「く…一体どうすればいいんだ?!」
邪素血巣にもさすがに焦りが生じてくる。ルシフェルにはスキが全くない。
ルシフェルを倒すことができる手段など、もう邪素血巣には……
「男だったら、どんな時でもあきらめるな!!」
父、美来鳥の声が聞こえたような気がした。
父さんはいつでも真っすぐな人だった。
良き師であり、人生の目標だった父。
その父が「あきらめない」と言うのならば、俺がこんな所であきらめるワケにはいかない!!
邪素血巣は思い出していた。
父が遺した「十七の道具」、その一つであるマスターソード。
その剣には堕落した天使を裁く力がある、と。
それは暴走した天使を止めるためにつくられた最終兵器。
だが、マスターソードはすでにルシフェルによって駅のホームまで飛んでいってしまった。
「剣さえ何とかなれば……!!」
その時!!破壊された駅の瓦礫の上に立つ人の姿があった。
「舞花!!」
彼女の手にはマスターソードが。
「邪素血巣!!受け取って!!」
マスターソードは邪素血巣に向けて投げられる。
それは見事に邪素血巣の手に収まった。
その時、マスターソードが光に包まれた。
「こ…これは?!」
そう、この光こそが堕天を滅ぼし、世界の調和を保ってきた神器。
「いくぜルシフェル。これが最後の勝負になるだろう。」
「フハハハハ!!面白い。
確かにこれが貴様の最期だ。」
二人は互いに睨み合い、そして……