兵器データ

Last-modified: 2021-12-05 (日) 05:15:57
  • アサルトライフル

・AK-47

世界一人を殺した兵器と称されるアサルトライフルで、世界で最も使用された軍用アサルトライフルとしてギネスブックにも掲載された。設計者の名前からカラシニコフとも。
1947年にソ連軍が正式採用、その後は改良を重ねつつ米ソ冷戦の代理戦争で東側の国々や革命軍、ゲリラに供与される形で世界中に拡散して行った。
十分な教育を受けていない兵士でも扱えるよう扱いが簡便である事、機関部に砂をまぶしても撃てるほどの頑丈で信頼性が高い事、部品同士に遊びを設けた設計で製造時の精度の誤差や極寒のロシアで戦えるように気候の変化による変形を許容できる事など非正規軍好みの仕様がふんだんに採用されている。
大戦中幾度となく戦線の後退に伴って工場を移動させた経験から、劣悪な戦時下の生産設備でも十分使用に耐えるものが作れる事を目指しており、町工場でも生産できる構造の簡単さが売り。これらの特徴のため武装ゲリラや反政府組織のような、潤沢な資金や物資のない武装組織にとっては、訓練も容易で故障もなく安く作れて強い手軽な武器として愛用される。
冷戦時代に供与された、あるいは政略として資金や武器の援助を行ってもたらされたAKがあふれた事が地域紛争の解決を難しくしていると言われるが、近年はロシアも国際的な非難を避け、国内の内戦向けに工業力を振り分けるために紛争地帯への武器の供給を絞っており、代わりに中国が自国製のコピーAKを販売していると噂されている。実際テロリストと呼ばれている勢力が使うAKの多くは中国製である。
7.62×39弾を用いるため威力は高く、その反面反動が大きくて部品同士の遊びが大きく取られているため弾がばらつき精度は良いとはいえない。
密造が簡単で、報道などでもよくゲリラが持ち歩いている映像が流れるためテロリストの武器と言うイメージが大きいが、PMC(小規模なもの)やフリーの傭兵のように資金が少なく補給が満足に受けられない立場の人間にとっては、部品や弾薬の補給が簡単なAKシリーズは非常にありがたい存在であり、また故障の少なさはベトナム戦争で見られたように劣悪な環境で戦う特殊部隊などにとっても有益な存在で鹵獲したものを使う場合もある。
現在、過去にライセンス生産を行っていた国が外貨獲得のため、そしてテロ組織やマフィアなどは活動資金獲得のためあちこちで密造を行っており紛争拡大に拍車をかけている。
特に中国は内戦による需要の爆発的な増大と、外貨獲得のための資金源として武器の生産と輸出に力を入れており、中国製AKシリーズは世界中の紛争需要を支える存在となっている。ただし、ノリンコとイズマッシュ以外のメーカーや現地生産品には粗悪品も多く数が多い分、詐欺に近いものも多数出回っている。
AKM、RPG7、RPKなどと並んで武器のベストセラーとし戦場で不動の地位を築いた。

・M4

M16から発展したカービンモデルで、取り回しの良さから主に特殊部隊や空挺部隊で使用されている他、SEALsやデルタフォースでも採用されている。
米軍正式採用のライフルだが、その性能から世界中で使用される。
2005年にXM8が次期正式採用ライフルとして導入されるはずだったが、海兵隊の猛反対によって白紙に戻ったために未だ第1線で活躍する。
動作不良など問題も多いながら改良を加えて逐一弱点を克服し続けるため、これから先も長きに渡って使用され続けると予想される。
豊富なアクセサリーが特徴で、長年米軍で使われてきた実績もあってPMCでも普及していたが、大手PMCで使われていたのは自社か子会社が生産していた「高級モデル」で、米軍で使われている官給品より精度が高く、アクセサリーも様々なものが開発されていた。
様々な企業がアクセサリーを販売するようになったため、オリジナルのアクセサリーやカスタマイズを施した「My M4」を使う兵士が増えてきている。
6.5mm弾を使用する派生型、近代化改修モデルのHK416、7.62mm弾対応のHK417に置き換わりつつあり、米軍では寿命を迎えたものからHK416への交換が行われている。

・G3

H&K社の開発したアサルトライフル。1964年に製造がはじまり、今も40か国以上で現役である。
7.62mNATO弾を使用しているため威力が高く、人間工学的に優れたデザインによって命中率も良好。
ただし、リロード操作が煩雑でタクティカルリロードをすると破損の危険が増す、銃身の交換に手間がかかるなどの欠点もある。
優れた性能故に第3世界にまで利用は広がっており、そこから流れた鹵獲品などが出回る事で民兵やテロリストにも浸透して現在も密造が絶えない。

・M4A1(スミレ仕様)

ビッグボスの下に向かう前に、フリーの傭兵として活動していた時から使っているアサルトライフル。今は米軍としてではない活動時に使用する。
独自に格闘術 (後のCQC)に対応したさまざまな改造が施されていて、その他にも戦場で随時カスタマイズを施しているためオリジナルと比べると見た目こそ一緒でも、グリップやセイフティに細かい相違が見られる。任務で使用する官給品はカスタマイズのみ同じ。
最近ガタがきており、銃身がメンテナンスではカバーしきれないレベルになりつつある。そのためガンスミスに何度も修理をしてもらったがそろそろ寿命だと言われた。

・後継ライフル

今使っているM4の後継として製作を依頼した新しいライフル。M4をベースに、スミレ自身が設計から細かい注文を織り込ませ、カスタマイズを施す予定。
銃身には新素材の靭性を高めた合金を使って耐久性を高め、撃鉄から機関部まで職人の手が入った特注品である。HK46を踏襲したカスタムモデル。

・89式自動小銃

防衛省の開発したアサルトライフル。性能はそこそこ良く、世界的に見ても標準的な自動小銃である。比較的新しい概念である「CQB」に対応が可能であり、ダットサイトやスコープが付属品として確認されている他、隊員の自費で購入したパーツも装着されていることから、拡張性はそこそこ高いとされる。
使用弾薬は5.56mmNATO弾で、有事の際の共同作戦に備えて米軍の弾薬と併用できる。予算の制約を受ける自衛隊では独自の工夫によってCQB訓練が行われていて、世界一と言われるエアガンの生産国であることを利用してメーカーに実銃の設計図を基にした訓練用エアガンを制作してもらい、宿舎を利用して射撃訓練を行う一風変わったものもある。また、同じく高度に発達したレーザー銃(センサー部分に当たると反応する光線銃)のおもちゃを発展させたレーザーライフルでの訓練も行われる。
日本人の体格にあわせて設計されたため、取り回しは良い。精度が高い上部品数も少なく、先端のフラッシュハイダーの性能の良さから視認性も高いため扱いやすいなど同世代のアサルトライフルの中では割と優秀な能力を持っているものの、1丁当たり25万円以上する価格がネックで今でも調達が続いている。その結果、採用初期に調達された銃が耐用年数を迎えて廃棄され始めたのにまだ更新が終わらない、という状況も生んだ。
現在次世代小銃の開発が進められている。

・SCAR

ベルギーの武器メーカーであるFN社が開発した米軍の次期主力アサルトライフルの候補。
海兵隊の猛反発で白紙になったXM8に代わり、イラクやアフガニスタンでSOCOMに供与されて高い評価を得ていた。パーツの組換えで狙撃まで可能な汎用性と、7.62mm弾仕様の開発もあって陸軍に採用された。現在はほぼ供給が終わり、世界中でこの銃を見ることができる。
しかし未だにM4シリーズも現役であり、任務内容や好みによってはM4が多く活躍することも多い。
一部を除いて追加購入をしない旨が発表されており、正式化とは行かなかった。

・XM8

M4に代わる次期米軍主力ライフルとして開発された新型アサルトライフル。流線型をした近代的なデザインをしている。
テスト成績は良好で、生産プラントの建設が決定していたが海兵隊の猛反対によって白紙になり、SCARにとって代わられてしまった。
現在は自費で購入した者が僅かに存在する程度で、受注生産の方式を取っている。

  • マシンガン

・ミニミ機関銃

5.56mmNATO弾を使用する分隊支援火器。
スミレの小隊のケリー、スミスの小隊ではミールが持つ。
1982年に設計、製造が開始され自衛隊を含む10カ国以上で採用、イラクやアフガニスタンでも戦果を上げている。
5.56mm弾はストッピングパワーが不足するためより大火力を求める特殊部隊などは7.62mm弾を使用するMk46 Mod 1を使用している他、空挺仕様、M249E4のような様々なバリエーションが世界各地の戦場で活躍している。

・M2

1932年から西側世界で使われ続けている重機関銃の最高傑作。今に至るまで高い性能、安いコスト、基本構造の簡便さの全てを網羅したこの重機関銃に代わる銃は出ていない。12.7mm×99弾を使用し、射程は1000m以上。
ストライカー装甲車のガンカメラやハンヴィーの銃座、ブラックホーク等のヘリのドアガンにも使われる。
その本体重量と構造、トライポッドによって使用する弾薬をものともしない高い安定性を実現しており、そこに目をつけたカルロス・ハスコックがベトナム戦争で狙撃銃としてこの機関銃を使って、通常の7.62mmを使う狙撃銃よりも射程も威力も高く実用性は十分だと報告していた。朝鮮戦争の山岳戦でも同様の使い方が確認されている。
フォークランド紛争ではアルゼンチン軍が障害物の少ない海岸線での攻防戦で、進撃するイギリス軍に対してM2マシンガンにテレスコープをつけた即席長距離狙撃銃を作って攻撃を行って大きな損害を与えており、これが1000mを超える射程での狙撃に使う超長距離狙撃銃の開発のきっかけになった。この攻撃を受けたイギリス軍は自前の狙撃銃もアサルトライフルも弾が届かない射程外のため全く歯が立たず、1発数万ドル以上の対戦車ミサイルを陣地にひとつひとつ撃ち込む荒業で対処している。
長大な射程と機関銃としては破壊的な威力は、遮蔽物に隠れた敵を壁ごと粉砕することが可能なため戦場が市街地に移り変わった今日でも、この災厄おばちゃん(マデュース)は生き続けている。

・M134 ミニガン

元々戦闘機の機銃だったM61を小型化して7.62mm弾を発射するようにしたもの。
電動式で毎分2000~4000発という圧倒的な火力を誇り、リトルバードの機銃やブラックホークのドアガン等に使われている他、ハンヴィーの銃座にも採用されている。
この途方もない火力によって遠距離から敵を確実に処理するが、反動と駆動用バッテリーの重さは到底個人でどうにかできるレベルではないのであくまで銃座に固定して使用する。
生身の人間が被弾するとたちまち体を引き裂かれ、痛みを感じる前に肉塊と化すためpain less Gun(無痛ガン)とあだ名されている。
外部から動力を得ているため他の機関銃で問題となる不発弾によるジャムは発生しない。
操作は右のボタンで射撃である。
一時期アサルトライフル用の5.56mmを使ったミニ・ミニガン、つまりマイクロガンの開発計画があったが、大きな反動とバッテリーや本体重量、多すぎる弾薬の消費量によって開発は中止された。
しかし人員不足から基地の防衛や警備の無人化が推進された折に、全自動照準のセントリーガンとして復活した。

・セントリーガン

マイクロガンにバッテリー、マガジン、センサー、銃身移動用のモーターをセットにした自動攻撃システム。
CIWSと同じプロセスで敵を自動的に攻撃する。
センサー範囲に敵を感知すると、自動的に追尾をして攻撃を行い、動かなくなると攻撃を停止するようになっている。センサーは赤外線、可視光の2つの波長の画像を識別プログラムで処理して、人間の形を認識して攻撃対象を決定するが、人間が監視モニターから攻撃の是非を決めたり手動照準での攻撃も可能。
友軍は敵味方識別装置や兵士が身に着けるIRパッチで識別し、誤射を防ぐ安全装置も付いている。
似たようなコンセプトの無人監視装置の開発は何度か行われていたが、AIによる画像認識技術の発展が実用的な兵器として完成させる強力な後押しとなっている。
赤外線欺瞞スーツなどを着て匍匐移動で近づく敵の検知が難しい事が指摘されているため、設置マニュアルではサーチライトとの併用で可視光誘導を活性化させる、匍匐で近づけないよう溝や障害物を設けるなどの対策を講じる事が推奨されている。

・M60

1960年代に開発された分隊支援火器。7.62mm弾を使用し、高い火力を誇る。
ベトナム戦争を生き延び、現在まで半世紀以上使用が続いているにもかかわらずこの銃についての評判はいいとは言えない。
米軍の大半の銃とは違う安全装置の操作、クリーニングの難しさ、銃身の交換の煩雑さ(過熱した銃身はミトンを使わなければ交換できなかった)、銃本体の脆さ、射撃時の振動で部品が外れて飛んでいくという故障、多発する給弾不良が主な欠点とされる。
特に伏せ撃ちで発生するジャム(弾詰まり)の頻度が多い割に復帰動作とメンテナンス、清掃に手間がかかる部分は実戦で戦う兵士にとってこの銃を敬遠する十分な理由になった。汚れてもいない状態で発生する給弾不良は特に不評であった。ベトナム戦争の写真によくこの銃に空き缶がくくりつけられている写真があるが、これはレーションの空き缶をベルトの下に仕込むことで弾をできるだけ水平にして機関部へ送り込むための工夫である。
今では火力を求める特殊部隊で少数が運用されているが、殆どはドアガンとして余生を送っている。

・P90

後方支援部隊、ヘリパイロットなど歩兵と同じ武装が出来ない要員が自衛手段として使う銃器が、ボディアーマーの進化に対して攻撃力不足を指摘され始めた事から開発された。
新開発された5.7x28mm弾を使用、装弾数50発のマガジンから毎分900発を発射することが可能。この弾薬は剛体に対してライフル弾並みの貫通力を発揮しながら、人体などの柔らかい物体に当たると回転して破壊力を増し、跳弾や貫通弾による2次被害を防ぐ事が出来る。
反動も小さく小型で取り回しも良好、打撃力は従来のサブマシンガンをしのぎ相手のボディアーマーを容易に貫通する威力ながら、跳弾を起こしにくい。特にCQBに向いており市街地戦で非常に扱いやすく高性能だが、専用の弾薬を使う事からコストがかかる欠点がある。
SASは既に実戦運用を始めており、米軍特殊部隊でも実戦トライアルを行っている。片手でも扱えるため、スミレ曰くCQCのお供としては一番良い銃の一つ。

