スマブラ個人小説/ななみの小説/亜空の使者 〜もう一つの物語〜

Last-modified: 2017-08-11 (金) 07:52:35

基本的には亜空の使者のストーリー通りに進みますが、後半は恐らくオリジナルにあふれると思います。コメントやご意見はトップページに書いてください。
ちなみにキャラクターのセリフは、
ジャック「こんな感じで表示されるッスよ。」
ヒデヨシ「ぶっちゃけ言うと、“キャラの名前「セリフ」”的な形式って事だぜッ。」
ピカチュウ「ポケモン、ヨッシー、カービィも喋る設定でチュよ~。」
あらすじ書かないのかって?・・・展開は読んで確かめてみてくれッ!!

第1話 動き出した歯車

“この世界”は、戦う事でお互いの力を認め合い、同時に存在を認め合う・・・、そんな世界だ。
そして“この世界”で、大いなる物語が生み出される事となる・・・。

~空中スタジアム~
「さぁーッ、今日も始まりました!本日の第一試合はマリオVSカービィ!」
司会の声がスタジアム中に響き渡る。
その途端、騒がしかったスタジアムが観客の声でさらに騒がしくなった。
そんな中・・・。
ゼルダ「ピーチさん、あなたはどちらを応援します?」
ピーチ「私はもちろんマリオを応援しますわよ。」
ゼルダ「では私はカービィを。」
ゼルダとピーチ、二人の姫も観戦をしていた。

ピーチ「あ、始まりますわ!」
ピーチはスタジアムに落とされたマリオのフィギュアを発見した。
そしてフィギュアは光り輝き、マリオが動き出した。
マリオ「おぉっ、今日も観客が多いな。」
マリオは辺りを見回す。その時、カービィのフィギュアが飛んできた。
そして空中でカービィのフィギュアは光り輝き、カービィも動き出した。
カービィ「ハーァイ!カービィ君でーすッ!」
カービィが観客にぱたぱたと手を振る。
その後、マリオとカービィは向き合った。

「さぁッ、マリオVSカービィ・・・、試合開始ッ!」
その声と同時に、マリオもカービィも飛び出した。

~天空界~
ピット「そこだッ!行けーッ!どっちも負けるなー!」
ピットは天からその様子を観戦していた。その時のピットの目は輝いており、少年らしさがうかがえた。

~戻って、空中スタジアム~
マリオ「食らえッ!ファイア拳底!」
カービィ「うわぁッ!?」
マリオの攻撃を受け、カービィは遠く吹っ飛ばされた。そして・・・そのまま落ちた。
「おーっと!ここで試合終了!第一試合は、マリオの勝利ーッ!」
その途端、スタジアムから歓声が沸いた。

マリオ「・・・おっと、忘れちゃいけない。」
そういうマリオの隣には、フィギュアになったカービィが居た。マリオはその金色の台座に触れる。
すると・・・カービィのフィギュアは再び輝き、またカービィは動き出した。
カービィは起き上がると、辺りを見回した。
カービィ「う~・・・。僕、負けちゃったんだね~。残念。ま、いっか!」
そういうと、マリオとカービィは観客に向かって手を振った。
会場がさらに沸いた。

この時、大いなる戦いへと進む歯車が動いていた事は、誰も気づかない・・・。

起こった事:空中スタジアムにて、マリオがカービィを倒す。

第2話 悪夢のカウントダウン

マリオ「・・・ん?」
マリオは遠くの空を見た。
こちらに大きな飛行船が飛んでくる・・・。
よく目を凝らすとそれは“戦艦ハルバード”だったのだ!
カービィ「ほえ?メタナイト・・・?」
カービィがハルバードを見ていると、ハルバードから黒い物質が落ちてきた。
そしてそれはスタジアムに落ち、見たことも無い生き物の姿を造ったのだ!
ピーチ「? あれは一体・・・!?」
ゼルダ「とにかく、行きましょう!」
ピーチとゼルダはスタジアムへと跳んだ。
ゼルダはフロルの風でスタジアムまで飛び移り、ピーチはパラソルでふわふわと舞い降りた。
マリオ「よしっ、来い!」
マリオの声と共に、4人は戦闘体勢に入った。
そして、異型の生き物・・・プリム達は襲い掛かってきた。
マリオ「スーパージャンプパンチ!」
カービィ「食らえーッ!ハンマー!」
ゼルダ「ディンの炎!」
ピーチ「野菜も食べなさいッ!野菜引っこ抜き!」
ピーチの言っている事が不思議な気がするが、そこは置いておき。
4人は見事なコンビネーションでプリム達を打ち破っていく。
そしてしばらくして・・・4人の活躍によって、プリム達は全滅した。
マリオ「よーし、参ったか!」
マリオが喜んでいた時だった。
ハルバードから、何者かが飛んできたのだ。
エインシャント卿「ここが空中スタジアムか・・・。」
そう言うと、エインシャント卿は爆弾のような物を落とした。
すると、2体のロボットが現れ、その爆弾に手を入れた。
そして・・・その爆弾はカウントを始めたのだ!
エインシャント卿「・・・頼んだぞ、お前達・・・。」
そう言うと、エインシャント卿はハルバードへと戻っていた。
マリオ「何のつもりかは知らないが、そんな事はさせないぞッ!」
マリオが爆弾へ向かった。その時だった。
煙の中から、巨大な鉄球がマリオに直撃したのだ!
マリオ「いやっふぅぅぅぅぅ・・・」
マリオは叫びながら遠くへ吹っ飛ばされてしまった。
カービィ「あ、ちょっと、マリオーッ!」
カービィは呆然と立ち尽くした。

その時だ。
「キャーッ!」
カービィ「んっ!?」
カービィは振り向いた。
ピーチ「だ、出してください~っ!」
ゼルダ「くっ・・・!油断していました・・・!」
なんとゼルダとピーチがボスパックンによって捕らえられていたのだ!
カービィ「あッ!二人を返せーッ!」
ボスパックン「返せと言われて返すかぁーッ!」
カービィとボスパックンが対峙した。
ボスパックン「くらえッ!」
そう叫ぶと、ボスパックンはカゴを振り回した。
カービィ「うわッ!お姫様入ってるっていうのに、コイツ!」
そう言いながらカービィは攻撃をかわす。
カービィ「とりあえず助けないと!」
そしてすぐにカービィは攻撃に移る。
カゴに閉じ込められている姫に気を使いつつ、カービィは戦った。
ボスパックン「くそ・・・、ぴょこぴょこ逃げ回りやがってーッ!!」
ボスパックンはそう叫んで怒り狂った。攻撃がさらに激しくなる。
カービィ「うわッ!」
ゼルダのカゴがカービィに命中した。しかし、カービィは受け身で体勢を取り直す。
カービィ「くっそー、もう怒ったぞッ!食らえ、ファイナルカッター!」
カービィは剣を構えると高く飛び上がった。
ボスパックン「ぐおっ・・・!?」
ボスパックンはモロに受け、体勢が崩れた。そしてその隙をカービィは見逃さなかった。
カービィ「えーいッ!」
そのままカービィは急降下し、そしてカッター弾をお見舞いした。
ボスパックン「ぐッ・・・!ぎゃあああああああ!」
カッター弾が決定打となり、ボスパックンは倒れた。
そしてファイナルカッターが当たっていたゼルダのカゴが壊れたのである。

ゼルダ「・・・ありがとう、助かりました・・・!」
カービィ「良いって、良いって!」
カービィとゼルダは上手く着地をした。
ゼルダ「それより、ピーチさんを・・・!」
ゼルダはピーチを探した。
「止まれ、お前らーッ!」
その時、またしても誰かが現れた!
ゼルダ「あなたは・・・ピーチさんから聞いた・・・ワリオ!?」
ワリオ「おお、姫様がオレの名を知っているとはな!光栄だぜ・・・。だが、眠っててもらうぜ!」
そう言うと、ワリオは銃のような物をカービィとゼルダに向けた。
その時、ワリオの背後でガタガタと音がした。
それは、逃げ遅れたピーチだったのだ。
ワリオ「ん・・・?逃げ遅れたか。なら、先にこっちだ!」
そう言うとワリオは狙いを変え、ピーチに銃口を向け、黒い矢印の光線を放ったのだ!
ピーチ「あら・・・?はっ!?」
避ける間もなく、ピーチはその光線に当たってしまった。
その瞬間、ピーチはフィギュアになってしまったのだ!
ゼルダ「ピーチさんッ!?」
カービィ「なぬぅッ!?」
二人が呆然としていると、ワリオはピーチのフィギュアを抱え、逃げていった。
ゼルダ「! 逃げるつもりです!」
カービィとゼルダはワリオを追った。
カービィ「・・・ん?」
その時、カービィは爆弾の事を思い出した。
爆弾は・・・あと少しで爆発する!
そして・・・

ドッカーーーーーーーーーン!!!!!

耳をつんざくような大きな音が響き、空中スタジアムはブラックホールのような空間に吸い込まれてしまったのだ・・・!
カービィ「・・・大丈夫!?」
ゼルダ「は、はい・・・。なんとか・・・。」
カービィとゼルダは間一髪でワープスターに乗り、無事だったのだ。

しかし、この事件はまだ“大いなる物語”の始まりの一つに過ぎない。
この物語は、壮大なものなのだから・・・。

起こった事:ピーチが連れ去られる。
カービィ、ゼルダを連れて空中スタジアムを脱出。空中スタジアム消滅。

第3話 蠢(うごめ)く闇

~天空界~
ピット「・・・・・あッ!?」
天からマリオとカービィの戦いを観戦していたピットも、空中スタジアムが亜空間に吸い込まれる瞬間を目撃していた。
ピット「一体何があったんだ!?そんな事より、地上がなにやら大変そうだ・・・!!」
ピットは映像の前であわてていた。
その時、ピットの後ろに眩い光が差した。
そこに現れたのは、天使長であるパルテナだった。
ピット「あ・・・、パルテナ様・・・!」
ピットはすぐさまパルテナの前で礼をした。
パルテナは口を開いた。
パルテナ「・・・今、地上は大いなる闇に覆われようとしています。私達も黙って見ているわけにはいきません。」
そう言うと、パルテナはパルテナの神弓を取り出し、ピットに渡した。
パルテナ「ピット。あなたは地上へ向かい、闇を食い止めるのです。
さぁ・・・行きなさい。」
ピット「・・・はい!」
元気よく返したピットは、すぐに大きな扉の前へと走っていた。
そして扉はゆっくりと開き、ピットはそのまま地上を目指して飛び立っていった。

ピット「・・・まずは空に異常が無いか見ていこう。」
そう思い、ピットは雲の上へ降りた。

その時だった。

ピット「あれは・・・!?」
ピットの目に、戦艦ハルバードが映った。
ハルバードは黒い影のような物質を雲の上に落としていった。
そしてそれは大量のプリムを形作ったのだ!
ピット「これは・・・!空中スタジアムの・・・!」
そう言うとピットはパルテナの神弓を二つに分解し、双剣にして構えた。
周りには大量のプリムが居るが、一体一体は弱い存在だ。
ピットは一体一体確実に倒し、雲の道を進んでいった。

