組織、国家

Last-modified: 2021-10-01 (金) 21:03:30

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・航空実験隊第765小隊

コフィンシステムの開発にあたるテストパイロットたちが所属する部隊。通常の装備とは違い、一部のパイロットのみに扱うことが出来る特別な装備の開発に伴い、新規に設立された。技術試験が主任務であるが、将来的には戦闘に参加することになる。
コフィンシステム開発に当たって、その革命的な技術の供与を狙って各国の航空機メーカーがこぞって機体とその整備ノウハウとパーツの提供を申し出たため、研究用として自衛隊が他国の戦闘機を欲していた事もあり多様な戦闘機が配備されている。
尚、765プロのアイドル候補生達は世界初のパイロットチルドレンであるが、世論の反発と機密扱いの特殊な操縦システムによるパイロット自身への危険を考慮して隠蔽されてきた。
モットーは「仲良き事は美しき事かな」。

・765プロ

東京に事務所を構える小さな芸能プロダクション。アイドルのプロデュース、マネジメント、肖像権管理、キャスティング業務等芸能活動をするためのもろもろの業務を主としている。防衛省の一機関としての顔もある。
社員はアイドルとその候補生を含め十数名だが、アイドルとプロデューサーの関係を重視する社長の方針で直接のプロデュースを担当するのは2人で、後は事務処理とプロデューサーのサポートをする事務員がいる。スカウト時に戦闘機に乗ってもらうことを伝えた上でアイドルとしても活動してもらう事に同意したアイドル(または候補生)が所属している。
とにかくプロデューサーとアイドルを二人三脚でレッスンやオーディションを行い、アイドルとプロデューサーの関係の深さを重視しているためプロデューサーの役目は大きい。しかしそのアイドルの信頼も大きいためちょっとした変化にも対処し、メンタル面のケアは充実している。
765小隊の表の顔であり、所属するアイドルはコフィンシステムに適合していると判断された、正真正銘の戦闘機テストパイロット。

・961プロ

765プロ社長の高木の元同僚、黒井が社長を務める芸能プロダクション。事実上765プロのライバル。
徹底的なスパルタと最高の設備で数人のアイドルをみっちり育て上げる方針がとられ、候補生は家族との交流すら断って社長の指示のもと、ひたすらにアイドルになるための修行を行う。
かなり大規模な事務所とFX、モーションキャプチャーをはじめとする各種特殊効果やハイビジョン撮影などテレビ局顔負けの機材と高級ホテル並みの宿泊施設、控室を統合した自社専用高級スタジオを設けており、設備面では他のプロダクションを圧倒する。
人との関係を断ち、社長とのコミュニケーションも指示のみ、後は自分でレッスンをしていく「独り立ち」したアイドル育成を目標としているため所属アイドルの実力は高いが、あまりに厳しい隔離状態に置かれるためホームシックにかかったり、精神面で追い詰められて他のプロダクションに移籍するアイドルや候補生が後を絶たない。
とにかくオーディションなどで勝つことを至上目標としている黒井社長の手段を問わないやり方、他のアイドル候補生との一切の接触の禁止(挨拶すら黒井社長の前では許されない)の方針は業界で蔑まれ、畏れられている。。
こちらも765プロ同様新世代戦闘機開発を行う試験部隊の顔を持つため、961小隊と765小隊のライバル関係は裏の業界でも有名である。

・876(バンナム)プロ

765プロと関係の深い小規模な芸能プロダクション。こちらもアイドル活動をする一方で戦闘機に乗るアイドルが誕生・・するはずがRナンバーの完成によって機体開発はひと段落ついたとのことで、普通のパイロットとしての訓練(無論コフィンシステム運用のできる)をさせる場になった。基本的な方針は765プロと同じだが、アイドルの活動に関してはアイドル自身に任せている(ただし961プロのような関係を断つことはしない)。

・戦略自衛隊

JAPAN STRATEGY SELF DEFENSE FORCE。
通常の陸、海、空の自衛隊よりも活動の幅が広い自衛隊の海兵隊部門で。
中国の崩壊やロシアの内戦など、取り巻く情勢が緊迫化したことを受けてより能動的な活動の出来る組織の設立を目指し、陸上自衛隊の水陸機動団を発展させ、自衛隊のそれぞれの組織から選りすぐった人員で組織した。
日本に対する攻撃を芽の段階で叩くことが目的でアメリカ海兵隊を手本に設立されたため国外での戦闘行動も行う(戦略自衛隊も独自に戦闘機や軍用艦を持つ)。訓練のため色々な地域へ出向くことが多く、兵器開発のためのデータ収集も任されることが多い。
国連軍に参加するのは通常の自衛隊ではなく戦略自衛隊で、戦略自衛隊の抱える特殊工作部隊は任務の特殊性ゆえ、活動が公になることは少ない。
保有装備は先進的なものが多く、戦闘機はRナンバーを運用している。名目上国連指揮下ではあるが実際は国連とは指揮権が独立しており、日本政府の命令で動く。
モットーは「駆けつける事疾風の如く、戦う事鬼神の如く」。

・NERV

日本政府によって設立された特務機関。任務はASやメタルギア等の「新しい脅威」から日本国の国民と財産を守る事。まだ世界でメタルギアが一般的に知られる前からエヴァの研究開発を行っていたゲヒルンが前身である。
本部は芦ノ湖周辺に作られた第3新東京市。
位置づけは防衛省傘下の組織で、戦略自衛隊と同じ位置にいる。
自衛隊の新兵器の開発や試験のため世界最先端の科学技術を投入した各種兵器を所有していて、ES細胞やナノマシンを駆使したバイオテクノロジーの最高峰「ヒト型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」による高い戦闘能力を有する。
戦略自衛隊同様に自由度は高く、即時展開が可能なように専用の輸送機まで所有する。
NERV技術開発研究所では、エヴァの兵装の研究開発だけでなく自衛隊の装備を研究する防衛技術研究所と協力しながら、エヴァから得られる技術を自衛隊の装備に生かす事も行われており、765小隊の所有するコフィンシステムはその筆頭である。
近年はグノーシスへの対処も任務に含まれる事になった。
尚、通常兵力による攻撃を受けた場合は自衛隊とともに戦闘に参加する。
防衛省の防衛技術研究所や日本政府、民間の大学や研究所とも関係が深いため、高い科学力を持つ。

・自衛隊

日本国を武力攻撃から守るための組織。海外からは日本の軍隊として認知されている。
SOPシステム導入時、国外で戦闘活動を行わない事や専守防衛という特殊な事情を考慮した結果システムの導入を見送り、代わりに緊急時には独自の戦場監視システムを稼動させる事で対処する事にした経緯を持つ。
そのためシステム崩壊後も高い錬度と装備の稼働率を保ち、一時は事実上世界一の軍事力を持つようになった。
NERVや戦略自衛隊も自衛隊の枠組みの中に入るため、それらを含めても世界一である。
いくつかの実戦を経験したのち法整備と組織改革を同時に進めているが、長年存在しなかった概念や装備、体制を構築するのは容易ではなく様々な面でちぐはぐだったり名目だけで実態が伴っていない面が多くあり、組織改革とソフト、ハード両面での強化改善策が推し進められており予算も次々に追加されている。

・航空自衛隊 弾道飛行誘導弾運用隊

敵基地攻撃能力の整備に当たり、巡航ミサイルの導入や偵察能力の向上、戦略自衛隊の創設等と合わせて新設された弾道ミサイルの開発と試験、運用を行う部隊。
航空総隊直轄で、新規に建設される基地にミサイルと共に配備される予定になっている。
宇宙ロケット開発を流用して開発中の弾道ミサイルは核弾頭は想定されておらず、N2兵器もミサイルの弾頭とするには費用と時間がかかる事と政治的な事情で断念したため、質量による破壊を目指した新型弾頭を搭載予定。

  • 国家-

・中華連邦

血の日の出事件を機に内戦状態に陥った中国の南部で、民主化を訴えるリー・チョウレンが建国を宣言したユーラシア大陸の新しい国家のひとつ。
連邦制を敷く民主化を唱えて、3億人の民衆と中国の民主化を訴えてきた世界各国による支援によって人民解放軍との戦闘を有利に進めている。南京を首都と定めている。
沿岸部分の都市、工業地帯から得られる潤沢な資金と、それを背景にした近代兵器で武装した中華連邦軍が現在北部の中華人民共和国と戦闘状態にある。
しかし権力闘争と戦争による疲弊、崩壊状態の経済などが原因で内紛が激化しており、沿岸部を除いて治安が悪化している。

・中華人民共和国

元は共産党の一党独裁体制の下社会主義を掲げた国家で2010年代前半は未曽有の経済発展を遂げたが、システム崩壊を機に恐慌状態となった世界経済のあおりを受けた上にアメリカの経済戦争の負担も重なって遂に国策の歪な経済成長が限界に達して破綻、食料の輸入を止められた事を契機に暴動も発生して大不況に陥った。そこにモバイル決済システムを狙い撃ちしたサイバー攻撃が重なり、決済が混乱した隙を突いた架空請求や金額の改竄が溢れたためシステムが全てダウン。
その事をきっかけに各地で暴動が頻発するようになり、遂には血の日の出事件と呼ばれる軍による市民の虐殺まで発生、これが火種となって共産党も抑えられないほどの大暴動と一部で軍の蜂起が起きた。
結果外国人は全員退避、経済は完全に崩壊し検閲も麻痺状態となった事が更に暴動に拍車をかける。
内戦状態に突入したのち南京にて、民主化運動のリーダーが共産党から離反した人民解放軍を率いて中華連邦の設立を宣言、北京の共産党に宣戦を布告し、民主化を唱えて市民を味方につけると攻撃を開始した。
現在共産党の勢力は北部と内陸に後退しつつあり、傘下に民兵主体の人民解放戦線を組織してゲリラ的な抵抗を続けている。人海戦術と核兵器をちらつかせる戦法で、質で負けている人民解放軍で中華連邦軍と膠着状態に持ち込んだ。
東の盾作戦以後、核戦争を避けるためアメリカと中国政府は核を使用しない事を盛り込んだ休戦協定を結び、2正面作戦を強いられないよう混乱の初期に尖閣諸島や沖縄での戦闘を行った日本とも休戦する事で合意、西側諸国との戦闘は終結した。中華連邦との小規模な衝突が散発しているが、他にも地方政府の役人や犯罪組織が独自に組織した武装集団が乱立して軍閥同士の抗争と海賊行為が始まっている。
また、この時に国連憲章第27条とロシアや中国の意表を突いた採決を利用してアメリカは中国の常任理事国としての権利停止を可決させたため、拒否権を含む特権を失った。
把握されていないものを含めると20億人近い人口があり、そのうち8億人近くが何らかの組織で戦闘を行っているとされる世界で最も混沌とした情勢に世界中どの国も介入できず、米軍も東の盾作戦以降は本土での地上部隊の展開は避けて中華連邦の支援に徹しており、周辺国は国境を固く封鎖する事でそれらの厄介事を封じ込めて時間が解決するのを待っているのが実情である。
世界にとっては厄介の種だが、武器や麻薬など戦争で需要が高まる物を扱う商売に携わる者にとっては大きな人口と混乱に裏付けされた無尽蔵の需要が生み出す、莫大な利益をもたらす魅力的な市場でありそうした裏の商売が混乱に拍車をかけている。
戦費を稼ぐため特に北朝鮮との国境付近では共産党が違法産業に力を入れ、巨大な大麻やケシの畑や様々な薬物の生産、研究を行う研究所などを建設して、北朝鮮と共同で違法薬物の生産と改良を行っている。また裏稼業の改革開放を掲げて世界中の麻薬カルテル、マフィア、テロ組織に国家による取り締まりを完全に逃れられる生産工場や逃亡先を提供したり、改良された薬物や原料を輸出する事で大量の外貨を稼ぐ事に成功した。
こうした麻薬や薬物、大量生産される武器弾薬での収益は年間200億ドルと言われ、更に情報や人員なども多数やり取りされている。
アメリカは特にNBC兵器の関連技術がこのチャイニーズ・ブラックマーケットの流れに乗って拡散するのを危惧しており、太平洋側を米海軍と海上自衛隊で封鎖しているが東シナ海から南へ抜けるルートは地形が複雑で監視に穴があり、ユーラシア大陸を横断する大西洋ルートは道中の国々がほぼ内戦中か非協力的で中々包囲網が出来ていない。
国連決議に基づく人員、物資、資金の移動を制限する制裁が科せられており、その網を潜り抜けるマフィアやテロリストが莫大な利益を上げている。
分裂後も共産党の勢力は根強く残り、中央政府の支配力は未だ全土の6割以上に及ぶ。
租借したアジア各地の港湾施設は没収か軍事拠点化した場所は空爆によって破壊され、一帯一路構想のために行われた支援が頓挫した影響でアジアからアフリカ全体の経済にも影響を及ぼした。

