憐れな日本人は仏教とかいう悪魔崇拝に欺かれている!(イエズス会宣教師による歴史上の書簡)

Last-modified: 2024-09-02 (月) 19:17:14

結論ありきでキリスト教シンボル探しを始めた宣教師が日本に何を見出したか、みんなでこれから見てみよう


統一教会のサタン認定連打*1どころではない、キリスト教のド真ん中から出てきた歴史上の悪魔および悪魔信仰認定

 
 

1557年10月28日 パードレ・ガスパル・ビレラによる書簡

誰それ

当時の日本に乗り込んできた最初期のイエズス会宣教師の一人

  • これは「宗教改革に対抗する形で湧いてきたカトリック方面の急進的改革派エリート」を意味する

本文

(前置き)

原文ではなく1936年出版の翻訳テキストから引用*2
目コピのち旧字のみ新字に崩し、太字強調等はWiki側
以下本文引用 タイトルはWikiにて付与
間を若干省略したが概ね連続している記述

悪魔が日本人を欺く!

生命あれども死者の如くなれる男子を埋葬し、妖術師が之を掘出して復活せりと言ふことあり。一人の男子数日失踪することあり、妖術師等来りて之を再び出現せしめ、彼谷又は此山に在りしと語ることあり。人を埋めたる穴より火炎の燃え上ることあり、又死者を埋葬する為めに運搬し、之を出して葬らんとするに当り遺骸のなきことを発見することあり悪魔は此の如き事を以て憐なる日本人を盲目にす

恐怖!悪魔崇拝の実態!

当地*3には悪魔*4に礼拝をなす者あり、之をなさんと欲する時は、高山に登りて数日間悪魔を待受け、悪魔が彼等の望みの姿にて現はるるに至る。此の如き人を山伏Yamabuxisと称す。山の兵士(○山伏を山武士と誤解せるなり*5)の意なり。彼等が聖徒とならんと欲する時は直立して眠らず、又は甚だ僅少なる食物を摂る等大なる苦行をなし、又祈祷をなせば諸人は彼等に施をなせり。二三箇月を経て悪魔が充分なりと言ふに及び、彼並に彼に随行する人々及び施与の金銭を小舟に載せて大海の真中に出で、舟に穴を明けて地獄*7に赴けり*6苦行の方法は多きが皆悪魔に欺かれて行ふものなり

悪魔の顕現!

当地方にて悪魔は多くの形にて崇拝せらる。特に牛、兎、鹿等獣類として拝まれ、牛を殺せば死刑に処する地方あり。悪魔が崇拝を受くる方法は人間に憑き、誰なるかと尋ぬる者あれば牛の長なりと言ひ、若し去らんことを願ふ時は、之を祀るべき堂を建つる約束をなすまでは去らずと答へ、其約束をなせば去る。因て堂を造り獣類の像を安置して之を拝む。若し約束したるものを造らざる時は種々の方法を以て彼等を苦しむ。

信仰を集める悪魔の化身ら!

悪魔が此の如き事をなすは、人間を我等の主デウスに対する真の信仰より引離し、無限にして汚すべからざるデウスの栄光を人間、鳥獣及び蛇の朽つべき像に変じ、造主よりも造られたるものを拝ましめん為めなり。
日本人の間には多数の宗旨あり。或者は阿弥陀Amidaと称する人間を拝み、他の者は釈迦Xacaを師とし、又他の者は自ら仏Fotoquesと称す。
(中略)
我等が描くよりも醜く描きたる悪魔を拝す

全体の要約

日本は
サタンの

出典

(帝国教育会出版部『異国叢書 續 豊後篇上巻 耶蘇会士日本通信』1936年 p208~211)

  • 時代が時代なので、「翻訳に際して(過度にキリスト教を警戒する)訳者の変なバイアスとか掛かってないか?」を現代の目として警戒しておく意義は一応ある/別に鬼畜米英的プロパガンダ目的とかではなく*8、純粋に史料を整理する文脈下で出てきたもんではあるようだ
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%95%B0%E5%9B%BD%E5%8F%A2%E6%9B%B8
    • そういった余計な心配事を減ずるために本当は原文引っ張りたかった 力及ばず
 

補足


キリスト教の目を通した仏教は歴史上悪魔認定された人物および概念の集合体に他ならない
上記書簡群(=イエズス会の坊主(ぼうず)らの間で成されたやり取り/既に故人であった&なぜかやたら日本を気に入っていたらしいザビエル*9は含まれない)において弘法大師こと空海は完全にサタンの化身扱いだし、引用箇所で名前が出ていない大日如来などもまとめてあいつサタン!されている

  • 引用箇所からは省いたが、太陽や月への推定民間信仰も当然のごとくサタン信仰と見なされている 当時の日本で信仰されていた太陽や月ってどんな系統の宗教だっけ?


キリスト教においては教義上
①「唯一にして真なる教えである我らのキリスト教に連なる信徒」
②「その他のバカが騙されている悪魔(サタン)信仰」
この二種類しか存在し得ない
キリスト教以外はみなサタンが歴史上のキリスト教における理論であり、実践でもあった 別にヴィレラ(↑の書簡の原文書いた奴)のスタンドプレーとかではない、ごく標準的な姿勢

だからキリスト教の目を前提に無関係な体系下の概念へサタン見出しても意味ねえんだわ、あらゆる非キリスト教属性はキリスト教から見りゃサタンなんだから
このWikiもキリスト教から見りゃサタンだぞ
俺もお前もサタンだぞ

  • ページ先頭付近にも書いたが、統一教会が片っ端から意にそぐわん事物へとサタン認定を連打している姿はけっして彼らのオリジナルカルト要素とかではない あれは歴史上のキリスト教から引っ張られてきた姿勢
 

(参考)現代のキリスト教本流において

気に入らんものを片っ端からサタン認定しているときりがないと気付いたのか、あるいはそのような態度が植民地主義まで直結して大惨事に繋がった歴史へ多少なりとも思うところでもあったのか、あるいは科学に向かって同じ事やろうとしてボコボコにぶちのめされた戦闘結果でも影響したのか……
決定的な理由が何であったにせよ、とにかく本流としてのキリスト教は「少なくとも表面的には」当時よりナンボか慎重になっている

カトリックの総本山たるローマ教皇は現代近くに至っても安直に悪徳を認定してきたが、現代のカトリックは己が組織的性犯罪の後始末に追われているためあまり他所へどうこう言っている余裕がない
プロテスタント諸派は現代に至ると概ね内輪で固まっているため、外への関心も限られている 勧誘しまくってくる福音派は違うぞ
(コロナ禍で露呈したアジア蔑視のごとく)内心どう思っているかは別として、21世紀的に説明するならキリスト教本流の系統はもうサタン認定を撒き散らしてはいない

  • キリスト教系の新興宗教はその限りではない

*1 そもそもこれはカトリックのサタン認定連打が元ネタ
*2 原文らしきものも検索すると一応出てくるが、俺はdemonioとinfernoしか読めねえ&本当に正確な原文かどうかも分からねえ
対して翻訳テキストは泣く子も黙る国会図書館デジタル資料であるため、「1936年時点で存在した翻訳データ」としての確かさは担保されている 当時の訳者らが最低限誠実であったものと祈ろう

*3 豊後(現在の大分県付近) 引用終了後の出典参照
*4 原文"demonio"
*5 これは訳注
*6 「明けて」は原文ママ 原文(訳文)であるため空けてと直してもよかったがとりあえずそのまま載せておく
*7 inferno
*8 まだその段階には至っていない
*9 1552年没