そして戦いを潜り抜けてしばらくした所で、ピットは雲の中に何かが埋まっているのを発見した。
よく目を凝らしてみると、それはMの字が書かれた帽子を被ったフィギュアだった。
ピット「あれは・・・!マリオさん!?」
ピットは急いでフィギュアに近寄った。それは間違いなくマリオだった。
ピット「マリオさん・・・今助けます!」
そう言うと、ピットはマリオのフィギュアの台座に触れた。
するとマリオのフィギュアは光り輝き、マリオは動き出した。
マリオ「う・・・うーん・・・。」
マリオは顔を少し振り、下がっている帽子を上げた。
マリオ「君が・・・僕を?」
ピット「はい。僕、パルテナ様に地上を救うように言われて、地上を目指している途中なんです。
パルテナ様は言ってたんです・・・。『今、地上は大いなる闇に覆われようとしている』って。
だから・・・僕は世界を救いたいんです!」
ピットが叫ぶ。マリオはピットの目を見た。
その目は真剣なものであり、なんとなく、などといった心は無かった。
そしてマリオはうなずいた。
マリオ「・・・分かった。僕も一緒に行くよ!」
ピット「本当ですか!?ありがとうございます!僕はピット・・・よろしくお願いします!」
マリオ「僕はマリオ。こちらこそよろしく!」
二人は自己紹介をすると、地上を目指して進んでいった。
そしてその道中でも、プリム達は襲ってきた。
マリオ「邪魔するなッ!」
ピット「くらえぇぇッ!」
マリオの炎と、ピットの青いの矢が炸裂する。
プリム達はそれを受け、消滅していった。
ピット「あ、あれ!」
ピットは遠くの空を指差す。そこにはハルバードが飛んでいた。
マリオ「あれは・・・こいつらを発生させたやつじゃないか!」
ピット「早く追いかけましょう!」
そう言いながら、ピットはプリムを倒していく。
マリオ「それもそうだな!」
そしてマリオはプリムの顔面にパンチをお見舞いし、ピットに続いた。

プリム達の猛攻を潜り抜け、ピットとマリオはハルバードを追った。
しかし、少し遅れをとってしまったらしく、ハルバードは届きそうにない場所にあった。
マリオ「くそっ、遅かったか・・・。」
マリオが悔しがる。
その時、背後から何かが飛んでくる音がした。マリオとピットはその方を向く。
それは青い飛行機のような機械で、そのままハルバードを追って高速で飛んでいった。
ピット「今のは・・・一体?」
マリオ「・・・とにかく、僕らも追いかけよう!」
マリオの声でピットはうなずき、二人は地上を目指した。

「クッパ・・・作戦は順調に進んでいるな?」
黒い肌の男が亀の大王・クッパに通信で聞いた。
クッパ「ぬゥ・・・。やってるのダ!いちいち口うるさいのだお前、全ク・・・!」
ガノンドロフ「お前ではない。ガノンドロフだ。」
クッパ「ぐゥ・・・。」
あまり言い返せないまま、クッパは通信を切った。
ガノンドロフ「フンッ・・・。小物が調子に乗りおって・・・。」
そう呟くと、ガノンドロフは後ろを向いた。
ガノンドロフ「お前達も・・・分かっているな?」
そこには、たくさんの人間達が居た。

小島よしお「了解ピィア~。」
英孝「オッケー、オッケー。任せてー。」
世界のナベアツ「了解~。オモロー!」
田村裕「よーし、任せろー!」
千場吉兆の女将「はい、お任せを。」
ドナルド「ドナルドは、みんなより頑張るつもりだよ。」
つるの「任せてください!」
野久保「了解しました!」
上地「任せてくださいよ~、ガンモドキさん!」
ガノンドロフ「・・・ガノンドロフだっつーの・・・。(汗)」
ガノンドロフが居る司令室に居るのは、実在人物達だった。
自分達がブーム、もしくはブームが去ったため、それによって亜空軍に加担しているのだ。

あい「・・・植木、指令が入ったわよ!『メルヘヴンから来た人間を始末しろ』って・・・。」
植木「・・・やっぱ来ちまったのか。指令・・・。ギンタ達を倒せ・・・ってか?」
清一郎「しゃあないわな。ここに居る以上・・・な。」
鈴子「戦うしかないんですのね。私達のためにも・・・。」
彼らはサンデーから来た中学生達である。なんらかの理由で亜空軍に加担しているようだ。
そしてこの4人と・・・。
あい「ヒデヨシ・・・?ちょっとヒデヨシ!聞いてるの?」
ヒデヨシ「え?あ・・・。」
どこか宙を見ていたヒデヨシが、我に返る。
鈴子「あの・・・大丈夫ですの?」
清一郎「何かあったんか?」
二人に尋ねられ、ヒデヨシは押し黙った。
ヒデヨシ「・・・・・。 いや、なんでもねぇ・・・。」
植木「・・・そっか。」

ロディ「いよいよ・・・僕達も動くことになってしまったね・・・。」
ロディが出された指令を見てうつむいた。
セシリア「私達は・・・戦うしかないのでしょうか・・・?」
ザック「そらしゃあねぇな、姫さん。あいつらには・・・逆らえねぇ。」
ザックが言うとセシリアはため息をついた。

ジェーン「ちっ、来ちゃったか~。ホンットめんどくさいんだけど!」
マクダレン「では・・・任務破棄の報告をして参りましょうか?」
ジェーンはしばらく「う~ん」と考えたが、机に置いてあるARMを手に取った。
ジェーン「仕方ない・・・。行くかっ。」

エマ「・・・私はハルバードの管理ね?分かったわ・・・。」
そう言うとエマは通信を切った。その後ろで、マリエルはソファに座っていた。
エマ「・・・来なかったのね?指令。」
マリエル「あ、はい・・・。」
エマ「戦いなんて、しない方がいいのよ。あなたは大丈夫。生き延びる事だけを考えて・・・。」
そう言うと、エマは部屋を出て行った。

「ゼぇぇぇぇ~~~~ットぉぉぉぉぉ!!」
部屋で大声で叫ぶ輩が一人。
ゼット「ふはははは!遂に来たぞー、指令が!俺様の春がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!」
明らかに悪役のセリフです(汗) ゼットは部屋を飛び出していった。
指令の書かれた手紙を読まずに・・・。

彼らは亜空軍ではあるが、本当は手を組みたくはなかったのだ。
しかし、ファルガイアを人質に取られた状態にあり、従うしか方法が無かったのだ。

そして、とある地にて。
ミュウツー「・・・!」
ロイ「? どうしたんだ、ミュウツー?」
ミュウツー「・・・嫌な気配を感じた。」
こどもリンク「じゃあ・・・まさかやつらが!」
ドクターマリオ「噂は本当だったようですね。」
ピチュー「はやくいこう!あくうぐんをやっつけないと!」
ロイ「・・・そうだな。行こう!」
とある地で、居なくなっていた彼らも動き出した。
彼らは亜空軍の噂を聞きつけ、それを食い止めるために姿を消していたのだった・・・。

そして、“この世界の人間”と“この世界にやってきた人間”の動きが、
この壮大な物語を造っていくこととなる。

起こった事:ピット、マリオに出会う。
アーウィン、ハルバードを追う。
亜空軍とロイ達が動き始める。

第4話 ハルバードの上のメルヘヴン

~戦艦ハルバード~
「う~ん・・・。」
一人の少年が、ハルバード艦内でうろうろしている。
「第一家来!乗り込んだはいいが、何も見つからんではないかッ!」
「うっせーな、バッボ!オレだって乗りたくて乗ったんじゃないんだッ!」
チーム「メル」のリーダー・ギンタと、そのÄRMであるバッボが喧嘩を始める。
「だが、乗ってしまったことに変わりはないぞ、ギンタ。」
アルヴィスが口を開く。
「まぁ、あたしだったらゼピュロスブルームを使って逃げられないこともないけど、みんなを置いていくのはねぇ・・・。」
ドロシーも喋り始めた。
「とにかく、どうするんッスか?」
「この戦艦が降りるのを待とう。そうすれば、逃げる機会もあると思う。」
ジャックの質問に、スノウが提案する。
「ま、敵にばれなければの話やけどな。」
全員「はっ?」
ナナシの言葉に、全員が驚く。
「・・・向こうもやる気のようだぜ?」
アランは通路の遠くを見た。
大量のプリムが、ギンタ達に迫ってくる。
ギンタ「! みんな!分かれて逃げよう!」
ギンタの声で、全員ばらばらに逃げ出す。

そしてギンタは強行突破を試みた。
ギンタ「邪魔すんな!ハンマーアーム!」
その途端バッボの姿がハンマーのような形に変わり、ギンタの腕に付いた。
そしてギンタはそのままプリム達を殴り倒す。

ジャック「ウェポンÄRM!バトルスコップ!」
ジャックの左腕にあったブレスレットが変形し、スコップが現れる。
ジャック「そこをどくッス!アースウェイブ!」
そう叫んでスコップを地面に刺した瞬間、地面が割れ、一直線に進んでいく。
プリム達はそれに飲み込まれ、消えていく。
ジャック「本当は土とかが地面の方が有効なんッスけどね・・・。というか、本当にばらばらになってよかったんスかねぇ・・・。」
ジャックは、少なからず不安を抱いていた。

スノウ「アイスドアース!」
その瞬間、スノウの手から無数の氷のつぶてが飛んでいく。
それはプリム達に命中し、プリム達を凍りつかせた。
スノウ「今のうちに・・・ッ!」
そのままスノウは通路を走っていく。

アルヴィス「13トーテムロッド!」
アルヴィスは13トーテムポールをロッドの形状にし、戦っていた。
リーチが長いので、プリム達のほとんどはアルヴィスに近づくことなく、消滅していく。
アルヴィス「それにしても・・・敵の数が多い。一体どこから・・・?」
そう言うと、アルヴィスは敵が出てくる根本的な原因を探すことにしたようだ。

アラン「うおぉぉぉッ!エアハンマー!」
そう叫んだアランは目の前に左腕を突き出す。
その瞬間、空気で出来た弾がプリム達に命中する。
そしてプリム達はあっけなく消えていく。
アラン「俺と戦うには早すぎだったなァ!」
そう言うと、アランは通路を突き進んでいった。

ナナシ「エレクトリック・・・アイ!!」
そう叫んでプリム達を指差す。その途端プリム達に雷が降り注ぐ。
ナナシ「弱いのォ・・・。ワレは。」
そうナナシは言い捨てると、出口を探して走り始めた。

ドロシー「ゼピュロスブルーム!」
ドロシーは自分の周りに風を起こし、そしてプリム達にぶつけた。
プリム達は風に振り回され、吹っ飛ばされる頃には、ほとんどのプリムが消滅していた。
ドロシー「早いとこみんなを見つけて合流しないと・・・。」
ドロシーは先を急ぎ、走り出した。