・香港連邦

中国の内戦を受けて独立した旧香港特別行政区。
中国の勢力を削ぐため2020年に香港暴動へ介入を始めたアメリカが、CIAを通して学生や民主化を支持する勢力へ武器や情報の提供を行った事で暴動が更に先鋭化し、暴動参加者の個人情報を収集する政府に対抗して、目には目をの考えで警察官や司法当局の職員の個人情報がネットにアップされ暗殺まがいの襲撃が相次いだ。
そして内戦の混乱と流入する難民中国人、度々越境してそれらを取り締まる人民解放軍への反発と共産党の意向に従って黙認する政府の姿勢から反政府デモが激化し、やがて越境する中国人への攻撃で市民に巻き添え被害が出ると、武力闘争による独立を掲げる強硬派が香港駐留軍へのテロ攻撃を開始。
強硬派はネット上で独立を訴え駐留する兵士のリストを拡散させたため、リストアップされた軍人を標的にした無差別攻撃が始まり、軍人が街中でいきなり襲われたり仕掛け爆弾によるテロが相次いだ。更に警戒する警察にも中国に味方する親中派として攻撃が行われ、攻撃の成果は現場写真や遺体の画像と共にネットにアップされた。
香港政府は激化する攻撃に対処すべく内乱を理由に軍の出動と武装警察の増援を要請、中国政府も海上と空港を封鎖する事で兵糧攻めにして制裁を科す事で独立の機運を抑え込む作戦に出たが、これにより生活が困窮した市民が暴動を起こして混乱に拍車が拡大すると英米が自国民保護と人道支援を名目に介入をちらつかせ始める。一方、中国政府は内政問題だとしてこれを拒否。
本土から流れ込んだ重火器で武装し、ひそかに欧米の諜報機関から支援と訓練を受けた強硬派は武力行使で犠牲者を出してアメリカの介入する口実を作らないよう、中国政府が一貫して非殺傷兵器以外の使用と自衛目的を除いた武器の使用を禁じていた隙をついて空港を制圧。海上も中国軍が現場の勇み足で監視体制を敷いていたイギリス海軍に攻撃をしたため、反撃によって封鎖を突破された。
国内の内戦で手一杯な上、本土へのアメリカの介入すら誘いかねない事を危惧した共産党は軍の増派を一旦断念。すると増援も期待できず、本土への脱出も出来ない孤立無援の状態に陥った駐留軍は投降しはじめ、更に行政長官が本土に見捨てられたと思い込み身の安全を条件に辞任してしまったため、独立派が臨時政府の設立と独立宣言を発表した。
中国政府は慌てて1国2制度の堅持を訴え軍を動かすも、各国は独立を速やかに承認。既にイギリス海軍がその保護のため香港入りしており、ここで軍を投入すれば2正面作戦を強いられ沿岸地域の多くを中華連邦に奪われて、貴重な海に面する中国の支配地域を失う可能性もあると判断した共産党は、独立の阻止を断念する事となった。
一方の香港も連邦制国家として国際社会に加わったがイギリスの仲介の元に進められている選挙の実施は進んでおらず、人民解放軍の越境や難民に交じる工作員のテロで経済が崩壊を始め混乱は続いている。

・ロシア連邦

ソ連解体後も長きに渡ってアメリカと世界の超大国として君臨し続けた巨大国家。
天然ガスや油田のような資源を活用して貿易を進めていたものの、資源の枯渇や慢性的な経済の不況で軍を維持することも難しくなっていた。更にウクライナとの紛争やシリア内戦も重なって西側との関係悪化が進み、経済制裁の発動と政治的混乱が重なった事でついに反政府組織と政権との間で内戦が勃発。
ソ連の復活とスターリンを崇拝する現政権の転覆を狙う超国家主義者と政権支持派の内戦は拡大を続け、13000発もの核兵器が不安定な状況に晒されている。
一部ではその核兵器が国外へ流れているとの噂もあり、欧米諸国がロシアの現政権支持派と協力しながら核兵器の行方を追っている。

・北朝鮮

何だかかんだで独裁体制を維持しており、金正日から金正恩へ権力継承がなされてからも不安定ながら国として形を保っている。
GOP後の世界でアメリカ軍が機能不全に陥り、韓国の不況と政権交代に伴う反米の高まりによって在韓米軍が撤退。念願の北主導の統一と困窮する経済の復活のため、南の工業力や貨幣などを収奪してそれを元に経済を立て直す事を掲げて南進を開始した。
このためにソウルを狙う長距離砲を極秘裏に修理、整備しており事前の偽装工作もあって攻撃の瞬間まで韓国側は察知できなかった。深夜2時に突如始まった砲撃により一夜で1万発以上の砲弾やロケットが降り注ぎ、大規模な火災と破片による建造物の損壊によって救助活動や避難も難航したため、数万人とも言われる死者行方不明者が出た。更に韓国軍基地での破壊工作、兵器類の整備不良によって反撃も遅れが生じた事が重なって被害が拡大したが砲爆撃の反撃により砲撃陣地の破壊に成功。橋の爆破などインフラを狙った阻止作戦が功を奏し、砲撃直後から始まった北朝鮮軍の侵攻はソウルから10km地点までで食い止めたが避難を待たずして作戦を決行したため、民間人の死傷者を増やす結果となった。
3週間の戦闘の後北朝鮮はもともと物資が乏しく、補給の現地調達を強いたため離反者が相次いだ事、物資不足で戦闘活動が難しくなった事、韓国側の反撃などによって進軍を停止。対する韓国軍も奇襲と後方の攪乱工作によるダメージ、米軍なしの活動で消耗した物資の補給が追い付かない事でソウル奪還まで行う体力がなく、膠着状態になっている。
同盟を掲げてアメリカも参戦したものの既に軍を引き揚げて新たな協定に基づいて韓国へ防衛の役目をシフトしていた事、北朝鮮の後方に控える中国やロシアとの戦闘に備えて消耗を嫌った事、更に反米的な政策や地理的な要因を理由に議会が韓国防衛に過剰な力を注がず、より米軍にとって高価値な重要な足場が絶対失われないよう日本への支援と防衛にその力を回すべきとした事で大規模な介入は避けて支援に徹した。
正規軍での戦闘で旗色が悪いと見えると、指導部は特殊部隊やスパイを活用したゲリラ戦へのシフトを命令してBC兵器などを使用しながら散発的な戦闘を続けている。
この影響で、現在韓国は南部の沿岸地域を除いてほぼ全土で戒厳令を敷いてスパイの摘発と破壊工作阻止に全力を挙げている。また、ソウルを含むいくつかの地域はBC兵器の影響で汚染地域に指定され立ち入りが禁止された。
戦費獲得を目指して、中国と共同で行っている「事業」で莫大な収益を得た事で最近活動が活発化している。

・EU

欧州をひとつにしようとする試みで生まれた、国境を越えて形成された巨大なグループ。
中東からの移民、難民とそれに混じるテロリストの流入により人道的な見地に基づく難民の受け入れ、移動の自由などのEUの象徴と言われた制度が揺らいだ上に、イギリスの離脱とGOP後は不況とロシアの内戦、テロの活発化が重なった事で自主独立な法律に基づく入国制限などEUの規定に従わない事や、一部制度からの離脱が本格的に各国で議論された。
実際にいくつかの国は、テロで疲弊した世論の後押しで厳しい入国制限と移動の自由への反対を強行してついにEUは分裂。追い打ちと言わんばかりにロンドンとベルリンでのテロ、内戦状態のロシア反体制派の攻撃が重なった。
事態を重く見たEU首脳は、分裂が進んで対ロシアをにらんだ抑止力に綻びが生まれる事、更に経済が悪化する事を恐れてEUの再統合を図るべく、各国の要請をまとめた新しい規定を作った。
この緊急措置として制定された、内外の脅威を排除するための特別協定によりEUの国境は固く閉ざされ、外国人の内部の移動も急造された国境を守る防壁で管理されるようになり、理想主義的と言われた開かれた欧州は終焉を迎える。
現在も国境は厳しい検問があり、いくつかの国はテロのため非常事態に置かれ、欧州全体がテロの温床として危険地帯となった。
度々戒厳令や非常事態宣言が出され、テロリスト撲滅を目的とした諜報機関による非合法な捜査活動が批判されている。

・日本

資源の少ない島国ながら、科学技術とそれを活用した工業力で発展した人口1億人規模の国。
世界大戦後に憲法によって戦力不保持を定めたが、朝鮮戦争の際に警察予備隊の発足を契機に軍隊に相当する自衛隊を創設。技術力と米軍との協力関係に裏打ちされた武器装備と練度を持ち特に航空戦力、海上戦力は世界屈指の装備と実力を持った。
しかし憲法との兼ね合いを無理やり持たせる形で自衛隊の活動、規則を法律化したため周辺の脅威の排除や実際の戦闘に支障を来す面が残されたままであり、GOP後に起きた沖縄での人民解放軍によるかく乱目的のゲリラ戦と北朝鮮工作員との戦闘で自衛官と民間人に死者が出て初めてこの問題の解決を求める声が公となった。
そして政府は憲法の改正と、新しい脅威への対応のための法整備と戦力の見直しを図る事を決定しNERVの創設を含めた数多くの補助機関の設立、防衛予算や交戦規則等の見直しを行う。
また、GOPによるSOPの停止で世界中で混乱が起きた際は、SOPを導入して活動する程の大規模な作戦行動を行わない事で導入を見送り、独自の指揮統率システムを採用した事で影響を免れた数少ない国のひとつとして、治安維持や海上の安全確保のために海上交通路の護衛を担う事になった。
不況にこそ陥ったもののテロの脅威も低く、中国や朝鮮半島、ロシアとの紛争を抱えてはいるが比較的治安と政情の安定した国として数少ない国連などの活動拠点として、各国の連絡将校や政府が利用している。
ただ、未だに軍として活動するにはソフト面の整備もハード面の整備も追い付いておらず、無用な犠牲が増えるとの批判が絶えない。
現在、九州沿岸と日本海は戦争初期の対応能力を超える難民の流入とそれによる混乱や紛れ込んだ工作員の破壊活動、密入国者による犯罪の多発に伴い、正規ルートを通り収容施設に入る難民以外の渡航を防ぐべく大陸の一部や半島との交通路は遮断し、無許可の船舶は拿捕や臨検の対象として日本人は逮捕、外国人は即時強制送還、場合によっては撃沈となる特定監視海域になっている。
また監視活動支援のため、世界初のAI搭載移動型海上監視システムが稼働中。

・タイ王国

マレー半島とインドシナ半島に連なる東南アジアの国の一つ。
度重なる政情不安や軍事クーデターにも関わらず経済成長が続いており、観光立国でもある。
世界恐慌のあおりを受けて経済成長が滞った事、絶大な人気を誇った前国王の死去などが重なって再び政情が不安定になりつつあるが、内戦や財政破たんで国家そのものが崩壊する例が多かった東南アジアでは比較的安定してると言える。
経済不況と政情不安に警察の腐敗が重なって違法産業が再び力をつけており、警察の目の届かない僻地が多い事と賄賂が根強く残っている事もあって、特に麻薬産業の発展が著しい。
黄金の三角地帯の再興とも言われ、様々な違法薬物の原料が栽培が激増している。

・フィリピン

イスラム国との戦闘から内戦に発展し、国土の半分が戦場となった国。
不況により制圧作戦の動きが鈍り、更に活発化するテロで混乱する内政にイスラム過激派以外のテロ組織が力をつけた事で、多くの島が戦場となった。
米軍基地の再設置と国連軍の派遣を受けて国土を取り戻しつつあるものの、経済は事実上崩壊状態で首都以外の街は荒廃が進んでおり、PMCが再建のためにいくつか派遣され世界最初の新規制に基づくPMCの活動が行われた。

