公共事業

Last-modified: 2008-01-15 (火) 00:30:19

公共事業国際比較

友人に、「日本の公共事業費はべらぼうに高い」と、マスコミだかの報道丸飲み的意見を聞いたときには、「そりゃ嘘だ」と反論したのだがいかんせん材料が無かった。他先進諸国とのインフラ整備状況を考えれば、そんなに大幅に大きいわけが無いと言うのが僕の持論で、下記はそれに基づいている。

公共事業費は日本は高いに決まっている

という前提に立って統計を見ると、そりゃもう都合の良い数字はいくらでも出てくる。ヒドいのになると http://www.khk-dr.jp/gurafu/g6_4.htm とか。

そもそも、公共事業といえば無駄が多いから、こういう「先進6カ国合計しても日本の公共事業費におよばない」なんて無茶苦茶な統計も「へえ、そうなのかそりゃひどいな」とか思っちゃうのもまあ仕方ないか。

公共事業費ってそんなかわんねえんじゃねえの

公共事業費は無駄が多いのかもしれないけれど、必要な公共事業費というのは必ずあって、それは経済がある程度同じような先進国で比べたら必要な経費というのはある程度同じになるはずで、「先進6カ国合計しても日本の公共事業費におよばない」なんていう数字になるはずが無い。という前提に立ってみる。

そもそもこの数字が変だ。どうやら「公的固定資本形成」というGDP統計に基づいた数字らしく、この数字自体はどうやら確からしい。

謎は解けた。

さて、ではなにが変か。先進6カ国にあって日本に無いもの。それは「軍事費」である。先進6カ国はいずれもGDPに軍事費が占める割合は非常に高くなっている。日本で「公共事業費」で使われている部分は、他国では「軍事費」として使用されているっぽいのである。
災害対策、およびその復旧なんかがすべて軍事費(っぽい)から、まあ他国と比較すりゃ違いが出てくるのは当然なわけだ。
http://www.usace.army.mil/whatwedo/military.html

まあ、ちょっと考えてみればわかることなのでありました。

大体において

他国と予算を比較する際には、軍事費を考えることが必須である。日本は暗黙にGNP1%程度であるが、他国の事情は全く異なる。よく、「公共事業に回すなら社会保険に回せ。」と言う論がある。ここまではまだ良い。「なぜなら他国と比較した際、公共事業と社会保険との比率は日本は大幅に高いからだ」という論には全く説得力がない。たとえば軍事費対社会保険比率ならば、日本は圧勝だ。つまり、日本が負ける比率を持ち出しているに過ぎないからだ。

というわけで

「マスコミにのせられるな」ということを言いたくてこの章を書いたのだが、調べているうちに「他国は軍事費が非常に大きい」「それゆえ予算の振り分けには軍事費をどうするかということに、国民は常に目を向けている」「つまり国民の関心は外交や国防に比重がある」というのが他国の常識なのであって、つまり日本は平和なのだ。もっというと、平和ボケなのだ。

ということを認識でき、有意義であった。