となった奴らのくぐった光のゲートがそこあったのだ
アイク「……入るのか…?」
ゴクリと固唾を呑んだ
メタナイト「ああ。恐らくこれが最深部への入り口だ。最後の戦いになるだろう」
マルス「って言ってもまだ一回しか戦ってないけどね」
スネーク「……」
デデデ「では、入るゾイ」
全員が頷き、緊迫した空気が流れた
しかしそれは無惨…いや、無様にも破られることになる
先陣切ってデデデが最初にくぐろうとしたのだが、彼の、その…あの体型がつっかえて、くぐろうにもくぐれないのだ
アイク「もっとデカイ孔を作れよなッ!!」
ぎゅうぎゅうとデデデの尻を押し、無理矢理中に押し込もうとする
デデデ「く…苦しい…ゾイ…」
スネーク「このくらい我慢しろ!」
頑張った甲斐あってか、しばらくしてポンッと中に収まった
だが安息は束の間
押していた側は、グラッと体勢が崩れ
マルス「ちょちょちょちょっ、うわあぁー!!」
デデデもろとも、奥に雪崩落ちたのだ
デデデ「ゾイイィィーーー……」
アイク「うるせえぇぇーー……!」
彼らの抗議の声と共に、孔の奥へと吸い込まれていった…

 
戻る                                                                続き

コメント