  • 拳銃

・M1911A1カスタム モデルBOSS

70年以上に渡ってアメリカ陸軍を支え続けた45口径自動拳銃の最高傑作のカスタム品。
ビッグボスがスネークイーター作戦で使用(現地調達)した、全てのパーツが実戦向けに入念に吟味、カスタム化された完全プロ仕様のハンドガン。
フィーディングランプを徹底的に研磨してなめらかにすることで、弾丸をスムーズに薬室に送り込む給弾不良防止のための研磨加工、連続使用に耐える精度の高い強化スライド、鉄を溶接しては削る作業を繰り返して精度を追求したフレーム、チェッカリングによる滑り止め、3ドットタイプのサイトシステム、コッキング操作性向上とハンマーダウンの速度確保のためのリングハンマー、グリップセイフティキャンセル、サムセイフティーレバー延長、握りこむためのトリガーガード加工、トリガーのロングタイプへの換装、マガジン導入部分の拡大、マガジンキャッチボタンの低高度加工、給弾排莢操作の確実性アップのためのコッキングセレーション追加など、実戦における実用性を極限まで追求した超のつく高級カスタム品である。
愛国者達を離れたビッグボスがザンジバーランド騒乱を起こすために世界中の傭兵をスカウトして回っていた時、スネークイーター作戦で自分が使った銃と同じ改造が施されたものをスミレに与えた。
ビッグボスの使っていたオリジナルとの相違はほぼ見当たらず、同じ職人にカスタムを依頼したほどである。
今は形見となったこの銃をスミレは常に持ち歩いていて、戦場ではサイドアームにトラブルが起きたときの「最後の切り札」としてホルスターに入れている。一般的に2丁の拳銃を戦場で持ち歩く事はよっぽど補給が約束されないか、環境が劣悪で故障の可能性でもない限りしないが、お守りの意味合いもあって父親からもらった銃などを持つ兵士は多い。
モデル名はビッグボスの名から。
激戦を潜り抜けた影響でメンテナンスでは追い付かないガタが来ており、一度オーバーホールと修理を高い費用をかけて行った。質感、手触り等をオリジナルと同じにした新品のスライドへの交換とフレームの補正、パーツのクリーニング、銃全体の再調整でかつてボスが愛用した銃に迫る性能がよみがえり、ガンスミスはあと100年は戦い、その後は博物館での余生が約束される仕上がりになったと太鼓判を押している。

・M9

イタリア製のベレッタの名を持つ、アメリカ軍の正式採用9mm拳銃。米軍ではM9と呼ばれる。世界中の警察、軍隊で使用されている傑作自動拳銃。
アメリカのどの部隊でも見かけるが、特殊部隊や一部の隊員は未だにM9のパワー不足を嫌ってガバメントを使い続ける。
9mm口径のため銃は小型だが手の小さい兵士にはまだ大きい。

・G18

シリーズ名はグロック。
マシンピストルの部類に入る特殊拳銃で、長く突き出た弾倉が特徴。マシンピストルの名の通り毎分1800発もの速度で弾を発射する。近距離で相手を制圧するのはもちろん、セミオートに切り替えて中距離での銃撃戦にも使える。プラスチックが多用されているが、スライドは金属であるため空港の税関検査では当然引っかかる。現在生産されているタイプはすべて造影剤が添加されているためはっきりとⅩ線検査で確認できるようになった。

・Mk23

日本ではSOCOMピストルとも呼ばれる。USSOCOMの要請に応じて作られた大型自動拳銃で、劣悪な環境下における確実な動作と故障の徹底的な排除などを盛り込み、特殊作戦用の主兵装となるべく高いストッピングパワーを誇る45口径の採用とLAM用のレールの装備が行われた。
しかしマガジン込みで1.5kgにもなる重さとその大きさゆえに当の特殊作戦に携わる部隊の隊員からは不評で、補助武器としては扱いづらいとして評価は芳しくない。それでもノーマル状態で専用にカスタムした競技用のレースガンに匹敵する精度と、主兵装にできる高い威力の両立に12発の装弾数は拳銃としては特筆すべき性能である。

・HK45T

Mk23の欠点を解消した軍用モデル拳銃。サプレッサー装着用の延長バレルやハイターゲティングサイトなどの軍隊仕様を盛り込んである。
M9の後継とはならなかったが、45口径のまま小型化に成功しており一部の部隊で評価試験が始まっている最新鋭の自動拳銃の一つ。

・FN Five SEVEN

P90と同じ弾薬を使用し、拳銃でありながらP90と同等の強力な攻撃を行える特殊部隊向けを想定して開発された。
P90のサイドアームとして利用する事を意図している。
リコイルも小さく、貫通力は通常の拳銃よりも高い、標準で20発もの弾丸を発射できる弾倉など、拳銃としての性能は高い。しかしやはりコストも高い。

・デザートイーグル

実用自動拳銃としては世界最強の50口径マグナム弾を使用できる大型拳銃。
威力はAK-47と同等とされ、規格次第だがボディーアーマーすら貫通する。
しかしマン・ストッピングパワーは45口径でも十分に得られる上、その大きくて重たいガタイは戦場で動き回る兵士が携行するには大きすぎるため軍や警察で採用されることはなかった。今はもっぱら大型拳銃の射撃競技会、狩猟に使われる。
よく女性や子供が撃つと肩が外れるなどの誤解があるが、正しい姿勢で撃てば10歳程度の子供でも撃つことは可能。本体が重い上、スライドもバックするため同じ弾薬を使うリボルバーより反動は小さい。
エンジンを撃ちぬくという話も当然ただの嘘である。徹甲弾を用いて、フルサイズの小銃弾クラスのエネルギーで撃たなければ鋼鉄の塊を貫通することはできない。
しかし、狩猟での用途ではクマ狩りに使われるなど、その威力は高い。

・S&W M500

実用可能で一般流通されている拳銃の中では世界最強の威力を誇る大型リボルバー。
44マグナム弾の3倍の威力を誇るといわれる.500S&Wマグナムを使用、実用性云々を度外視して作られた所謂「ネタ」的な意味合いもあるが、大真面目に市販品として造られた立派な拳銃である。
発射の反動はリボルバーであることも相まって凄まじく、手の中で何かが爆発したと例えられる。2kgの本体重量であってもこの反動であるため、興味本位での販売が続いている。
この銃が販売されたときは生産が追い付かないほどであった。宣伝では「人間の限界に迫ったスペック、発射後の健康については自己責任で」と謳われていて、その通りと言わんばかりの威力によって10発前後の射撃で字が書けなくなるほど手が痺れ、数日間はそのままだと言う。

・Pfeifer Zeliska

ドイツ語でパイファー・ツェリスカと読む、オーストリア製の超大型拳銃。
.600 Nitro Expressと呼ばれる象狩りなど大型の動物を仕留めるための弾薬を使用する化け物で、受注生産の形をとっている。
世界最強の名を追い求めるためだけに制作された完全なる「ネタ」拳銃で、本体重量6kgなど仕様もおふざけ満載である(標準的なアサルトライフル約2丁分)。
その甲斐あってか、現行のすべての拳銃では最強の威力を誇る。が、既に拳銃から規格が逸脱しており、射撃する時も補助が必要である他携行できる銃という拳銃本来の存在意義を完全に見失ったため、拳銃の部類に入るのかは微妙なところである。

・ルガーMk.2

22LR弾を使用する銃の麻酔銃仕様。発射された弾丸は小さな注射器の形をしており、体重70kgの成人男性分の塩酸チレタミンと塩酸ゾラゼパムの混合液が入っている。着弾すると衝撃で弾丸に仕込まれた薬品が化学反応を起こし、発生したガスがピストンを押して薬液が注入される仕組み。
元の銃がCIAに納入される暗殺用消音拳銃であったこともあって、発射音はほぼ無音。
特に隠密性を求められる作戦での敵の排除に用いられる。
ただし対人用麻酔銃は化学兵器に分類されるため、公式には存在しない事になっている。実弾を使用するものはCIAが工作用の消音拳銃として活用している事が明らかになっている。

  • スナイパーライフル

・汎用電磁射出式重狙撃銃 E-A1

防衛省技術研究本部が開発した日本初のレールガン方式の銃。初速は秒速2800m、砲弾エネルギー7MJ、最大射程距離は20km、有効射程距離は9kmに達する個人携行用の銃としては破格の性能を誇る。
通常の対物ライフルに比べて発射する力が強いため、弾丸の直進性は非常に高く風や他の弾に与える影響を受ける事は少ないが、あまりに射程距離が長いため、4kmを超える狙撃の時は風やチリ、重力、標高、コリオリの力などを計算する射撃指示コンピューターを使って補正を行う。尚、その際は目標までの間に観測機(風向風速、その他の空気の状態に関する観測をする)を置いて精度を高めるとより確実な狙撃が出来る。
個人で携行できるレールガンの研究で歩兵から軽装甲目標、戦車まで相手に出来る上にミサイルよりコストが低い事を売りにする予定だった。
重さは15kgで見た目はバレット社のM82に似ている。
開発当初は弾丸が銃身に触れているため、発射のたびに銃身の内部がこすれて破壊されてしまい、精度は非常に悪い上に故障も多かった。
戦略自衛隊が実地試験をかねて戦場で使用している。まだ試験段階だが、アフガニスタンにおいて5km先の敵の身体を粉砕した。距離と弾丸次第では最新の戦車にすら打撃を与える事が可能。
電力は兵士の生体電池から得た電気を銃に内蔵の小型コンデンサで起電力を上げたものか、外部からの電力供給を受けて確保する。専用スコープは照準のほかチャージ状況の表示機能が付く。
しかしコストも性能に比例してバカ高く、ひとつ作ると桁が億に届く。今はいかにコストを抑えるかを主眼において研究が続いている。
抱える様にして発射するレール材が露出した米軍のタイプを踏襲して改良中。

・M82

バレット社の大型対物狙撃銃。
M2機関銃に使われる12.7mmNATO弾を狙撃仕様に精度を上げたものを使用する。
フォークランド紛争で1000mを超えるような距離での狙撃を可能としたアルゼンチン軍を撃退するために高価な対戦車ミサイルを大量に使った反省を踏まえて、超長距離射撃のための狙撃銃の開発が行われ、86年から製造が始まった。
かつて「対戦車ライフル」と呼ばれた大型の武器がこの銃と同じ口径だったため、そのような威力の兵器で人を撃つのは残虐ではないかと指摘されているが、一応名目は「物体」を撃つための銃としているため残虐な兵器の使用を禁止したジュネーブ条約違反ではないとしている。
実際に駐機してある戦闘機の破壊にも用いられるが、やはり対人狙撃の出番が多い。イラク戦争においては1500m先の敵を真っ二つにしたといわれるほど凄まじい威力を誇り、2000m近い距離でも正確な射撃が行える。
航空機のキャノピーを貫通してハイジャック犯を狙撃するために警察も装備しているが、あまりに強力なため軍の射撃場でしか訓練が出来ないという逸話が残っている。
オートなので連射は容易でもマズルブレーキからのガスは射手を覆い隠すほど強烈で、視界がかすんでしまう。
あえてボルトアクション仕様へ改造して長距離狙撃の精度を高めたタイプも存在する。

・MSR

レミントン社の開発した長距離狙撃用スナイパーライフル。
M82は1000mを越える狙撃を可能とし、大口径を生かして多種多様な弾薬を使用する事で陣地や車両などを破壊できるが50口径は大きすぎて、持ち運ぶことが困難であった。それを解消するべく手軽に扱える超長距離狙撃用のライフルが求められ、新たに開発された338ラプアマグナムを使用するMSRが開発された。
有効射程距離1500mを越えるが13kg近いM82より半分以下の5.5kgで抑えられており、より前線での運用が楽になった。
338ラプアマグナムで2500mの狙撃記録が残っている。

・SVD

ドラグノフ狙撃銃と呼ばれるロシア製の狙撃銃。
開発は1960年代だが、今もロシア軍の正式狙撃銃であり続けている。オートマチックながら高い精度を持つ。この銃は一般的な狙撃銃と違ってスコープなしの射撃ができるように金属製の照準器が備え付けられているほか、AKの流れをくむことから部品数も少なく頑丈で市街地での即射性を考慮した作りになっている。
7.62mm弾を使用するが、スチールコアの専用弾丸を使う。

・PSG1

H&K社開発のセミオートスナイパーライフル。ボルトアクション最大の欠点であった連射性の改善を図りつつ精度はボルトアクション並みにすることを目指した設計で、オートながら高い精度を誇る。
対テロリスト用としてGSG9向けに開発したものの、コストがかかりすぎて不採用となった。現在は世界各国の軍や警察で採用されているセミオートスナイパーライフルの傑作。
性能は申し分ないものの比例するように高価、デリケートで細かなメンテナンスが欠かせない、重量がある等軍用としては不向きで警察向けの販売が殆ど。

・Cheytac M200 Intervention

超長距離射撃のために開発された大型対物ライフル。2500mで正確で実用的な狙撃を行うために専用の弾薬、弾道計算用PDAを新たに開発した。
2300mで38cm以内に撃てる精度の実現のため、2000m飛んでも音速を超えたまま弾丸を飛ばすべく設計された合金削り出しの408cheytac弾と、各種センサーによる風向風速やコリオリの力、地球上での自分の位置など射撃に影響するすべての要素を算出する射撃支援機能などを実装している。
ただしコストも機能と比例するように高く、一部の特殊部隊で使われる以外米軍では採用されていない(一部の部隊にはメーカーからテストのために貸し出されている)。

・M700

レミントン社のベストセラースナイパーライフル。
高い精度と信頼性は世界中の軍や警察が配備しているように、シリーズは官民問わず人気がある。
様々な口径や改造を施した派生型も多く、競技用の物も存在する。

