姫嶋神社

Last-modified: 2013-06-02 (日) 12:18:59
 

姫嶋神社
ひめじまじんじゃ
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(参拝日:平成25年4月20日)
住所:大阪府大阪市西淀川区姫島4-14-2mapionlogo.gif
主祭神:阿迦留姫命、住吉大神
社格:郷社
主な祭礼:2月20日(例大祭)

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↑鳥居↑
(由緒:現地案内板より)
阿迦留姫命と住吉大神を祀る。創建年代は不明。
豊臣秀吉の時代に一時は住吉神社と称したが、明和三年に社名を元に戻す。

ご祭神阿迦留姫命は『古事記』によると「赤い玉より生まれた美人で、新羅の王子、天之日矛と結構。
常に美食を用意して仕えたが、高慢な夫の態度に耐えきれず、難波に逃げ帰った」とある。

また『摂津国風土記』逸文には「新羅の女神が夫のもとを逃れ、筑紫の国の伊波比の比売島(大分県姫島)に
暫くいたが、ここは新羅から近いので、きっと夫が追いかけてくるにちがいないと摂津の国に移り住んだ。
そしてもといた島の名をとって比売島と名付けた」とある。

姫島は難波八十島の一つで阿迦留姫命が留まった比売島がこの地にあたると伝えられてきた。

古老の話によると、ヒメが訛ってヒエ(稗)島と呼ばれ、ヘジマと発音していたという。
また、この地は木綿織がさかんで、女性は三巾前掛をして、よく働いたと伝えられている。
ただし大阪で木綿の栽培が始まったのは戦国時代といわれ、史実と異なるが、
このような伝承が残っているのも阿迦留姫命をこの地の産土神として、人々が大切に松ってきたからであろう。

境内には姫島後に関する万葉歌碑がある。 「妹が名は千代に流れん姫島の小松が末に苔むすまでに」
妹は、この地で亡くなった乙女を作者が親しみをこめて表したもので、あなたの名はいつまでも世に語り伝えられる
であろうと詠んだ。

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↑社殿↑
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↑大楠社↑
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↑万葉歌碑「妹が名は 千代に流れん姫島の 小松が末に 苔むすまでに」↑

(以下、余談)
阪神電車・姫島駅からすぐのところに鎮座しています。
周辺は市街地にも関わらず、そこそこ広い境内に社殿が立ち並んでいます。

江戸時代初期には鎮座していましたが、応神・仁徳期はこのあたりは海中にあったようです。

御祭神の阿迦留姫命を祀る神社は、高津宮?比賣許曾神社?赤留比売命神社?があります。
新羅にいた女神が夫から逃れ、筑紫国の「伊波比の比売島」に住んでいました。
しかし、ここにいてはすぐに夫に見つかると離れて難波の島に至り、前に住んでいた島から「比売島」と名付けました。

これは『摂津国風土記』逸文の記述ですが、『古事記』『日本書紀』では内容が少し異なっているので面白いです。