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…
「十傑…集……!?」
「そう、ワタシ達は封神の中でも、飛び抜けた実力を持つ、エキスパートチーム、十傑集」
「……うむ」
「この俺、ディッツラカルドなら、卑鬼は10秒で真っ二つにできる」
戦慄する邪素血巣。
この「頼もしきディッツラカルド」は、自分が苦戦した、あの卑鬼を雑魚扱いしたのだ。
「さらにこの私、行徳寺は、怒王を一撃粉砕できる。
クレアンテスのくり出す火は、炎帝の数百倍の力を持つ。」
「この儂"衝動のアーベルジュ"は、イマーム相手に無傷で勝てるだろうよ」
「そして、俺、ヘッド・ザ・レッドなら、あの汚想路死胃組をわずか、」
「しゃらくさい!」
「ぐああああぁぁ!」
ルシフェルのミキサーが十傑集に襲いかかった。
「馬鹿な、十傑集の内、6人が即死だと!?」
「残ったのは、極上の、衝動の、妖鬼、そしてこの虎牙のみか…」
「儂らだけでどうにかするしかあるまい」
「邪素血巣、君はここで待っている。私達が片をつけてくる」
邪素血巣は、彼ら四人の瞳に、光を見た。
この人になら全てを任せられる。
そう思った。
「……わかったぜ!」
「よし、では、行くぞ!」
「「「「我等封神のために!!」」」」
彼らは飛翔し、ルシフェルへと超スピードで接近していった。
「虎牙よ、八百屋で買った北海道産タマネギと鹿児島産サツマイモは、あといくつ残っている?」
「4個ずつだ。1人1個だな。全力で行くぞ!」
「フン、払い落としてくれるわ、十傑集!」
「うおおおっっ!!」
圧倒的。ルシフェルの驚異的なパワーで、3人が死んだ。
「こ、こんなことが、こんなことがあるはずが…!!」
残ったのは、"衝動のアーベルジュ"1人のみ。
「ぐぬぬ…この儂をなめくさりおって!
友が遺してくれた、タマネギ4個と、サツマイモ4個で、貴様を!うおおおっ、貴様を!」
アーベルジュの猛攻撃が始まった。
数え切れない程の、極太衝撃弾が全方位から、ルシフェルにぶち当たる。
「はああああっ!!この攻撃は、仲間の弔いのためではない。
ましてや、友のために復讐でもない。
この衝撃は!この輝きは!悪を滅ぼすための正義の鉄槌だ!」
だが、
「フフフフフ、フハハハハハ!効かんなぁ…」
「ま、まさか…!」
ルシフェルは無傷だった。
「知らないのか?ならば教えてやろう。
オレに野菜は効かん」
「…!!」
「我がミキサーは、周囲1m以内の野菜力を吸収し、このルシフェル自身の無限の力へと変換することが可能!
貴様の攻撃は無に帰す。無力だ!無駄だ!無理だ!」
愉快そうに微笑するルシフェル。その笑みには、嘲りの色が含まれていた。
邪素血巣達は不安そうに戦いを見守っている。
ある者は一途に祈りを捧げ、ある者は絶望に打ちひしがれていた。
「さあ、どうする十傑集よ?
おっと、今は一傑集だったな!
縦棒がなくなってしまったああ!」
「…クックックック」
突如、アーベルジュが命を賭しての超攻撃をくり出した!
「十傑集なら、大魔王の1人や2人!止めてみせるわぁ!」
「馬鹿な!野菜の力なしでここまでのパワーを…!?
ぐっ!」
「野菜が効かないとわかれば、全力で叩くのみよ!
うおおおおお!十傑集をなめるなぁぁ!!」
「ぬううっ!?」
遂にルシフェルの防御が崩れ、激痛にのけぞった!
「今だ、小僧!ルシフェルに隙が出来た今なら、貴様のマスターソードで止めを刺せる!
儂はもうじき死ぬ…!早く行くのだ!
…くっ……!」
「わかった…!あんたの意志、確かに伝わったぜ!」
無防備なルシフェルに向かって、邪素血巣が駆けだす!
「行っけぇぇっっ!!」
―続く―