想刻のジャスティス ~Hellfire Alchemist~/第四章 幕間

Last-modified: 2022-05-29 (日) 06:30:41

「く…一体どうすればいいんだ?!」


 邪素血巣にもさすがに焦りが生じてくる。ルシフェルにはスキが全くない。
ルシフェルを倒すことができる手段など、もう邪素血巣には……


「男だったら、どんな時でもあきらめるな!!」


 父、美来鳥の声が聞こえたような気がした。
父さんはいつでも真っすぐな人だった。
良き師であり、人生の目標だった父。
その父が「あきらめない」と言うのならば、俺がこんな所であきらめるワケにはいかない!!
邪素血巣は思い出していた。
父が遺した「十七の道具(キリフダ)」、その一つであるマスターソード。
その剣には堕落した天使を裁く力がある、と。
それは暴走した天使を止めるためにつくられた最終兵器(ジョーカー)
だが、マスターソードはすでにルシフェルによって駅のホームまで飛んでいってしまった。


「剣さえ何とかなれば……!!」


 その時!!破壊された駅の瓦礫の上に立つ人の姿があった。


「舞花!!」


 彼女の手にはマスターソードが。


「邪素血巣!!受け取って!!」


 マスターソードは邪素血巣に向けて投げられる。
それは見事に邪素血巣の手に収まった。
その時、マスターソードが光に包まれた。


「こ…これは?!」


 そう、この光こそが堕天を滅ぼし、世界の調和を保ってきた神器。


「いくぜルシフェル。これが最後の勝負になるだろう。」
「フハハハハ!!面白い。
 確かにこれが貴様の最期だ。」


 二人は互いに睨み合い、そして……