・ナウル共和国

かつてリン鉱石の採掘で栄えたニューギニア島の東2000kmに位置する島。隣り合う島とも数百~1000km近く離れた絶海の孤島で、全く経済発展の見込みがない失敗国家のひとつから世界初の企業国家になった。
多くの破綻国家は大規模な災害や戦争、テロや内戦による治安悪化や政府の崩壊が起きた事が原因であったり、経済不況で財政が極度に悪化した結果破綻しているがこの国は国民が働かずに生活してきた結果、殆どの国民が働き方を知らないため経済活動がストップ、破綻している世界でも類を見ない国である。
長年リン鉱石の採掘とその輸出のみで莫大な外貨を得て、その採掘や生活物資の調達等を殆ど外国人労働者が担っておりナウル国民は政府職員の一部を除き、殆どが仕事を持たなかったが有り余る国の資産は納税の義務もなく医療や教育も無料で全ての国民に年金が支給される、働かなくとも遊んで生活が出来る楽園を生み出した。
しかしリン鉱石の枯渇によって収入源がなくなるとそれらの支出を賄えず、放漫経営状態でみるみるうちに財政が悪化、リン鉱石以外の産業もない上に鉱業以外の国内民間企業もゼロに等しい状況で、何よりほぼ全ての国民が仕事や労働を知らないために新たな収入源となる事業を生み出す事も出来ず破綻した。
インフラも崩壊し行政サービスは消滅したが温和で楽観的な国民性のためか、暴動などは起きていない。
破綻後は諸外国の援助に頼りきり、僅かなリンの輸出以外産業が育たない状況を打破しようと政府はあの手この手で経済の立て直しと国民への労働についての教育を図ったが、国民が働かないため労働力がゼロという経済の基礎から完全に崩壊した国の再建は困難で、労働についての教育がされた世代と今の大人が交代するまで数十年待つしかないとの諦めすら政府内にあった。
更に、行政がマヒして警察が機能不全になっている状況を利用してマフィアやテロ組織が違法産業を展開、予算不足で貧弱な上にそうした組織犯罪と無縁で対処法を知らない警察を圧倒する武力で政府すら恫喝する始末で、初めて外敵の恐怖を知った国民の意識に変化が生まれた。
連日警察を標的にした攻撃が発生し、警察署まで奪われる手の施しようのない事態にナウル政府は、国連の崩壊国家支援委員会へ支援を要請。要請を受けてオーストラリアとSSSへ犯罪組織の壊滅と治安維持活動を依頼した。
ちょうど南洋に拠点を欲していたSSSはこの案件を受諾すると、自国も苦しい経済状況で他国の救済のために支出を強いられる事を避けたいオーストラリアが、世論の支持を取り付けられず消極的なのを利用して撲滅作戦を主導して政府と太いパイプを築いた。
そして作戦後に経済支援の一環と称して港湾設備の修復と拡張をはじめ、インフラの整備と演習場の建設を計画。独立志向の強い大統領率いるナウル政府はSSSに計画に使う土地提供や企業活動への協力と引き換えに、国家の再建を依頼した。
これを受けてSSSは建設事業による雇用の確保や職業訓練、各種行政サービスの再建と提供を行う契約を締結し政府にもアドバイザーを派遣した。
また、犯罪組織の抑制や海賊行為の取り締まりのため治安軍の創設にも協力し軍事訓練も行った。
そして殆ど機能せず改革の足を引っ張るナウル議会に代わって、新政府樹立の準備をする間国家そのものの運営をSSSが担う事が大統領より正式に提案され、国連も再建につながるならと承認。行政、警察、国防まで企業が管轄する世界初の企業の統治する企業国家となった。
最終的な決定権、政策の承認などは大統領だが直接動くのはSSSという形を取っているが、政策や法案の立案は事実上SSSが行っている。
国そのものが基地となっており、独立国である事を利用してSSSの非合法活動や様々な工作活動、研究を他国の監視や妨害を気にせず行える一大拠点に生まれ変わった。
現在はSSSの警備員の供給が大きな外貨獲得手段で、訓練を受けた後世界中に派遣されて給料をもらい、送金している。この警備員は国外の活動を通して一般常識から経済、法律、政治等について様々な教育を施されて労働者としての基礎を身に着けたのち、帰国する事でナウルの経済基盤となる事を期待されている。

・アメリカ合衆国

世界最後の超大国と言われ、長年世界を事実上支配下に置いて来た。
移民の国であり様々な人種の人間でごったがえしているため、人種差別や不法滞在などの問題を抱えている。
経済、科学、軍事とあらゆる面で世界の追随を許さないが、SOP崩壊によって経済は一気に後退し最近は特に目立った動きはしていない。世界からPMCによる戦争経済を止められなかった非難を受けてPMCに関する新法を他国に先駆けて制定、事態の収拾を図っている。
世界情勢の極度の悪化によりかねてから対立していたロシア、中国の急進派と紛争を繰り返しているが、どちらも内紛で米軍と直接対決する余力がなく中華連邦とロシア現政権派への支援という形で、間接的に戦闘が続いている。
自国の軍隊を世界中に駐屯させており、地球上のどの場所にも48時間で艦隊を展開できるだけの能力を持つがPMCの台等による軍の衰退と経済面に起因する予算縮小で戦力が限界に達していると見る専門家もいる。
実際、GOP直後は6割の戦力が行動不能となるほどのダメージを負っており、その戦力の立て直しは未だ完全とは言えずアメリカ本土の防衛と主要な米軍基地の維持で精一杯である。

・メキシコ

アメリカと国境を接する中南米の国。
石油資源、観光、自動車や家電品の生産などで世界15位の経済規模を誇る。
他の中南米の国と同じく麻薬戦争が深刻化しており、カルテルの抗争や資金集め目的の誘拐などの他、強盗や殺人も多発している。特に麻薬に絡んだ事件では毎月1000人とも言われる人間が死亡する。
こうした国内事情や新天地を求めてのアメリカへの不法入国が年間100万人規模で行われ、ここにはメキシコ以外からも集まった人間も含まれる。
不況の深刻化と弱体化した政府の隙を突いて台頭したカルテルの抗争が激化、ついに200万人に迫る勢いとなったがアメリカはテロ対策と移民の抑制策の一環として軍による国境の封鎖、隔離壁の建設で対抗した。既に政府の統治は及ばずカルテルが街を支配している有様で、アメリカはこれを理由に治安維持を名目に度々越境攻撃を加えていた。
しかし国境付近で活動するカルテルはメキシコ政府の機能不全に便乗し、欧米各国への麻薬密輸、密売を活発化させ内戦の激化に伴う麻薬や武器の需要拡大もあって国家並みの資金、兵力を持つと言われるほどに急成長したためアメリカ政府から正式にテロ組織に指定され、司法機関による摘発の対象から軍隊による戦争相手へと変化し、自分の手に負えなくなったメキシコ政府が黙認した事で正式に軍事作戦としての徹底した武力行使が始まった。

・ミスリル

元は拡大するPMCによる代理戦争の広がりに危機感を覚えた世界各国の首脳が、極秘に世界大戦や大規模な紛争に発展しかねない火種を消す「火消し」を担当する専門部隊を創設したのが始まり。
指揮権は基本的に国連だが、実際に動くかどうかは評議会による。中立の立場であるため、国家間の紛争を武力行使によって解決する荒っぽい手段をとる場合に声がかかることがある。
世界各地の紛争地帯にASや部隊を送り込んでテロリストの殲滅に当たる。
現在はウィスパードと呼ばれる特殊能力を持った人の人道的保護も行っている。
装備はTDD-1、AS、ヘリコプター、巡航ミサイル等一国の軍隊に相当するが、どの国家にも属さない中立の立場を守る。本部はシドニー、また太平洋の島々に基地も保有している。
戦闘を行う部隊は基本的に傭兵で、国連軍やPMC同様契約した兵士が戦闘を担当する。
国連とも各国政府とも関わりがない、独立した軍事組織だが太平洋の各地に基地を設けており、香港と東京に司令部を置いている。
基本的に中立で、第3新東京市地下のドック以外の拠点は国家の影響力が及ばない。
作戦部と研究部は日本政府と関わりが深く、国家による保護を受けて任務を遂行することもできる。

・SRT

特別対応班。
ミスリル作戦部の特殊部隊のような存在で、高度な訓練を受けたプロである。
ASによる活動のみならず、肉弾戦での作戦遂行能力は高く、すべての人間が何らかの超人的殺人能力を身に付けた最後の砦とも言うべき戦闘部隊。
相良やメリッサ、クルツの所属している部隊で、スミレの元所属部隊でもある。その時のコールサインは「フラワー」。

・第75レンジャー連隊

アメリカ陸軍の特殊部隊のひとつで、長距離偵察と遊撃を主な任務とする。
空挺降下資格を持つ隊員を訓練で鍛え上げ、3大隊のうち1つは指令後18時間以内に出撃できる態勢のまま待機している即応部隊である。この部隊からグリーンベレーへ行く者が多く、グリーンベレー養成機関とも呼ばれる。掛け声から「ウーオッ」とも。
デルタフォースへの登竜門でもあるため、レンジャー達はデルタに憧れ、尊敬を抱くものが多い。
独特のクルーカットと唸る様な掛け声、規律が特徴で、特殊部隊と呼ばれるグループの戦闘支援や時には直接戦闘に出る。

・戦略自衛隊特殊作戦群

JSSFGPが略称だが、俗称は戦自特戦。
戦略自衛隊の保有する特殊部隊で、陸上自衛隊のSFGPから分かれた。
あらゆる環境での活動を想定しており、SAS並みの訓練によって高い戦闘能力を誇る。
入隊資格はレンジャー課程修了、冬季レンジャー修了が最低条件。
任務は破壊工作、水中工作、撹乱、陽動、偵察など特殊任務を一通りこなす。尚、秘密が多く公開されている情報は殆どないため、海外からは「忍者」の愛称がある。
実際、SASやデルタフォースなどとの合同訓練では音もなく静かに、かつ確実に制圧していく姿は忍者そのもの。
初の実戦経験は中国の日本大使館占領事件(陸上自衛隊の特殊部隊の実戦は沖縄での人民解放軍上陸事件)。

・デルタフォース

アメリカ陸軍の非公式特殊部隊、第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊。
対テロ、CQB、心理戦、市街戦、極限環境下における作戦遂行のスペシャリストで構成され、レンジャーの中から選ばれた屈強な隊員を10人に1人しか受からないと言う選抜のふるいにかけて選ぶか、特殊部隊体力テストに合格した所定の資格を満たし、訓練についていけるものを選んで鍛え上げた最強の集団である。現地の語学に精通することが求められるため、隊員たちは高い語学力を持つ。また存在しない部隊扱いのため、表に出ない秘密作戦に従事することも多い。活動範囲は決められておらず中東のテロリスト殺害からメキシコ、コロンビアの麻薬王抹殺までアメリカの望む「掃除」のために世界中を回る。
デルタ隊員は存在しないものとされているため、クルーカットと呼ばれる後頭部と側頭部を剃り上げる独特のヘアースタイルをするレンジャー達とは違い、民間人と区別がつかないよう髪を伸ばしている。また任務の目的を達成するためなら、交戦規定その他規則に抵触しない限りある程度個人の裁量で活動することも許されている他、階級による敬礼などの動作は一切省略してお互いを名前で呼び合うなど、軍ではかなり異質な存在である。
基本的に秘密なのでデルタと名乗ることは無いが、レンジャーからは「Dボーイズ」と呼ばれ、基地周辺のバーには軍の下請け会社で働いていると自称する、明らかにおかしい体格のマッチョがうろついているのですぐに見分けがつく。
とにかく自由度が高い事で知られ、作戦目標達成のためなら自由に活動できる反面、規則を守っていては達成できない無理難題を押し付けられる。
同じく存在しない部隊であるDEVGRUより露出が多いため他国の軍服を着て任務を遂行した、バックパッカーとして現地入りした、ビジネスマンとして怪しまれない程度に仕事をしながら潜伏したなど興味深いエピソードも多い。

・機動兵器整備隊

BTMWの整備を行う部隊。BTMW以外にもホバートラック、通信機器や観測機器などBTMWとBTMWに付属するあらゆる機器の整備を担当する。基地に配備される整備チームとは違い、前線で活動する部隊に直接出向いて補給と整備を行うため、機材を積んだ大型ヘリで戦地に乗り付ける訓練を受けている。
衛生兵と同じく、特殊作戦に従事する部隊には作戦に対応できる厳しい訓練を積んだ整備兵で構成される専門部隊がいる。

・CCT

前線で航空機の誘導、管制、空爆目標の選定や偵察、誘導、破壊後の損害判定などを行う航空管制官の特殊部隊バージョン。特殊作戦に従事するため、特殊部隊並みの訓練を積んでいる。
航空機が投入される作戦では地上の脅威目標の偵察を行い、安全で効果的な航路設定のための情報収集を行ったり、ヘリボーンの下準備のため現地情報の収集などのためチームを組んで一番乗りする事もある。
勿論敵地に最初に乗り込むため、特殊部隊と共に活動する事となり求められるスキルや体力も、彼らに追従して動く事が前提となる。通信支援隊にはこの資格を持つ者も多い。

・グリーンベレー

「抑圧からの開放」をモットーとするアメリカ陸軍特殊部隊グループ。戦力化された際、グリーンベレーの着用を許された事からその名が付いた。
現地の兵に訓練を施したり、人心を獲得することで作戦を優位に進めるなど本格的な戦闘の前の地ならしを行い、現地情報の収集や味方の獲得を得意とする。当然戦闘そのものにも参加し、ゲリラ、破壊活動、撹乱などで血路を開き、最前線で後続部隊の投入を支援し続ける。ビッグボスは元隊員。
現地で味方を100人作ってくる、という逸話もあるが部隊内での冗談ではグリーンベレーで最も過酷なのは家庭内での味方を作る事で、最もKIAが多く帰還率が低いのは女性相手の人心掌握、グリーンベレーの全ての技術を以てして最も成功率が低く全滅を覚悟する任務は妻の説得と言われる。

