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正式タイトルは『悠久の風伝説 ~ファイナルファンタジー3より~』。
(連載初期は『ファイナルファンタジー3 ~悠久の風伝説~』だった。単行本発売にあわせて改題)
原作:寺田憲史、作画:衣谷遊によるコミック版FF3。全3巻。
角川書店のゲーム雑誌「○勝ファミコン」で1991年頃に約2年間連載されていた。
ゲームのコミカライズの宿命で、序盤はスローテンポ、終盤は超特急なストーリー展開だが、
衣谷氏の画力もあって、読み応えのある一作だと思う。
- 丁度連載が終わる頃に角川書店のお家騒動が勃発し、「マル勝スーパーファミコン」(当時)の大半のスタッフがメディアワークスに移籍する事になり(そして生まれたのが「電撃スーパーファミコン(現:電撃PlayStation)」)、
それと共にマル勝スーパーファミコン自体も衰退していく事になる。
そんな激動する時代の中を駆け抜けた連載と言えよう。
主人公はムウチ、メルフィ、ダグ、J-ボウイの4人。
DS版に先駆けること15年以上前に男子3、女子1の配置になっている。
中でも異彩を放つのが、J-ボウイ。
彼は褐色の肌にロングの黒髪というエキゾチックな容姿のクールな青年だったりする。
この漫画の作者は画力に定評があり、結構売れているのだが書いている漫画は要18禁なので要注意。
代表作 リヴァイアサン、デビルマン黙次録。
主人公4人は年齢がきれいに1歳ずつずれていて、背丈も年齢と同じ順。
本編との世界観的な一番の違いは銃が出てくることだと思う。
理屈では「大砲があるからあってもおかしくない」と言えるかもしれないが、個人的にはかなりの違和感があった。
- 単純に当時連載されていた「ダイの大冒険」のマァムの魔法銃にヒントを得たという解釈もあり得るが。
主人公達は通算3回の衣装チェンジが行われている。
最初は使い古しのあり合わせみたいなものだったが最終的には立派な装備品になった。
ここら編は(当時では)再現し難い視覚的なパワーアップともいえる。
ムウチ
長剣を使う重戦士ポジション。
召喚魔術師ハインが操る炎の魔人イフリート・氷の魔人シヴァと心を通わせて叛旗を翻させ、
最終決戦では魔界を垣間見て召喚魔術を会得、イフリートとシヴァを召喚した。
15歳。幼い頃に両親をなくしてトパパに育てられた。
明るくタフな性格。単純明快なため同じ境遇の3人組の中でリーダー的ポジション。
今思えば武闘派の召喚士というのは昨今のFFでも珍しいポジションな気もする。
全編読むと、彼は直剣両手持ちで戦う印象が強いが
ジンとの戦いでは二刀流も披露している。
ダグ
小柄な俊敏キャラ。特殊な力は何も修得せず、主に投げナイフで戦った。
14歳。幼い頃に両親をなくしてトパパに育てられた。
ムウチ以上に明るく、最年少という気軽さもあって、道化ポジションをやるムードメーカー。
したたかものでイタズラを仕掛けるのが誰よりも得意。
J・ボウイ
クールに的を外した発言をする天然キャラ。
ジンの黒魔術に体が支配されかけたことで黒魔術の力が芽生え
最終決戦ではドーガの後継者と言うべき黒魔術の使い手になった。
17歳。幼い頃に両親をなくしてトパパに育てられた。
浅黒い肌は、遠い国からの旅人であった父親譲り。
常に冷静沈着な参謀ポジション。
何を考えているのかよく分からない無口でマイペースな性格。
メルフィ
風のクリスタルに邂逅したとき白魔術の力を授かり、
最終的にウネを超える白魔導師になるも、
自らをより成長させるべく見聞の旅に出る。
16歳。ウル地方一帯の大地主の一人娘だったが、大地震で両親も財産も失った。
ムウチ達とは身分の差からはじめは衝突を繰り返していたが、やがて強い絆が芽生える。
ムウチとは喧嘩友達だったが、最終決戦で成長したムウチに恋をし、ドーガとウネに教わった悟りの境地「空白の泉(ニエ・デ・トワラ)」に触れ、白魔法の極意を会得した。