ギンタ「・・・んッ?」
道の途中まで来たところで、ギンタが突然立ち止まる。
そしてバッボも元の姿に戻った。
バッボ「どうした、第一家来。何かあったのか?」
ギンタ「いや・・・。嫌な予感がする・・・。」
バッボ「? 何を言って・・・。」
バッボが言いかけた瞬間、ギンタの顔面にパンチが飛んだ。
ギンタ「!?」
そのままギンタは窓を突き破って落とされた。
ギンタ「(見えない・・・パンチ!? って、あ!?)」
ギンタは周りを見ると、仲間も同様に落とされている。
ギンタ「みッ、みんな!今助けるからな!」
そう言ってギンタはガーゴイルを召喚しようとした。が・・・。
バッボ「それ以前に自分の心配をせんか、第一家来!地上はすぐそこじゃぞ!」
ギンタ「え?あッ!?」
ギンタが下を見ると、確かに地上はもう目の前だった。
ギンタ「ッ・・・、ゴメン、みんな!バッボ・バージョン5!クッションゼリー!」
そう叫ぶとバッボの姿がオレンジ色のゼリーのようなものに変わり、ギンタを包み込んだ。

そして地面に落下したが、ギンタは傷一つ負わずに済んだ。
ギンタ「・・・みんな・・・、すぐ助けにいくからな・・・!」
そう言って、ギンタは立ち上がった。

こうしてばらばらになってしまったことが、仲間を危機に陥れるなど、
今のギンタには分からない・・・。

起こった事:ギンタ一行、ハルバードに乗り込んでしまい、落とされて散り散りばらばらになる。

第5話 おサルの追跡!バナナ大捜査線

上空にて。カービィとゼルダがワープスターに乗って逃げていた。
ゼルダ「カービィさん、どこまで逃げるんですか・・・?」
カービィ「うーん・・・、とりあえず安全なとこ!」
ゼルダ「・・・はぁ・・・。」
ゼルダは少々不安だったようだが、カービィを信じることにした。
その時、後ろから何かがワープスターに突っ込んできた。
戦艦ハルバードだ。
カービィ「え?あ、ちょッ!危ない危ない危ない・・・!」
しかし、カービィの叫びもむなしく、戦艦ハルバードとワープスターは激突した。
大きさは戦艦ハルバードの方が大きいので、ワープスターが吹っ飛ばされてしまった。
カービィ「ああーーーーーッ!」
ゼルダ「きゃあッ!?」
二人はハルバードの上に落下してしまった。

カービィ「・・・ふぃー、ハルバードの上で良かった~・・・。」
ゼルダ「しかし・・・どうしましょう?」
カービィは「うーん」と考えると、
カービィ「まぁ、このままあっちを目指そうか。」
と言って、走り出した。ゼルダはそれを追う。
そしてブリッジに来た時だった。
遠くから青い飛行機のような機体が飛んできた。それはハルバードを撃っているが、一向にかなわない。
そしてハルバードの放った一発が機体の右翼に命中し、機体はそのまま落下していった。
カービィ「ん・・・、アレ?こっち来る!?」
機体はカービィとゼルダの近くを突っ切りながら落ちていった。カービィとゼルダはそれに飛ばされ、ハルバードから落下してしまったのだった・・・。

カービィ「ういー、痛かったぁ・・・。」
カービィが起き上がる。
ゼルダ「ここは・・・雲の海?」
ゼルダは辺りを見回して言った。
辺り一帯は雲しかない雲海だった。
カービィ「ま、落ちちゃったんだし・・・。地上を目指そうか。」
ゼルダ「あ、はい・・・。」
二人は地上を目指して走り出した。
その道中、プリム達が襲ってきた。
カービィ「いつもいつもうるさいなーッ!くらえ、ストーン!」
ゼルダ「稲妻キック!」
カービィの攻撃とゼルダの攻撃がプリム達にヒットする。プリムはその一撃で吹っ飛ばされた。
カービィ「道出来たー!行こー!」
道が出来た隙に、カービィとゼルダは先へ進んだ。

~所変わって、ジャングル~
「うおぉぉぉーーーーーッ!」
ジャングルから大声が響き渡る。
「バナナを返せーーーーーッ!」
その大声の持ち主は・・・ドンキーコングであった。
目の前に立ちふさがるノコノコやクリボーを強烈な一撃でぶっ飛ばし、ジャングルから飛び出した。
ドンキー「バーーーナーーーナーーーッ!」
ドンキーは胸を叩いて大声で叫ぶ。
その時、大量のバナナを積んだカーゴから、3体のキラーが放たれた。ドンキーに向かっていく。
「兄貴ーーーーーッ!」
その声で、ドンキーは身構えた。
そのドンキーを台に、ディディーコングが大ジャンプをした。
ディディー「キラーめ!ピーナッツポップガンを食らえッ!」
そう言うと、ディディーは木で出来た銃のようなものから、ピーナッツの弾を発射した。
そのうち二発がキラーに命中し、爆破した。
しかし、残り一体が突っ込んでくる!
ディディー「落としそこなったか!でも、これでどうだ!」
そう言うと、ディディーは体勢を変え、また弾を二発放った。
それは同時にキラーに命中し、そのままキラーは落下した。
そして・・・
ドンキー、ディディー「どうだッ!」
二人が決めポーズをとると同時に、キラーは爆破した。
ドンキー「・・・あッ、しまった!キラーに気をとられてる間に・・・!」
ドンキーの言う通り、バナナを積んだカーゴは遠くにさらに遠のいていた。
ドンキー、ディディー「・・・見てろよッ!」
そう言うと、二人はカーゴめがけて飛び降りた。
ディディー「待てー、バナナ泥棒ーッ!」
ドンキー「サル科からバナナを取るとどうなるか教えてやるーッ!」
二人(匹?)はカーゴを追いかける。
しかし、カーゴは速い。なかなか追いつけない。
ドンキー「・・・ディディー!ピーナッツポップガンだ!」
ディディー「了解ッ!くらえ!」
ドンキーの指示通り、ディディーはピーナッツポップガンを放った。
それはカーゴのエンジンにぶつかり、爆発した。
そしてそのままカーゴは横転し、操縦していたハンマーブロスは振り落とされてしまった。
ハンマーブロスは「やべー!」と言うと、そそくさと逃げ出した。
ディディー「わーいわーい!やった、やったー!」
ドンキー「よーし、バナナは取り返したぞ・・・!」
二人が喜びに浸っているときだった。

「ふっふっフ・・・。まんまと引っかかったナ!」

その声に二人が振り向くと、そこに居たのはクッパだった。
ディディー「引っかかっただと?なめやがってー、このやろー!」
そう言うと、ディディーは戦闘体勢に入る。
クッパ「威勢はいいようだナ。だが勝負は一瞬でつク!」
クッパはにやりと笑うと、黒い銃のようなものを構えた。
ディディー「? なんだ、そりゃ?」
クッパ「くっくっク・・・。サルに理解できるかどうかは分からないガ、教えてやル。
これは『ダークキャノン』といウ、亜空軍の新兵器ダ。これを受けれバ・・・。」
そう言いながら、クッパはその銃を撃とうとしていた。
ドンキーは嫌な気配を感じ、ディディーを見た。
ドンキー「ディディー、逃げろッ!」
そう大声で叫び、ドンキーはディディーを殴り飛ばした。
ディディー「うええええ!?」
高く放り出されながら、ディディーはダークキャノンから放たれた黒い矢印のような光線が、ドンキーに当たる瞬間を目の当たりにした。
ディディー「! あ・・・兄貴ーーーーーッ!」
大きな叫び声を上げながら、ディディーは遠く吹っ飛ばされていった・・・。
クッパ「サルの方には逃げられたガ・・・、こっちはとれたカ。」
フィギュアにされたドンキーを見ながら、クッパは「ふっふっフ」と笑った。

~同じジャングルの某所~
「・・・参ったなァ・・・。」
白いローブのようなものを羽織った男が、辺りを見回す。
それはアランだった。ハルバードから落とされ、ジャングルに落ちたようだ。
アラン「妙な戦艦から落とされて・・・こんな所に落ちまうとはなぁ。しかし、ここはどこなんだ・・・?」
アランが辺りをもう一度見回したとき、何かが隣を横切った。
アラン「!?」
敵だと思い、アランはエアハンマーのÄRMを発動させ、空気の弾を放とうとした。
そして、その何かとは・・・。
「Hey!何もたもたしてんだ?」
それは青いハリネズミ・ソニックだった。
アラン「・・・?? ハリネズミ・・・?」
ソニック「おいおい、もたもたしてんなよ!オレは先に行くぜ!」
出会って間もないにも関わらず、ソニックはアランに普通に話しかけた。そしてまた走り出す。
アラン「!? おい、何なんだよ、お前は・・・。って、もう居ねえ・・・。」
アランが呆れて立ち去ろうとしたときだ。

「Hey!?何するんだ!」

アラン「・・・さっきのやつの声?」
アランが振り返ると、ソニックがカゴに閉じ込められ、アロアロスに連れ去られている。
アラン「!! 待ちやがれ!」
そう走ると同時に叫んだアランは、アロアロスを追った。
アロアロスはそれを感知し、飛び立つ。
アラン「逃がすかあぁッ!エアハンマー!」
アランはÄRMを発動させ、空気の弾をアロアロスに放った。
広範囲に放った弾のうち、一発がアロアロスに命中し、アロアロスはそのまま落ちた。
そしてカゴが壊れ、ソニックはカゴから飛び出した。
ソニック「Thenk you!助かったぜ!」
アラン「ったく・・・。自分の身ぐらい、自分で守りやがれ。」
アランはため息をつきながら話す。しかし、安心したようで、目を閉じた。
そして再び目を開けると・・・!?
ソニック「もたもたしてると置いてくぜ!」
そう言って、ソニックはまた走り出した。
アラン「おいッ!お前さっきもそれで捕まっただろ!おいコラ!待てーーーーッ!」
アランはソニックを追って走り出した。

ジャングルにて、二つの始まりが起きた。

起こった事:カービィとゼルダ、逃走中にアーウィンとハルバードの戦いの巻き添えに会い、雲海へ落下。そのまま地上を目指す。
ドンキーとディディー、バナナを取り返す。
ドンキー、ディディーを逃がして自らはフィギュアにされる。
アラン、ソニックを助ける。