・ナイトストーカーズ

第160特殊作戦航空連隊の通称。「ナイトストーカーズはあきらめない」の標語のとおり、いつ、いかなる場所へも味方(主に特殊部隊)を運ぶため、アメリカ空軍をしのぐと言われる程の高度な操縦訓練とグリーンプラトーンと言う6週間の戦闘スキルコースを受ける。もうひとつの標語である「死は闇で待つ」の言葉通りフリアー(赤外線ビデオカメラ)やナイトビジョンゴーグル装備でヘリの操縦が可能で、どんな闇夜でも確実に目的地へ操縦する。CH-47を水面ぎりぎりに着水させた状態でゴムボートを収容するなど、高い技量を証明する操縦技術は有名。
つばきは元第1大隊所属で、空軍から特例で異動した(通常陸軍の航空隊から選抜される)。

・Navy SEALs

アメリカ海軍の特殊部隊。チーム1から10までに分かれている。
世界で1、2を争う過酷な訓練で選別された隊員をかき集めた精鋭で、地球上のどの場所でも偵察、戦闘、監視などの任務が遂行できる。
主な任務は一般的な特殊部隊と変わらないが、特に水中での活動やSDVによる偵察など水に関係する任務を得意としていて、北極圏のような極限の環境でも活動可能。
対テロ専門部隊として、チーム6がDEVGRUの名前で独立している。

・UNSAF第301飛行隊

つばきの所属する国連軍での部隊の呼び名。極東戦線におけるワイルドウィーゼルとそれに続く地上部隊への支援、敵戦闘車両破壊、敵ICBM基地無力化に向かう友軍の援護による伝説的な戦果を上げた空軍屈指の実力を持つ戦闘機部隊として知られる。
部隊章は隊長であるつばきにちなんで、椿の花とそれを囲むライオンのデザイン。
Hunter2-3との連携によって立てた戦功は数知れず、お互いがお互いの作戦にとって不可欠となりつつある。
尚、全員TF20所属でHunter分隊とも交流が深い。

・PJ

Para Jumperの略で降下救難員と呼ぶ。空軍の擁する特殊部隊で、任務は墜落機のパイロット救出と機体に残る機密情報の削除。戦場での救助専門部隊であるため平時はアメリカ国内での救難活動を行っている。
必要とあらば敵勢力の背後に降下して活動することもあり、水を満タンに入れた大きなタンクを背負って深いプールを25m息継ぎなしで歩かされるなど、様々な場所に様々な方法で降下するためにサディスティックな訓練を受ける。後送が困難か不可能な場所に派遣される性質上、現地でほぼ応急的な治療を完結できる医師と同レベルの高い医療知識と技術を求められヘリボーンや空挺降下はもちろん戦闘、偵察など医療行為以外のスキルも高いものが求められる。
独自に偵察チームも持っていて、救難活動の前に現地の情報を集めて本番に備える事もする。
いざ事が起きないと出動する事が無く、それまではずっとヘリや基地で待機しているため米軍の特殊部隊の中では、軟弱と揶揄されることが多い(特にデルタから)。
基本的に空軍所属ではあるが、通常の医療部隊が入れないような場所で活動する特殊部隊の求めに応じて応急処置や後送、場合によってはその場での治療のために派遣される事もある。

・SAS

イギリス陸軍所属の世界で最も歴史があり、最も経験豊富で、最も鍛え上げられた特殊部隊。
A、B、D、Gの各戦闘中隊とその下に海、陸、空での専門的な技能を備えた小隊が存在する。
対テロ、後方撹乱、偵察、水中工作、破壊工作など、特殊部隊と呼ばれる部隊が従事する任務を一通り網羅しており、世界中どこでも駆け付けてどんな仕事でもやってのける。
スミレとケリーは元隊員で、共に空挺に身を置いていた。
今でも交流があり、時折Hunter分隊の共同作戦で一緒に戦場に立つことがある。

・特殊機械化行動部隊第3小隊

歩兵に特別な任務を任せる特殊部隊がいるように、戦場で台頭してきたBTMWで特殊作戦をこなすことのできる特殊部隊を設立しようという試みの下、デルタフォース内部に編成された実験部隊。BTMW単独での特殊作戦のみならず、他の特殊部隊の隊員に帯同する事も行う。
世界中の、特に危険な任務に従事してBTMWによる特殊作戦の実戦データ収集を行う実験的な側面のある部隊で、アニメや漫画の影響が強くBTMWの積極的な活用を行っている日本や冷戦時代から続く歴史を受け継いできたロシアなどに比べて、戦場でのBTMWの運用実績がまだ少ないアメリカが遅れを取り戻すべく短期間での戦略体系の確立を狙って編成された。
BTMW戦闘訓練で好成績を収めたもの、既に実戦で戦った者、BTMWを活用した戦術論に秀でた者などが集められ、オペレーターと戦闘員によって構成されている。
第3小隊と名付けられているが、通称デルタチームと呼ばれている。
デルタの隊員から選抜されたメンバーの他、整備やオペレーターは異例ながら外部から招へいした。

・タスクフォース145

イラク戦争において、臨時編成された特殊部隊の名称。
アメリカ陸軍 第1特殊作戦部隊デルタ分遣隊(デルタフォース)、アメリカ海軍 DEVGRU(旧海軍特殊部隊(SEALS) TEAM 6)、アメリカ陸軍 特殊作戦グループ(グリーンベレー) 、アメリカ陸軍 第75レンジャー連隊(75th RGR RGT)、アメリカ陸軍 第160特殊作戦航空連隊(通称:ナイトストーカーズ)、アメリカ空軍 第24特殊戦術飛行中隊、イギリス陸軍 第22特殊空挺連隊(SAS)、イギリス陸軍 空挺連隊、イギリス空軍 特殊部隊支援群、アメリカ中央情報局 特殊作戦部で構成される世界最強の猛者の集まりで、ドリームチームの名に負けない実力を誇る。

・国家軍事指揮センター

アメリカ統合参謀本部第3部に置かれている、権限を持つ人間と軍との通信を管理する組織。ペンタゴン内部に拠点を構え、米軍とアメリカ政府の通信拠点の一つとして大統領や統合参謀本部と軍を結ぶ。
特に重要な任務として核攻撃命令の管理、伝達、信頼性の確保があり、大統領から命令が下ると核攻撃を実行する前線部隊へ、確実に信頼できる保証の付いた命令書を作成して送信する。この命令書は緊急行動メッセージと呼ばれ、アメリカ政府の最高機密の暗号化を施された上でミサイル基地や潜水艦などに伝達される。
一度伝達された後も、命令が事故ではなく大統領本人の意思で出されたものと証明するため、国防長官や統合参謀本部からもそれぞれ命令確認証明が出されるが、その伝達もこの部署が行う。国家間のホットラインの管理も担う。
前線での戦術核使用が想定されていた冷戦時代は、小隊単位で運用する小型核兵器の引き金を引かせる命令を下すため、命令を確実に且つ極秘に受け取る戦場版核のフットボールの子機が試作されたがこの制作もセンターで行った。

・UNSF

国連軍特殊部隊。各国の軍で組織された国連軍の中の、特殊部隊と呼ばれる部隊の名称。陸はUNGSF、海はUNSSF、空はUNASFとなる。
中身は各国の持つ特殊部隊で、状況によって合同で活動する事もあり、その時はこう呼ばれる。

・US SOCOM

アメリカ特殊作戦軍。米軍の持つ陸海空すべての特殊作戦部隊を統合指揮、運用する事を目的に設立された。
合衆国全軍の特殊作戦を担当しており、そのための予算や訓練、兵站などの調整や政治的な働きかけも行う。特に国連軍の特殊作戦軍との調整は重要な役目となっている。
その任務上、情報を扱う機関と連携を取っておりCIAをはじめとするインテリジェンスコミュニティや、DIA等の軍情報部、国家安全保障局、FBI等とも密接にかかわる。

・JSOC

統合特殊作戦コマンド。USSOCOM隷下のサブコマンドで、特に特殊任務部隊SMUの指揮、運用を担う。
SMUは海軍のSEALsから派生したDEVGRU、デルタフォースといった活動や存在を公にしない非公式の軍事活動を行う部隊の運用を行っており、その特性故に活動内容は殆ど公にされていない。これらの部隊と、その活動を支援する輸送、技術、情報の専門部隊を指揮下に置く。
平時から非常に高度に政治的、軍事的にグレーな秘密作戦の指揮を執っている。指揮下の部隊の作戦参加が公に発表された時以外、組織としての活動も一切表に出る事は無い。
ただその特殊性と高度に政治的な案件を扱う故の閉鎖性から、統率が取れていないとされる問題が度々指摘されており、更に極度なストレス環境下に置かれる特殊作戦が2000年代からアフガニスタン、イラクと続きテロの活発化で激増したため過労状態にあり、麻薬等の薬物問題も抱えているという一面もある。

・国家治安支援委員会

GOPによる警察力の麻痺、国軍の崩壊によって治安が維持できない国にPMCや軍を派遣する事で支援を行う組織。
元は国連のPMC監視部門で治安維持の方法が主にPMCの派遣であることから、新たに支援の必要性の程度を検討する部門が作られて今の形になった。

・崩壊国家支援委員会

国としての体をなすことが出来なくなり、無政府状態となった国の再建を担当する国連の機関。
こちらは国そのものをゼロから再度立ち上げるための支援を行い、無政府状態の解消から経済の立て直し、選挙や政府の監視と腐敗取り締まりなどあらゆる面で再建をサポートする。
治安維持については治安支援委員会が担当するが、停戦監視や選挙妨害の阻止など治安面以外はこちらの担当。


・ATセキュリティ

元はアメリカの大手兵器開発企業のアームズテック社。
ステルス技術で他社をリードしており、冷戦期にはレールガンの開発やレーザー兵器の研究を行っていたが冷戦終結と共に業績が悪化。次期主力戦闘機開発の競争でも敗れ、起死回生の一手として国防総省と共同でメタルギアREXの開発に乗り出すもシャドーモセス島事件でのスキャンダルと社長の死亡が重なり倒産寸前まで追いつめられた。
経営陣は業務再編で危機を乗り切るべく、需要が高まりつつあったサイバー戦争、サイバーテロ関連のツール開発事業を立ち上げ、ネットワーク化された戦場の通信インフラや情報管理システム開発で持ち直しを図る。同時にナノマシンを利用した兵士や武器の管理システムの実験を進め、登録制度を導入して鹵獲や不正使用を防ぐセキュリティ・ウェポンシステムを実用化。更にDARPAとの共同研究で次世代光チップとニューラルネットワークを利用した超高速学習能力と強力な演算能力を持つAIを、インターネット上の情報を検閲し諜報活動に利用するめどをつけた。
そしてアメリカの軍事行動の外部委託が進み、肥大化するPMCへの批判を回避するためにアメリカが主導して国連の元に全PMCの管理が宣言されると、その管理のために兵士に注入が義務化されたナノマシンとそれに連動する管理システムの採用が決定。
既にナノマシンを用いたセキュリティシステムと兵士個人のナノマシンから寄せられる膨大な情報を処理できるだけの能力を持つ愛国者達のAIを研究、開発していたアームズテックはこのシステム開発を受託してSOPシステムを完成させ、更に管理に適合したID銃やID車両などの買い替え需要で莫大な利益を上げて一躍トップ企業に躍り出た。これを契機にATセキュリティへと社名を変更し、軍事情報通信企業となる。
兵器開発部門もAI制御の無人機シリーズをヒットさせ、中でも月光は戦車をも超える稼働数を誇るまでになり戦争経済を支える一員として、開発元のATセキュリティと共に歴史に名を残す存在となる。
GOPによるSOPシステムの崩壊、PMC新法によるPMC規制、無人兵器の制限条約などで自社製品の殆どが販売停止になったがNSOPの開発支援と、かろうじて被害を免れたSOPの脳幹部分の維持管理業務の委託で何とか持ち直したものの月光の回収と廃棄、SOP症候群患者の集団訴訟を抱えて業績は芳しくない。

・IKUSA Mart

戦いを意味する日本語「戦」から名前を取った、高リスクな地域での物流網の提供を得意とする世界最大の"酒保商人"。社名は日本語だがアメリカ企業である。
SOPシステム施行前から中東で米軍相手に日用品、嗜好品、お菓子、軽食などの販売や本国からの手紙や荷物の運搬と配達、時には兵器や弾薬の運搬を行っていた総合物流サービスを担当するPMCとして活動していた。
小規模ながら自己防衛のために武装警備部隊を保有しており、戦場での様々なサービスの提供を可能としている。
そのノウハウとアメリカ政府との太いパイプ、海運会社の吸収を武器に紛争拡大後は世界中で事業を展開して急成長した。紛争のある所にどこでも商品を運び、兵站の負担を減らしつつ士気向上に貢献している事と保有する武装警備隊が小規模な事を考慮された結果、PMC規制の網をほぼ無傷で潜り抜けた稀有なPMCとして注目された。
現在は軍のみならず、生活基盤が崩壊した戦地の住民相手に物資を販売したり現地店舗で雇用する事で再建に貢献し、赤十字やNGOなどの支援物資や人員の輸送と、警備を手掛け人道支援の重要な担い手となる一方、相手を選ばず金さえあれば物を売りつけるとしてテロ支援の疑いもかけられるなど、その利益至上主義に批判が集まる事もある。
時にはバックパッカーとして前線に赴き、商売をする事もある程のどん欲さにはアメリカ政府が公式に誘拐などの危険から保護しきれないと懸念を表明した。