・XS-1

豊和工業が開発中の国産スナイパーライフル。設計が起こされたばかりで、将来的にはスコープに組み込む照準支援システムなどを搭載すると言われている。

  • 重火器

・中近距離戦用対物50口径ライフル XMR82

無人兵器や車両との市街地戦闘経験を活かして開発されている新型ライフル。12.7mm弾を通常のアサルトライフルのように銃撃戦で用いるためのもの。
対人戦闘のために開発されたUGVに対処することが目的だったが、その威力から大型兵器にも対処可能で市街戦でも障害物ごと敵を撃破する用途にも活用できる。
その弾薬の威力故、反動の対策に力を入れていて、綿密なシミュレーションによって計算された最適な形のマズルブレーキ、ブルパップ方式の採用など様々な工夫が凝らされている。
しかし、それでも反動は通常の歩兵が扱うライフルとは桁違いで、重量も重いため携行できるかどうかは微妙なものになった。
バレットを振り回すよりは扱いが楽なので、割高なコストながらもアサルトライフルの徹甲弾では対応しきれない状況が起きうる任務では出番があると思われる。
また防弾処理が施された車両に対する攻撃にも有効と言われる。

・個人携行型光波火器試作1号

ミサイルの迎撃やエヴァの兵装、一部の戦闘車両の搭載兵器として実用化されているレーザー兵器を、個人で扱えるレベルまで小型化する目的で開発が進められていたライフル型レーザー銃の試作品。
レーザーを使う攻撃をする以上、高出力化が必須であるが消費電力の都合で期待されていた出力は実現できていない。しかしそれでも一瞬で1km先の人体に穴を開けることができるレベルは確保されている。
外部から電力の供給を受けることで更なる高出力での照射、連続照射が可能だが消費電力の都合と本体の価格の高さから、通常の火薬を使う火器を使用した方がはるかに費用効果の面で優れているため、実用化は打ち切られた。しかし高出力レーザーの小型化を実現した意義は大きく、固定砲台として利用する以外の兵器利用の道筋をつけた。開発の過程で生まれたレーザー技術は多数の兵器開発に生かされている。
レーザーの発振には新開発の半導体レーザーを用いている。

・FIM-92

スティンガーミサイルの名称で知られる個人携行用地対空ミサイル。
撃ちっぱなし能力を持つ赤外線、紫外線併用誘導式のミサイルで、低空を飛行する航空機やヘリコプターにとっては大きな脅威となる。世界一命中率のいいミサイルとしてギネスブックに登録された。
自衛隊でも運用していたが91式携帯地対空誘導弾の開発によって順次交換が進んでいる。
発射器は使い回せるため、ゲリラやテロリストに流れた発射器に武器商人が新品の弾頭を売りつけることで手軽に対空攻撃が出来てしまう。
ただし、精密機器なのでAKシリーズのような扱いをすると使い物にならなくなる。

・91式携帯地対空誘導弾

携行用としては世界初のイメージ誘導システムを採用した個人携行用SAM。
テスト射撃ではスティンガーミサイルより高い命中率をマーク、その後の改良型の開発で払い下げられたミサイルは同盟国へと輸出され高い評価を得ている。

・ジャベリン

携行用対戦車ミサイル。
現行の第3世代戦車の殆どに対応できる破壊力と簡便な操作、応用性の高さを売りとし、低空のヘリにも使われることがある。
トップアタックモードによって戦車を破壊するだけでなく、トーチカや建物を破壊するためのダイレクトアタックモードの2種類の発射形態が存在する。発射されるミサイルは圧搾ガスで押し出され、数m飛んだところでロケットに点火して飛翔するため発射炎による位置の特定や狭い場所での射手、周囲の友軍の火傷を心配する必要がない。
ただし、コストの関係上実際に撃つのは訓練で一定の実績を持つ兵士のみ。

・RPG-7

対戦車火器といえばこれと言われるほど世界で最もポピュラーな対戦車擲弾発射器。
1960年代に開発され、AKと共に東側諸国や第3世界へと流され今日の紛争を形作る武器の一つとなった。
最大の特徴は安価で簡便な扱いでありながら装甲車を破壊できる火力を兵士に与える事で、この兵器の蔓延が紛争の解決の最大の壁とも言われる。主力戦車を破壊出来るほどの火力は無くても、軽装甲車両や非装甲車両にとっては脅威である。
また、まともな装備をもてないテロリストや民兵に対空攻撃手段を与えた影響は大きく、特に任務上ホバリングしたり低空飛行をする事が多いヘリコプターは多数撃墜されており、市街戦と共に現代の新しい戦争の形を象徴する兵器の一つとなった。
発射の際にはラッパ状の発射筒から後方に高温の燃焼ガスが噴出するため、ガスによって砂を巻き上げてしまって敵に位置がバレることが多く、その凄まじさからスーサイドウエポン(自殺兵器)とまで呼ばれるほど。しかもヘリコプターなど空の敵を狙ったり、あまり高い位置の敵を狙って発射するとガスが地面に当たって広がり、射手の足を焦がしてしまう事もある。
そのため上に向けて発射するときは穴を掘って草を敷き、ガスを逃がすための工夫が必要である。
尚、対空攻撃を行うときは信管を時限式に取り換え、命中しなくとも空中で爆発させることでヘリにダメージを与えるよう工夫される。
対人用、化学兵器弾頭などのバリエーションもある。

・9K32

ソ連が開発した個人携行用地対空ミサイル。パッシブ赤外線誘導方式で、5km以上の射程を誇る。
赤外線シーカーの性能がいまいちで必ずしもロックオンできなかったり、炸薬量が少ないと言う欠点もあって兵器としての完成度は現代からすると微妙ではあるが、安価なうえ今出回っているものは殆ど改良型であり各地でヘリや航空機の脅威となっている。
後継機の9K34と並んでブラックマーケットの目玉商品であり、敵の航空兵力に対抗できる手段としてテロ組織から民兵までその需要は非常に大きい。

・M203

アサルトライフルの銃身に取り付けるグレネードで、発射された弾は弧を描くように飛翔する。

  • 大型兵器

・多目的大型電磁加速砲 E-DR1

第3新東京市の兵装ビルに収納されている大型のレールガン。BTMWやメタルギアなどの大型兵器を遠距離から莫大な運動エネルギーで吹き飛ばす構想で作られた。銃身は長さ8mにもなり、支柱とカバー代わりの砲身に納められる。
射程距離は80kmに達し、仰角が垂直にまで上がる事を生かして衛星軌道上の敵衛星や、隕石の迎撃まで可能。
元々ミサイル防衛のために作られた中型サイズのレールガンを大きくしたものだが、作戦の自由度はこちらのほうが高いため近年ではミサイル防衛システムにも組み込まれている。射撃指揮はMAGIが行い、高度な演算処理で移動目標に対しても正確な攻撃ができる。

・MLRS

多連装ロケットシステム。12発のロケット弾(弾薬量1.6t)を4.5秒間隔で発射できる長距離火力支援能力を持つほか、地対地ミサイルも運用できる。
30km離れた場所から一斉射撃を行って広範囲の敵を一方的に叩く方法が最もよく用いられる。
射程ならば自走砲の方が上だが時間あたりに投射出来る火力が桁違いであるため、一気に制圧することのできるこの兵器は作戦を問わず使用機会が多い。
発射されたロケット弾は目標の上空で爆発し、クラスター爆弾や各種爆弾をばら撒くことで敵の周辺一帯をまとめて破壊する。湾岸戦争ではイラク兵に「スチール・レイン」のあだ名で恐れられたことで知られる。

・自走電磁投射砲

大型レールガンを搭載した自走砲。自走砲ではあるが直接照準での射撃も出来る。
元は艦載砲として開発されていたレールガンを地上用に転用したもので、アクティブ防護システムやECMの発達で防がれるようになったミサイルより安価かつ確実に、戦車より遠距離から、火薬を使わない故に軽量で大量の弾丸を搭載できる大火力を投入できる兵器として開発された。

・N2兵器

最近になって開発された新型兵器で、地雷や爆雷などあらゆる姿になって登場する。
運用しているのは日本、アメリカ、ロシア、フランス、イギリスのみ。
新兵器であることと、核爆弾と同等の威力を誇ること以外詳細はすべて機密扱いとなっており、どのような原理で作動するのか等は未だによく分かっていない。一説では半減期が極めて短い放射性物資で作られた核兵器の一種であるとも言われている。
核爆発とほぼ同じ威力と効果をもたらしながらも赤外線放射が少なかったり、爆発後の残留放射線量も爆発前とほぼ変化が見られなかったりと、謎の多い兵器である。

・雷電

内閣府の観測衛星として打ち上げられた自衛隊の宇宙作戦隊の運用する衛星攻撃兵器。
マイクロ波と小型高出力のレーザーを備え、レーダーとカメラ、各種センサーによる観測装置で対象の衛星の情報を集め、カタログに載らない軍事衛星を発見追跡してその役割を分析している。そこで攻撃目標となる衛星を発見した場合、レーザーでセンサーを破壊したりマイクロ波で制御コンピュータを狂わせる、時には直接高エネルギーで機体に打撃を与える攻撃を行って破壊する。
元々はスペースデブリの処理を行うためのクリーニング衛星「ほうき」に使われていた技術を応用していて、雷電も制御不能となるデブリとなった衛星を監視破壊する宇宙の見張り台としての役目を持つ。ほうきも雷電と同じシステムで小さなデブリは蒸発させ、大きなデブリはパルスレーザーで移動させる事で大気圏で焼却したり軌道を変化させ遠ざける。

・超高高度滞空型戦略攻撃核弾頭

レールガンで打ち出されて高度400kmを越える場所に設置され、任意の場所で指令を受けて爆発する核兵器。打ち上げにレールガンを使う事で熱探知式の弾道ミサイル監視システムを回避する、メタルギアで実用化された技術から発想を受けた。
熱や爆風ではなく核爆発で発生するEMPを攻撃手段として用いる、非殺傷兵器でありながら従来の核兵器を越える抑止力と破壊力を持つ超兵器とも呼べる存在を目指して開発が進んでいる。
指令を受けると目標上空に移動、徐々に高度を下げてEMPを発生させる最適な位置に到達すると起爆する。
打ち上げ後は弾道ミサイルのように大気圏に突入することは無く、人工衛星のようにスラスターで目標への照準と高度の維持を行う。
衛星軌道上まで到達させれば太陽電池のパネルを展開して電力供給を受けながら、長期間に渡って稼働を続ける事が可能で絶対的な抑止力を数年単位で維持できる。核物質が入っているコア部分は、運用寿命が尽きたら大気圏で燃え尽きる本体と分離されて墓場軌道へ投射されるが、この信頼性については疑問視する声もある。
制御機構は外部からの命令なしでも自律制御で地球への落下を防ぐ他、戦時モードへの切り替えを行う事で自国から信号が途絶えるとあらかじめ設定した目標を攻撃する機能を持ち、核出力も変更可能。
衛星攻撃兵器による迎撃を防ぐためステルスを意識した設計で電波、赤外線の放射を防ぐために形状や素材に工夫を凝らし、更に戦時モードでは敵国の上空に固定されミサイルや攻撃衛星が接近すると破壊される前に自爆する事で、無力化と同時に敵も壊滅させる。
この兵器の実用化により戦略原潜より安全で発見が難しく、迎撃もほぼ不可能で大量殺戮を避けつつ確実で破滅的なダメージを保障する事で「使いやすい」抑止力が誕生するため、既存の核兵器と組み合わせると相互確証破壊の覆す革命が起きると言われる。
ただしEMPはかつて行われた核実験で1000km以上離れても影響を及ぼす事が分かっており、敵国以外に巻き添えで被害を及ぼす可能性が指摘されている他、デジタル化の進んだ先進国以外ではEMPでの被害が少ないためテロリスト相手には既存の核兵器以上のインパクトはないと言われている。また、完全に敵の一般市民や国力を狙う戦略兵器であり古い思想の最新兵器と揶揄されることも。
直接地上へ落下する通常弾頭型は、切り離されてGPSで目標へ誘導されて落着するが弾頭はそれほど大きくなく威力は航空機に積む爆弾と大きな差は無い。しかし貫通力と迎撃の心配のない安全性、ICBM以上の短時間で地球の裏側まで攻撃できる能力は他にはない特徴である。

・スカイダウン

アメリカ戦略軍が運用を開始した極超音速誘導弾。推進装置は持たないためミサイルとは違う兵器に分類される。
宇宙開発で使用されるロケットやレールガンで弾頭を打ち上げ、衛星軌道まで到達すると周回軌道を回って目標地域に向かい非常に深い角度で大気圏に突入する。最大でマッハ20を越える速度で防衛網を突破、地上付近でもマッハ10以上を維持したまま、目標に激突する事で粉砕するか核弾頭が所定の高度で核爆発を起こして敵を撃破する。
弾頭は核兵器以外に貫通用の金属杭、クラスター爆弾、高性能爆薬なども搭載可能でガス噴射式の姿勢制御機構で精密な誘導を行う。
従来の弾道ミサイルと違い、ロケットから切り離された後周回軌道に乗って迎撃網の手薄な方角から突入できる事、惰性ではなく目標に向けて複雑に軌道を制御できる事、レーザーやレールガン等の新しい技術の迎撃手段以外では速度とエネルギーが不足し迎撃が困難である事、場合によっては周回軌道に数日放置して突入させる事が出来るため探知が困難である事など、既存のミサイル探知防衛網を無力化した従来のICBMとは一線を画すまさに超兵器。
アバンガルドや東風などの中ロが保有する極超音速兵器に対抗すべく、配備が急ピッチで進んでいる。