第6話 ブームのため、そして洞窟の出会い

その頃、マリオとピットはやっと地上に降りてきていた。
マリオ「けっこう空の上って大変なんだねぇ・・・。」
ピット「本当ですね。あんな高いところに居たのかと思うと、びっくりしますよ。」
マリオ「君は元々空の上に住んでたんだろ(汗)」
ピット「あ・・・、そうでした。」
ピットは恥ずかしがり、ちょっと頭を掻いた。
その時、二人の頭上を何かが通過した。
それは・・・エインシャント卿!
マリオ「あいつは・・・!」
マリオはあの時のことを思い出した。
エインシャント卿が妙な爆弾を空中スタジアムに仕掛け、そして観客達を巻き込んだのだ・・・。
マリオ「くそッ・・・!許さないぞ!待てーーーッ!!」
そう叫ぶと、マリオは自慢のジャンプで爆弾を叩き落そうとした。
しかし、あと一歩の所で届かない。
その時・・・。
ピット「待てぇーッ!逃がさないぞーっ!」
マリオ「ぎゃふん!?」
そう叫んだピットが、事もあろうにマリオを踏み台にしたのだ!
そしてピットも爆弾を叩き落そうとしたが、やはり届かなかった。
ピット「くそっ・・・、逃げられた・・・!」
マリオ「『くそっ』って言いたいのは僕もだよ、全く・・・。」
ピット「あ・・・、すみません!追いかけるのに夢中で・・・。」
ピットはすぐにマリオに謝った。マリオは「平気だよ」と言ったが、小さく「・・・矢を使えよ。」と呟いていた。
その時だ。

「うぇい!マリオとピットめっけ!」
「案外簡単に見つかるんですね~。」

ピット「!? 誰!?」
ピットは後ろを向いた。
そこに立っていたのは、小島よしおと世界のナベアツだった。
マリオ「き、君達は誰!?見かけないやつだけど・・・。」
小島よしお「そりゃそーだ。俺達は別の世界から来たんだもんな~。」
世界のナベアツ「その通り、その通り~。」
ピット「別の・・・世界?」
二人の言葉を、ピットとマリオは不思議に思った。
小島よしお「そうそう。俺達の世界って、もっと人が多くて広いんだよ。文化も発達してるしな。」
世界のナベアツ「で、僕達芸能人はテレビに出て活躍してるんだよ~。」
マリオ「・・・良かったじゃないか。それのどこが嫌なんだい?」
マリオの言葉に、世界のナベアツが人差し指を振った。
世界のナベアツ「嫌なわけないでしょ~。でも、僕達芸能人は、テレビに出ないと売れないんですよ。」
小島よしお「だから仕事をもっと増やすために、亜空軍に入ってるって訳だよ。」
ピット「自分の利益のためだけに、世界を滅ぼすなんて許さない!」
ピットはパルテナの神弓を構えた。
マリオ「お前達の好きにはさせないぞ!」
マリオは二人に飛び掛った。
小島よしお「うぇ~い!」
小島よしおはマリオのパンチをかわした。
マリオ「くっ!こいつ武装がないから素早いな・・・!」
ピット「マリオさん!援護します!」
世界のナベアツ「させるか!声カッター!アッ!
世界のナベアツの声と共に、声が刃となって飛んできた。
ピット「わっ!」
ピットは間一髪で避けた。
マリオ「ピット!」
小島よしお「どこ見てるんだ~?くらえ!」
小島よしおのパンチがマリオに命中する。
マリオ「うわッ!!」
ピット「マリオさん!くっ・・・!エンジェリング!」
ピットはパルテナの神弓の持ち方を変え、高速で回転させた。
小島よしお「うぎゃあぁぁ!」
小島よしおは接近しようとしていたので、そのままエンジェリングを食らった。
世界のナベアツ「!! まずいぞ~、コレは・・・。」
マリオ「助かったよ、ピット・・・。さぁ、海パンの方はもう倒れる寸前だ。残るはお前だけ!」
ピットとマリオが世界のナベアツを睨みつけたときだ。

「みんなも一緒にやってみよう!ランランルー!」

その妙に元気な声と同時に、衝撃波のようなものがマリオとピットを襲った。
マリオ「!! 避けるんだ、ピット!」
ピット「は、はい!」
二人はなんとかその攻撃を回避した。しかし・・・。
マリオ「あれ、あの二人は!?」
ピット「逃げられた・・・みたいです・・・。」
二人は衝撃波を避けている間に、小島よしおと世界のナベアツに逃げられてしまっていたのだった・・・。

~洞窟~
「どう?そっち、なんか手がかりになりそうなものある?」
「いや、全ッ然。姉ちゃんは?」
「こっちも全然。なんか気になったんだけどねー、この洞窟。」
洞窟で男女の会話が聞こえる。
この二人はロドキンファミリーのパノとレノ。パノが姉で、レノが弟だ。
二人もこの世界にやってきてしまったようであり、帰る方法を探しているのだろう。
レノ「姉ちゃん、もう調べるのはここまでにして一回戻らねぇ?」
パノ「うーん・・・、そうだね。何もないみたいだし・・・。」
二人が諦めて帰ろうとしたときだ。
レノ「っ、おっと!」
レノが段差につまづき、転んだ。
そのとき、妙なスイッチを起動させてしまったのだ。
その途端、レノの足場が大きな穴になった。
レノ「うっ、うわッ・・・!?うわあぁぁぁぁぁ!!」
パノ「レノ!レノーーーーーッ!」
パノはレノを助けようとしたが、あと一歩の所で届かず、レノは奈落の底へと落ちていった。

パノ「レノ・・・、レノ・・・。ごめんね・・・、あたしがもっとしっかりしてたら・・・。」
パノは罠で開いた穴の前で、ずっとすすり泣いていた。
そのとき、誰かがパノの後ろにやってきた。
「おねえちゃん・・・どうしたの?」
パノが振り返ると、そこには黒い髪の上に狐のような耳が生えた少女が居た。
パノ「?・・・あな・・・たは・・・?」
ハサハ「ハサハ・・・だよ・・・。」
ハサハは静かにそう答えた。
パノ「・・・そっか・・・。どうしたの、こんな所で・・・。」
ハサハ「おっきな声がしたから・・・来てみたの・・・。そしたら・・・おねえちゃんが泣いてた・・・。」
その言葉で、パノは涙を拭いた。
パノ「・・・泣いてなんかないよ。そうだよね・・・、助けなくっちゃね!
それにレノのことだもん。きっとどこかに出てきてるんだと思う。だから・・・探しに行かなくちゃ!」
すると、ハサハがパノの腕を掴んだ。そして小さくこう言った。
ハサハ「・・・ハサハも・・・連れてって・・・。」
パノ「連れてって、って・・・、そりゃもちろん!仲間は多い方がいいしね!」
そして、二人は洞窟の入り口を目指した。

~洞窟の地下~

ああ、俺死んだのかな・・・。
短い命だったな・・・。
もっとやりたいこともあったし、行きたい場所もあったけど・・・。
死んじまったよ・・・俺・・・!

レノの頭の中で、そんな言葉が響き渡る。
そのとき、別の声が聞こえた。
「お・・てめ・・・・ど・!」

・・・え?

レノは目を開けた。
下で誰かがギャーギャー騒いでいる。
「おい、てめぇ!早くどけ!」
レノ「えっ?あ、悪ぃ・・・。」
レノが起き上がると、そいつはすぐに起き上がり、服をはたいた。
子供のようだが、背中にコウモリのような羽が生えており、矢印のような尻尾も付いていた。
「ったく、ニンゲンの分際でオレの上で気絶しやがって!このアホが!」
レノ「っ・・・、なんだと、この野郎!てめぇ生意気だぞ!」
レノが怒ると、その子供は大声で怒った。
「黙ってろ、ニンゲン!」
レノ「・・・!!」
レノはその言葉に、威厳や威圧感を感じた。
「そもそも罠にかかって落ちてきた時点でてめぇはアホだろ!」
レノ「そ・・・そりゃあ・・・。」
レノが言葉に迷っていると、子供はそっぽを向いた。
「ったく、ニンゲンの悪ぃ癖だ!自分の長所とかを言われるとすぐに受け入れるが、短所や欠点を言われるとこの通りだ!他人から見た欠点ぐらい一応頭に入れとけっつーの!」
レノ「・・・お前・・・、一体・・・?」
そう言われると、子供は「ヒヒヒヒッ」と笑った。
「さぁ、何だろうなァ・・・?考えれば分かるんじゃねーのか、ニンゲンよォ?」
子供がそう言うと、レノの頭を「悪魔」という言葉がよぎった。
信じられなかったが・・・、態度や羽、尻尾、そして自分のことを「ニンゲン」と呼んでいるところを考えると、恐らく当たりなのだろう。
レノ「・・・お前が悪魔だってのはよく分かった。名前を教えろ、名前を。ずっと“悪魔”じゃ呼びづらいだろ。」
「あァ?名前ェ・・・?」
レノに問われると、子供は考えた。そしてしばらくして、口を開いた。
バルレル「バルレル・・・、仲間にそう呼ばれてたから、それでいい。」
レノ「バルレルだな。分かった。これからはそう呼ぶ。」
そう言うと、レノは道を歩いていった。
バルレル「? お前、どこ行くんだ?」
レノ「出口探すんだよ。来たきゃ一緒に来い。嫌なら来んな。」
バルレル「あ、おい!待て、コラ!」
バルレルは歩いていくレノを追って走り出した。

しかし、マリオ達も、亜空軍も、レノ達も・・・。まだ、誰も知らない。
大きな闇が、ゆっくりと動き出していることを・・・。

起こった事:マリオとピット、エインシャント卿に逃げられる。
パノ、レノとはぐれ、ハサハと出会う。
レノ、バルレルと出会う。

第7話 偽のギンタ

洞窟の地下にて、レノは出口を探していた。バルレルはそれについてきている。
バルレル「・・・おい、お前もうずっと歩きっぱなしじゃねーか!少し休もうぜ?」
レノ「ダメだ。」
バルレル「はぁ!?てめぇ何言って・・・。」
バルレルがレノに言うと、レノは一気に振り返った。
レノ「俺は・・・一刻も早くここから出て、姉ちゃんを安心させる。それだけだ。」
バルレル「・・・!!」
仮面から見えるレノの目を見たバルレルは、一瞬ひるんだ。
レノの目は真剣なものであり、何か大きな目標を持っているという目だった。
バルレル「・・・お前・・・。」
バルレルは、レノがいかに真剣かを知った。
きっと大きな目的があるのだろう。何かを待たせてはいけないという心があるのだろう。
そしてバルレルは口を開いた。
バルレル「・・・しゃーねぇな。つきあってやるよ。」
レノ「・・・そうか。」
バルレルには、レノが仮面の中で笑ったように見えた。
その時だった。

「右見て、左見て、ボク見て~。」

レノ「!? 誰だ!」
レノがストームカタールのÄRMを発動させ、構えた。
その時、遠くから鉄のブーメランのようなものが飛んできた。
レノはそれを防ぐ。
それはブーメランのように曲がっていき、そして誰かはそれを掴んだ。
そこに居たのは佐野清一郎だった。
清一郎「・・・『手ぬぐいを鉄に変える能力』・・・。来るのが分かったんか、レノ。」
清一郎が喋ると同時に、鉄のブーメランが手ぬぐいに戻る。
レノ「ヘッ!ルーククラスだからってシックスセンスがねぇ訳じゃねぇんだよ、佐野清一郎!」
清一郎「なんや、そっちも俺のこと知っとったんか・・・。ま、同じサンデーやしな。」
レノ「お前らの噂はよく聞いたが・・・、まさか敵になるたァな!」
そう言うと、レノはストームカタールを装備したまま清一郎に飛び掛る。
その時だ。
黒い矢印の光線が、レノの心臓の位置に当たる。
そのままレノはフィギュアと化した。
バルレル「!? お前・・・!?」
バルレルはフィギュア化したレノを見た。動きすらしない。
そしてバルレルは光線が飛んできた方向を見る。
そこには、ダークキャノンを構えた英孝が居た。
英孝「囮作戦成功~。」
バルレル「ッ・・・、野郎・・・!」
バルレルは槍を構える。だが・・・。
バルレル「・・・へっ・・・。お前みたいなバカを見てるとよォ・・・、見過ごしてらんねぇんだよッ!」
その前にレノを助けるべきだと考え直し、バルレルはレノの台座に直行した。
しかし、その直前のことだった。

ザシュッ!