・Smart P-X

アメリカ輸送軍の退役士官が立ち上げたベンチャー企業。運送会社買収後にIKUSA Martと提携した。
膨大で複雑怪奇な兵站を整理、可視化するべく民間の配送業者のノウハウと大規模な情報処理AIを組み合わせた物資配送システムを立ち上げ、急成長している。
スマートフォンのアプリで必要な物資を個人が入力し部隊ごとにまとめると、中央コンピュータで注文を取りまとめて部隊単位の梱包が行われる。そして自動で行先の基地、地域に向けたほかの物資を一つにパッケージして現地へ運ばれる。この配送ルートの設定、まとめる物資の選定、需要予測等はAIを活用した物流コントロールシステムで無駄なく迅速に行われる。
バーコードを読み込む事でID管理された物資は受け取りまで全て把握し、2重配送防止や正確な需要の予測、NSOPと連動した弾薬消費量による予想活動時間などに合わせた配送の順位振り分けや遅延状況の確認も行う。
また、正確な需要を可視化出来る為無駄をなくすことにもつながる。
部隊内で不足する物資を取りまとめなくても、個人が自分が今欲しい物を勝手に注文すれば届ける際に同じ部隊の荷物をひとまとめにしてくれる上、地元企業と契約して仕入れた限定商品などもラインナップされていて家で通販を利用する形に近いこの方法は兵士達のストレス軽減にもなる。
日用品や軽食などを引き受ける事で兵站の負担を減らしつつ、武器装備に関係する物資が優先されて後回しにされた生活必需品の不足による士気低下を防ぎ、寄せられた注文内容から展開中の部隊の健康管理などのバックアップも出来る。

・通信支援隊

部隊間、部隊内での通信確保やNSOPとの調整、通信分析など情報通信と諜報を行う部隊。SOP時代に前線でのシステムのサポートを担当したいくつかの部隊のうち、前線通信調整官の後継となる。
指揮官がシステム崩壊後の戦場でも的確な指示を与え、判断を下すためNSOPの補完を行う事を目的に設立され、戦場で戦う分隊(歩兵4~6人で構成される)に1人配属される。その任務の特性上敵との交戦は分隊の隊員に任せ、支援隊は最低限戦闘が行えればよいので軍では特に制限が少ない。
具体的には兵士の低年齢化が進む中、特に体格や身長の制限が通常の歩兵に比べて寛大である。そのため非常に若い年齢で入隊するものが多く少年兵として問題化される事も多い。
そしてその見た目が子供同然の隊員を受け入れた小隊長は「子連れ狼」と呼ばれる。
上位資格の持ち主であれば、航空支援や砲撃支援の要請をする権限がある。
モットーは「最高の耳、正確な情報、最速の伝達」。

・タスクフォース20

元はビッグボスの配下だった兵士が国境なき軍隊の崩壊後にボスの理想の実現と、自分達の身を守るために再集結した部隊。
更にザンジバーランド後生き残った兵士達が合流し活動を広げ、独立した動きをする傭兵集団となった。そしてメンバーを集めGOPを契機に非公式PMCから警備会社SSSへと鞍替えを行った。
構成メンバーは自らや仲間、その身の回りにおける危険(国家の陰謀、犯罪など)を排除し生き抜くために行動し、ビッグボス以外の特定の組織や国家へ忠誠は誓っていない。
世界でも指折りの戦力が揃い様々な諜報、情報戦から直接戦闘まであらゆる戦闘技術を持つため、任務遂行能力は非常に高い。場合によっては戦車、戦闘ヘリに加えてガンシップから戦闘機まで動員して空爆や空戦まで行える。構成員の人数は100000人とも言われており、一国の軍隊並みの装備と組織を有する。哨戒機を使った情報収集から衛星を使った偵察までやってのけるが、どの国や政治思想にも肩入れしない。
実働部隊の中核は警備員とされるボスや幹部に忠誠を誓う傭兵であり、更に上級組織として現役軍人が幹部として存在している。
殆ど名前を出さない非公式の傭兵部隊であり、危険視される程の戦力を持ちながらMSFの前例もあって徹底した警戒と防衛体制を整え、各国政府とのコネやメンバーの表の顔での尽力、スポンサーとなる大企業のおかげで実態すら把握されていなかったが、GOP後その力を借りるため国連はTF20の立ち上げたSSSを警備会社として扱う代わりに、裏仕事の依頼を出すように落ち着いた。
国家や思想によらず、ただ自らのために戦う傭兵で構成された軍隊と言うことで、ある意味ビッグボスの理想の形のひとつとなっている。
活動資金はメンバーからのカンパと、任務を依頼してくる国や組織からの報奨金、SSSの表の顔での収益。
モットーは「意思を持つ者こそ生き残る」「引き金は仲間のために」。
企業となってからは情報担当が情報管理部門へ、兵站担当が保安部へ、というように各自の任務に合わせた部署に名前が変わった。
元傭兵部隊であることから、今でも世界中の武装組織、国家との繋がりがあり、武器の密輸などでマフィアやギャングと敵対することもある。こうした犯罪組織の殲滅や麻薬の密造施設の破壊などもよく依頼されるため、SSSが襲撃やテロの標的になる事もしばしば。
今でも裏の顔としてTF20の名前は残っており、表に出せない様々な裏工作や裏社会との取引、対象の壊滅などのために活動する事がある。特に攻撃された報復と自己防衛には、威嚇の意味も込めて徹底的な暴力を行使するためTF20という裏の顔を見せる事が多い。
何もしなければ良いビジネス相手にすらなるが、一たび手を出せば圧倒的な暴力をもって冷徹な報復を行う。

・ホテル・モスクワ

ロシアンマフィアでも特に血の気の多い武闘派として知られる。大頭目と呼ばれる大ボスを筆頭に、世界各地に支部を構えてそこに幹部が地域を統括する頭目と呼ばれるボスとして君臨する。
マフィアから連想される物は大抵扱っており、抗争となれば戦争まがいの銃撃戦も躊躇しない。
タイ支部の頭目であるバラライカは、地球で最も悪党の跋扈する街の一つであるロアナプラで抑止力足りえる程の戦闘力を保持しており、パワーバランスに大きくかかわる。
ビジネスでSSSと深いかかわりと持ち、バラライカとスミレが個人的に友人である事もあって関係は良好。時に裏仕事の依頼をお互いにすることも。
日本支部は東京に存在しており、縄張り争いで地元の極道を壊滅させた後に神室町の昭和通りに進出して東城会と小競り合いを起こしている。

・三合会

香港に本部を置く巨大マフィア。世界中に支部を置いており、実態が掴めていないが構成員3万人を有すると言われる。
ロアナプラにも進出しており、街を支配する組織の中では最大勢力を誇る。かつてホテル・モスクワとの抗争でも痛み分けに終わっており、その抗争後も勢力は保ち続けている。
ゴールデントライアングルにあるクン・サ指揮下のシュエ・ヤン将軍の所有するケシ畑から採れるケシを原料に、ヘロインを製造する精製プラントを持っていたがアメリカの麻薬撲滅作戦の一環で将軍が捕えられたため、現在は中東の三日月地帯に輸入元をシフトしている。しかし、それでも一時的なプラントの停止は組織に打撃を与えており、特に麻薬の密造地帯を抱える南米のカルテルやマフィアには薬物を盾にシマを削られつつある。
現在は独立した香港での混乱を利用した裏ビジネスと、中国本土への武器の密輸で力を取り戻してきた。

・礼物公司

リウ・コンス。バンコクに本社を置く中国人民解放軍総参謀本部第二部の運営するフロント企業で、表向きは運送業を営んでいるが裏では中国のための汚れ仕事を行っている。
かつてはスパイを使った政治工作や密輸でミャンマーの支援などを行っていたが、内戦勃発後は戦費のための資金集めに力を入れるよう指示が出たたため麻薬取引を始めた。また、制裁決議で輸入が禁止された武器弾薬などの禁輸品の密輸も手掛ける。
中国政府が戦費を稼ぐために始めた、麻薬のブランド化による高価値化プロジェクトによって最先端の科学と研究で既存の麻薬を改良した、高性能な麻薬の製造を始めておりそれを武器に大きな利益を上げている。
元々非合法な活動を行っていたこともあり、裏の商売も順調だったが最大の消費地の一つであり密輸の窓口として港湾施設も整っているロアナプラが、海外に向けた輸出と街での取引で最も利益が見込めると判断した上層部が進出を決めたためロアナプラに支店を出した。
しかしよそ者の介入を良しとしないロアナプラの連中には煙たがられており、不穏な空気が漂っている。

・香港九龍会

香港で急成長を遂げた中国マフィア。
本土での混乱を受けて独立運動が活発化した香港に対し、共産党指導部が経済制裁を行った際に制裁を潜り抜けて様々な物を密輸する事で莫大な利益を上げた。
香港政府が西側との貿易へシフトし、諸外国から支援物資が届けられた事で制裁が形骸化した後も、閉鎖された国境を突破する本土からの亡命の手引きや武器密造密売で勢力を拡大し続け、内戦の混乱で流れてきた武器で武装する事で三合会などの古参のマフィアとも正面から張り合えるまでになった。
現在は中国本土の支部が軍閥の一角を占め、そこで武器と違法薬物の密造を行っており安定した商品の供給で一定のシェアを獲得している。更に支部には訓練キャンプも設けており、豊富な武器を手に、戦場となっている本土で活動するプロの軍人や傭兵によって高度な軍事訓練を施された構成員の戦闘力は侮れない力を持つ。
こうした軍事訓練も商品として扱っていて、密入国から訓練までパッケージしたプログラムは人気である。
国連安保理決議によって経済制裁下にある、中国本土向けの規制品の密輸ルートのうち香港経由での密輸を取り仕切る。
現在、様々な新興勢力の参入で混乱しているロアナプラへ進出して小競り合いをしている。

・東城会

関東一円の極道を傘下にまとめる極道組織。西の近江連合と共に日本の2大極道組織として知られている。
6代目会長の手腕もあり、幹部が壊滅する様々なトラブルに巻き込まれながらも勢力を保ち続け札幌や福岡の極道組織と手を結ぶ事で、その影響力を拡大した。
神室町を本拠地として、抗争を繰り広げた中国、韓国マフィアを退けた後焼失した中華街の再建事業を請け負う事で、莫大な利益を得て近江連合との差はかなり縮まった。
TF20とは裏組織同士中立の関係で特に取引なども行っていない代わりに、攻撃対象から外れていたが最近傘下の組織が金を貰ってSSSの重要な顧客とスタッフに危害を加えた事で関係が緊張している。

・イズマッシュ社

ロシアの兵器メーカーで、世界で最もメジャーで最も多くの戦争を戦うAKシリーズを生産していた。
しかし、元はソ連の国営企業だったこともあってズサンな経営や商品管理が影響して業績が悪化していたが、2012年についに破産を宣告されてしまった。
その後、親会社の整理と生産部門のスリム化が図られてAKシリーズの生産は子会社が行う事となり、イズマッシュの名前を掲げた別会社の製品として生まれ変わる事となった。
この子会社による生産が始まった時期を境に、AKシリーズは特に品質が向上した子会社生産品と倒産前のイズマッシュ社生産品の並品質のものとに分けられる。

・ドレビンズ社

SOP時代に小規模なPMCや現地民兵にID銃のロンダリングと、裸の銃の販売を行う武器洗浄屋として暗躍していた武器商人たちによって設立された、新しい武器兵器の卸売販売業者。
SOPによるID管理が崩壊してすべてのID銃が使用不可となり、その制限が解除されるまでの間にいち早く使用可能な武器を提供し、それまで培ってきた戦場でのツテもあって急成長した。
武器、兵器の卸売販売業者として装甲車を操り、戦場の最前線で商売をする事で有名で何人もの商品の回収と取引をする協力者を抱え、商売をする。

