プロ貴族とプロ皇子がタッグで皇帝に挑んでみる2
1450年の世界
大陸中部に位置する人里・白玉楼は西に強国・永遠亭。
東に紅魔館を挟んで異教の国々と対峙する状況にある。
内海に面した白玉楼は豊富な海産資源の宝庫であり、世界のカニの75%を有している。
白玉楼の主な収入はカニの輸出である。
「私の分は残しておいてね」
「ぬかりなく」
ルネッサンス-産業革命期
「ちまちま内政してるが、生物学を先に取った関係で森近が技術で抜いていったな。
こっちは憲法もまだなのに、あっちは民主主義もリーチだ」
「とはいえ死者の王国の生産力は魅力です。
奴隷解放されたら、解放圧力と戦いつつ続けるしかないでしょう」
白玉楼・人里の現在の生産力を支えるのは死者の王国による食料ブーストと奴隷生産。
生物学と組み合わせてただの農地が豚並み。
緊急生産で大学も裁判所もどんどん建つ。
「案外、そっちも死者の王国にして正解だったかもな。中部の生産力が見違えるようだ」
「そうですね。平原はまだしも砂漠が多いのが悩み所ですが」
「ねえ? それじゃあ砂漠は私がもらっていい?」
「はあ? 別に市民も置けないタイルですし構いませんが」
「ありがと」
「???」
「農家りんが行ったからもう大丈夫だぞ」
前哨戦
「ねえ? パターン化ちょうだい」
「構いま」
「うるせえ!」
「天人を門前払いとはいい度胸してるわね」
「パターン化は秘匿だ秘匿! 帰れ!」
「ああ、けり出してしまいました」
「地球の反対側にいる他宗教国家のご機嫌取りなんてしてられない。
咲夜の最悪の敵だからこっちの心証も悪くなるし」
「あっちは戦争準備に入ったみたいね」
「長い間カニ交易をしてきた仲だというのに」
~しばらく内政後~
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「知者は動にあり仁者は静にある。この世界も少し動かしましょうか(天子は宣戦布告)」
「予想通りにこちらに宣戦布告してきましたね」
「ある程度の戦力は作ってあるから大丈夫さ」
「ところで相手の兵力は?」
「はい?」
人里が確認できたのは三段廻船 一隻。
陸上ユニットは白玉楼の対岸に神奈子さまがいるだけ。
「八坂神奈子。……STGルートですらないという事は、居るだけね」
「なぜに三段廻船?」
「仕方ないじゃない。光学持ってないんだもん」
三段廻船侵攻予定ルート
「知者が聞いて呆れるわね」
「ああ、私、気にせず内政してるわ」
「こうなると陸続きの文明の方が怖いですしね」
「そうだな。実を言うとてゐが国境に十騎以上積んでてな」
「便乗参戦ですか?」
「いや、その気なら三倍は積んでるだろう。
ただ牽制のために国境に擲弾兵を15部隊は置いておきたい。天子に割ける戦力はないんだ」
「べつに~? そっち行く気はないけど?」
「……いまいち信用できん」
「べつにこっちの外交は『不満はない』んだけど? 確認してみたら?」
「それも事実だが、こっちと国境を競り合ってるのも事実なんだ……ん?」
「どうしました?」
「……天子がこっちに宣戦した事で、中国酒派の連中は天子へ悪感情を抱いている。つまり」
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「レティ! 自由主義! 化学! 鋼鉄をくれてやる! 参戦要請だ!」
「あいあいさ~!」
「妖怪の山と国境を接しているレティさんが来てくれれば心強いですが」
「化学だけうちが独占しているものの、そろそろ撒き時だからな。
時間をおかずに交換材料にしちまおう」
「これで中国酒派は天子が、蜂蜜酒派はレティが嫌いになる。天下は二分されるわね」
「……なぜか世界の指導者の半数の敵視は紅魔館に向いてますけどね」
「わかっているならそろそろ属国にしてくれませんか?」(森近・天子・お空の最大の敵)
「火中の栗は拾わん。館モノのラストは炎上と相場が決まってるからな」
「ではせめて技術交換でも。教育が欲しいのですが」
「こっちは飛行機研究中だ! この古代人め!」
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「なんだ? 逆切れして咲夜でも来たのか?」
「蜂蜜酒派のピンチだ! 私も参戦だ!」
「以前はビール派だったような……改宗してたんですね」
「うぉぉぉ~~~!」
「……行っちゃいました」
「殴りに行ったのは……レティか」
「私も行きますよ」
「紅魔館も妖怪の山に宣戦布告か」
「まるで世界大戦ですね」
「中国酒派の親玉てゐと、蜂蜜酒派の大ボス森近が参戦してない、やや片手落ちだけどな」
「こうなると怖いのは座して動かぬ永遠亭だけですね」
「ねえねえ?」
「ん?」
「自由主義ちょうだい?(恐喝)」
「喜んで!」
今回ばかりは本当に喜んで技術を渡す。
これでてゐとの関係は『親しみ』まで上昇。後顧の憂いもなくなる。
「外交地図が塗り替えられるな。隣国の永遠亭・紅魔館とは関係良好。
さらにお空の主敵がレティに移ったおかげか交易も結べるようになってる」
「あとは山を適当に追い返せば、安心して宇宙船なり文化勝利なりが見えてきますね」
「技術先行されてるのは森近と技術を渡したレティだけだからな。どうにでもなる」
「それでは、なるべく早く停戦できるよう動きましょう」
「白玉楼の艦隊?」