バルレル「・・・・・?」
バルレルは、何者かに斬られたのだ。
そしてバルレルはそのまま倒れ、フィギュア化した。
英孝「やるじゃ~ん、ザック?さ~て、僕らはこれを運ばなくちゃ・・・。清一郎、ザック。運んでよ。」
清一郎「何でや!?ほとんどお前何もしてないやろ!」
清一郎が英孝に言うと、英孝は笑っていった。
英孝「運ばない理由?イケメンだから。」
清一郎、ザック「(理由になってない・・・。)」
そう思いながら、二人はレノとバルレルのフィギュアを運んだ。

~研究施設~
ギンタ「どこだ?ここ・・・。」
バッボ「ふむ・・・。研究所か何かのようじゃのぉ。近くにあったから入ったら、こんな所だったとは。 ・・・どうした?」
バッボはギンタの顔を見た。ギンタは確実に傷ついている。
仲間を救えなかったという自分への責任感、そして仲間が無事かという不安・・・。
それらのものが入り交ざり、ギンタの心を弱くしていた。
ギンタはどこに行こうとしているのかも分からない。バッボはギンタを叱りつけた。
バッボ「第一家来!何をぼーっとしとる!仲間を助けに行くのじゃろう!」
ギンタ「・・・うん・・・。」
ギンタの足を重く引きずりながら、一つの部屋に入った。

ギンタ「・・・これは・・・!?」
ギンタは目を疑った。
“この世界”の様々なことが書かれた文章が、目の前の巨大なモニターに映っている。
そしてそれには、メルヘヴンのことも書かれていた。
ギンタ「何だ・・・、コレ・・・!?」
バッボ「ん・・・ギンタ!これを見よ!」
そう言ってバッボが見つけたのは、メモ用紙のようなものだった。
ギンタ「何だ、それ?なになに・・・『亜空軍』?」
その時、ギンタは亜空軍の存在を知った。
ギンタ「早くみんなを見つけて、知らせないと・・・!」
ギンタは部屋を出ようとした。
しかし、ドアを開けて目の前の現れたのは、大量のロボットだった。
ギンタ「な、なんだコレ・・・!?」
すると、そのうち一体がダークキャノンを放った。
バッボ「!! ギンタ、避けろ!」
バッボは叫んだが、仲間が居なくなったことで心を痛めていたギンタは、反応が一歩遅れ、そのダークキャノンに当たってしまった。
そして残りのロボット達は、バッボを軽々とどこかへ運んでいった。
バッボ「これ、何をするんじゃ無礼者!ギンタに何をする気じゃ!これ、降ろさんか!」
バッボは暴れたが、結局どこかへ連れて行かれてしまった。

残りのロボットはフィギュア化したギンタを細い保管用の管のような所にしまった。
そして次の瞬間・・・ギンタを影虫が飲み込んだのだ。
ギンタを包み込んだ影虫は管の下に開いた穴から出てくると・・・、ギンタの姿になったのだ!
それを繰り返し、6人の偽者のギンタが誕生していた。
そして6人のギンタは、メルヘヴンの人間の居場所を記したモニターを見ると、研究施設から出て行った。

フィギュア化されてしまったレノとバルレル。
亜空軍の存在を知ったものの、誰かに告げることなく捕まり、偽者を生み出されているギンタ。
物語には、黒い雲がかかり始めている・・・。

起こった事:レノとバルレル、フィギュア化される。
ギンタとバッボ、亜空軍の存在を知るも捕まる。
ギンタの偽者6人が動き出す。

第8話 ヒデヨシの“希望”

~荒野~
ソニック「Hey,Hey,Hey!」
アラン「待ちやがれーッ!」
ソニックは荒野を走っていた。アランはそれを追っている。
ソニックはたまに立ち止まるのだが、アランの姿がちょっとでも見えると、すぐに走り始めてしまうのだ。アランもさすがに音速の足には追いつかないが、ソニックもアランが疲れているのを感じると立ち止まるので、一応大丈夫なようだ。
アラン「ったく、走りだけは速ぇんだがなァ・・・。敵に出くわしたら、自分の身ぐらい守れ。」
アランが呟いた時だ。
ソニック「Oh!なんだこりゃ?」
ソニックは何かに衝突したようである。アランはソニックの下へ行った。
アラン「それ見ろ、ずっと走りっぱなしだからこんな事に・・・。ん?」
アランが顔を上げると、そこには少し地面に埋まったフィギュアがあった。幸いにも金色の台座は出ている。
しかし、二人は助ける方法を知らない。
アラン「・・・なんだ、こいつぁ?」
アランはフィギュアの台座でない部分を触るが、当然何も起こらない。
その時、ソニックが台座に触れた。するとフィギュアは光り始めた。
アラン「!?」
ソニック「うあッ!?」
二人は目を手で覆った。その直後だった。
「ヨホホホホ!皆さんごきげんよう!」
突然元気のいい陽気な声がして、二人は目を開けた。
するとそこには・・・頭に大きなアフロがある、白骨が居たのだ。しかも動いている。
「いえいえ、すみません!一時はどうなるかと思いました!助けていただき、ありがとうございます!」
アラン「・・・なんだ、おめぇは?」
アランが尋ねると、白骨は「ヨホホホホ」と笑いながら答えた。
ブルック「あ、申し遅れました。私、死んで骨だけブルックです!どうぞよろしく!」
アラン「ブルック、か・・・。にしても、白骨死体は動かねぇと思うんだが・・・。」
ブルック「あ、それは“悪魔の実”である“ヨミヨミの実”の力です。」
一気に分からない単語を並べられ、アランの顔が少しゆがむ。
アラン「・・・悪魔の実?ヨミヨミの実?なんだそりゃあ?」
ブルック「あ、ご存知ありませんか。
“悪魔の実”というのは、不思議な力を宿した木の実です。食べるとその実の力を得られるのですが、食べた者は一生カナヅチになります。もちろん白骨である私も、浮いてこられません。
続いて“ヨミヨミの実”というのは、つまり“ヨミがえる”力。2度の人生を約束されるという、なんとも不思議な能力でしてね!」
アラン「・・・あー、つまりお前は復活人間で、復活した際にこの姿になったわけだ。」
その一回の説明だけで、アランの頭にはほとんど入っていた。
ブルック「ええ、そうです!飲み込みがお早いですね!・・・えーっと・・・。あ、お名前をまだ・・・。」
アラン「俺か?俺はアラン。そんでこっちの走ってばっかの青いハリネズミがソニックだ。」
アランはソニックの分も自己紹介した。ところが。
ブルック「・・・え?ハリネズミ?どこですか?見当たりませんが・・・。」
アラン「は!?」
周りを見ると、確かにソニックの姿が消えている。
アラン「あのバカ、またどっか行きやがったのか!?」
アランがソニックを探すと・・・。

「Hey!離せ!」

遠くから声がした。アランはそちらを振り返る。アランが見た時には、ソニックはカゴに入れられる瞬間だった。
そして一体のアロアロスがそれをくわえ、低空飛行をした。アランとブルックの横を一気に通り過ぎ、飛んでいく。
アラン「! てめぇ・・・!」
アランはエアハンマーのÄRMを解放した。
ところが、ブルックはアランの前に手を出し、それをとどめた。
アラン「!? 何のつもりだ!?」
ブルック「ヨホホ!少々お待ちを!」
ブルックがそう言った直後、アロアロスは誰かに斬られた。同時にカゴが斬れる。
アラン「・・・!?」
アランは驚いた。斬撃の気配は無かった。しかしアロアロスは誰かに斬られたのだ。
その時、アランはブルックのステッキが目に留まった。ステッキには両刃の剣が仕込まれていたのだ。そしてブルックはステッキに仕込んでいた両刃の剣をゆっくりともう一方のステッキの部分・・・いわば鞘に収めていく。
ブルック「鼻歌三丁・・・矢筈斬り!」
そして剣を収めた瞬間、アロアロスは消滅した。ソニックは上手く着地をする。
アラン「(まさか・・・あれは早斬り!だが斬撃すら全く見えなかった・・・。コイツ、一体!?)」
アランはブルックの早斬りの腕前に驚いていた。
ソニック「ひゅー、助かったぜ! ところでお前なんだ?」
ブルック「あ、私ブルックと言います。どうぞよろしく!」
そう言ってブルックはヨホホと笑う。
その時、アランは口を開いた。
アラン「・・・ブルック!いくつか聞きたい事がある。
何故お前ほどの腕がある野郎がフィギュアになっていた?お前、そうそう簡単にはやられねぇだろう。
そしてお前は何故一人だった?大人数で行動する方が明らかに安全だ。なのに何故だ?
最後に、お前はどこの世界から来た?見たところ・・・、お前はこの世界の人間じゃねぇな?」
アランがブルックに質問をぶつける。するとブルックは答えた。
ブルック「ヨホホ・・・。気づいていましたか。やはり飲み込みがお早い。ではお答えしましょう。
私は・・・とある海賊団を探して、ここまで来たのです・・・。」
ソニック「海賊?お前海賊なのか?オレは海は苦手だぜ!」
アラン「・・・少し黙ってろ。」
アランはソニックの口を押さえる。そしてブルックは続けた。
ブルック「私の世界は、“ジャンプ”という世界に存在するようです。私と私の仲間はそこからやってきました。ところが・・・この世界に来た際、仲間達とははぐれてしまい・・・、私は仲間を探しました。しかし全く手がかりも無く・・・出会う人は奇妙な黒い影のような虫から出来た生き物ばかり。知っている人間と全く出会えなかったのです。そしてここで途方に暮れていた時・・・私は青い髪の大きな剣を持った剣士に不意打ちを受け、そしてここに倒れていました。」
アラン「それで現れたのが俺達ってわけか・・・。」
ブルック「そうです。私の探す海賊団・・・名は“麦わら海賊団”。
・・・皆さんは、どこに居るのでしょうか・・・。」
ブルックは空を見上げた。
アランは話の全てを理解した。そして口を開いた。
アラン「ブルック。お前、俺達と一緒に来い。」
ブルック「え・・・!?よろしいんですか!?」
アラン「たりめぇだ。そもそも俺も仲間を探してる。仲間は多い方がいいだろう。それにお前のためでもある。」
アランがそう言うと、ブルックは目に涙を浮かべた(目は無いのだが)。
ブルック「あ、アランさん・・・、ありがとうございます!このご恩は絶対に返させていただきます!」
ソニック「そんな事より、早く行こうぜ~。」
ソニックがささっと走り出した。
アラン「あ、待て!だからお前いつもそれで捕まるだろーッ!」
アランとブルックは、ソニックを追って走り出した。