・高高度爆撃機

迎撃が困難な成層圏を飛行する航空機から地上を攻撃する大型爆撃機。成層圏プラットフォームに武装を取り付けたもので、地上からの迎撃は困難。

・エヴァ専用陽電子砲円環加速式試作20型

陽電子を加速し、目標に照射するいわゆるビーム兵器。出力は最大で800万kw、射程はビームの減衰の関係で80kmとなっている。
レーザー加速器を採用、円を描きながら多段化したレーザーで加速する事で、大気圏内を進むだけの速度を粒子に与える事が可能となった。大気中での対消滅を承知で、それ以上の陽電子を投入する事で強引に押し切る力技でビームを形成する。
零号機の装備であるが、他の機体でも運用は可能である。実用可能なレベルになったとはいえ、莫大なエネルギーを消費するためアンビリカルケーブルなしでは使用不可。

・戦域防空レーザー砲

自衛隊駐屯地、官公庁防衛のために開発された対空レーザー砲。出力は40MW。
消費電力が大きいため搭載した車両に電力ケーブルをつないで、固定砲台のように使用する。
単独でもガスタービン発電機でエネルギーを確保しているが、ケーブルなしの単独では稼働時間は短め。
最大射程40kmで、同時に複数の目標を追尾迎撃する。射程は長いが、UAVやセンサーならともかく大型の航空機を破壊できるのは晴天で10km、荒天下で8km弱程度までである。
レーザーの出力は条件が良ければ20km離れたミサイルや戦闘機を直接撃破できるだけの威力があり、光学照準とレーダーの組み合わせで追尾する。初期型はガスレーザーであったが、メンテナンスに手間がかかる事から半導体レーザーの高出力化が達成された事を受けて順次交換が進んでいる。
小型、軽量で消費電力を抑えた改良型のCIWSタイプが主にミサイル迎撃の補助とドローン破壊用に艦船に搭載されている。
ドローンを使ったテロが相次いで以降、駐屯地や重要施設周辺には安価に確実にドローンを処理できる砲台としてこのレーザー砲の小型版が大量配備された。

・試製大型光波小銃

陽電子加速式ビーム兵器をBTMW用に転用して、ビームをレーザーに置き換えた試作兵器。高出力レーザー兵器の実用化を狙って開発された。
小型、低消費電力、高出力のレーザー発振システムの開発により装甲目標を破壊できる威力を獲得してBTMWの携行兵器として申し分ない性能を実現。出力は300MWで、装甲目標を破壊できる射程は地上で見通せる50km、非装甲目標を破壊できる射程は70kmに及ぶ。しかし高出力を実現するため付属パーツが増えてコストが高く、量産はされなかった。その代わり開発の過程で得られたデータを生かした艦載砲、車載砲として使うレーザー兵器の開発が始まっている。
BTMWの任務上戦車など従来のレーザー兵器では、威力不足でダメージが与えられない目標を破壊する必要がある事を受けて、技術革新によって大きく発展した自由電子レーザーを採用し高出力化を実現した。
ガスタービンエンジンを用いる10式でも運用できるよう、消費電力を抑えた新開発の加速器とコイルを使用しておりビーム兵器でありながら、一応の連続発射に耐える。ただし冷却する時間がある程度必要となる。その出力ゆえに過度の電流が流れると加速器やコンデンサもろとも焼損し、最悪爆発の原因にもなりかねないためカートリッジ式のヒューズが内蔵されており、リロードという形でこれを交換する。
アンジュレータとしての機能を持つ砲身(真空を維持するため、先端から少し奥まったところで仕切られている)、BTMVの腰に装着する冷却ユニット、砲身と分離できる加速器、照準器からなる。
米軍のBTMWとも互換性を持つ。
精密機器であるため手荒に扱うと機嫌を損ねやすい。BTMWのカメラ性能に照準などの特性が影響を受けるため、古いBTMWでは精度が落ちる上にジェネレーターの出力不足で殆ど扱えない。
外部から電源車と大型冷却器のサポート機器を接続することで、強制冷却しながらエネルギーの補助を受けて固定砲座として運用することも出来る。通常はオイルの循環するパイプを冷却ユニットから銃本体へと伸ばしているが、固定砲座モードでは高効率の冷却が可能な大型冷却器を接続する。緊急時の急速冷却、戦略兵器モードでは非常用の冷却系統へ液体窒素を循環させる。
ただし、身動きが取れない上に窒素ガスの放出で白煙が上がるためかなり目立つ。
この固定砲台としての運用時に制御方式を切り替えることで、出力と威力を最大限に引き出す代わりに莫大なエネルギーを消費する戦略兵器モードは出力のリミッターを解除した圧倒的な破壊力を見せつけたが、制御が不安定となりやすくテストのみで終わっている。

・19式対地中距離誘導弾

敵基地攻撃能力整備の一環として、新開発の対艦ミサイルを流用してコストダウンを図りつつ誘導装置と炸薬を地上目標向けに最適化している。
GPSとみちびきでの中間誘導、TVカメラによる可視光と赤外線画像の終末誘導を採用。対艦ミサイルが運用できる護衛艦、地上発射器、F-2戦闘機から発射でき対艦ミサイルで得られた技術を応用した超音速航行と長射程、プログラミングによる複雑な航路設定など迎撃を困難にする工夫が盛り込まれた。
インテグラル・ロケット・ラムジェットエンジンでマッハ5以上で飛行し最大射程300km以上、空中発射型は母機の飛んだ分だけ更に射程が伸びる。
対艦ミサイルからの流用である事、射程距離をそれほど重視しなかった事、迎撃困難な事を抑止力としてアピールする事もあってエンジンはそのまま。
ジェットエンジンを採用したタイプは1000km以上にもなる予定だが地形情報の収集不足や奥地での誘導に必要な情報を集める手段が乏しい事から、命中率の低下が指摘されており実用的な戦力になるかは未知数。

・M155B

155mm榴弾砲を流用したBTMW用多目的砲。
BTMWの姿勢制御と砲自体に備えられている駐退機の2段構えで反動を受け止める事で、自走砲並みの巨大な砲を携行できるようになった。
弾薬はボックス式のマガジンに装填され、自動装填装置によって毎分8発の射撃が可能。榴弾、徹甲弾、焼夷弾など使用できる弾の種類も自走砲とほぼ同じであるが、間接砲撃のみならず直接照準で目標を攻撃できる点で大きく違っている。レーザー測距儀やジャイロなど直接照準に必要な射撃管制装置と、間接砲撃のためのGPSと連動した射撃支援システムの双方を備える。
非常時にはBTMWからの手動制御で装填、照準が全て行える。その場合は自分や味方が観測した情報に合わせて射撃諸元を計算、砲身の角度や方角、初速などをパイロットがBTMWの操縦でコントロールする。
取り回しが悪いため、120mmクラスの開発が進んでいる。

・M71B

30mmアヴェンジャーガトリング砲をBTMWで携行できるよう改造したもの。
バックパックにドラム式マガジンを積んで、そこから連続して給弾する事で3000発発射できる。
レーダーと光学センサーをリンクさせる事で対空攻撃も可能だが、専用のシステムではないので低速で飛行する目標に限られる。

・EM100

REXで使用されたレールガンを流用して試作された、BTMWの肩に担ぐ形で運用する砲撃システム。
運用方法や砲弾は基本的にM155ABと同じで、延長された射程や過酷な野外での使用に合わせて制御ソフトと動作部分に改良が加えられている。
レールガン自体は完成された技術であり運用における問題は発生していないが、現時点ではコスト面で課題を残しており採用されるかどうかは未定。

・AA01

BTMW用に開発された複合対空攻撃システム。アベンジャー防空システムを流用した対空ミサイルと、その両側に配置されたファランクスで構成され、ファランクスの頭には索敵と照準を兼ねたフェーズドアレイレーダーが積まれている。射程距離はレーダーシステムがオリジナルより小型のため、20km程度と言われる。
空からの攻撃に弱いBTMWに対抗手段を持たせようとしたものだが、悪路を走破できる以外は射撃に必要なシステムをペイロードに合わせて省略したせいで車載のミサイルシステムに劣り、本格的な防空システム展開までの応急的なものに過ぎない。
より汎用性を重視して、ミサイルをRAMに置き換えたものは巡航ミサイル等に対抗でき、予備の弾倉を持つ事で最大40発分のミサイルを搭載できる。中長距離用にパトリオットミサイルシステムを積んだコンテナを背負うタイプもある。
前期型はコストダウンを図ってレーダーを回転式の起立する索敵用、ファランクスに組み込んだ照準用の2つに分けている。
対戦車ミサイルの迎撃にも利用できる。

・汎用アサルトキャノン

ブッシュマスター3を流用し、歩兵用のアサルトライフルのようにBTMWが手で持って使う汎用兵器として開発された。
35mm機関砲による高い火力と毎分200発の発射速度で、装甲目標の相手から対空攻撃までこなせる万能兵器。

・ML7

105mm砲を流用した歩兵で言うマークスマンライフルにカテゴリされるBTMW用の武器。
155mm砲より手軽で軽量であり、汎用アサルトキャノンより破壊力に優れるためこの2つの隙間を埋める存在として開発された。
カートリッジ式のマガジンに2列になった砲弾を装填し、20発をセットにいくつかを携行する。

・ヒートバスター

BTMWの格闘武器として開発された、着発式貫通弾頭のシリーズ名。
HEAT弾が内蔵された鋭利な先端で突き刺す、手首部分から射出する、ハンマーのような形の振り下ろして殴ると同時に爆発する等様々な形状、使用法のものが存在する。
敵の装甲にぶつけると信管が作動してHEAT弾が装甲を貫通するシンプルな仕組みで、ぶつければ作動するため非常にバリエーション豊かな武器が開発されている。

・ハンターネット

敵BTMWの動きを阻害し、対象を捕獲したり罠として利用できる大きな投網。おもりが仕込まれ絡みつくようになっており、身動きを封じる。

・スピアフィスト

鋼鉄やタングステンの杭を火薬で打ち出して攻撃する格闘武器。
手首に装着され、殴りつけるように敵に拳を向けると発射されて装甲を貫通する。手持ちの盾に装着してライオットシールドのように押し付けながら攻撃するタイプもある。
元は射出機構を備えない単純な杭で殴るものだったのを、間合いをとっても攻撃できるように、更にダメージを増やすために銃弾のように発射する形に改造した。
かつての刺突地雷と原理は同じ。

・バックホーム防衛システム

トロフィーシステムに似たBTMW用アクティブ防護システム。
小型のレーダーや赤外線センサーと、散弾を撃ち出して迎撃する攻撃ユニットで構成され、見た目はショットガンにカメラがついたガンカメラのような形をしている。
前後一体型で正面と背面、あるいは両側面を同時に監視しながらBTMWのセンサーが敵のミサイルなどを検知すると自己のセンサーも連動して追跡、射程内に入ると大量の散弾を発射して破壊する。スタンドアローンでも稼働でき、BTMWのセンサーとは個別に周囲を監視する。
加害範囲は100m、上30度下10度の範囲でキルコーンを形成して足元の友軍への被害を抑えている。散弾は発射されるとショットガン同様にリロードされ次の攻撃に備える。

・JDAM

無誘導の自由落下爆弾を誘導爆弾とすることが出来るキットのシリーズ名。アメリカが開発。
爆弾の先端部分に取り付ける誘導用センサーと後部に取り付ける姿勢制御用の尾ひれからなる。
300ポンドクラスの中型から2000ポンドの大型タイプまでその種類は多彩で、誘導方式はGPSとレーザーのハイブリットで、切り替え可能。

・AGM-129 ACM

空中で発射するタイプの対地攻撃用巡航ミサイル。3400kmを超える射程を誇り、B-2、B-51、B-1に搭載できる。
核弾頭を搭載することで探知できない爆撃機からの核攻撃を行う事が可能。
制圧したミサイルサイロから得た情報によって特定された、中国西部のミサイル貯蔵庫に向けて発射され、100ktの核出力で破壊した。

・SDB

小直径爆弾。113kgの重さでありながら、1.8m以内に着弾できる精度と65km離れた場所から推進装置なしで目標へたどり着ける飛行用尾翼、投下後でも信管と目標位置を変更することで起爆の方法を変えられる融通性の高さなどが特徴。
米空軍の全ての爆撃機、戦闘機に搭載できる。GPS誘導方式。

・トマホーク

巡航ミサイルのベストセラーで、海から陸まであらゆる場所から発射可能で、性能も申し分なく実戦での成績も良好ということもあり、世界中で輸出が行われている。
オバマ大統領による核軍縮政策に一環で、かねてから老朽化が指摘されていたトマホーク搭載用核弾頭の廃棄が決定したため、現在運用されているトマホークは核弾頭の運用は行わない。

・スーパートマホーク

新型巡航ミサイル開発計画で開発された、トマホークの後継となる巡航ミサイル。
射程、攻撃力、弾頭サイズなどほぼ全ての性能が大幅に向上し、データリンクを通じた標的書き換えプログラムも柔軟性が上がっている。
発射プラットフォームは水上艦、潜水艦、航空機で弾頭は通常の炸薬の他に戦術核整備計画に基づいて数十年ぶりに新造された、低出力核弾頭も搭載可能で中国で2発が使用されている。

・ホットドッグミサイル

対BTMW用に開発された携行型大口径ミサイル。
防御陣地で運用する事を想定して、コストダウンと対妨害性能の向上を図り有線誘導方式を採用した。TOWと同じシステムでスコープで捉えた敵に向けてミサイルが飛翔する。
ジャベリンより大きいミサイルにはかすめても手足を破損させて機動力を奪えるように、大量の炸薬と炸裂した際に周囲に飛び散って装甲の隙間に食い込む矢が入っていて人型の兵器を撃破、足止めするためのマンストッピングパワーを得るというコンセプトを持つ。
人が担いで使う事は現実的ではなく、三脚に固定して砲台のように使う。

