仏教・宗派の詳細

Last-modified: 2011-01-14 (金) 17:53:48

・臨済宗
 唐の臨済義玄が祖。宋の栄西によって鎌倉時代に日本伝播
 中国禅宗五家(臨済、イ仰、曹洞、雲門、法眼)のひとつ
 日本では政治・文化的にに支持された
 公案に参究することにより見性しようとする看話禅(かんなぜん)が特徴(白隠禅)
 
 主な僧侶
  栄西、一休、白隠、円爾、蘭渓道隆、無学祖元、夢窓疎石、関山慧玄、円爾、東巌慧安、
  安国寺恵瓊、太原雪斎、如拙、雪舟、

 

・普化宗
 唐の普化が開祖。臨済宗(禅宗)の一派ともされる。
 日本へは鎌倉時代に心地覚心が伝える。本山は明暗寺。

 

・曹洞宗
 洞山良价と曹山本寂が祖。日本では鎌倉時代に宋に渡った道元が広める
 坐禅に徹する黙照禅が特徴。道元は『正法眼蔵』で仏教全般について記しており不立文字に反する
 永平寺(福井県)、総持寺(神奈川)が本山

 主な僧侶
  道元、良寛、鈴木正三、種田山頭火

 

・黄檗宗
 唐の黄檗が開祖。日本へは明の隠元が伝播。
 臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗。華厳、天台、浄土等の諸宗を反映したいわゆる混淆禅。
 総本山は宇治萬福寺。普茶料理を伝える。

 

・真言宗
 9世紀、空海によって開宗。総本山は東寺(教王護国寺)、金剛峯寺など。
 真言密教(東蜜)に重きを置く。派により十八本山がある。

 

・法相宗
 玄奘の弟子、唐の窺基が開祖。日本へは南都六宗の一つとして、道昭など遣唐使より伝播。
 唯識などインド思想の直輸入感が強く、華厳宗に押され衰退する。
 興福寺、薬師寺が大本山。

 

・華厳宗
 唐の杜順が開祖。華厳経を経典とする。梵語で「仏の飾りと名づけられる広大な経」
 日本へは奈良時代、審祥によって伝播。東大寺大仏の建立。
 華厳思想の中心は相即相入、重々無尽の縁起。観念的であり非現実的。

 主な僧侶
  良弁、杜順、智儼、法蔵、澄観、宗密、馬鳴(アシュバゴーシャ)、龍樹(ナーガルジュナ)

 

・律宗
 鑑真が伝えた「四分律」を元に戒律に重きをおく宗派。鑑真が開祖。
 総本山は唐招提寺。形骸化するも禅思想などと結びついた。

 

・天台宗(天台法華円宗)
 隋の智が開祖。日本では最澄が広める。
 比叡山延暦寺が総本山。天台密教は台密と呼ばれ、日本土着信仰も融合される。
 法華経を中心とする法華禅とも言うべき「止観」を重んじる

 主な僧侶
  智、最澄、円仁、円珍、遍昭、天海、瀬戸内寂聴

 

・融通念仏宗(大念仏宗)
 平安末期、天台宗の良忍が開宗。総本山は大阪の大念仏寺。
 『華厳経』・『法華経』を正依とする浄土宗系の宗派

 

・日蓮宗(法華宗)
 天台宗を元に日蓮が創始。総本山は身延山久遠寺。
 末法観と法華経。激しく他宗を攻撃する「四箇格言」

 

・浄土宗
 法然が開祖。鎌倉時代に起こる。
 専修念仏を中心とし、本尊は阿弥陀如来
 総本山:知恩院(大谷寺) ※七不思議(鴬張り、白木の棺、抜け雀、三方正面真向の猫、大杓子、瓜生石、忘れ傘)
 大本山:増上寺、金戒光明寺、百萬遍知恩寺、善光寺、禅林寺

 

・浄土真宗
 法然の弟子・親鸞が開祖。成立は親鸞の死後。
 聖典『教行信証』。浄土往生、他力本願、悪人正機、称名念仏
 総本山・本願寺の蓮如により講が組織され、室町戦国時代には一向一揆が起こされた(一時、一向宗と呼ばれる)

 主な僧侶
  親鸞、蓮如(一族)、大谷家、鈴木大拙

 

・時宗
 鎌倉時代末期に一遍が起こした浄土宗の一派。一向一揆の主体ではない。
 阿弥陀仏への信・不信は問わず、念仏さえ唱えれば往生できると説いた。
 鎌倉の遊行寺(清浄光寺)が総本山
 一向俊聖開祖の一向派は江戸時代時宗へ併合されたが、明治となって浄土宗へ帰属した

 
 

■京都五山
南禅寺 - 別格 臨済宗

天龍寺 - 第一位※
相国寺 - 第二位※
建仁寺 - 第三位
東福寺 - 第四位
万寿寺 - 第五位

 

■鎌倉五山
建長寺 - 第一位
円覚寺 - 第二位
寿福寺 - 第三位
浄智寺 - 第四位
浄妙寺 - 第五位

 

■臨済宗
建仁寺派(京都) 栄西
東福寺派(京都) 円爾
建長寺派(鎌倉) 蘭渓道隆
円覚寺派(鎌倉) 無学祖元
南禅寺派(京都) 無関普門
国泰寺派(富山)
大徳寺派(京都) 宗峰妙超→一休
向嶽寺派(山梨)
妙心寺派(京都) 関山慧玄 ※最大派
天龍寺派(京都) 夢窓疎石
永源寺派(滋賀)
方広寺派(静岡) 無文元選
相国寺派(京都) 夢窓疎石 ※鹿苑寺・慈照寺は末寺
佛通寺派(広島)
興聖寺派(京都)