~湖~
ディディー「ああ~、兄貴、兄貴・・・。兄貴の所に戻らなくちゃ・・・。」
ディディーは大急ぎで木から木へと飛び移る。ドンキーを探しているようだ。
ディディー「兄貴、大丈夫かなぁ。」
そう言ってディディーは木から飛び降りた。
その時、ディディーの目に飛び込んできたのは、美しい湖と、炎上する飛行機だった。
ディディー「え・・・、何だよこれ・・・。」
すると、湖から何かが飛び出した。
てんくうポケモン・・・レックウザ!
レックウザは怒っている。どうやら、ディディーに自分の領地を侵されたと思っているようだ。
そして素早い動きでディディーを捕らえ、睨みつける。
ディディー「お、お、オイラじゃない!オイラ何もしてないってば!本当だって~ッ!」
ディディーが叫ぶが、レックウザには聞こえていない。
その時だった。炎上する飛行機から何者かが飛び出し、ディディーを救出した。
「大丈夫か?」
ディディー「え?あ、はい。何とか・・・。」
するとレックウザはその“何者か”に狙いを変え、口から電気の弾のような物を打ち出した。
だが“何者か”は冷静に対処した。小さい機械のような物を出し、そこから青い光が放たれる。そしてそれは壁のように変形し、電気の弾を跳ね返した。
レックウザは跳ね返された電気の弾に命中し、そのまま湖の中へと消えた。
ディディー「や・・・、やったー!すごいぞー!」
ディディーがキャッキャと喜ぶ。しかし、“何者か”はそのまま立ち去った。
するとディディーはその“何者か”を捕まえた。
ディディー「ドンキーの兄貴が連れてかれちゃったんだよ、一緒に来てよ~!」
「・・・俺は忙しいんだ!」
“何者か”はやはり立ち去ろうとする。
そしてまたディディーは“何者か”を捕まえ、今度は強制的に連れて行った。
ディディー「・・・ところで君、名前は?」
フォックス「・・・フォックス・マクラウドだけど・・・。
にしても、アーウィンが壊れた事、スリッピーになんて言おう・・・。」
ディディー「アーウィン?」
フォックス「燃えてた飛行機みたいなやつのことだよ・・・。」
ディディー「なるほど。」
そう言いながら、ディディーはフォックスを引きずりっぱなしだった。

レックウザ「地上に帰ってきただけなのに・・・。全く嫌な仕打ちを受けたモンだ、ふぅ・・・。」
レックウザは小さく呟いた。
その時、湖のほとりに一人の少年が現れた。
宗屋ヒデヨシだった。
ヒデヨシは何をするわけでもなく、そのまま座り込んだ。レックウザは湖の中に飛び込み、様子をうかがう。
ヒデヨシの目には、不安、悲しみ、苦しみ・・・そういったマイナスの感情が映っていた。
そして小さく呟いていた。
ヒデヨシ「・・・みんなどういうつもりなんだよ・・・。」
そしてそのままヒデヨシは叫んだ。
ヒデヨシ「この世界を犠牲にして・・・たくさんの人を傷つけて・・・。それで自分の世界を救えて、嬉しいか!?」
レックウザは突然の大声に驚いた。ヒデヨシはそのまま叫び続ける。
ヒデヨシ「ぶっちゃけオレ達の戦ってる理由は、地獄に落ちた神候補を助けて、“空白の才”を守る事じゃなかったのかよ!!それなのに・・・どうしてこんな所で人や世界傷つけてる時間があるんだよ!!ぶっちゃけそれどころじゃないはずだろ!?」
かなりの大声だった。これはヒデヨシの本音のようだった。しかし、ヒデヨシは叫んだ直後に、また元気を失った。
ヒデヨシ「・・・って言えないんだよな。オレって・・・ぶっちゃけ本当にダメだから。戦いもずっと逃げ続けてたし・・・弱いオレがするのは、強い人間の後ろにくっついていくぐらいだし・・・。
オレは・・・居る意味あんのか?本音すら言えなくて、ぶっちゃけ生きている意味あるのか!?」
ヒデヨシはそのままうつむいた。

「人間トイウ生キ物ハ・・・、コノ世ニ存在スル全テノ存在ハ、生キル理由ガアルト聞キマシタ。
アナタモ同ジデス。生キル理由ガアリマス。」

ヒデヨシの背後から声がした。ヒデヨシはそちらを向く。
そこに居たのは、黒がベースの色をした機械兵士だった。
ヒデヨシ「お前・・・は・・・?」
レオルド「私ハれおるど。ろれいらるカラ召喚サレマシタ。」
ヒデヨシ「レオルド・・・?」
こちらの世界で自分の悩みを聞き、答えを返してくれた、初めての相手。ヒデヨシの目に何かが宿った。
ヒデヨシ「ぶっちゃけお前・・・オレがダメじゃないって・・・言いたいのか・・・?」
レオルド「誰ニモ弱点ハ存在シマス。確カニ弱点ハ克服シタ方ガ良イ物。シカシ、存在スル事ハイケナイ事デハアリマセン。誰ニモ存在ノ理由ガアリマス。」
ヒデヨシ「・・・でも・・・植木も森も佐野も鈴子も・・・!もう誰もオレの気持ちなんか分かっちゃいないんだ!でもオレは何も言えないし・・・。こんなオレに・・・、生きてる意味なんか無い!」
溜まった怒りをぶつけるように、ヒデヨシはレオルドに怒鳴りつける。
レオルド「ソンナ事ハ無イ!」
ヒデヨシ「・・・・・?」
レオルドの言葉に、ヒデヨシは止まった。
レオルド「・・・アナタハ迷ッテイマスネ。シカシ、アナタハアナタナリノ選択ヲスレバ良イノデス。アナタノ人生ナノダカラ。」
ヒデヨシ「オレの・・・人生・・・。」
レオルド「立チ向カッテモ、逃ゲテモ良イ。全テハアナタガ選択スル事。」
ヒデヨシ「オレの・・・選択・・・。」
ヒデヨシの中で、何かが動いた。
レオルド「デハ・・・私ハコレニテ・・・。」
ヒデヨシ「待ってくれ!」
ヒデヨシはレオルドを呼び止めた。そして、必死な思いで叫んだ。
ヒデヨシ「オレと・・・友達になってくれないか!?」
レオルド「・・・“トモダチ”・・・?」
その時だ。レックウザが湖から飛び出し、草の茂みに向かって電気の弾を放った。すると・・・。
「うわーッ!」
「ぎゃーッ!」
二つの影が飛び出した。ヒデヨシは一気にそちらを向き、レオルドはドリルを出した。
「うわーんッ、どうするんだよジャイアン!見つかったじゃないかーッ!」
「うるせぇ、スネ夫!あの機械は見つけたんだ!早いとこ連れ帰るぞ!」
その影の正体は、骨川スネ夫とジャイアンだった。
レオルド「・・・!!」
レオルドはその二人を見て、一歩退いた。しかし、二人はまだ言い争っている(?)。
スネ夫「でも、ジャイアン!レオルドは良いとして、あいつ、亜空軍の奴だよ!“サンデー”の“うえきの法則”って所から来た奴だ!」
ジャイアン「なにーっ!じゃあ抵抗する前にぶっ倒すまでだ!」
ジャイアンはそのままヒデヨシに向かって突進していく。
その時、ジャイアンの足元をレオルドが銃で撃った。
レオルド「待テ!」
スネ夫「な、なんだよレオルド!邪魔するって言うのか!?」
レオルド「ソウデハナイ。彼ハ私ガ見ツケタ。ソレニ、彼ヲ倒スグライナラバ、ふぁいたーヲ先に倒シタ方ガ良イ。」
ジャイアン「・・・なるほど、雑魚に労力を使う時間は無いってこったな!」
スネ夫「ボクら“ザキラ軍”の存在がばれるのもマズイしね。今回は助かったな!でも今度は捕まえるぞ!」
そう言うと、ジャイアンとスネ夫はワープして消えた。
ヒデヨシ「ザキラ・・・軍・・・?」
レオルド「・・・マサカアナタガ“亜空軍”ダッタトハ・・・。」
ヒデヨシはレオルドの顔をまじまじと見る。表情を変えてはいない。
そしてその沈黙を破ったのは、ヒデヨシだった。
ヒデヨシ「何で・・・オレを見逃させたんだ?」
レオルド「・・・“トモダチ”・・・ダト言ッタデショウ?」
その途端、ヒデヨシの顔が明るくなった。
ヒデヨシ「あり・・・がとう・・・。」
そして、ヒデヨシは口を開いた。
ヒデヨシ「オレは・・・オレの世界を人質に取られて、『返して欲しければ力を貸せ』って言われた。ぶっちゃけオレは嫌だった。誰かを傷つけて・・・何かを犠牲にしてまで、自分の世界を守るって、犠牲にした何かに悪いんじゃないかって思ったんだ。
でも・・・植木達はそれに乗った。オレも・・・乗るしかなかったんだ。オレ自身、弱かったから。みんなの後ろをひょこひょこついていくしか・・・出来なかったんだ。」
次に、レオルドが話をしだした。
レオルド「私ハざきらト言ウ、ざきら軍ノりーだーデアル方ノ護衛獣トシテ、コノ世界ニ召喚サレマシタ。
ざきら軍ノ目的ハ、ふぁいたー達ト亜空軍、両方ヲ潰ス事・・・。私ハソレヲサセタクハナイノデス。
シカシ、止メル方法モマダ定カデナイ・・・。ダカラ、私ハ今モざきら軍ニ所属シ、でーたヲ集メテイマス。止メテクレル人間ガ、現レタ時ノタメニモ。」
レオルドが語った。
その時、遠くから声がした。
「そっちどうだー?」
「いや、見つからないなー・・・。そもそもここどこ?」
「ここ?アメリカ!」
「「マジで!?」」
ヒデヨシ「・・・マズイ、あいつらだ・・・。レオルド。逃げてくれ。見つかったら色々めんどくさいからよ。
それと・・・オレ達、どんな立場同士でも・・・友達・・・だからな。」
レオルド「・・・分カリマシタ。マタイツカ・・・オ会イシマショウ。」
レオルドはヒデヨシの言う通り、その場を立ち去った。
その直後に、羞恥心の三人がヒデヨシに駆け寄った。
野久保「ヒデヨシくん、こんな所に居たのか。探したよ?」
上地「あ、もしかして・・・迷った?そうだよなー、アメリカだもんなー。」
つるの「そんな事より、早く言われた所・・・たんにんば・・・?そこに行こう。」
野久保「担当場所だと思う。」
つるの「あ、それだ。」
つるのが野久保の答えにポンと手を打った。
上地「・・・あれ、どうしたの?」
上地がヒデヨシを見る。
ヒデヨシ「・・・いや、ぶっちゃけなんでもねぇ。」
つるの「そんじゃ、森に行くか。」
上地、野久保「おーっ!」