・超大型殲滅爆弾

Large annihilation bomb。MOAB、MOPを上回る世界最大の投下型爆弾。
全長7m、直径0.9m、重量20トンという破格のサイズでB-52の爆弾倉を改造して特別に搭載され、この爆弾一発のみしか運べなくなる程巨大である。
中東や中国の山岳地帯に掘られた洞窟、地下トンネルへの攻撃において大規模な施設の場合局所的にしか打撃を与えられず、施設すべてを破壊するために警備が強化された空域での複数回の攻撃を要した事、整備された地下基地ともなると防爆扉などで有効的なダメージが望めない事を教訓に、一撃で全ての防御を吹き飛ばす火力を追求するワンショット・ オールキルという考え方に基づく兵器の開発が始まった。
岩盤やコンクリートを貫通するバンカーバスターとして開発が進められ、分厚い弾殻と標的まで突き刺さる劣化ウランの芯を持つ。炸薬は実に15トンでコンクリートなら80m、強固な岩盤で40m貫通する能力があると言われる。
最初の着弾後、目標の洞窟や地下施設の天井を破って先端にかかる圧力が解放されたのを感知して起爆する2段式信管により、施設内部で爆風を発生させて効果的に破壊する仕組みを備えていて、防爆扉を吹き飛ばせなくとも天井を吹き飛ばして敵を生き埋めにする効果も期待されている。
射爆場で行われた投下実験で直径130m、深さ70mのクレーターを形成した。

・Brink

ミサイル防護用レーザー照射装置を積んだポッド。レーザーはパルス状で文字通りウインクをするように発射される。
軍用機に搭載され、チャフやフレアなどと共に敵ミサイルを妨害する。機体の後方レーダーや赤外線センサー、ミサイル警報装置と連動しておりミサイルを検知すると自動で充電と目標の探査が行われ、レーザーを照射する事でセンサーやミサイル本体を破壊する。センサーを無力化するならかなりの射程と確実性がある。
悪天候時や雲の中では効果が薄れてしまうが、晴れていればミサイルそのものの直接撃破も狙える出力を持つ。
艦載型や地上設置型はすでに実用化されていたが、高出力のレーザー発振装置を航空機に積めるサイズに小型化するのは容易ではなく開発が難航していた。
Rナンバーは機銃の代わりにこの兵器を流用したレーザー砲を搭載している。

・水中発射型艦対空ミサイル

潜水艦最大の弱点である、対潜哨戒機やヘリコプターへ対抗するための新型ミサイル。
魚雷発射管から発射されると潜水艦の位置を隠すためにジグザグな進路で海中を進み、水面に飛び出すと射出したミサイルのエンジンに点火してシーカーで目標を探しつつ誘導する。
他にも射出されると小型ミサイルと索敵用センサーをコンパクトにまとめてデコイとして機能しながら浮上し、海面に顔を出して赤外線センサーやレーダーを起動させて敵を捜索、発見したら攻撃するボール型の対空攻撃システムも考案されている。
ボール型のものは長時間水面に浮かんで活性化し続けると、航空機に対する機雷のように奇襲を仕掛ける空域封鎖用としても使える。

・水中回遊型無人機

水上艦や潜水艦から放出され、AI制御で特定のエリアをパトロールしながら敵を捜索する無人機。
磁気センサーや音響センサーを搭載し、複数の無人機同士で連携して個々の集めたデータを統合する事で探知が難しい潜水艦や小型船舶を発見するために開発された。
ソフトウェア開発には国内の複数の大手企業がかかわっている。
群れで行動させて緻密に、隙間なく探査させる事で敵の逃げ場を失くしデコイなどの妨害を受けても、別の無人機がカバーすることでその効果を減らして探知する。
また、従来の哨戒機や護衛艦を使ってのパトロールよりはるかに安く効果的に広大な海域を監視できると予想されていて、魚雷や爆雷を積んだ攻撃型は目標識別から攻撃まで多数で連携して行う事も可能。
潜水艦ではSDVのチャンバーから射出して任務終了後に回収する事で、何度も出撃させられる。
更に空の無人機とも連携すると、ステルス水上艦や潜水艦の位置を完璧に把握し無力化できる探知網が生まれる革命が起きるとみる研究者もいる、無人機とAIによる次世代の戦争の本格化を象徴する兵器。
海上保安庁と自衛隊の人員で対処できない数の難民や難民にまぎれた密入国、密輸対策に頭を悩ませ日本海の警備に力を入れる日本でいち早く実用化され、省力化と警戒網の大幅な強化を両立させた。
漂流時の技術流出を防ぐべく本体にはセンサーからの情報を処理する電子回路と、データを送信するアンテナのみでシステムの根幹をなすAIは哨戒機や駐屯地に置かれる。

・18式汎用無人攻撃機

陸上自衛隊の運用する無人機。無人ヘリではなく飛行機タイプで偵察は勿論、ミサイルが積めるため攻撃も可能。
米軍のリーパーやプレデターを参考に長時間の偵察活動と、時には攻撃が可能な無人機の開発プランによって生まれた。滑走路を利用する事も、カタパルトで射出して飛ばすことも可能で任務終了後はネットとロープで捕獲するように回収する事で滑走路なしで狭い場所でも運用できる。ただしミサイルを積んだ状態でネットを使った回収は禁止されている。
民生品を多用し、ラジコンメーカーの協力もあってコストを抑えつつや海上自衛隊と共用できるものが完成した。
海上自衛隊は水中回遊型と合わせての洋上監視に使用している。

・ナチュラル・バイオウェポン

敵に気づかれないよう、自然に紛れ自然と一体化できる形にした生物兵器ファミリー。
バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、合成生命工学、遺伝子工学などで起きた多くの革新によって急激に進んだ生命の研究を応用した次世代の新種でもって、食料や医学の問題を解決しようという「人為的生命進化」プロジェクトの産物。
ロシアの大陸間航行核魚雷等の新型兵器の開発計画に対抗して、アメリカで研究されている新世代の生物兵器を指す。
当初はウイルスを仕込んだ蚊などが研究されたが、敵国のみを攻撃する方法が模索され渡り鳥に病原体や汚染物質を運ばせて水源へ飛び込ませる、毒性物質を作る藻類を運ばせる、有毒化するよう品種改良した作物の種子や魚介類の卵を投入するといった様々なアイデアが生まれた。
そのうち、実用化が公言されているものとしてガソリンやジェット燃料を分解する遺伝子を導入された細菌とゴキブリ、配電盤や送電システムを破壊するべく電気に引きつけられるような習性を持たせられた蛇などがある。

・クラック・バシラス

ある種の枯草菌の遺伝子を改変して作られたロシア製の生物兵器。
医療機関の麻痺をコンセプトに開発され、内部で有害な化学物質を合成し少ない栄養でも容易に増殖する。
接触感染で、体内で抗生物質や免疫反応で破壊されると化学物質が放出されて重篤な症状をもたらす、エンドトキシンショックを手本としたプロセスで人を死に至らしめる。
しかし、最も危険な性質は付着した医療器具を汚染する事で、芽胞を形成すると消毒薬はほぼ無効化される上に滅菌すると破壊された菌体から化学物質が漏れ出し、器具を汚染する。
化学物質は熱や放射線で変性せず、特殊な洗浄を必要とするため滅菌や消毒を難しくする事で敵の医療を妨害する事が可能になる。
医療技術の発展を逆手に取り、滅菌や消毒をすると被害を拡大させる前例のない病原体として世界中の科学者を驚かせた。

・暗殺用小型ドローン

昆虫の羽ばたきを人工筋肉で再現した静音型ドローンに、爆薬や毒物を仕込んだ暗殺用ドローン。
元はオブジェとして室内を浮遊させる太陽電池搭載のドローンで、蝶のようにゆっくりと羽ばたきながら飛ぶことが出来る。
CIAが民生品を利用して開発したものだが、羽ばたきは弱い力で行っていて弱い風でも墜落してしまう欠点が解消できず室内専用となっている。

・試験無人戦闘機

地上から離陸する、航空機に搭載して放り出す事で運用する無人機。
複数の機体を同時に、かつ連携させて攻撃や索敵を行うAI搭載型次世代無人機研究の一環として開発された。
たった一機の航空機から放つだけで哨戒機や戦闘機を複数展開するのと同じ程度の探知網の構築、連携攻撃を可能とする革新的な装備だが、重量の問題を解決できず理想とされる数を展開するのは地上から離陸させるか、輸送機から射出する必要がある。
軍事用ソーラープレーンや飛行船に同じような機能を持たせ、回遊させる事で空域の制圧を行う研究も進んでいる。
政府の構想する次世代戦闘機による空中戦では、このような無人機を多数同時にコントロールして敵の探知と攻撃を行う警戒迎撃空域を構築するものとしているが、センサーやレーダーの小型化がまだ解決できずコストの問題もあって実現できるだけの数はそろえられないとの見方がある。
警戒探知網の構築は既に実用化されていて、太平洋の監視試験が進んでいる。
更に発展させたものとして、自律して戦闘を行える真の戦闘機の代替となる無人機の研究も進行中で既に人間の限界を無視できるハイGを生かした高機動飛行試験までクリアした。

・空中哨戒飛行船

レーダーとCIWS、ミサイルを積んだ飛行船を飛ばす事でその空域への敵機の侵入を探知迎撃する攻撃能力と哨戒能力を持った飛行船。
無人機なので何日にも及ぶ作戦も可能、戦闘機を飛ばすより安価、CIWSで撃墜も困難で見通し距離が延びる空中からAWACS並みの強力なレーダーで遠距離まで見通し、各種長距離ミサイルを大量に積んでいるため究極の防空作戦兵器とも呼ばれる。
地上からケーブルを伸ばして繋いでおけば、電力と浮遊ガスの供給を続ける事で無尽蔵の活動時間を発揮できる。

・メタルギア

フェデラルホール座礁事件とシャドーモセス事件で一躍有名になった核搭載二足歩行戦車。
コンセプトはいつでもどこででも核ミサイルを発射できる自衛手段を持ったプラットフォームの開発で、探知網を潜り抜けて報復されない確実な核攻撃を行う事を目的としてきた。
シャドーモセス事件でメタルギアの開発が暴露された結果、世界中でメタルギアの建造が始まり一時期は冷戦の再来とも言われ、終末時計が1分前に設定されるほど緊張が増した。
その後もアメリカでは海兵隊がRAY、海軍がアーセナルギアを建造していたが、いずれも完成前に強奪されて失敗に終わったばかりかアーセナルギアに至ってはフェデラルホールに衝突し、それが原因でテロ事件に元大統領が加担していた事、シークレットサービスもそれに従った事、極秘裏にメタルギアの開発が行われていた事が世論の知るところとなり、自分たちの見えないところで勝手に暴走していた軍や政府に対する不信が広がった。

・RAY

マンタから名前を取った海兵隊の開発したメタルギア。これまでのメタルギアと違って他国の保有するメタルギアを破壊するために作られた。
背部の地対地ミサイル、両翼の機関砲、口内の水圧カッター、膝部高誘導ミサイルなど高い火力を誇る。
人工筋肉をアクチュエーターに採用し、神経網を模した制御システムで複雑にそれを収縮させているため海中を泳ぐことが出来、陸上でも非常に高い運動性能を発揮して一気に目標へ接近、圧倒的な火力で撃滅する戦法を想定していた。プロトタイプは有人機だが、量産の暁にはAI制御による無人化を目標としている。しかしハドソン川をバーミューダ島の演習海域に向けて運搬中、偽装タンカーをゴルルコビッチ率いる傭兵部隊とオセロットが襲撃し占拠したことで強奪されてしまい、計画は水泡に帰した。
タンカーは沈没、最悪の環境汚染として大事件に発展し、政府はすぐさまオイルフェンスと原油の処理プラントを設置した。しかしこれは表向きの話で実際はアーセナルギア開発の拠点を隠すためであった。

・REX

アラスカ沖フォックス諸島の僻地に存在するシャドーモセス島で開発されていたメタルギア。ロボット工学の専門家であるハル・エメリッヒ博士を中心とした研究者グループが開発を進めていたが、島で演習中だった特殊部隊「FOXHOUND」が突如蜂起、首謀者リキッド・スネークによって島ごと強奪された。
REXは現行のロケットモーターの放射する熱を感知する核ミサイル監視システムを逃れるため、レールガンによって核弾頭を打ち出す新方式の核搭載2足歩行戦車であったが、開発者であるエメリッヒ博士はミサイル防衛用の迎撃システムと考えていた。
強固な装甲で身を固めているが、その分レーダーが無ければ外部の情報を得ることが出来ない仕様になっており、これを利用してスネークはREXを撃破した。
海外での単独運用も視野に入れた自衛用兵器を搭載しており、誘導ミサイル、レーザー、30mmバルカン砲、格闘などバリエーションに富んだ攻撃が可能である。
シャドーモセス事件の後、9年間に渡って-30度近い極寒の地に放置されていたが、GOPに際してスネークが乗り込み、再び戦った。

・エヴァンゲリオン

汎用ヒト型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオンの略称。単にエヴァとも。
ゲヒルン時代に計画された「新勢力に対する防衛手段の開発とそれに関する技術開発計画」において基礎理論が構築され、現在の司令と副司令に赤木博士が中心となって開発されたヒト型をした兵器。人造人間の名の通りバイオテクノロジーの粋を集め、ES細胞の遺伝子操作によって生成された生体部品と、生命の血液を模したナノマシンによるエネルギー供給を受けて稼動するES細胞由来の人工筋肉によって人間に近い存在となっており、破損すると出血に似た現象も起こす。
人格移植OSの技術を流用した操縦システムで、A-10神経を介してパイロットとエヴァの制御系をシンクロさせることでパイロットが実際に体を動かすような感覚で操縦が可能となった反面、受けたダメージは痛みとしてパイロットに返る。
またシステム自体にブラックボックスが多く、それぞれのパイロットに近しい人間の思考がコアと呼ばれる部分に宿っているため暴走する危険性もはらむ。
現在本部で運用する零号機、初号機、弐号機がロールアウトし、参号機、四号機、伍号機がアメリカ支部でほぼ完成、後継も計画されている。国内の別の地域、海外での活動を念頭に量産型の提案もなされたが、駆動用ダミープログラムの危険性が大きいことと見た目が気持ち悪い(ウナギそっくりな顔からウナゲリオンの異名を持つ)ことで白紙になった。現状はコストの関係もあって、今ある機体の設計を流用しつつ新規に開発を進めるという方針をとっている。
動力は背中のソケットにつながったアンビリカルケーブル(へその緒)から供給される電力で、ケーブルのない場所では5分しか持たない内部電源しか使えないのでソケットを運搬しなければ第3新東京市以外での運用は出来ない。
任務にあわせた外部装甲の変更や、武装の変更が可能で汎用性は高い。
武装は電磁射出式携行機関銃「パレットライフル」、円環加速式荷電粒子砲「ポジトロンライフル」、近接格闘用超振動刃装着式収納型ナイフ「ブログレッシブ・ナイフ」、エヴァ専用大型自動拳銃、弐号機専用ロングランス、戦略自衛隊の自走140mm陽電子砲を使った超長距離射撃用大出力荷電粒子砲、550mmガトリング・ガンなど武装は多彩。