「装甲艦は防御用です。攻撃艦隊はフリゲートとガレオンが一隻」
「あんまり数は出さないんだな」
「シャカの近海を装甲艦で封鎖すれば、山の船が漁場を荒らすこともないでしょう」
「制圧が目的でないのなら、一隻ずつで事足りる」
「なるほど。中身はお前らか」
「本土の守りはまかせて、いってらっしゃ~い」
「♪~~」
戦争中もお構いなくひまわり畑増産中の農家りん。
「氷精連合はこの戦争にあたって世界魔法を使用したようね。戦力比で妖怪の山と拮抗してるわ」
「となれば、我々の援護で山を落とす事も可でしょう」
「ちょっと! あんたたち!」
「よくもレティをこっちにけしかけてくれたわね!」
「こちらもすぐに増援が着く。
馮河の君よ、貴公の首は柱に吊されるのがお似合いだ」
「(ひょうが?)」
「言い返す言葉もないわね。まあ、こっちもただじゃ終わらないけど」
「この期に及んで妖怪の山が何かできるとも思えませんが……」
「私はなんだか猛烈に嫌な予感がしてるぜ」
世界大戦
&big(){&font(red){ぱぱぱぱぱおわーどどん}}(いつもより重い音)
「な!? なんで世界がいきなり敵になってるんですか!?」
「よりにもよって……聖戦かよ!?」
「蜂蜜酒派の決定でね。白麗神社はつけの取り立てに行くよ」
「暴れるわ!」
「まあ、そういう事で」
全世界が一斉に敵に塗り替えられる。
咲夜・てゐだけは蜂蜜酒派が来てなかったのか宣戦にはならず。
「お隣さんが敵にならなかったのは幸いか」
「なんなら、世界大戦といく?」
「頼む」
「ありったけの技術でいいよ」
永遠亭、白麗神社に宣戦を布告。
「文字通り世界が二分されたな。中国酒派と蜂蜜酒派の大戦争だ」
「ひとりだけ中国酒派が敵に居るようですが」
「ごめんねぇ。バチカン決議って強制だから」
「だがあなたは拒絶票を投じることもできた」
「裏切りの報いは受けてもらう」
「え?」
「妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど、そんなに無い!」
同ターン・氷精連合都市サトリクム陥落。
3ターン後・氷精連合都市シャカ陥落
「え? え? 負けてる?」
「紫の砲撃で削り妖夢の上陸攻撃で制圧。迷い家から飛んできた擲弾兵は都市防御2をつけて次の手番に機関銃兵にアップグレード」
「妖怪の山と前線で戦い、世界魔法も使い切った氷精連合に抵抗する術はないわね」
「海戦では手が足りませんが。オスティア海峡の閉鎖に鋼鉄艦を割くので、白麗神社のキャラベル船が浸透してくるのに対応しきれません」
「ああ……カニが……」
「……どうせカニの輸出先はみんなこっちと戦争状態だけどね」
「分身殺法!」
「ああ! 首都まで!?」
「あとは八目鰻の屋台とオスティアを制圧すれば、文化圏も使い物になるでしょう」
「とはいえ相手はこの手番で歩兵へのアップグレードを始めている。片やこっちは憲法すらない」
「相手も停戦には応じるんだ。続けてあと2ターンが戦闘限界だな」
「そうですね。では急いで八目鰻の屋台を」
「砲撃で援護するわ。あとこの戦争が終わったら結婚するから、ポテトのサラダをお願いね」
「へ? あ、はい、作っておきますけど」
「(なんだ? そのいきなりな死亡フラグ)」
八目鰻の屋台を制圧しターンエンド
&big(){&font(red){・あなたのガレオン船がレティのフリゲート艦に撃破されました。}}
「……あれ?」
「紫様……?」
「おもいっきしあのガレオンに乗ってたよな」
「あの、幽々子さま。……紫様は白玉楼には?」
「戻ってないけど?」
「…………スキマ?」
「(呆然)」
「ガレオンも沈んで妖夢が海を渡る足もなくなったし、オスティアを制圧するのは無理だな」
「停戦するぞ。ありったけ出せ」
「企業とか出すけど?」
「地図もな」
「(呆然)」
「オスティアが取れないとなると、文化圏で使いものにならないから制圧した都市もぜんぶ返しちゃうわよ」
「ありがと」
「宣戦してきたのは向こうだし、終わってみれば都市を返したボーナスで少し仲良くなっただけだったな」
「あれ? 紫は?」
「スキマに消えました」
「あそ。つまんない。……じゃあそろそろ停戦する?」
「妖怪の山と有利和平、と」
「ついでにこっちも停戦ね」
「ん? べつにいいがやけにあっさり引くな」
「戦争なんてしてる場合じゃないもの! 私にはやることがあるの!」
「すげえヤな予感はするが和平しといてやる」
継戦
「で」
「問題は……」
「まだつけの取り立ては終わってないよ」
こーりんだけ停戦してくれない……。
駆逐艦が白玉楼に迫る。
「内燃機関はあれど石油が……」
「こっちはぎりぎりひとつ沸いてるから、これ使ってさっさとアップグレードしな」
「恩に着ます」
フリゲートから駆逐艦、飛行船から戦闘機にアップグレードして白麗神社海軍を追い返す。
「……首都に輸送艦が横付けしてきた時はひやりとしました」
「で、まだ停戦してくれないのかよ」
1795年・お空がマンハッタン計画完成。
「夢のエネルギィィーーー!」
「嫌な予感はしてましたよ。ええ」
「こっちは核融合とロケット工学がない。白麗神社は核融合持ってるんだけどロケット工学がない」
「いそいで停戦しましょう」
1805年。こーりんとわずかな賠償金を得てようやく停戦。
「さっさと宇宙に逃げよう」
「同意です」