レオルドとの出会いにより、ヒデヨシの目には、新しい何かが小さく宿っていた。
その名は“希望”・・・。
しかし、その“希望”も、とある事件により、“絶望”へと変わっていく・・・。

起こった事:アランとソニック、ブルックに出会う。そしてソニックは捕まるがやっぱり助けられる。
ディディー、レックウザに襲われるがフォックスに助けられる。
ヒデヨシ、レオルドと出会う。その時ジャイアンとスネ夫はレオルドの話に上手く乗せられ撤収。
羞恥心とヒデヨシが合流。森を目指す。

第9話 波乱の動物園

「参ったわぁ~・・・。みんなどこ行ったんや?」
湖の近くの森を、一人歩く者が居た。それはナナシだった。
どうやらナナシはハルバードから落とされ、湖付近に落とされてしまったようだ。
ナナシはため息をつくと、近くにあった石に座り込んだ。
ナナシ「さて、どうするか・・・。ギンタ達が来るんを待つか、それとも自分から動いてみんなを探すか・・・。」
しばらく考えた後、ナナシは立ち上がった。
ナナシ「・・・黙って待っててもしゃーないわな。みんなを探すか。」
そう言ってナナシが歩き出そうとした時、草の茂みから何者かが現れた。
ナナシ「・・・・・!?」
ナナシはばっと振り向いた。しかし、そこに居たのはギンタだったのだ。
ナナシ「・・・ギンタやないか!こんなとこに居たんか!?で、どないしたん?」
そう言ってナナシが近寄った時だ。
ギンタはダークキャノンを出し、ナナシに向かって撃ったのだ。突然の出来事だったため、ナナシも回避する事が出来なかった。
そしてフィギュア化したナナシを抱え、ギンタは歩いていった。歩いていくギンタは、その体の色を黒っぽく変えた。
そう・・・このギンタはメルヘヴンから来たメンバーを集めるために作り出された、“偽のギンタ”だったのだ。

そして湖の奥地では、フォックスとディディーが行動をしていた。
ディディー「兄貴、大丈夫かな~・・・。オイラをかばって・・・、あぁあ・・・。」
フォックス「そんな簡単にやられる奴じゃないんだろう?だったら大丈夫だ。」
ディディー「・・・そうかなぁ。」
どうやらディディーはドンキーの事が心配なようである。
お互い兄弟分だった関係・・・、心配するのも無理はない。
フォックス「!!」
その時、突然フォックスが足を止めた。
ディディー「??? どしたの?」
フォックス「・・・来る!」
フォックスが言った瞬間、木の陰から何かが飛び出した。
それは、黒い色をしたクッパだったのだ!
ディディー「あ・・・この野郎!兄貴の仇ーーーーッ!」
そう叫んだディディーは自分から飛び出し、攻撃を繰り出す。
だがクッパはそれを回避し、隙だらけのディディーを襲った。
フォックス「させるかッ!」
そう叫び、フォックスはファイアフォックスでクッパに突っ込む。
クッパは吹っ飛ばされ、岩にぶつかった。
打ち所が悪かったのか、クッパはそのままフィギュアになってしまった。
フォックス「ま・・・こんなモンだろう。」
ディディー「やった、やったー!やっつけたー!」
二人が喜んでいると、突然クッパのフィギュアは黒い粒のようになり、そのまま消えたのだ。それには二人もぎょっとした。
そしてその後ろには・・・本物のクッパが立っていたのだ!
クッパ「がっはっハ!貴様らもまんまと引っかかったナ!そして・・・眠るがいイ!」
ディディー「え!?さっき倒したじゃん!何で!?」
ディディーは状況が理解出来ず、戸惑う。
フォックスはディディーのシャツを引っつかみ、そのまま崖へダイブした。
ディディー「あの亀ぇ~・・・、見てろよ~・・・!」
ディディーはそう叫んでいた。

~荒廃した動物園~
「うぅ・・・。ここ・・・どこだろう・・・。」
荒廃しきった動物園を一人歩く者が一人。
それはリュカであった。亜空軍を追っているわけでも、逃げているわけでもないようだ。恐らく迷ってここに来てしまったのだろう。
リュカは少し周りを見回すと、また歩き出した。
リュカ「出口・・・どこかなぁ・・・。」
そしてリュカが少し歩いた時である。後ろからドスン、ドスンと足音がする。リュカがそちらを向くと、そこには巨大な“キングのぞう”があったのだ!
リュカ「う・・・あ・・・!うわぁぁぁぁぁぁ!!」
リュカは逃げ出した。しかし、キングのぞうは追ってくる。そして・・・リュカは何かに足を取られ、倒れたのだ。しかし、キングのぞうは一歩、また一歩と近づいてくる。
リュカ「も・・・もう・・・ダメだ・・・!」
リュカは地面に顔を伏せた。その時だった。

「PKサンダー!」

青い電撃の塊がキングのぞうの顔に命中し、キングのぞうはそのまま倒れた。
リュカ「・・・!?」
驚いているリュカの前に、一人の少年が降り立った。
「大丈夫!?」
リュカ「は・・・はい・・・。」
その少年はネスだった。ネスはキングのぞうを睨み返す。するとキングのぞうは立ち上がり、高くジャンプした。そしてネスも高く跳び、PSIを使った。
ネス「PKフラッシュ!」
するとネスの体から緑色の光が飛び出し、キングのぞうに当たった。そしてしばらくし・・・キングのぞうは大爆発し、粉々に砕け散った。
ネスは上手く着地した。しかし、また目の前を見る。
そこに現れたのは・・・『ぜったいあんぜんカプセル』に入ったポーキー!ポーキーのメカはこちらに向かってくる。
ネスは帽子の向きを直すと、自分から飛び出していった。
ネス「ポーキー・・・、君は僕が倒す・・・!」
そう言うと、ネスはPKフラッシュを放った。ポーキーのメカはそれをかわす。だがネスはすぐに作戦を変え、PKファイアーを連続で放った。炎は着実にメカに当たり、少しずつダメージを与えた。
そしてしばらくし、メカの動きが鈍くなる。
ネス「終わりにしよう・・・ポーキー。PKフラッシュ!」
静かに言った後、ネスは渾身のPKフラッシュを放った。それはメカに命中し・・・大爆発した。そしてポーキーの入ったぜったいあんぜんカプセルはそのまま空の彼方へと飛んでいった。
すると、安全を確認したのか、リュカが飛び出してきた。
リュカ「あ・・・あの・・・!だい・・・じょうぶ・・・?」
ネス「うん、平気だよ。君は大丈夫。」
リュカ「え・・・あ・・・、はい・・・!」
リュカがそう答えた時、「ガッハッハ」と笑い声がした。
そこに居たのは、ダークキャノンを持ったワリオだった。
ワリオ「くっくっく・・・二人も見つけたぜ!大人しく眠るこったな!」
そう言うとワリオはダークキャノンをネスに放った。しかし、ネスはそれを上手く回避し続ける。
ワリオ「ちっ!すばしっこいガキだ・・・!」
その時、ワリオの目におびえるリュカの姿が映った。
ワリオ「標的変更だ・・・。食らえ!」
そしてワリオはダークキャノンを放つ。ネスはそれに気づいた。
ネス「危ないッ!」
そう叫ぶと同時に、ネスはリュカを突き飛ばした。そしてリュカの代わりにネスはダークキャノンに命中し、フィギュアになった。
ワリオ「ガッハッハ!やったぜ!」
そう言ってネスのフィギュアを持ち上げ、ワリオは満足そうに笑った。
リュカ「あ・・・ああ・・・。」
その光景にリュカは恐れをなし、その場から逃げた。そして、ぽつぽつと雨が降り始めたのだ・・・。

その頃、この動物園に迷い込んだ人間が、もう一人居たのだ。

「ユキちゃん!」

その叫び声で、天から巨大な雪だるまが降ってくる。それはプリム達を押しつぶし、消していった。
今プリム達と戦っている人間・・・それはハルバードから落とされたスノウだったのだ。
スノウはプリム達を確実に倒していたが、連戦にはさすがに耐えられない。魔力もほとんど限界だった。そしてプリム達の居ない所で、スノウは座り込んでしまった。
スノウ「はあ・・・はあ・・・。もう・・・魔力の限界・・・。」
どうやらスノウはここで休み、魔力の回復を図るようだ。しかし・・・。
周りに黒い影が現れ、それはプリムの姿となった。
スノウは囲まれ、魔力も体力ももう無い・・・。最悪の状況だ。
スノウ「(そんな・・・。もう魔力はないのに・・・!)」
スノウは全てを諦めかけた。
その時、何者かが槍のような物でプリム達を切り裂いた。その一撃でプリムは全滅した。
スノウが何が起こったか分からずぼうっとしていると、“何者か”は話しかけてきた。
「大丈夫?」
スノウ「え・・・?あ、はい・・・!」
「そう。なら良かったわ。」
スノウ「あ・・・あの・・・ありがとう・・・。」
「大丈夫よ、お礼はいいわ。」
そう言うと、“何者か”は歩き出した。
スノウ「あ・・・!ま、待って!」
「・・・何かしら?」
スノウ「あの・・・一緒に行っちゃダメ・・・かな?その・・・一人は不安だから・・・。」
すると、“何者か”は口を開いた。
「・・・良いわよ。」
スノウ「ほ・・・本当!?ありがとう!私はスノウ。よろしくっ!」
クリスタル「私はクリスタル。よろしくね。」
スノウ「うん!よろしくね、クリスタル!」
スノウは笑って言った。

そしてリュカは・・・。
リュカ「・・・良かったのかな・・・。」
ネスを見捨てた事に、リュカは罪悪感を覚えていた。そしてその時、リュカは誰かにぶつかった。
リュカ「うっ?」
「・・・静かに。」
リュカ「え!?」
「・・・こいつらが動き出したみたいだ・・・。」
誰かがそう言うと、地面からプリムが現れた。
リュカ「あっ!あわわわわ・・・!」
「下がってて。」
そう言うと、彼は腰からモンスターボールを取り出した。そして宙に投げると、そこからゼニガメが現れた。
「ゼニガメ!からにこもる!」
ゼニガメ「了解ッ!」
ゼニガメは彼に言われた通りにからにこもり、そのままプリム達に突っ込んだ。プリム達は勢いに乗ったゼニガメの甲羅に突き飛ばされ、消えていった。
「・・・よくやった!戻れ!」
プリム達が消えた事を確認した彼は、ゼニガメをモンスターボールに戻した。そしてリュカに「それじゃ。」と言うと、出口を目指して歩いていった。
リュカ「あ・・・。」
その時、リュカの頭に、先ほどの事が浮かんできた。

自分の身を挺してまで、リュカを守ったネス。
だがそんな彼を、リュカは見捨てた・・・。

リュカは意を決した。
リュカ「待って!僕も・・・連れて行って!」
「? 良いけど・・・。」
リュカ「僕・・・リュカって言います!」
レッド「そうか・・・。分かった。僕はレッド。よろしく。」

確実に回収されつつあるファイター達。
しかし、それと同時進行するように、ファイター達も巡り会っている。
これは吉と出るのか・・・、それとも凶と出るのか・・・。

起こった事:ナナシ、偽ギンタにフィギュア化される。
ディディーとフォックス、偽クッパを倒すがクッパに襲われ、逃亡。
リュカ、ネスに助けられるも見捨てる。
スノウ、クリスタルと出会う。
リュカ、レッド(ポケモントレーナー)と出会う。

第10話 砦の戦い

~戦場の砦~

荒野の中に立つ大きな砦・・・。その目の前に、亜空間爆弾が落とされた。
エインシャント卿「頼んだぞ・・・。お前達・・・。」
そう言うと、エインシャント卿は飛んでいく。
そして亜空間爆弾に手を差し込んだ2体のロボットは、静かに目を閉じた・・・。

ドッカーーーーーーーン!!!