・STOP Security Service

「降りかかる危険をとめる」という意味を込めて名づけられた総合警備会社。SSSとも呼ばれる。
本社は安全上の都合で日本にあり、業務はSPによる警護や施設警備から戦場における作業やジャーナリストの警護、そのための諜報活動、航空機の護衛まであらゆることを行う。
業務の内容上、高度に訓練された部隊を独自に持っていて政府からの信頼も高い。
前身はMSF、アウターヘブン、ザンジバーランドからのビッグボスに忠誠を誓った傭兵とそこから生まれたTF20で、人脈やコネの大きさは諜報機関すら凌ぐ。加えて、これらの組織出身の傭兵が立ち上げた大企業やPMCとも密接な関係を持ち、現役軍人や政府関係者にも協力者が多い。
ヘリコプター、戦車、戦闘機まで運用するPMCでは世界最大規模の企業。
要人の送迎、犯罪者を護送する護送車の警備、危険目標の事前排除なども担当している。また、警備のための情報収集と言う名目で独自の調査部を持っており、諜報機関としての顔もある。
裏では紛争防止、テロ鎮圧、その他安全保障上の問題を解決する非公式治安維持組織として活動しており、訳あって国連や当事国政府が動けない案件の処理のためにカウンターテロ、暗殺などの武力行使で事態を鎮圧する。
国連や国家の介入が公になれば即紛争が拡大、激化するような微妙な情勢にある地域や、相手が高度に武装していて警察が解決できないテロ事件、諸事情で警察の介入できない案件の処理なども請け負う。このため国によっては仕事に際しては超法規的措置によりあらゆる手段を講じることが出来る自由度がある。
更に公に出来ない任務や、非合法組織相手の紛争、裏取引などのSSSでも活動を知られたくないような場合はTF20としての顔を出す。
任務に関する情報保全や企業秘密の管理を行う情報管理部、防犯グッズやセキュリティシステムの開発販売、テストを行うガードシステム部、業務の中心である警備護衛業務を担当する警備部、任務遂行のための各種情報収集と支援を担当する調査部からなり、警備部は更に軍やテロリストなどの重武装した敵の能動的な排除を行う一課、直接警備や護衛にあたる二課、サイバー空間での防衛や攻撃を担う三課と分かれている。
あくまで業務は警備であり、危険回避の手段以外で武力を行使することはないため相応の戦力を持ちながらPMCとしては扱われていない。とはいえ、各国軍需産業とのつながりは深く戦力も陸軍、海軍、空軍と呼べるだけの数が揃っており中堅国家レベルならば真っ向から戦争しても勝利できるほどのもので、PMCの範疇を超えた存在である。それでも、国連や政府への根回しを含めた土台作りは欠かせない。
出資はTF20のメンバーや世界各国の軍人が中心で、役員や社長は事情を知る退役軍人などで占められているためグループ全体が1つの軍隊のように忠誠と規律で固められている。
陸上、空中での任務を担う実働部隊の基地が第3新東京市に建設中で、海上での任務を担う部隊の駐屯地は三浦湾にて建設中。
アメリカの中堅銃器メーカーの子会社化を契機に、重工業、造船、航空宇宙産業へと進出を始めてほかの企業には真似できない各国軍関係者、政治家との太いパイプや培ってきた工学技術を武器に事業を拡大している。得意とするのは旧式兵器の近代化改修。
更にその情報網を生かした商社も持っていて、危険な地域での貿易や物品の売買でも自前の戦力で警護できるため、需要が増大しており事業が拡大している。そこから派生した安全とスピードを売りにした流通サービスは、軍の兵站の一部を担うほどの巨大さを誇る。この警護業には脈々と続く傭兵ネットワークが活用されており、現地雇用された兵士の規模と練度は、既存のPMCには真似出来ないものである。
紛争とテロが普遍化しつつある今日、多くの陸海空全ての物流は護衛がなければ成り立たなくなっており、メジャーと呼ばれる多国籍企業すらも護衛なしには商売が出来なくなっている。そうした中でSSSは国連によって公認されながら物流ルートの警備を一手に引き受けることで世界の経済活動を裏で支えると共に、それらのルートを利用する企業はもちろん国家にすらも影響力が及ぶ。特にGOP時の混乱から、国連の認定を受けないPMCの勢力拡大を好ましく思わない世論の後押しが従来PMCが担っていたこうした警備業務からPMCを締め出しつつある事も手伝って、ますます寡占化が進んでいる。
国連の下請けのような、半ば公的企業に近いとはいえ一企業が物流を通じて原油や食料価格を大きく左右できるほど影響力を持つ事を好ましく思ってない国も多いが、かと言って国軍を警護に出せる国は不況で少なく、長年培ってきた傭兵を通じたネットワークで構築された、巨大で広範囲をカバーできる警護網を代替する事も出来ないため、現状を変えるまでには至っていない。
GOPによる警察機構の崩壊が起きてからは警察の補助を担う事も多く、警察が機能している国でも犯罪の凶悪化に伴い危険な案件については、高度な技術と専門性を持つSSSとの共同作戦を取る事もある。
SSSのみでの純利益は年間1兆円、グループ全体で10兆円以上にもなる超巨大複合企業であり世界の軍事バランスを握る一員として傭兵メジャーの一角をなす非公開企業。
国軍の復興や紛争の鎮静化で縮小すると予想される市場に対応するため、巨大化した組織のスリム化を進めつつ一般のPMCでは参入の難しい地域や、紛争後の再建事業に持ち前の軍事力を以て参加するなど、ポスト傭兵時代に備えた変革の真っ最中。

・SSS特殊対応班

SSS警備部内特殊対応班。SSSの中でも表の顔がTF20に近い、SSSの内部監査対応と外部勢力への予防的措置を担う部隊。より綿密に仲間を守る手段が必要と訴えるスミレ肝いりで創設された。
自己防衛のための反撃、公に攻撃対象とされる武装勢力相手の武力行使はSSSとして行えるが、敵対行動を取る民間人や攻撃の理由を明かせない相手への武力行使など、表立って叩く事が難しい相手にSSSが攻撃されたり、攻撃の危険がある場合に出動する他、小規模な戦略的武力行使にも出動する。警察機構が正常な国ではTF20は規模が大きすぎるため、特に小規模且つ隠密な処理を担当。
名前と素性を隠し、表向きに民間人と扱われるが裏でSSSやTF20に敵対する個人や勢力を叩く事から、一般人への生殺与奪の権利を持つとされ、存在も活動も秘匿されている。
TF20の私兵部隊としての性格も持ち合わせるが、これらの活動故に構成員は厳格に審査された人員で占められ、命令を逸脱した暴力や独断行動を取らないよう、このような部隊にありがちなチンピラ崩れや犯罪者モドキは排除される。加えて緊急時にナノマシンによる強制制御で眠らされて動けなくなる事を了承した、忠誠心の強い首輪付きの軍用犬のような部隊である。
場合によってはマフィアじみた暴力も行使し、特に多くこなす仕事内容が報復攻撃である事も相まってウェットワーク以上に隠すべき、黒い仕事(ブラックワーク)を扱うため内部ではワーカーと呼ばれる。
対外的には存在しない事になっているものの、仕事っぷりは裏社会では知られたもので徹底かつ熾烈な報復攻撃から復讐の神ネメシスのあだ名がある。他にもブラックドッグ、軍隊アリなど獰猛さを象徴するあだ名がいくつかある。

・SSS情報部

元は諜報班で、SSSやTF20の任務に関わる情報収集や活動支援を担当する。
ヒューミント、シギントをはじめサイバー戦や衛星、偵察機の画像データ分析など国家の持つ諜報機関と何ら変わらない活動をしており、その能力も高い。
いわゆる防諜を担当する情報管理部とは深い関係があり、各国の諜報機関とも情報交換を行っている。
独自に構築した軍や政府とのコネクション、脈々と受け継がれてきた傭兵同士の情報網、マザーベースのスタッフが立ち上げた民間企業など世界の裏側を網羅する他の諜報機関にはない極めて強力で隠密且つ密接なつながりは、時にアメリカやロシアをもしのぐ情報力を発揮する事がある。
SSSそのものは勿論、情報部単独でもその能力の高さや諜報担当という理由で警察の監視対象に含まれ、日本でも警察庁のゼロや公安調査庁等にマークされているが、時には協力する事も。
この部門の経理課は非合法な諜報活動やTF20の活動に使用する資金の管理を担当しており、匿名の資金を準備したりSSSの利益をTF20に、あるいはその逆をするためのロンダリングを行う。情報部が担当なのは機密性の高い仕事である事と、必要に応じてスイフト等の国際的な銀行ネットワークへの介入が行えるため。
このような業務を取り扱う関係で、SSSの子会社にある銀行に担当官が出向している。
人的なつながり、クラッキング等の技術的な優位性でオンライン化された資金の流れ、証券や株のやり取りから決済、新規企業の設立をサポートする法律事務所、世界的会計事務所など経済の流れと根っこにアクセスする手段を握る。

・SITEC

SSSのグループ企業の一つで、AI開発やコンピューター技術を得意とする。その源流は国境なき軍隊時代のヒューイとストレンジラブ博士で、彼らの残した技術と彼らに学んだ科学者達である。
軍用通信やサイバー戦争のような軍事用途のみならず産業用情報システム、インフラ管理、汎用フレーム、セキュリティ、ソフトウェア開発などコンピューター関係の業務はおおむね網羅している。IoTにも強く、SSS独自の武器装備の管理システムを開発した。
AIに関してはロボットに寛容な日本並みに野心的かつ大胆な試みを行っており、強いAIによる航空機の完全自動操縦や模擬人格の創造など時に科学至上主義と批判されるような、タブーの少ない企業。
SSSの戦術ネットワークの管理、その基幹部分を構成する超大規模情報処理AI、サイバー戦関係も担当する。
社名はIT、エレクトロニクス、コンピューターの頭文字。
NSOPの開発にもかかわっており、その管理下にあるSSS社員のために機密情報のスキャンや強制的な制御を防ぎ、TF20としての任務中にNSOPを使用できるよう目的外使用検知を欺瞞する防衛プログラムを社員のナノマシンに仕込んだ。
かつてSSSの力を抑え込もうと、ある国がEUで銀行の融資の遅延や審査などの却下を通じて経済活動の妨害工作を試みた際は、国際的な銀行決済ネットワークや手形交換所のネットワークに侵入して記録を書き換えたり破壊する示威行動で主導した国の財政に数億円規模の損失を生み出した事がある。
また、タックスヘイブンでの法律事務所や銀行、会計事務所が持つ顧客情報や口座情報を盗み出した事も。
次世代光コンピュータ開発、量子コンピューターの研究にも熱心で非公式ながら既存の暗号技術を無効化できるいくつかの技術を保持している。
また、荒廃した地域で復興と自身の活動用を兼ねて高速通信インフラの構築も手掛けていて、あらゆるIT企業はインターネットが正常に稼働する事を前提にしている点に目をつけ、海底の光ファイバーケーブル網に食い込んで密かに情報収集をしながら、ハードの面で覇権を狙う。

・スペシャルパス

イスラエルに本社を持つ小規模なIT企業。
その実態はSSSの下部組織であり、スマートフォンやパソコン等のIT機器を使った監視、追跡ツールの研究開発を行う。イスラエル政府を主な顧客としており、その他にも世界中の諜報機関や警察にもスパイアプリとも呼べる諜報用ツールを販売している。当然ながら8200部隊とも深いつながりを持つ。
決して表に出ず、顧客も国家とその警察組織に限られ、活動実態は殆ど分からないが登記上はしっかりと存在するれっきとした会社組織。
SSS情報部の出先機関で、主にシギントにおける政府や諜報機関とのコネクション作りや情報交換、SSSの名前を隠しながら実際の諜報活動にも従事する。

・SMCファーマ

SSSのグループ企業のうち医薬品、化学薬品の生産と販売を行う製薬会社。Medical、Chemicalの頭文字を取っている。
医療班が受け継いできた技術、ノウハウの結晶であり遺伝子工学、シミュレーション創薬など最先端の研究開発も手掛ける。病院や診療所の経営を通じてSSSの医療面でのサポートや、医療担当スタッフの訓練も行う。
TF20としてカウンターテロを念頭に置いた様々な毒物、化学兵器、生物兵器の防護や治療の研究をしている他、証拠の残らない暗殺や痕跡の化学処理の研究、隠密作戦中の現地での医療サポートも担当。
新しいタイプの鎮痛剤、限られた器具で行える新しい手術法など戦場で得られた知見やニーズに基づく成果を数多く持つ。
傘下に持つSMC脳神経研究所では戦場でのPTSDを始めとする心の病気、SOP症候群の研究と治療や脳とコンピューターの連結、人格を持つAIの研究が盛ん。
変わったものでは、脳から直接情報を読み取る事で完璧なウソ発見器を作る研究をしている。
この会社のクリーンセンターは、自社で出た感染性廃棄物や遺伝子組み換え生物の処理をする工場を持っている事からTF20の隠ぺい工作を担当していて、普段から医療廃棄物を取り扱う関係で怪しまれず遺体の処理や武器装備に付着した血液や組織などを跡形なく洗浄する清掃を行うことができる。

・ガード銀行

SSSのグループ企業のひとつである銀行。一般の顧客に向けたサービスは勿論、グループの財務や取引なども取り扱う。
衛星回線を利用できるスマートフォンを活用した電子決済、送金などの銀行業務を行うスマートバンキングシステムを開発して現金が扱えない危険地帯、インフラが崩壊した戦場に銀行の支店を開く事で荒廃した地域の復興に一役買っている。
持ち前の戦力での護衛を可能とした結果、誰も立ち入らなかった戦地やインフラの破壊された地域を中心に展開する事で、現在急成長中。