・自走140mm陽電子砲

戦略自衛隊と陸上自衛隊で研究されている大型陽電子砲。陽電子を加速、収束して撃ち出すビーム兵器で、直接照準でしか撃てない欠点があるが威力は装甲に関係なく敵を粉砕でき、ほぼ光速でビームが届く事で迎撃も回避も不可能な攻撃が可能である。対艦攻撃、BTMWや固定目標への攻撃を想定している。ただし減衰する関係で雨は苦手。
円環加速器が組み込まれた陽電子生成・貯蔵ユニット、砲身を兼ねた射撃用線形加速器などいくつものシステムを組み合わせて一つの兵器となっており、その規模は単一の兵器としては列車砲を例に挙げられる程に大きい。
陽電子は生成から貯蔵、発射時の加速などどこでも電気が必須であり、自走と言っても設備の整った発送電設備からはケーブルを引いて動く事になる。

・MAYA

シーフのプロトタイプのうち、戦闘モデルとして開発されたタイプ。名前は人工知性の学習時につけられた名前から。
外見は人間のように見えるがチタンとセラミックの複合装甲で体表面を覆い、小銃弾程度なら傷一つつかない程の頑丈さを誇る。

・搭乗型機動兵器

Boarding Type Mobile Weapon。人が乗り込んで操縦する2足歩行兵器で、メタルギアと違い人型のものをこう呼ぶ。アメリカのBattle Walkerが一般名称として広く知られている。
メタルギアが切り開いた2足歩行兵器とロボット工学の発展がもたらした兵器体系で、核攻撃用として開発されたメタルギアを通常兵器として活用する構想から生まれた。
ソ連がグラーニンの2足歩行兵器の概念を山岳地帯や複雑な方向転換を求められる市街地戦、湿地帯や高低差のある戦場に戦車並みの火力を投入する手段として利用しようと研究を進め、一方のアメリカでも一部で研究が行われたが生産と軍での採用が本格化する事はなかった。
80年代にはソ連でディーゼルエンジンを動力にした歩行型戦闘車両PM-1が実戦投入され、輸出もされている。
西側が追い付いたのは90年代になってからで、半導体やコンピューターなど先進技術を投入して急速に差を縮めた。

・PM-1

ソ連が1977年に世界で初めて実戦配備した歩行戦闘車両。戦車以上の速度と走破性に戦車並みの火力を持ち合わせて、2足歩行兵器の威力を知らしめた。型名はロシア語の歩行型戦闘車の頭文字。歩行するが車両と言う扱いだった。
主砲を取り去った戦車の砲塔のような頭に、前後に圧縮した上陸用舟艇ような胴体がくっついたずんぐりむっくりとしたシルエットが特徴で西側がつけたあだ名はウシガエル。ジェネレーターとして150馬力のディーゼルエンジンを積む。
駆動系はモーターと油圧でコンピューターによる制御を受け、時速50kmで走る事が出来た。その強烈な振動を抑えるためコックピットは操縦装置ごと1m以上あるショックアブソーバーに乗せられた。外部の情報はレーダーとカメラの映像をブラウン管に映すことで得るが、潜望鏡で直接外を見る事も可能。
固定武装として頭部にKPV重機関銃を2門、腰だめで使用するT-12 100mm戦車砲、S-60 57mm対空機関砲を流用したPM-1用のARとも言える汎用機関砲ブィストロターが用意され、レーザー測距儀と連動したFCSで照準を制御したが歩行中の命中率は悪く、静止中であっても腕の精密な制御に難があり戦車ほどの遠距離射撃はできない。
武器はホルスターに入れるように腰に装着されていて、腕や武器の位置を検知しなくても済むよう決まった場所で武器をつかむ動作をする腕に合わせて、つかめる位置にあらかじめ武器が設置される。そこに腕を伸ばして、宇宙船のドッキング技術を応用した位置検知システムでコネクタをつなぎつつ武器を取り出す。
これには位置がずれすぎると武器の交換が出来ないという欠点があった。
膝立ちの状態で背中のハッチまでよじ登って滑り込むように座席に座る。
急な方向転換に難があり、奇襲されると反撃するまでにやられてしまう等課題も多かったが兵器体系の構築に大きく貢献した。

・PM-2

PM-1の後継として87年に開発された第2世代相当のBTMW。
ガスタービンエンジンの採用、デジタルコンピューターによる制御システム、モーターによる関節の可動装置などPM-1で得られたデータと他の分野で成果を出しつつあった新しい技術を盛り込み、実験的な要素もあったPM-1より実戦向けにシェイプアップされた。トラブルの多かった武器の換装システムもミサイルの誘導技術の発展に伴って性能が向上した画像センサーを用いて、かなり離れた場所からでも正確に武器を掴めるようになっている。
外見はやや滑らかな曲線が増えた以外、アンテナや光学機器の追加など小さな改良が殆どで大きく変わっていない。頭部にはレーダーも備え、全周囲を見渡す捜索モードと前方に集中してビームを放つ事で正確な距離の測定等を行う戦闘モードに切り替えられる。
冷戦中は第3世界へ広く供与され、駆動系の改良によって兵器として実用的な機動性を持った事で様々な戦場で活躍した。
今でも多数が現役で現地改良型、ライセンス生産品、コピーなど様々なバリエーションが各地で確認されており、T-55やBMPと並んでソ連製機甲兵器の看板商品となっている。改修部品や近代化改修キットも多く、その内容によっては西側兵器の運用も出来る。
整備の簡便さから、あえてガスタービンエンジンをディーゼルエンジンに換装したものが工業力や資金力に劣るアフリカ諸国や武装勢力を中心に普及しているが、中には十分な出力を生み出せず動作中に停電を起こすものも。
中国製のコピー機も多く出回っており、外観はほぼ変わらないため起動して初めてモニターに漢字が表示されて見分けが付いた、という話もある。

・PM-3

PM-2の後継として開発された、第3世代のBTMW。
燃料電池を動力源として人工筋肉と油圧のハイブリットとした駆動系を動かし、滑らかでありながら力強さを両立させた今までの機体とは一新された機動性が最大の特徴。
AIを採用した戦闘支援システムを導入したグラスコクピット、100時間以上の連続稼働時間、豊富な武装、ナノマシン連動型制御等を盛り込んだ世界最新鋭の機体だが、コストが高く生産数はまだ多くない。
近代化がメインであった先代と違って、機体は一から再設計されたが丸みを帯びたシルエットは継承されておりスマートな米軍のBTMWに比べ、まだずんぐりむっくりな感じが残る。この形状はセラミックの内側装甲に、モノコックシェルとしての役目も持つ高張力鋼の外殻を備える構造による。また、ロシア製の兵器らしさは健在で整備性は高い。

・PM-3N

PM-3の核融合炉搭載型。プロトタイプは単に燃料電池を核融合炉に置き換えただけだったが、重量増加やバランスの関係で操縦が非常に難しく動力系統や関節部分の摩耗が著しかったため全面的な再設計が行われた。
重量を支えつつ核融合炉を防護するため、装甲が増加しておりずんぐりむっくり感はPM-2に近くなった。
人工筋肉が減って機械部品が増えた分、整備性が向上して現地修理や改造も容易になった事で現場での評判は良好。多少の無茶も受け入れてつぶしのきくロシア製が帰ってきた、とも。
制御系や武装はPM-2と同じ。

・歩行戦车1

ソ連からの技術供与を受けて生産された、PM-1の中国バージョン。核実験成功に寄与したシャゴホッドの実験データ、70年代にソ連やアメリカが開発していたメタルギアの存在を知った中国政府が、来るべき西側との戦争で後れを取る事を危惧して開発が始まった。
ただし実際は中ソ対立の影響で殆ど技術協力は得られなかったため、諜報活動で入手した断片的な資料や機密保持と隠蔽工作のために左遷されたソ連技術者のヘッドハンティング、キューバ経由でニカラグアから極秘裏に回収したパーツ等を元にして研究が進められた事実上のデッドコピー品。
PM-1と外見は殆ど見分けが付かないほどよく似ており、武装がソ連兵器のコピー品である以外は大きな違いはない。ただし電装系、駆動系はオリジナルより貧弱で武器の換装はできず光学機器も戦車のものを流用しており、主砲の命中率は悪かったと言われる。
また、全速で走ると部品の消耗を早めて30kmと走れなくなってしまう事から最高速度や出力に制限をかけられた。
開発の経緯からほぼ中国の独自生産となったが、技術者からの指導のおかげで中ソ対立で大きく開発が遅れた他の兵器と違い、オリジナルより劣るとは言え政府が求めた性能をおおむね満たし、比較的スムーズに実戦配備できる性能を持つものが完成している。しかし2足歩行兵器という未知の存在にどのような性能要求をすればいいのか上層部が把握していなかったため、本来実戦に使えるような性能でなくとも配備の許可が下りたとのうわさもある。
もっぱら戦術研究と試験に使われ、配備はされたものの未熟な工業力で生産されたパーツは故障も多くパレード等には姿を出さずひっそりと博物館入りとなった。得られたデータは2号の開発に行かされている。

・歩行戦车2

1の後継となる国産品だが事実上PM-2のコピー品。90年に正式採用。
工業力の充実に伴って工作精度も向上し、弱点であった電装系や精密な加工を求められた駆動系が高性能化できる目途が立った事で開発された。
後継機とされるが実際は故障の多発する部分を新規に製造、交換して増加装甲を取り付けただけで機体そのものは流用したものを使っている。その他、1の試験で得られたデータを反映した実戦向けの改良も盛り込まれた。
駆動系は速度制限などの機動制限がなくなり、電装系もレーダーやレーザー測距儀が追加され火力の強化に成功し、ようやく諸外国から見ても実用的とされる最低限の性能の確保に成功した。
輸出セールスも好調で海外の戦場でもよく目撃される。
基本的な設計は1のままで、アビオニクスや駆動系が新しくなったがその他の部分は依然として70年代のままのため旧式化が進んでいる。しかし西側の脅威的な進歩に後継機の開発が追い付かず、依然として主力の座を保つ。
そのため老朽化が目立ち始めており、延命のために更新工事が随時行われて若干性能が向上したものが2.5と呼ばれ中央政府に近い部隊から配備が始まった。

・BW-01

最初期に開発された米軍のBTMW。メーカーの付けたBattle Walkerがそのまま型名として1998年に採用された。非公式なあだ名は記念すべき第1号という事でクロマニョンと呼ばれていた。
M1戦車のエンジンを流用したガスタービンエンジンをジェネレーターとして搭載した事で、ソ連製の同世代のものより大幅な出力アップに成功しており、レーダーや通信機器も強力なものを採用している。
出力が大きい分扱える武器も豊富で装甲は105mmクラスの戦車砲の直撃に耐えうる均質圧延装甲をまとい、格闘攻撃が可能と言われた腕は重機として使う事も出来た。
ガスタービンエンジンの燃費の悪さは有名で、稼働時間は7時間程度と言われる。
操縦系統は操舵輪とペダルを組み合わせて機体の手足を制御するが、複雑な動作はできずロボットらしい決まった動きしか出来ないものであった。回した方向へ曲がり、ペダルを踏むとその方向へ足を動かして進み、別のペダルで減速と段差を乗り越える際の足をあげる高さの調整を行う。走る時はつま先のセンサーで自動でバランスを崩さない高さまで足をあげる事で、段差や障害物がつま先に引っ掛かりにくいようになっている。
この機体をベースに様々な試作機、研究機が作られアメリカにおけるBTMWの基礎を作った。
しかし既存の機甲兵器では異端扱いであり、配備こそされたものの当初期待されたほどの革新性はなくメタルギア同様限定的なシチュエーションで有効性を見出された以外、兵器としては可もなく不可もなくというような評価であった。

・BW-02 マクヘンリー

第2世代に相当するBTMW。ロールアウトは2001年。陸軍長官の名を与えられた。
エンジンはそのままに主にアビオニクス、装甲素材、武装、操縦性能の改善に重点を置いて開発された。
01と外観はそれほど変わっていないが複合装甲への換装や限定的な機能のAIによる戦闘支援システムの搭載、ミサイルや機関砲などの新兵器、ギプスのような装置で手足の力を感知して機体の動きに出力する生体情報フィードバック式操縦システムなどを盛り込んだ。
これにより操縦方法が一変、従来の操縦輪とペダルで方向転換から攻撃まで行っていたものが2本のレバーとペダルに置き換わり、自分の向きたい方向を力を感知して向く事が出来た。また、走りながら少しずつ曲がるようなより柔軟で高速な操縦が可能となった。
駆動系は油圧とモーター制御である事は変わりないが、より精密で素早い動作が可能でテスト中に腕立て伏せを披露した事もある。
純粋な力比べでは油圧を使用できる分後継機のBW-03に勝る。
輸出型はAIが除かれているが、シンプルかつ使いやすいためPM-2と並んで長命な機体で、ありあわせのパーツでの現地改修なども盛んに行われている。

・BW-03 マーシャル"アスリート"

