（参拝日：平成24年8月16日）
古典（日本書紀）によれば田道命は「仁徳天皇五十五年（西暦三六七年）勅令を受けて
北夷の反乱を平定のため東北地方に兵を進めたが、戦利あらず、伊寺の水門で戦死なさる。
後に大蛇となって暴夷を平定した」とある。
又社伝によれば「五六十六年蝦夷の毒手に敗死なされ、従者その屍を仮葬し、賊を捨て帰京す。
蝦夷その墳墓をあばくに、たちまち遺体大蛇と化して毒気を吐発す。
土人大いにおそれて鹿角郡猿賀野に祀って産土神となす。
その後、二百年の星霜を経て、欽明天皇二十八年（五六七年）に大洪水あり、この時、田道命の神霊、
白馬にまたがり漂木を舟として流れにしたがい、当地に移遷し給う。
当地住民神霊を迎え奉って古木（鍋木）の洞穴に祀る」と、云われている。
桓武天皇の御代に再び暴夷を平定することになり、坂上田村麻呂将軍が兵を進め苦戦となった際、
田道命の霊感を受けて大勝利した。
よって、将軍は延暦十二年（七九三年）八月二十三日現在の地に祠を祀り、
その趣を天皇に奏上した処、勅令により、大同二年（八〇七年）八月十五日社殿を造営、
奥州猿賀山深砂大権現として勧請し、神威天長、国家安穏、黎民豊楽、悪鬼退散を祈願した。
以来猿賀の深砂宮（神蛇宮）と崇められ御神徳四辺に遍く、地方唯一の霊場と仰がれるように至った。
かつては国司、探題、（藤原清衡公、北畠顕家卿、安部氏代々等）の崇敬篤く、
藩政時代に入り藩主津軽為信公により、祈願所と定められた社殿の改修造営、
また社領の寄進などしばしばであった。
明治四年太政官政令にて権現号を廃して猿賀神社と改称し、
明治六年郷社に列せられ、更に明治十三年県社に昇格、戦後は社格が廃せられたが、
昭和三十四年神社本庁別表神社に加列せられ今日に及んでいる。
崇敬者は県内は勿論、北海道並に東北一円に及び眼の守護神とする特殊信仰並びに、
辰年、巳年生れの守護神として広く崇敬されている。
弘前市と黒石市のちょうど中間、弘南鉄道･津軽尾上駅から徒歩15分ほどのところにあります。
このあたりでは、『借りぐらしのアリエッティ』の作中モデルとなったという盛美園が有名でしょうか。
境内にある鏡ヶ池は、池一面に蓮が咲いていました。
この日は、天候に恵まれたこともあり、周遊している人を数人見かけました。
蓮を加工した「蓮根羊羹」が旧尾上町の名物であったり、
かつて「猿賀のウおよびサギ繁殖地」として国の天然記念物に指定されていたり(現在は解除)、
隣の見張ヶ池の湖畔には温泉が湧いていたりと、何かと話題が多いです。