・SWインフォ

戦地での情報収集、SSSの実働部隊への支援、情報提供等で活動の下地を作る言わば活動のための環境整備を担う子会社のひとつ。
民間、一般市民として軍事色のない立場で活動する表側の支援役を担う。そのため主に企業やNGO等の支援団体と現地とを結び、案内や調整役を引き受けるコンサルタント企業として業務を展開している。
表世界の人脈、コネクション作りとその管理はこの企業の担当でそれらを生かしてSSSやTF20への窓口の管理、新興企業の国際展開の支援、ノウハウ提供、宣伝等で利益を出す。
顧客には世界を相手に兵器を売り込みたい日本政府、防衛省もある。

・スリーエス・エアラインズ

SSSの持つ子会社の一つで、プライベートジェットの運航や管理を担当する。主にSSSのスタッフや物資の空輸を行うが一般向けにもサービスを提供している。
ビジネスジェットを用いた人員の運搬のみならず、払い下げられた軍用輸送機を使っての貨物の空輸も行っていて時には国の依頼を受けての工作員の密出入国、武器や化学薬品といった危険物も取り扱う。万が一の墜落の際にも証拠が残らないよう、地上スタッフとも連携して書類や申請も手を加える。

・イデアール社

ロシア語で理想を意味する名前をつけられた製薬会社。
本社はロシアにあり、カリネシア連邦の首都のはずれに研究開発拠点を構えている。このイデアール・バイオラボは自然に潜む未知の化合物の発見と研究を掲げ、熱帯雨林の生物から新薬を作るためにカリネシア連邦を拠点にしたとされる。
しかし裏ではソ連時代から軍の機関の一部として、生物化学兵器の研究を行っており製薬会社としての顔はその隠れ蓑ついでで生まれた薬を販売しているに過ぎない。政府からの資金援助とソ連時代は粛清対象を使った人体実験で、他に真似できない人体実験で得たデータを蓄積して高い科学力を誇る。
その最高傑作と称されたのがREウイルスであり、カリネシア連邦の熱帯雨林で発見されたキノコから抽出された化合物がウイルスを兵器として完成させる最後の決め手だった、感染性の制御に必要な遺伝子の特定を可能とした。

・イデアール・バイオラボ

カリネシア連邦に設置されたイデアール社の研究所。熱帯雨林の生物から薬に繋がる化合物を見つける事を名目にしているが、実際は極秘の生物兵器研究を監視の目をかいくぐって進めるためにここに置かれた。
薬の治験を行う診療棟、排水の浄化や感染性廃棄物の処理を行う処理場、研究棟の3つのエリアで構成されていてセキュリティは軍事基地並み、武装した警備員といくつもの隔壁が設置されている。
事故の際は施設を完全に封鎖する事が可能で、生物兵器の研究を行う部屋には証拠隠滅と実験材料の漏洩防止を兼ねたホルマリンガス放出装置まである。
兵器開発に必要な病原体の研究、実験と保管ため非公式ながらBSL4相当の基準を満たす高度な設備を有する。
鉄条網で囲われ、ヘリポートを備え、大きなパラボラアンテナが設置され、監視カメラと武装警備員が24時間目を光らせている姿はまるで要塞。

・国境なき軍隊

国家、思想、政治によらない国を棄てた軍隊。
コロンビア沿岸とカリブ海の洋上プラントを拠点に、世界中の紛争に兵士を派遣して活動し報酬を得て活動していた。
機甲兵力、攻撃ヘリをはじめとする航空兵力、核兵器、世界中から選りすぐった1000人を超える兵員を抱えており、その兵力は小国の軍隊を優に超える。海上に設置されたプラントなので外界と隔絶されているが球技大会、誕生会などのレクリエーションや釣りなどささやかながら娯楽がある。
政治に関係なく必要な場所に、必要な勢力に、必要な軍事力を供給する目的で創設され、ただ純粋に軍事力を欲している所に軍事力を与え、報酬を得る。兵士が自分で戦う場所を選び、政治に振り回されない自分の意思で戦う事ができる唯一の場所を目指していた。
CIAが極秘裏に開発していたメタルギアを破壊、鹵獲してからは核保有組織となる。そしてIAEAによる査察が行われた際、視察団と偽って侵入したサイファーが奇襲攻撃を仕掛けると同時にプラント脚部を爆破した。
結果巨大なプラントは数分で全て水没、奇襲によってスタッフもほとんどが死亡、陸上へ退避していた僅かな隊員と脱出に成功した数名を除き全滅した。

・LRA

神の抵抗軍を称するウガンダ、南スーダン、コンゴの一部で活動する武装組織。
テロ組織と呼ばれる多くの組織とやっていることは同じだが、特に子供に対する犯罪が深刻で戦闘員の大半が子供の少年兵で、2万人を超える子供を拉致しては性的搾取、暴行、拷問、洗脳などを行っているとされる。

・ハンター2-3

スミレを隊長とする分隊。レンジャー、デルタフォース、グリーンベレーなど、新時代の編成によって様々な部隊の所属になって活動するとが当たり前(たとえばデルタフォースの隊員がSASの作戦に呼ばれて一時的に同じ部隊として活動することがあり、部隊間の壁が薄くなっている)となった現代において、典型的な「移動型戦闘集団」である。元はオールラウンダーな部隊を作る目的で設立されたチームであり、もっとも活動範囲が広い。
構成メンバーは基礎訓練の頃からスミレに鍛えられたか、厳しい訓練と実戦を潜り抜けてきた猛者ばかりで、全員が家族のような結束を持つ。元はケリーがスミレの実力にほれ込んで同じ分隊となることを希望したことが始まりで、今はヘッドハンティングと志願制でチームへの入隊希望者を募り、テストをパスすることで入隊となる。そのテスト内容は数々の特殊部隊で戦ってきたスミレを始め隊員全員が自らの経験や知識を出し合って決められ、より実戦向きの本格的なものである。その難易度は海軍特殊部隊チーム6とほぼ同じとされ、現役SAS隊員ですら根を上げることもあると噂されている。しかし、隊員の人柄と実力の高さから志願者は多い。
表向きはデルタフォース内部の非公式部隊「Hunter」の1分隊だが、裏ではTF20の実働部隊の中核をなすグループの一つとして公では介入できない紛争やテロの鎮圧などを行っている。

・Watcher分隊

スミス率いる第75レンジャー連隊の分隊。マシンガンを持つケント、衛生兵のトッチ、通信支援担当の楓、ライフルマン兼ポイントマンのジョー、選抜射手のマックからなる。

・衛生兵

戦場において負傷兵の応急処置を行う医学知識を持った兵士。
国際法上は医師(軍医)や看護師など軍属の医療関係者すべてを指し、ジュネーブ条約の庇護の下赤十字マークをつける事と、それによる保護を受ける事が出来る(条約では赤十字マークをつけた船舶、兵士、車輌等への攻撃を禁止している)。
戦場での予防医学(寒冷地での凍傷予防、熱帯地域のマラリア対策など)や、後方での負傷兵の治療に加えて食物や水などの衛生管理も担当する。
米軍ではEMT(アメリカの救急救命士の一種で、医師に匹敵する訓練と勉強によって得られる資格を持つ高度な医療行為を許された救急救命士)の資格を持つものが多い。
主に負傷兵の応急処置と後方への輸送が任務であり、戦闘の最中勝手に後退する事が許されない兵士達にとって仲間を銃弾の雨をかいくぐって安全な場所まで運ぶ衛生兵はありがたい存在であり、負傷時も衛生兵の到着程頼もしいことは無いため最前線の兵士にとっては生命線とも言える。
しかし治療といっても戦場で行える事は止血と簡単な消毒、痛み止めといった応急処置くらいで、本格的な治療は野戦病院へ送られた後になる。それまで命を繋ぎ止め、ダメージの拡大や感染症を阻止するのが衛生兵の仕事である。
守られている、とはいってもテロリスト相手の非対称戦が戦争の形となった今日ではあまり意味は無い。たとえ正規軍同士の戦争でも、衛生兵はその仕事上専門的知識を必要とするため補充が利き辛く、また衛生兵が活動できなくなれば普通に戦う事に比べて遥かに与えるダメージが大きく、戦闘が有利に運ぶため誤射とされてわざと撃たれる事も危惧される。
PJから派生した特殊衛生隊は、特殊部隊に所属する衛生兵を養成する部隊ですぐに後送が出来ないような敵地で手術などの高度な治療を行い、命をつなぐためにさらに高度な訓練を受ける。
自衛隊の衛生科は医師法との兼ね合い、予算不足によって個人装備も薬剤も不十分なままであったが、実戦で全く役に立たず死者を出した事を受けて、法改正を含めた全面的な改革と米軍での実地研修が始まっている。

・海兵隊

開戦と同時に敵地へ侵入、真っ先に行動を開始する殴りこみ部隊。
国家の権益を守る緊急展開部隊としての性格もあるため、陸海空全ての作戦を自己完結できるよう独自に戦闘機や船を持つ国もある。
中でもアメリカ合衆国の戦力のひとつである合衆国海兵隊はその錬兵の厳しさと実戦経験の豊富さで有名で、世界のいかなる軍隊のいかなる部隊出身であろうと海兵隊に入る場合は基礎の訓練から始まって、集団生活の中で規律と忠誠を徹底的に叩き込まれる。マリーン・コーといえば海兵隊。
上陸戦、市街戦などあらゆる戦闘のスペシャリストであり、即応性を重視して指揮系統や武器装備にも独自の方式が多い。。
合衆国海兵隊は独特な指揮系統を持っており、大統領の命令だけで行動が出来るため私兵部隊としての側面も強い。しかし出動後議会でその出動が正しいのかを議論し、間違っているとして出動が拒否されれば撤退しなければならないなど制限もある。
モットーは「常に忠実であれ」「一度なったら、常に海兵」。

・NSA

アメリカ国家安全保障局。
世界最高、最大の電子諜報組織。CIAがヒューミント(スパイを送り込むような、人を使った諜報活動)を主にしているのに対して、NSAはシギント(電子機器を使った電子的諜報活動)を主に情報収集を行う。
世界中の通信を各地の大使館、米軍基地に併設された傍受装置で傍受してテロや紛争に限らずあらゆる情報を収集し、暗号解読や通信量の分析などを通して24時間の監視体制を敷く。
NERVの内部情報の調査を行おうとして逆にMAGIにハッキングを食らって局長がクビになったことがある。
アメリカ政府のコンピューターシステムのセキュリティシステムの開発、安全管理や脆弱性のチェック、市販のソフトウェアのチェックも仕事のひとつ。
元工作員による暴露によって非合法な情報収集、海外首脳や同盟国への盗聴などが明らかになったため活動が縮小傾向にあったが、GOPによるサイバー攻撃への危機感の再燃からすぐに元に戻っている。
大手通販企業と協力して、スマートフォンのアプリで商品の購入という形で自分の口座から運営会社に資金を送り、会社から相手に出品した商品の売却代金と称してその資金を振り込む事で銀行ネットワークに自分と相手を結ぶ回路を残さないネットバンキングと通販を合体させたような、アングラな送金システムを開発してアメリカの資金集めの手助けをしていると噂される。暗号通貨、電子マネーの研究も盛ん。
インターネットを支える大手IT企業の殆どが欧米にある事を利用して無線電波の傍受を行うエシュロン、有線通信を傍受するPRISMプログラムと呼ばれる世界規模の通信監視プログラムを運用しており、主なプロバイダやインターネット電話サービス等の企業が提供する通信に乗る画像や音声通話内容、メールを始めとするあらゆる情報を制限なく収集可能と言われる。通信傍受は各地の大使館や米軍施設の収集ツール、衛星通信の傍受、通信ケーブルからの直接傍受等の実働部隊による情報収集で行われ、専用のプログラムでデータの選別や分析が行われる。時には専用バックドアまで活用する。このためのサーバーが世界中の大使館と米軍基地に整備され、基幹システムがNSA本部と極秘の地下軍事施設に設置される。
これらの監視プログラムの一部は違法な米国内での自国民に対する情報収集、同盟友好国首脳への盗聴行為、それらの国の機密情報へのアクセス等にも使用されているが逆に諜報活動の手段として、同盟国へ提供される場合もありイギリスやニュージーランドといった共同運用国以外にも、日本をはじめとする限られた同盟国に提供されている。
一部ではこうした監視を逃れるため、アメリカを経由しない海底ケーブル通信網の構築やアメリカ企業を排除した完全独自開発の暗号化技術の採用、監視されることを利用して吸い上げられる情報に意図的なブラフやウイルスを送り込む事で対抗する動きが加速しており、日本政府は経済交渉での不利益回避と諜報活動のため、デジタル化を名目として各省庁の通信と自衛隊の防衛通信を既に「秘匿清浄化」された回線へ切り替えている。
TF20はこれらの監視プログラムを回避するために独自の通信回線、暗号化技術、NSAやアメリカ政府への内通者を通じた工作活動、時には段ボールに組み込んだメモリーカードにデータ自爆機能つき暗号化ファイルを仕込んで郵送するアナログな方法を活用して通信の完全秘匿化を目指している。