2010年に採用された第3世代BTMW。実質改修型だった従来の機体とは違い、完全に1から設計された。陸軍参謀総長の名がつけられているが、メーカーのブランド名はアスリートでこちらで呼ばれる方が多い。
次世代人工筋肉を全面採用した駆動系、燃料電池で稼働時間の大幅アップと出力強化を両立したジェネレーター、高度なAIによる半自動化された総合戦闘支援システム、レールガンなどの新兵器を引っ提げて登場した、まさに革命児と呼べる存在。
高度な義手、マッスルスーツに使われている人工筋肉をポリマッスル・アクチュエーターとして採用した事でまるでアスリートがオリンピックで見せるような、非常に柔軟で器用な動きが可能で、その動きは人間そのものと言われるほどであり、AIによる自動制御でいくつもの人工筋肉を連動させて複雑な動作を滑らかにこなす。
操縦系統も大幅に拡大した運動能力に合わせて進化しており、ナノマシンを通してパイロットの体に入った力を瞬時に機体の動きとして反映させる事で自分が飛んだり走ったりするような感覚で、自由自在な動きが出来る。自分の動きが正確に機体の動きに反映されるように調整すれば、体の動きの感覚と機体の動きが完全に一致する。
そのため、この機体から所謂専用機が出始め個々のパイロットを認識して、あらかじめ設定された最適な機体調整を自動で行うようになる。
このアクチュエーターは骨格に部位ごとにパッケージされて装着されていて、消耗したら取り外して交換する。過負荷をかけすぎると人間のように肉離れや筋肉の断裂を起こす。
戦闘支援AIは攻撃と移動以外にパイロットが神経を使わなくても済むように索敵、脅威度判定、機体のステータス監視等を自動で行い人間が戦闘行為にのみ集中できるようにサポートしてくれる。
体操選手のように自由自在に飛び回り、走る速度も100km以上を発揮できる機動性確保と人工筋肉の負担軽減のために装甲はセラミック複合装甲ではあるが意図的に薄くすることで軽量化されている。このため防御力は前世代に劣るが、圧倒的とも言える機動性で撃たれない事を前提としており設計思想が全く異なる。
戦闘支援を担当する大脳、姿勢制御と操縦を担う小脳の二つのAIが相互に情報をやり取りする仕組みは人間に近い。

・BW-03 XA "アダム"

世界初の全自動戦闘システムを搭載したBTMWの試作機。コックピット部分のみの、いわば脳だけの状態で開発が進められていたAIが初めて機体に組み込まれ、一機のBTMWとして組み立てられた。
BTMWの無人機化計画として始まり、強いAIによる完全無人化を目指して開発されたアダムをパイロットとしている。
操縦から戦闘まで意思決定の全てが制御系統に直結されたAIによって行われ、コックピットには巨大なメインフレームを搭載し人間は一切関与せず遠隔で指示を与える事も可能だが、原則介入しない。今までの無人機とは違い、指令を受けず全ての判断を自己完結しどの敵をどのように撃破するのか、ひいては殺人行為の意思決定を下すシステムはAI、ロボットによる殺人という技術革新のタブーに始めて踏み込んだ。
革新性をアピールするためシステムを搭載したコンピューターを脳、そこから延びるセンサーや動力系統へのケーブルをまとめて神経系と呼ぶなど人間らしい呼び名が各パーツにつけられた。世論の強い反対を恐れ計画はAIの基礎設計を終えた時点で表向きは中止されたが、極秘裏に開発が進められている。
シミュレーターとコックピットを繋いでプロトタイプによるデータ収集が始まっており、模擬戦形式で初の対人戦闘が予定されている。
外部からのマスターキーなしでは起動できない仕組みを備えるが、キーがあれば起動も自己で行えるので勝手に動き回らないように関節や手足のロック機構を備えたメンテナンスブリッジを利用する予定。
アダムとは搭載されたAIのニックネームで、有人機の戦闘データを集めて自己学習させて様々なシチュエーション、敵、地形や天候等を組み合わせて訓練を施されており本物の人間同様、意思決定のプロセスはブラックボックスで外からは判断の結果が見えるだけのブラックボックスとなっている。

・BW-03B

マーシャルの武装強化型。
120mmクラスの戦車砲を流用したマークスマン・キャノンの開発に伴い、M61や30mm機関砲より大きな武装を扱うための改良が施された。
反動に耐えるための腕や足回りの強化、遠距離射撃に対応したFCSの改造、エンジンの交換がされている。
最終的に120mm砲は開発がキャンセルされたものの、カメラやレーダーの強化により偵察型に転用されたり大出力を生かした弾薬搭載量の増加で、長期間の作戦行動を取れる事から海兵隊での導入が進んでいる。

・BWN-03XN

マーシャルの近代化改修プランの一つとして設計された機体。
ジェネレーターを開発されたばかりの小型核融合炉にする事で、より稼働時間を延ばし高出力を実現する事で多彩な武装を扱えるようにする事を目指している。
放射線防護、核融合炉の重量へ対応するため大きくなった胴回りと強化された足回りが特徴でだいぶずんぐりむっくりしたシルエットになった。プロトタイプ2機が生産され演習場で各種テストを行っている。
その結果、強化された足でも移動に支障を来し肥大化した胴体はバランスを崩す要因になるため核融合炉をジェネレーターとするには抜本的な設計の見直しを必要とする、という結果が得られた。また、同時期に検討されていた装甲強化プランでは重量の増大をカバーするためには人工筋肉と油圧、モーター等の駆動系のバランスの見直しとそれに合わせたジェネレーター出力の強化が必要との結論が出された。
そのため、これらのテスト結果を受けて2つのプランを統合した新しい機体の開発が妥当とされ後のヘビーマーシャルの開発につながる。

・BWN-03h ヘビーマーシャル"ラガーマン"

第3.5世代BTMW。
BW-03のジェネレーターをロッキードマーティン社製の熱電子発電機を備えた小型核融合炉に置き換え、装甲を増やして駆動系を一新したもの。以前から防御力と攻撃力の向上を図る改良計画は検討されていたが、重装甲と武装の多様化に伴う駆動系の強化を行うと燃料電池では出力が不足する事が判明したため頓挫。
一方で核融合炉を搭載する事で大幅な出力向上と稼働時間延長を狙った計画は、核融合炉と付属装置を積むには既存のBTMWでは貧弱であった事で行き詰っていた。そこで両者のプロジェクトを統合して開発された。
機動性を生かした戦闘を得意とするBTMWは戦車などの既存の陸上兵器に対しては攻撃力や防御力、射程で劣るため待ち伏せや見通しのいい平地でのアウトレンジ攻撃で被害が大きいという弱点の解決が図られている。
駆動系を油圧と増強されたポリマッスル・アクチュエーターのハイブリッドとして、ジェネレーターを核融合炉に換装し全体の装甲を重装甲とした。兵装の増加と姿勢制御の変化に対応するOSのアップデートも行っている。
人工筋肉より油圧制御に重きが置かれている分、動きは重厚になったものの装甲は戦車砲の直撃にも耐えうるレベルの確保に成功し、武装はより多くバリエーションが広がっている。
また、ライフサイクルの短い人工筋肉の使用度が下がった事で整備性も向上しており、現地での簡易な整備だけで長期の作戦行動も可能となった。
外見は陸戦型GMに似ている。
重量は15tと大幅に増えてしまったが、高出力化のためフットワークは軽くジャンプの高度が低くなるくらいで抑えている。
緊急用のスラスターをバックパックに装備しているが、固体ロケット燃料の使い切りで使い切ったら次のペレットが装てんされる。その他、ランドセルのようなバックパックに武装や弾薬、整備パーツなどの装備を積んで、メカニックを同行させることで長期間基地に帰らずに作戦行動が行える。
重武装かつ重装甲の重さに耐える頑強な駆動系のため、骨格からOSまで機体全体の70%及ぶ再設計が行われBW-03とは殆ど別の事実上新規開発された機体と言っていい。
搭載重量に余裕があるため、自走砲を転用した携行キャノン砲などの大型兵器を扱う事が可能になっている。
その出力を生かしてビーム兵器の運用を行う。

・BWN-03hB

ヘビーマーシャルの改良型。
専用機となる事が多い特殊作戦部隊で、得られた実戦データを生かして現地改良の形で行われたパーソナル・カスタム機体。
凍結防止、防塵のための着脱が簡単な関節カバー、装甲のコーティング、センサーケーブルの換装、関節部分の追加装甲などパイロットや整備士の要望に応じた細かな実戦向けの調整が施されている。

・BW-T

BTMWの訓練を行うための練習機。02、03用にそれぞれの機体から武装を取り除いてコックピットに教官席を設置した。更に不慣れで荒っぽい操縦で壊れないよう、関節部分にプロテクターを装着している。
コストダウンのため装甲とFCSは省かれて機体が軽量化されており、代わりに同じ重量バランスの鋼鉄製アーマーが装着できる。OSはパイロットとの動作同調レベルをより細かく設定できる改造によって軽量化した分、操作時の動作特性が変化しないようになっている。
基礎的な計器の見方や操作方法をシミュレーターとVR訓練で習得、動いた際のGに慣れ様々なスピードや地形での操縦感覚を養うためにこの機体で訓練を行う。
この機体での訓練を修了したのち、本物の機体を使って武器の使用や戦術など実戦的な訓練に移る。

・アイアン・ボブ

鹵獲、回収されたPM-02の非公式名称。
訓練目標や性能試験に使われるもの以外にも、各地の戦場で鹵獲されたり再利用を防ぐため回収されたPM-2もこう呼ばれる。
主に作業用機械として扱われ、クレーンの代わりだったり高所からの見張り等様々な雑務に使われている他、メカニックのおもちゃにされる事も多い。
発電機に繋いで動かしてたら動き過ぎてケーブルが抜け、停電してコケて車を潰したとかカメラを使ってのぞき見をして怒られたとか、悪戯の報告や伝説も生み出しておりただの作業機械のみならず、娯楽の一部となってる。
PM-1がデビューした当時、アメリカも対抗してBTMWの研究開発を始めるために東欧経由でいくつかのパーツを入手し組み立てられたアメリカ生まれのPM-1が製造され初期のテストやパイロット養成に利用された事があり、ボブのあだ名はこの時付けられそれが今も受け継がれた形となった。
そのため、訓練用のBTMWにもボブというあだ名がつけられたものが存在する。

・BTMW用パラシュート

BTMWの空挺降下作戦大型パラシュート。
空挺降下用のパラシュートは逆噴射用ロケットのついたバックパックタイプ、開傘時に逆噴射ユニットを中心に上にパラシュート、下にベルトでつながった機体が来るような格好になるシンプルな上方噴射タイプの2つがある。
バックパックタイプは大型でコストがかかるが、着地後すぐに分離可能で迅速に活動できる。上方噴射タイプは肩にベルトが固定されているため、着陸後は分離作業が必要になる。

・10式歩行騎乗機

2010年に自衛隊に投入されたBTMW。世代は第3世代にあたる。
コストのかかるエヴァとのハイローミックスを目指して開発された三菱重工製のBTMWで、ガスタービンエンジン駆動とアンビリカルケーブル、バッテリーによる無音活動が可能。
高度な電子制御による精密な姿勢制御、高出力レーダーによる索敵、射撃を行うことが可能で、射撃と索敵能力はBW-03を上回っている。また、駆動系はエヴァの技術を流用した新型人工筋肉と油圧システムのハイブリットで、大きな出力を必要とするポイントを油圧で、複雑かつ軽快な動きを必要とするポイントを人工筋肉で駆動させ、状況に応じて二つの力を同じ方向に向ける事も可能な協調制御によって、パワーはBW-02を上回りつつスピードとフットワークは他の同世代の油圧制御式BTMWより軽い。ただし独自開発されたOSは余計な機能が多く必要なものが足りない、と言われる状態で納入と同時にソフトウェアを改造するのが半ば標準化している。
ガンダムの開発を目指した計画の影響を受け、ガンダムに登場した兵器にそっくりな武装を扱う。
公式にはキーパーという愛称があるが、殆ど使われずもっぱら外見からGMと呼ばれている。基地祭の時には有志によって張りぼてを装着され、ザクやガンダム、陸戦型など様々なモビルスーツの形態をとる。
BTMWとしては世界で最初にビーム兵器を実用化しており、発展型では核融合炉を搭載することで真にガンダムを作る計画が持ち上がっている。

・IRVING

新世代のメタルギアで、非対称戦に対応すべく市街地での掃討作戦に投入することを念頭に置いて開発された、これまでのメタルギアとは一線を画す存在。月光とも。
核戦略の一環として開発されてきた従来までのメタルギアとは違い、月光は通常兵器と同様の扱いをされて必ずしも核兵器を搭載しない。
AIの指令を受けるコアユニットとメインコンピュータ、外部の情報を得る赤外線センサー付き回転式カメラを有するメカニカルな頭部と生物のような足が特徴で、この足は有蹄類由来のES細胞を遺伝子操作して作られた人工筋肉をメインドライブとして採用しており、この超アスリート級の足で市街地を自由に飛び回る他、この足から繰り出す蹴りも軽装甲の目標に対してなら有効打を期待できる程の威力がある。しかし屋内の掃討にも使われるため重量に制限があり、この足は装甲がかなり薄くできているため弱点でもある。
触手はタバコを摘み上げることが出来るほどの器用さと、大人の腕を引っ張ることが出来るほどの力強さを併せ持つ。
人工筋肉は生体パーツであるため遺伝子操作によって機能維持に最適化された模擬血液によって、活動のエネルギーを得ているがSOP時代より、この足が傷を負ったときに出血を起こす事が問題視され、ひどいとあたり一面を血まみれにして遺伝子操作された血液によって汚染してしまうことがあった。そのためGOP後に制定された無人機の規制条約によって生物兵器に分類され、軍用としてのこのタイプの駆動システムを持ったロボットの保有が規制されたことで、一時は戦車を超える実働数を誇った月光も殆どが破棄されることになった。

・仔月光

開発中のため正式な製品名はまだ無い。しかし月光を親として共同で作戦を遂行するためこう名付けられている。
AT社が月光が入れないような狭い室内を調査、掃討するために開発していたもので、バスケットボールに手を3本付けたような奇怪な外見をしている。
3本の手で転がりながら器用に移動するほか、何体かで合体して人に擬態することもできる。武装は中央のセンサー部分から発する電気ショックと手で持つ拳銃である。
腕は義手の技術を流用したもので、人間並みに器用。

・SSB-1

ロシアの新型巡航ミサイル。戦闘機に搭載できるサイズでありながら、射程は500kmで弾頭には高性能爆薬、核兵器、化学兵器が搭載できる。内戦によって行方不明になっており、現政権支持派と国連が捜索している。

