ARRLのLoTW
Log Book of The Worldについてちょっと。使用前なので間違ったことを書くかも。しかしここは自分用メモの意味でもある。
LoTWとは
登録してみる前まではあんまり興味がなくて、しかも米国人以外の外国人にとっては登録作業がメンドくさくて、登録する気も起きなかったLotw。しかし、SSNも低迷してHFのコンディションがとてもウンコなことだし、どうやらバーテックススタンダードがLotwのスポンサーになったみたいだし、いよいよこのLotwがメインになるものと思われるため、今のうちに、登録作業をすることにした。
LoTWのしくみ
PKI暗号方式を使って署名したログファイルをARRLのWebにアップロードする。実は単にこれだけ。
PKI暗号方式による署名方法について
Windows用のソフトウェアについて
- TQSL
- TQSLCert
というソフトウェアを使う。
TQSLCertにより鍵束を管理し、TQSLによりログファイルに署名をする、というだけの話なのだ。
ARRLは大変な作業だよ
さて、自分は「外国人にとってめんどくせえめんどくせえ」とばかりいってきた。しかしどうやらARRLが全世界のアマチュア局を一手に引き受ける認証局としての作業をしているのである。この公開鍵暗号方式の仕組みからいって、わずかながらでも信頼性のおとる証明書を発行してしまっては、LoTW全体の信頼性にもかかわる話になるのである。
おそらくARRL内部の議論としては、「アメリカ局はファイル内の住所とFCCデータベースが一致していることを持って、ほぼ確実に本人からの申請であろう。この一致をもって証明書を発行しよう。しかし外国局はどうしようか。アメリカ局と同様の信頼性を得るためには、FCCデータベースと同じくらいの信頼性をもつものとの一致が必要である」との結論に達したに違いない(スーパー妄想)。となると、その国のライセンスとパスポート1ページ目か運転免許書のコピーを郵送、というのはひょっとするとARRLとしては仕方のない妥協点なのかもしれない。
JARLは何をしてきたのか。さらに妄想。
このシステムをはじめるにあたり、(LoTWスタート当初は)世界一の局数を誇っていた日本のアマチュア無線協会に、公式であれ非公式であれ、このシステムについて共同参画の話がいかないわけがないのである。(ARRLとしては日本の局の認証はJARLにやってもらいたい。また本来そうあるべきだ。そしてそれはお互いの利益になるはず。とARRLなら思うだろうし、ごく当たり前の感覚だ)
しかし、99%の局がビューローを利用するためJARLに入会しており、さらにはほとんどが国内QSLばかりなJARLにとって、LoTWはむしろ邪魔に感じたに違いないのだ。そして現在の体たらくに至る。以上で妄想終了
パスワードについての誤解
LoTWはやたらとパスワードが必要だ、のような解説Webがあるがこれもちょっと誤解があるとおもわれる。署名を作るときに求められる第1パスワードはほとんどの局にとって不要であり、付加することはむしろ危険である(ARRLの説明書にも「これはオプショナルだ、必要なければつけるな」との解説がある)。そもそもこの第1パスワードが他人に使われるという状況になるのは、証明書ファイルが他人に渡っていることが必要であり、大事なファイルが他人の手に渡っている状況である。これはパスワード付加以前の問題である。不必要な認証作業はむしろセキュリティを下げるものと心得るべし。
あとはARRLのWebページに入るためのパスワードだが、これは通常の会員ページに入るときと同じだし、特段普通に運用するにはパスワードだらけということはまったくない。
そもそも、趣味のアマチュア無線、しかも一般局であるところのLoTWの署名が流出したところで、他人には全く何の価値もないもの。いや、たとえ悪意の人間がLotWを操作したとしても、それがいったいなんだというのでしょう。全財産をあずける金融機関の口座パスワードならともかく、Lotwの署名ファイルごときにそんな厳重にセキュリティを施しても百害あって一利無しである。もちろん、むやみに流出させてしまってはLotwの信頼性そのものも堕ちてしまうので、いわゆる善良な管理者の注意義務はあると思うけれど。
再インストールで大失敗
ARRLに送るための.tq5ファイルは、ARRL送るためだけのファイルであって、保存しておいてもまったく何の意味もなさないので注意。TQSL Certプログラムから右クリックして.p12ファイルを保存しておくこと。いや、ホント参った。いやいや、テキトーな日本語解説webを参照した自分がアホなのです。
そして、ARRLから.tq6ファイル(証明書)が送られてきたらマージして、サインされた状態になったら、その.p12ファイルを保存しておく、という手順がベスト。
コンテストのQSOでのログのアップロード率
ログをアップロードしてみた。約50局中、10局がLotwにアップロードしていた。半分ほどがアメリカ局であった。カナダ1局、ロシア1局、ハワイ1局、中国1局で残りがアメリカである。
ちなみに自分はまったく同じログをeQSL.ccにもアップロードしているが、こちらは5局。面白いことに、すべてアメリカ外の局。LotwとeQSL両方にログをアップロードしていたのはカナダ局と中国局。
コレはちょっと低すぎる率で意外である。やはりこの世界では紙QSLがいまだ全盛か。