・CIA

アメリカ中央情報局。こちらはヒューミントを主として活動するアメリカの諜報組織。アメリカのあらゆる情報機関の中央に位置し、大統領に収集した情報をまとめて報告する事で様々な政策の決定を補助する他、他国の諜報活動からアメリカの機密を守る防諜も任務としている。
国内外でアメリカに対する敵対行為やテロ情報、その他多くの外交や国防関連の情報を収集していて、世界中に多数の諜報員を送り込んでいるとされる。NSAに比べて公の場に出る事が多いが、当然活動の内容は秘密である。コスタリカには大通りに「スタッフ募集中」の看板を掲げて職員を募集している。
かつてソ連でのシャゴホッド開発を阻止するためネイキッド・スネークをバックアップ、作戦を成功に導いたが裏では賢者の遺産の奪取を目論んで様々な裏工作を行っていた。
その後もスネークとかかわりがある。
イラクやアフガニスタンではプレデターなどの無人機を使って武装勢力への攻撃を行っている。NSAとは活動の上でかち合う事がしばしばある。
反米国家の不安定化工作、非協力的な政治家の失脚や排除といった伝統的な活動も行っているが、予算削減のあおりを受けて工作活動はやや大人しくなった。最も秘密度が高く非合法な活動が多いのは準軍事工作を担当するSpecial Activities DivisionのSOG諜報員で、尋問や暗殺、破壊工作はこの部署の担当。
NSAの暴露による活動の抑制に伴い、権限を大きくしつつある。
本部の所在地からラングレーとも呼ばれているが、バージニア州マクレーンに引っ越した。
SOGにはリーダーシップ、問題解決能力、限られた情報でどう行動するのかを見るため1人やグループで真っ暗な部屋に閉じ込めてその反応を試す風変わりな能力評価試験がある。

・Special Activities Division

SADの略称で呼ばれるCIAの諜報活動チーム。現在は特別行動センターと名前を変えた。経済戦争や政策工作、宣伝、サイバー戦や心理戦担当のPAGと暗殺、破壊工作などを担当するSOGの2つに分かれている。
SOGはアメリカの関与が知られてはいけない非正規の偵察、暗殺、破壊工作、誘拐、救出、物資や情報の回収といった軍事的な性格の強い工作活動を行う為、活動内容はほぼすべてが非合法であり特に秘密が多く情報が少ない。その任務の特性上、元軍人や移籍した特殊部隊出身者で構成されており、時には現役の兵士からレンタルする事がある。任務の性格上、JSOCや傘下の部隊とも密接な関係を持つ。
分析官が情報収集や暗殺任務で出動する特殊部隊と行動を共にして諜報活動に従事、現地の捕虜の尋問や情報分析に当たることもしばしば。SOGのメンバーは担当官と呼ばれ兵士という身分もアメリカ政府関係者の身分も一切を秘匿し、服装から髪型言語に至るまでをアメリカ人から遠ざけ、武器装備一切も米軍の装備は使わず非正規に手に入れたAKなどを利用する。時には押収された密輸品や現地調達で徹底的に身分を隠す工夫を凝らしていて、バックアップを担うチームにはそのための非正規品の調達を行う人員もいる。スマホを無線機代わりにマフィア御用達のロシアや中国製の武器で戦い、Tシャツがユニフォームというスタイルが彼らの正装で、昨今のPMCの増加に伴いPMCのオペレーターになりすますのがトレンド。
敵対国家は勿論、時には友好国のパスポートや身分証の偽造まで行う事もありその内容は免許証から架空のNGOやNPOの身分証、社員証まであらゆる偽造を行う専門部署もある。
世界各地に秘密のキャンプをいくつも抱えており、重要人物の監禁や尋問などをそこで行っているとされる。不当逮捕に非正規拘束等極秘の活動が行われているものの、殆ど実態は分かっておらずその集めた情報の価値もあってCIA内部でも特別な存在になりつつある。

・イスラエル諜報特務庁

モサドの通称名で知られるイスラエルの諜報機関。情報収集、秘密工作、ナチス構成員の逮捕などを任務とするが、活動には法律の裏付けがなく法的には存在しない組織である。周辺を敵対する国家、組織に囲まれ紛争が絶えない事もあって世界屈指の実力を持つ。
ミュンヘンオリンピックでのテロ事件の報復として、実行犯のグループに対して次々と暗殺を行った事で知られており、その能力の高さと執拗さが世界に知れ渡った。
ヒューミントのみならずシギントでも世界規模の電子情報データベースを保有しており、高い能力を保持している事がうかがえる。
特定人物の暗殺を決定する首相をトップとするX委員会の存在もあって、他国の諜報機関と比べて暗殺や破壊工作のような攻撃的な面が強調される。

・DIA

国防総省の管轄下にある軍事情報専門の諜報機関。大統領直属の外交、軍事政策の決定のための情報を扱い政治的な工作も担当するCIAとは違い、米軍の活動に関わる諜報に特化している。
米軍から独立して存在するCIAとは違い、こちらは米軍の一部として活動するが基本的な活動内容はCIAとも被っているため、指揮系統や情報提供先が違うだけで大きな違いはない。
時にはCIAでは目立ちすぎる、高度に政治的な大物との接触や亡命の手引きに諜報機関の中では影が薄い事を利用して参加する。

・ゼロ

警察庁警備局に存在する公安警察の協力者工作をまとめ、直轄部隊による協力者の獲得から盗撮、盗聴、時には非合法な侵入行為を伴う情報収集も行うとされる部署。張り込みや尾行といった技術を駆使して、写真撮影や協力者を使った地道な情報収集を行うヒューミントで主に国内の監視対象団体、海外勢力の監視と防諜を担当するほか、そのための技術指導も行う。
諜報機関より警察による防諜が主になっている日本において、敵勢力による諜報活動の最前線に立つ組織の一つ。

・ヤマ

警察庁外事課の通信傍受、監視や分析、暗号解読等の電子情報の収集と解析を行う部署。
全国に通信所と移動式の監視車両を保有し、日本国内の工作員が発した通信は勿論国外から日本へ向けた通信を傍受して、その内容や暗号を分析したり通信に利用した電波情報から居場所を特定する事が出来るとされる。防衛省情報本部の電波部とは密接な関わりがあり、電波部は警察官僚がトップになる。
電波情報を扱う任務上、違法無線取り締まりのための設備と俊樹を持つ総務省とも連携する。

・アメリカ軍

世界最強にして最大の軍隊。直接戦争に関わる陸、海、空、海兵隊の4軍から組織され、更に沿岸警備隊を含めた5軍とし国防総省が管轄下に置いている。
合衆国大統領を最高司令官として組織されているが、中でも海兵隊は議会の承認なしで出動できるため即応性が高い。
世界各地に基地を設けており、中東を中心にアイスランド、イギリス、イタリア、スペイン、オランダ、カナダ、日本、韓国、フィリピンetc.とヨーロッパから東南アジア、アフリカに至るまで軍を駐留させている。しかしこれらの基地には同盟国の防衛だけでなく、敵国や駐留する国への影響力を残したいアメリカの政治的な意図によって駐留する兵力も存在するため昨今の戦争経済の終焉と、それ以前のPMCの台等によって衰退していた軍にとって現在の部隊展開の維持は限界を超えた状態で、本来の目的である「合衆国の防衛」を担う本土の兵力すら削って海外に送り出している。それによって専門家からは最大の目的である本土防衛のための戦力が骨抜きになって、いざと言うときアメリカを守れるのか?と疑問が出ている。特にPMCに任せていた防衛任務をSOP崩壊によって再び担い、なおかつ広がる紛争にも対応しなければならないため更に戦力を投入する、2倍の仕事負担が増えている。最近はその傾向が顕著。
基本的にグリーンカード保持者でなければ入隊できず、入隊後に市民権の獲得申請を行える。空軍と海軍は外国人の入隊を認めていないが、優秀な人材は調査の上でヘッドハンティングする場合があり限定的ではあるが、セキュリティクリアランスの審査にパスした外国籍の軍人の入隊も可能である。他にも信頼の置ける人物からの紹介というルートでの入隊も可能。
これらのルートでの入隊は基本的に公にされないものであり、スミレや雛菊もこのルートで入隊しているため市民権は持っておらず、日本国籍のまま米軍にいる。通常は市民権保持者以外は国家機密にかかわる仕事に就けないが、例外扱いされる。
人員不足が深刻化しており、未成年の入隊や優秀な人材の獲得ための規範の改定などの組織変革が著しい。

・国連軍

国際連合安全保障理事会の決議によって組織され、その指揮下にある軍隊を指す。しかしこれまでの歴史上組織された事はない。
PMCが世界中の紛争をコントロールしていたが、SOP崩壊によってPMCが機能不全に陥るとコントロールを失った紛争が爆発的に広がり、PMCの台等と戦争経済とシステムの崩壊によって活動が出来なくなった各国の軍はこれを止める事が出来なかった。
そこに追い討ちをかけるように中国、ロシアの内戦勃発が発生したため急遽安保理において世界中の紛争を鎮圧するための大規模な軍隊として国連軍の組織が決定された。
そこでは単独で鎮圧する事が不可能な紛争を解決するための各国国軍の国連による運用の取り決め、戦力拡充のための即戦力の召集と傭兵の合法化、指揮権のあり方、緊急時における強制召集などを制定し、各国の軍隊を必要に応じて流動的に国連が動かす事、それ以外の軍の活動は各国に任せることを前提とした新たな国連軍が誕生した。
指揮権が国連にあること以外は従来の多国籍軍と大差なく、決定的に違うのは国連軍の元で働く傭兵やフリーの軍関係者が多い事、国連加盟国の軍の施設を使用できるため自由度が上がっている事くらいである。

・ヴェクター・インダストリー(Vector Industries)

戦争経済の崩壊による不況を乗り切るために日立、トヨタ、三菱、三井住友、ソニー、東芝他多数の国内企業が合弁企業として設立した巨大多国籍企業。実態は日本政府の防衛費削減の一環として作られた軍産複合体の一つで、国に代わって兵器開発と格安での装備調達を行うためのダミー企業。
トヨタの自動車技術、三菱と住友の重工業、ソニーと東芝、日立のエレクトロニクスなど各企業の得意分野を集結させたため兵器からパソコンまであらゆる産業へ手を伸ばしている。本社はアメリカにあるためアメリカ企業として認識されているが、自衛隊の規模拡大に伴う防衛産業の拡大が急務となっていた日本政府が、この会社の技術力がNERVと技術研究本部との共同研究に欠かせないと判断してのことである(武器の輸出を禁じていた立場上の配慮)。
AGWSや戦闘艦の建造も手がけ、Rナンバーの開発にも参画している。
KOS-MOSはこの会社とNERVの共同研究の産物である。

・水瀬グループ

水瀬財閥の経営する企業体。
日本有数の巨大企業で、三井、三菱、日立、ソニーなどと共に世界中に事業を展開している多国籍企業である。
水瀬重工は自衛隊に兵器を納入しており、新型戦闘機開発やBTMWの生産、整備にも参加しているため、765小隊にも身近な存在。

・HCLI社

H&C logistic incorporated。フロイド・ヘクマティアルをトップとする巨大物流サービス企業。特に海運に関しては世界屈指の実績を誇り、フロイド・ヘクマティアルが海運の巨人と呼ばれる所以である。
元々兵站サービスの請負などで軍事へのかかわりが深いが、武器商人としての顔も持ち合わせており世界中で武器の販売も行っている。武器商人とはいえ、行うのはあくまで武器の輸送と販売のみで生産は行っていない。
ココ・ヘクマティアルはHCLIのヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門のトップ。

・ゲヒルン

防衛省の秘密先進技術研究所の名称。
殆ど表立って名前が出ることは無いため一般には殆ど知られていない。
エヴァの原型となる人工生体部品を使ったロボットと神経直結式制御システムの研究を行っていて、ASやメタルギアのような従来の兵器の常識が通用しない大型の兵器群に対抗する手段としてヒト型の人造人間の開発が決まったとき、NERV設立時に吸収される形で消滅した。
現在のエヴァの基礎とMAGIの生まれ故郷である。

・UNSF

United Nations Special Forces。
国連軍の組織による臨時戦力増強部隊ADENGの後継。
兵力不足に対して傭兵の積極的な受け入れという応急措置によってADENGが誕生したが、その後の組織改編と規定等の整備によって傭兵と正規軍兵士を分けることに意味がなくなったためADENGが解散となり、新たに設立された部隊である。
陸軍の特殊部隊を傘下に収める「UNSGF」、海軍の特殊部隊を傘下に収める「UNSSF」、空軍の特殊部隊を傘下に収める「UNSAF」の4つからなり、それぞれには各国の有する特殊部隊が入っている。
とは言っても、国連軍の要請を素早く各国の部隊に伝えるだけの連絡程度しかつながりはなく、便宜上の枠となりつつある。