・海上移動式広域制圧用大火力投射群(甲板設置型)

ある作戦のために特別に開発された、海上から圧倒的な物量で目標の地域を殲滅するための兵器群。
強襲揚陸艦のような広い甲板を持つ軍用艦や、徴発されたコンテナ貨物船にMLRSやHIMARS、自走榴弾砲を積んで標的へ一斉発射しようというとんでもないコンセプトで誕生した。
既存の全ての艦艇、航空機を凌駕する飽和攻撃の実現を目的として短時間に大量の弾を叩き込むために比較的低コストで、遠距離への連射が可能な多連装ロケット弾を採用。
ロケット弾で敵の迎撃を無力化しつつ、迎撃網を突破した榴弾砲と地対地誘導ミサイルで重要目標を確実に撃破する役割分担が構想されている。

  • 車輌

・90式戦車

陸上自衛隊の北方方面隊で運用される主力戦車。
ソ連に対抗するために当時の最新技術をかき集めて設計、開発されたため性能は他国の同世代戦車に引けを取らない。複合装甲によって防御力を維持しつつ軽量化に成功しており、エイブラムス戦車やレオパルドに比べて1t以上軽い。
価格も民生品の多用によって世界的に見ても低く抑えられたが、生産数が影響してやや割高。
射撃能力は世界最高クラスで、走りながら3km先の目標を破壊して米軍関係者の注目を浴びた逸話がある。弾薬温度計、湿度計、大気温度計、風速計など様々なセンサーから得られた情報を射撃コンピューターに集約し、弾道に与える影響を弾き出す事でこの正確な射撃を実現しており、加えて自動追尾機能に砲身安定装置がその精度に磨きをかける。非公式には脅威度判定まで行う事が出来るとされる。後継機の10式にもこの性能は受け継がれている。
北海道を中心に配備されており、本州で見かける事は少ない。

・22式水陸両用兵員輸送車

かねてから指摘されていた水陸機動団に配備されたAAV7の陳腐化に対応すべく、同様の兵器の国産化に着手した日本政府が三菱重工と開発した新型水陸両用強襲輸送車。
AAV7の後継となる新型車両の開発計画で、三菱重工とジェネラル・ダイナミクス、同じく水陸両用輸送車の開発に興味を持っていたBAEシステムズとの共同開発で開発された。
複合装甲の採用、小型軽量で大出力を発揮するエンジン、上陸まで速度を落とさずに済む水中推進システムなどを盛り込みAAV7の欠点を解消、荒れた海でも迅速な展開が可能な現代戦に対応した次世代水陸両用強襲輸送車として、米軍とイギリス軍で正式装備として採用され日本初の本格的な兵器の国際共同開発の成功例となる。
最初からこちらを採用すべきだった、との声も根強いが早急な水陸機動団の戦力化と上陸戦のノウハウ習得のためには実績もあり、即戦力となるAAV7の採用は不可欠で、ハイローミックスと余剰となる車両を使った教育課程の拡大で無駄は生じず米英両国での大量採用で生まれる利益によって元は取れるとしている。

・テクニカル

ピックアップトラックなどの民生の車両の荷台に対空機関銃や迫撃砲を取り付けた、現地改造で作られる即席移動戦闘車両。
市販車を兵器を運搬する足代わりに使った兵器の総称で、バリエーションは様々だが主にトラックが使われる。
大きな攻撃力を持ち、非正規軍の機械化を達成する最も手軽な手段として世界中で見かけるが当然装甲は施されず運転手も生身なので危険も大きい。
小型のものは頑丈で性能がよく、故障の少ない日本車(特にトヨタ車)が、大型のものにはパワーのあるアメリカ車が使われる。
搭載される兵器は様々で、ZPUのような対空機関砲を積んで地上や航空目標に使用できるようにしたもの、迫撃砲や無反動砲で遠距離攻撃を可能にしたもの、ロケット弾を積んだ即席BM21など多種多様。

・重警備車

SSSが運用する防弾車。既存の車を改造して作られる。
主にランドクルーザーやハイエースが元になっていて、グレードごとに装甲や足回りの強化が行われる。
最上級のものはモノコックシェルそのものを複合装甲材に交換、燃料タンクも防爆仕様に改造され窓ガラスも全て小銃弾をストップ出来るガラスへ交換する。更に車内へケブラーを貼り込み防御力はアメリカ大統領専用車並みで、限定的ながらRPGのようなロケット弾にも耐えうる。
また、これらの装備で増加した重量でも緊急時に迅速に逃げられるようエンジンはビッグサイズのタービンを積み、圧縮比調整やピストンのカスタマイズ、制御プログラムの再調整などのチューンも行われ、シャフトやタイヤも軍用規格を満たす防爆仕様に、ブレーキも強化ブレーキに交換される。
このため、SUVでも3トン近い自重がありながら軽快に走り回り外見も殆ど変わらないが運転の特性は大型車のように重さに振り回されるため、大型免許を持つものが運転するよう社内基準で定められている。
日本で主に使われるのは軽装の拳銃弾に対抗できるタイプで、ドアと車体後部とエンジン回りのみ小銃弾に耐える。防弾燃料タンクのガソリン車もある。
M2やM134を運用できる回転銃架を装備したもの、現地の事情に合わせた改造が施されたものなど多くの種類がある。

・電磁工作車

SSSが調査活動や護衛に使用する電波や電磁波に関する機器を搭載した特殊車両。
電波探査、方向探知、電磁波の強度測定や通信傍受等で調査や護衛中の不審な通信の監視を担当する。事故やトラブル時の情報流出防止のため、機器には遠隔で動作する発火装置が組み込まれている。
ドローン対策として空を見張る監視カメラ、指向性ジャマーやレーザーも装備されていていざという時には妨害電波でドローンのコントロールを奪う、或いは墜落させるほか、操縦者の追跡も可能。

・装甲ドーザー

建設機械のブルドーザーに装甲を取り付け、最前線での拠点構築や築城などの作業が出来るようにしたブルドーザー。
純粋な土木工事用ではあるが、自衛用に機関銃やレーザー警報器などのミサイル探知装置、スモークチャージャーといった装備を持つものもある。
基本的に戦闘向きの兵器ではないが塹壕を埋めながら突破したり、家屋の壁やバリケードを破壊して強行突入する、歩兵の盾として突撃を援護するといった攻撃に使われる事があり、場所や使い方によっては思わぬ活躍を見せる。
元から装甲ドーザーとして設計された車両もあれば、民生品のブルドーザーに後から装甲やメッシュガードなどを装着して改造した車両もあり、紛争地帯では鉄板を溶接して即席の装甲を取り付けたものが度々見られる。

・BMP-3

旧ソ連の開発した歩兵戦闘車両。
100mm低圧砲とその両脇の機関砲が特徴で、一見すると戦車にも見える。
東側諸国へ広く供与されたものが未だに内戦の第一線で活躍しており、PMCを脅かす脅威となっている。
装甲を施したブルドーザーと同様、バリケードの強行突破など敵の攻撃以外にも様々な使われ方がなされている。
他のBMPシリーズと比べると強力な分、高価なため売り上げはイマイチ。

・T-55

東側を代表する戦車の一つで、開発から半世紀以上経った今でも尚運用されている戦車。先進国の有する戦車と比べれば力不足は否めないが、電子機器がない分整備や製造が楽なので、工業力の劣る国では非常に扱いやすい戦車となっている。
潤沢な資金を得ている武装組織でも運用されている。
105mm砲は第3世代MBTには有効打が望めないが、装甲車両やソフトスキンターゲット相手には申し分なくそれらを主に相手にしている地域での稼働数が多い事もあり、T-72と並んで戦車のベストセラーの地位を守っている。
ロシアの内戦に伴い、大量の武器が必要とされる特需が発生したため世界各地の工場で生産が始まり、今では武器商人や中堅規模の工業力を持つ新興国の生産する戦車のトップを占める。
また、頭数が多いため修理パーツや近代化改修キットも数多く販売されており、T-55を生産運用しているノウハウを生かしてそれらのパーツの製造で利益を上げる中堅国家も多い。特にアフリカでは主力として運用されており、稼働数も多いため修理や改造の需要が増大しつつある。
最新の近代化改修バージョンは増加装甲を取り付け、主砲を120mmクラスのNATO規格品に交換、FCSを電子化、履帯の改良、重量増加に対応するサスペンションやシャーシの強化と1000馬力エンジンへの載せ換えをを行う。

・T-72L

T-72を流用して作られた、レーザービームを主砲に採用した試作機。一部で実用化されつつある装甲目標を破壊できるレーザー兵器の影響を受けて、ロシア政府が始めた次世代先端兵器技術研究計画の一環として制作された。
主砲を外して砲塔に大型バッテリーとコンデンサを搭載、エンジンは発電機も兼ねるためT-90のものに換装して出力アップが図られている。また、電子機器やエンジンからの熱を処理するために大型ラジエーターを装備している。
主砲と砲弾が不必要になった分重量が軽くなると思われたが、技術力不足でバッテリーとコンデンサが小型化できず、冷却機構の大型化や高出力レーザー発振器の搭載で予想以上に重量がかさんだため、最終的にノーマルのT-72より1t近く重くなった。試作機だからと割り切ってこの点は改良されず、結果としてエンジンは出力不足で発電中は時速30km以上を出せない上に、最大出力で一度発射すると再充電に15分以上かかる。
プロトタイプが3両だけ製作されたのち、不足する戦力の足しにするべく2両が前線にテスト名目で送られた。

・T-72R

T-72Lと同じく次世代先端兵器技術研究計画で研究されている、レールガンを主砲にした電磁砲戦車。
別に開発されていたレールガンを主砲に取り付け、高出力化した発電機とコンデンサを搭載した以外は殆どオリジナルと変わらない。
ただ兵装を載せ換えただけで大きな設計変更もされず、非常に簡易な改造でプロトタイプが5両作られた。
試験場での基本テストで大きな電磁的ノイズを発生させて無線を混乱させる、電気機器の放熱に対する冷却能力の不足で車内がサウナ並みの気温になって、熱による故障が多発するなどの問題がみつかり、ミイラ製造機や干物のあだ名で呼ばれる散々な結果を残した。
主砲付近の装甲も弱く、テスト中に衝撃で精密機器のレールガンが故障する事もしばしばであったが攻撃力は既存の主砲と見劣りせず、車体もT-72をそっくりそのまま使っているため防御力もそれなり。実戦運用は想定されていないため、長時間テストが出来るよう現地改造で換気扇が取り付けられた。
レールガンの搭載に合わせて車内や装備、装甲を最適化する再設計案も出されたが正式化は見送られ技術開発用の試作機としての位置にとどまっている。

・10式戦車

2010年に正式採用された自衛隊の最新鋭戦車。
自動装填装置、砲身安定化、電子化された兵装、C4Iの導入に加えて新開発の複合装甲を備えるなど、攻守共に世界トップクラスの能力を誇る。対ゲリラ戦など新しい戦争の形への対応も念頭に置かれていて、戦略自衛隊でも運用されている。
ただ、日本国内での活動を想定していたため日本の気候では起こりえない環境が存在する海外ではデリケートな部分の故障が多発しており、戦略自衛隊向けに海外派遣に適応した改良型への改修が進んでいる。

・ホバートラック

BTMWの一個小隊に1台配備される指揮通信、索敵などを行う拠点となる車輌。長期間、小隊単独で作戦行動をするる事を念頭に置いて開発された。
クーガー装甲トラックを改造したものだが、ホイールカバーが扇風機のような形をしている事からホバートラックと呼ばれている。正式名はマスターバッグ。
戦闘指揮用の各種通信やデジタルマップ、索敵のための振動検知陸上ソナーや集音マイク、高性能カメラ等の様々な機材を搭載してBTMWよりも強力な情報処理能力を備えており、戦闘中はオペレーターがここから指示を出す。他にも化学分析が出来るNBC兵器サンプル分析機、データベースやデータリンクなどあらゆるサポートを単独で提供できる情報システム設備が揃う。医療設備も充実しており、通常の寝台を合体させると重傷用ベッド2床になり応急的な手術も出来る。
本業のトラックとしても活用でき、8tの貨物を積むことが出来るため長期間の作戦行動に備えたBTMWのパーツや整備スタッフ、補給物資を運ぶ役目もある。武装は銃座にM134ミニガンが1つ。
BTMWとその装備、トラックの整備に使う工具類やメンテナンスキット等の応急修理も可能な設備がそろう。
居住区としての機能も持たせてあり、トラックに天幕を張ったりする事で作戦基地のみならず簡易の多人数用テントにもなれる。簡易シャワーもあるがシャワーと呼べる程上等なものではなく、再利用式のお湯が出るパイプがむき出しになっている武骨なデザイン。
長距離の行軍、小隊での単独行動を念頭に足回りの強化や燃料タンクの大型化、エンジンの強化などの改修が施されており、装甲も若干ながら増やされた。

・BTMW運搬用大型トレーラー

BTMWを仰向けの状態で輸送するトレーラー。M1070 HETSをベースにBTMWの運搬に最適化するための改造が施されている。
振動を抑えるためのサスペンションの強化、BTMWを立たせて整備するための起立用油圧ジャッキの取り付けなどの装備が追加された。
側面には起立させた状態で整備が行えるよう、階段と固定具をかねた正面に張り出すベランダのような足場がある。

・リペアトレーラー

BTMWの本格的な整備、修理が可能な設備を持つトレーラー。
カメラやレーダーの分解修理や人工筋肉の復元、制御コンピューターの基板交換等の高度な整備まで対応可能な設備と、歯車やねじのような部品を作る簡易的な工作機械を備え本国の工場まで運ばなくても、オーバーホールまで戦地で行える走る整備工場。核融合炉の整備まで行う完全オーバーホールはこの車両でも出来ないので、本国の工場に送られる事になる。
本来は野戦基地に配備され、BTMWの修理や整備に従事するものだが限定的ながら前線の部隊に追従して現地修理も出来る。ただし武装はなく装甲は厚くないので、あまり危険地帯に出る事はない。