大きな爆発音がして、巨大なブラックホールのような空間が出来た。

「・・・!? あれは・・・一体!?」
そこに現れたのは、マルスだった。
マルスは急いで爆発したところに向かった。
マルス「これは・・・一体どういう事なんだ・・・!?」
巨大な亜空間を目の当たりにしたマルスは驚愕した。
その時だ。何者かがマルスの方へ飛んでくる。そして剣を振るった。マルスはそれを剣で防ぐ。
マルス「なっ・・・、何者だ!?」
マルスは剣を構えなおす。
そこに居たのは・・・仮面の剣士・メタナイト!
メタナイトは何も言わずに再びマルスに切りかかる。マルスはそれに応戦する。
その時、二人の背後からプリムが飛び掛かった!二人は剣を振るい、プリム達を切り裂いた。
マルス「敵じゃ・・・。」
メタナイト「ないのか・・・!?」
その途端、二人の誤解は解けた。だが、それをよそにまたプリム達が現れる。
マルス「ここは・・・協力して切り抜けた方が良いかと・・・!」
メタナイト「同感だッ・・・!」
二人は剣を構え、プリム達に飛び掛かる。
マルス「マーベラスコンビネーション!」
マルスは剣を連続で振り、コンビネーションをたたき出す。プリム達はそれに圧倒され、消えていく。
メタナイト「あまいなっ!」
メタナイトはディメンションマントを使い、プリム達を翻ろうする。そして・・・二人はプリム達を全滅させていた。
その時、大きな影が現れた。それは鎌がある敵・ギラーンを形作った。さらにもう一つ、機械に乗った敵・アーマンも作り出したのだ。
マルス「今度は一体・・・!?さっきのより大きい!?」
メタナイト「状況はよくないという事か・・・!!」
二人は剣を構え直し、飛び掛かる。
だが先ほどのプリムとは訳が違う。二人は跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられた。
マルス「くっ・・・!なんて力だ・・・!」
メタナイト「このような敵が2体も・・・!打つ手は無いのか・・・!」
二人の目に、諦めが表れ始めた。その時だ。

「エクスプロージョン!」

2体の巨大な敵は、大爆発に巻き込まれ、消えた。
そして巻き上がった土煙が晴れ、現れたのは・・・ロイだったのだ!
マルス「!! ロイ!どうしたんだい!?」
ロイ「ちょっと噂を聞きつけてね・・・。にしても、ここはもうやられちゃったのか・・・。」
メタナイト「・・・知り合いか?」
メタナイトが尋ねると、マルスはうなずいた。
マルス「はい。ロイと僕は、スマッシュブラザーズで同じメンバーでした。でも、ロイが姿を消して・・・。」
マルスが話し出すと、ロイは口を開いた。
ロイ「・・・実は僕達が姿を消したのは、リストラなんかじゃない。“亜空軍”と“ザキラ軍”の存在が分かったからなんだ。」
マルス「亜空軍に・・・。」
メタナイト「ザキラ軍・・・!?」
マルスとメタナイトが同時に聞く。その時、3人の頭上をエインシャント卿が通った。
メタナイト「!! ヤツはさっきの!」
ロイ「追いかけよう!」
ロイの掛け声で、3人同時に飛び出す。

そして、あと一歩で追いつきそうな所まで来た。
マルス「ドルフィンスラーッシュ!」
マルスはドルフィンスラッシュを放った。しかし、あと一歩の所で届かない。
ロイ「ブレイザーーーーーッ!」
ロイはそれを追うようにしてブレイザーを放った。だがそれもあと一歩で届かない。
そして今度は、メタナイトが翼を出して飛び出した。
エインシャント卿「ッ・・・させるものかっ!」
エインシャント卿はそれに気づき、乗っている機体からビーム光線を放つ。
それはメタナイトの翼に命中した。
メタナイト「くっ・・・!なかなかやる!」
メタナイトは翼をマントに戻した。
そしてエインシャント卿が逃げ出そうとした時だ。

「天!空!」

高く投げられた剣をキャッチし、エインシャント卿の機体に叩きつける。
機体から亜空間爆弾は落下し、エンジンが壊れたのか、エインシャント卿の乗った機体はふらふらと飛んでいってしまった。
「・・・阻止は出来たか。」
そう言って顔を上げたのはアイクだった。
アイクはロイに気づくと、口を開いた。
アイク「・・・お前がロイか?」
ロイ「え?そうだけど・・・。」
アイク「お前は俺を・・・恨んでいるんだろうな・・・。
俺はお前を枠から外させてまで・・・スマッシュブラザーズに入ってしまった・・・。」
どうやらアイクは、ロイの代わりにスマッシュブラザーズに加入できた事が、「ロイをリストラさせてまで自分が入った」のだと、少し罪悪感を持っていたようだ。
しかし、ロイは笑ってこう答えた。
ロイ「大丈夫さ。恨んでなんかいないよ。運命だったんだから。」
マルス「・・・ロイ・・・。
でも、実質的には・・・リストラじゃないか!時代の流れで君は落とされた・・・。彼のせいだろう!?」
マルスはロイに向かって叫んだ。だが、ロイは笑っている。
ロイ「心配しなくていいよ、マルス。僕は・・・スマッシュブラザーズでの楽しい日々を忘れはしない。それに、出て行ったのも自分からだった。それなのにアイクを恨むのは・・・お門違いだよ。
それに、会おうと思えば、僕達はいつだって会える。そうだろう?現にこうして会えたんだから。」
マルス「ロイ・・・。」
マルスはDX時代の親友であるロイを、ずっと心配していたのだ。そして、ロイを枠から外させたアイクも、少なからず恨んでいた。だが、ロイはそれを許している・・・。
マルスの心が揺らいだ。
マルス「・・・分かったよ、ロイ。君がそう言うなら・・・。」
メタナイト「それより・・・さっきのヤツはどこへ飛んだ?」
アイク「・・・あっちだ。追うぞ。」
アイクがそう言うと、4人はその方向へ駆け出していった。

「・・・なんか色々めんどくさそうだね・・・。」
その4人を遠くから眺めている者が居た。
それはドロシーだった。彼女はハルバードから落とされ、戦場の砦の付近に落ちたようだった。どうやらドロシーは4人が因縁がある相手だと思っているようで、戦いに巻き込まれたくないようだ。
ドロシー「めんどくさい事に首を突っ込むのは好きじゃないんだよね。じゃ、あたしはこれで・・・。」
そう言うと、ドロシーはゼピュロスブルームを使い、別の地を目指して飛んでいった。

4人はエインシャント卿を発見した。
だがしかし・・・既にエインシャント卿はハルバードに乗り込み、ハルバードは遠くへと飛んでいっていた。
メタナイト「くそっ、私の戦艦は未だに悪用されたままなのか・・・!」
ロイ「逃がす訳にはいかない・・・。追いかけよう!」
そう言ってロイは一番に走り出した。それを追うようにマルスが走り出し、続いてメタナイトとアイクが走り出した。

~街道~
街道を、一体のワドルディが歩いてくる。その目の前に立ちふさがったのは・・・ルイージだった。
ルイージ「こ、この怪しいやつめ!ぼ、僕が相手だ!」
ワドルディ「?」
ルイージは勇んでいるのかおびえているのかよく分からないが・・・ワドルディは無視して歩いていった。
ルイージ「・・・ふう・・・。」
その時、ルイージの背後に大きな影が現れ、ルイージを空の彼方に吹っ飛ばしたのだ。
そのままルイージは空からフィギュアになって落ちてきた。倒した相手は・・・デデデだったのだ。
デデデ「よし、ごくろうだったな、ワドルディ。こいつを連れ帰るぞ。」
その時、遠くからバイクのような音がする。デデデはルイージを置いたまま隠れた。
ワリオ「ん?ありゃ・・・フィギュアじゃねぇか?」
ワリオはピーチとネスのフィギュアを積んだバイクのような乗り物・カーゴから飛び降り、ルイージのフィギュアをちょっとど突いた後、カーゴに乗せた。
その瞬間、大量のワドルディが一気になだれ込み、ワリオを押さえつける。その隙にデデデはカーゴを奪い、逃げていった。ワドルディもそれに続き逃げていく。
ワリオ「くっそー!泥棒から物を盗むとはーッ!」
ワリオは悔しがったが、追いかけるような足の速さは持ち合わせていないのであった。

~山の中~
「あれ・・・?ここは・・・。」
山の中で、一人の少年が立ち上がり、辺りを見回す。そして木々や流れる川を見た瞬間、顔色を変えた。
「ここ・・・僕、知ってるぞ!?
どこかで・・・どこかで見覚えが・・・!」
その時、彼の背後にプリム達が現れた。彼はプリム達から危険性を感じ取った。
「に・・・逃げるが勝ちッ!」
そう言って、彼は全速力で走り出した。

~沼付近~
「い・・・いってぇMAX・・・。」
沼の近く、ここでも一人の少年が立ち上がっていた。
「あれ・・・、ここ・・・?」
先ほどの少年のように、周りを見回した瞬間、顔色が変わった。
「・・・ここ、知ってる・・・!
どこだ・・・?どこで見たんだっけ・・・!?」
彼は記憶を探り始める。だが、その時彼の背後にプリム達が現れた。
「や・・・やばさMAX!こりゃ逃げなきゃマズそうだぜ!」
そう叫ぶと彼はプリム達から背を向け、一気に走り出した。

“この世界”を知るかのような2人の少年・・・。
彼らの存在は、この物語の鍵を握る事となる・・・。

起こった事:戦場の砦消滅。
マルスとメタナイト、お互いを敵だと思うがすぐに和解。その後、ロイに助けられる。
アイク、亜空間爆弾の運送を阻止。その後4人でハルバードを追う。
ドロシー、4人を発見するも巻き込まれたくなかったため逃走。
デデデ、ワリオのカーゴを奪う。
二人の少年が“この世界”にやってくる。

戦いは続いていく・・・。

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