エレオノール

Last-modified: 2006-11-01 (水) 20:36:32

『エレオノール』

「ご婚約おめでとう御座います」
「何度も婚約を破棄されておいて…今更『おめでとう』も無いんだわ!」
馬車に揺られながらエレオノールは従者に悪態をついていた。
それは2週間ほど前の夕飯の席での事、ラ・ヴァリエール家当主からの言葉。
「婚約が決まったぞ!エレオノール!」
「そう…またなの?今度はドコの物好きなのかしら?お父様」
「先日の晩餐会でお前を見初めたそうだ!」
「あら…お気の毒」
「我がラ・ヴァリエール家を絶やすわけにはいかん!今度こそ…」
「承知しておりますわ、お父様」
「カトレアもルイズも期待は出来ん!お前だけが頼りなんだぞ」
「はいはい…分かっておりますわ」
かくしてエレオノールは早速先方より夕食に招待され、今はその道中の馬車の中。
要するに改めての顔見せ、食事、ご挨拶と称したデートという訳である。
「憂鬱だわ…」
「何を仰いますお嬢様!お家の大事で御座います」
「だから憂鬱なのよ」
間もなく馬車は見慣れぬ紋章に彩られた、ある貴族の屋敷のアーチをくぐった。
「猫を被ってりゃいいわけでしょ?」
「ま…左様でございます」
「我慢してりゃいいんでしょ?」
「仰る通りにございます」
「ただ笑ってりゃいいのよね?」
「懸命なご判断にございます」
「あ~!何かムカツク!」

 

しばらくすると馬車は正面玄関へと横付けされた…。
使用人に案内され、中央広間へと入る…そこには一人の見知らぬ紳士がいた。
「これはこれはラ・ヴァリエール嬢!わざわざのご来訪感謝いたします」
何この人?まるっきりのオヤジじゃない?!いくらなんでも酷すぎるわ…。
「今宵はご招待ありがとうございます」
顔を引きつらせながらエレオノールは精一杯の笑顔で応えた。
「側で見るとなお美しい!こんな方を妻に迎えられるとは…幸せです」
「滅相も御座いませんわ♪」
「今夜はゆっくりと語り明かしましょう」
「ええ、お互いを充分に知る為にも…」
隣の部屋の長い長いテーブルに食事の用意がされた。
紳士は上座の席に当然のごとく座り、近くの席をエレオノールに勧めた。
ヴァリエール家の名が欲しいだけの低級貴族風情が私より上座ですって?
屋敷の主人であれば当然の席次ではあったが、妙に鼻持ちならなかった。
それでは…と、エレオノールは一番遠い正面の席に座った。
「あの夜の晩餐会でアナタに一目惚れしたのですよ」
「お気の毒に…」
「は?何か?」
「いえ何でもありませんわ♪殿方に見初められるとは実に光栄な事ですわ♪」
「今宵はお泊りになられますよう!お父上にも了解を得ております」
「そうですか」
なるほど…そういう事ね。既成事実を作ってしまえば…ってヤツ。
どうにも気に入らないわね…。
早々に食事を切り上げ、用意された部屋で一休みをする。
しばらく考えた後、側付きの使用人を呼びつけエレオノールはこう告げた。
「用意して貰いたいモノがあるの」

 

お約束通りに…夜も更けるとエレオノールの部屋の扉を叩く音がした。
「あぁ愛しのエレオノール…鍵を掛けずに待ってくれていたとは…」
「はぁ?気安く名前で呼ばないで頂戴!」
振り向きざまに冷たい蔑む様な瞳がキラリと光ったように見えた。
「こ、これは失礼…ミス・ヴァリエール」
「大体、あんたみたいなオッサンは好みじゃ無いのよ!」
「しかし…婚約は了承頂けたと…」
「お父様が勝手に決めた事よ!私、アナタの顔さえ覚えて無かったもの」
「いやそれでも婚約は婚約…」
「アナタはヴァリエールの名が欲しいだけでしょ?」
「ま、まさかそんな…」
「しかも初日からこのエレオノールに夜這い?いい度胸じゃない?!」
と言いながら…エレオノールは扉に「ロック」の呪文を何重にも施した。
「な、何を?」
「決まってるじゃない♪お楽しみの時間よ♪その為に来たんでしょ?」
「そ、それは願ったり叶ったり!さすがに教育が行き届いて…」
「『有り難う御座います』よ!」
「はぁ?」
「『有り難う御座います』でしょ?」
「え、えと…」
「早く言いなさい!」
「あ、有り難う御座います」
「まぁいいでしょ!…いいこと?アナタは犬よ!私に服従なさい!」
「はぁ?どういう意味…」
「口答えしないの!返事は『わん!』で充分よ!」
「ど、どういう事なのか説明を…」
イライラした様子で踵を返すと…クローゼットから乗馬用のムチを取り出した。
「どうやら躾けが必要なようね!」
振り向きざまにムチを充分にしならせ…ヒュン!という風切り音を聞かせた。
「わ…わん」
「やれば出来るじゃない!」
満足気にエレオノールは目の前の犬をひざまづかせ…その上に足を乗せた!
「犬ごときが…私と寝たいの?」
「それはもう…」
容赦なくムチが振り下ろされる!ビシッ!という鋭い音が部屋に響く。
「返事は『わん』でしょ?」
「わ、わん…」
「いやらしいのね…この変態オヤジ!」
「し、失敬な!いくらヴァリエール嬢と言えど…」
ビシッ!
「わ、わん」
「いつもはどうしてるのかしら~?一人でしてる訳じゃ無いでしょ?」
「わ…わ…」
言葉に詰まる姿に、エレオノールは振り上げていたムチを下ろして言った。
「いいわ!話してごらんなさい」
「使用人のメイドを相手に…」
「貴族の当主じゃ…やり放題ね♪」
「えぇそりゃもう」
ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「逆らえない事を良い事に!貴族の面汚し!恥を知りなさい!」
「きゃん!きゃん!」
「この変態エロオヤジ!」
エレオノールは犬を後ろ手で縛り上げ、体を仰け反らせる形で足も縛り上げた。
自由を奪われた哀れな犬は、まるで芋虫のように体をくねらせてもがいた。
「おとなしくしなさい!」
「わ、わん」
「良い子にしていれば…ご褒美を上げるから♪」
そう言うとナイフを取り出し、犬の服を全て切り裂いてしまった。
「犬には服は必要無いわ!」
またクローゼトに何かを取りに行くエレオノール…その姿は嬉々としていた。
やがてその手にロウソクを持って戻ってくると、魔法で火を灯した。
「ま、まて!」
ビシッ!
「わ、わん!」
「ほ~ら♪ご褒美よ~♪」
ロウソクから溶け出したロウが数滴…あらわになった肌にポタポタと落ちる!
「ぎゃぁ~~~!!!熱い!熱い~~!」
流石に大声を張り上げてしまう!
「魔法で温度は下げてあるわ!大袈裟ねぇ…」
廊下でバタバタと足音が聞こえたかと思うと扉を激しく叩く音がした。
「ご主人様!何事です?今の声は、どうなされました?」
エレオノールはニヤリと笑みを浮かべると小声で囁く…
「いいのよ正直に言っても…その姿を晒す勇気があるならね…くすくす♪」
扉に向うと…裸で縛られた犬の当主は、精一杯の威厳を込めた言葉で言った。
「なんでもない!構うな!心配は何も無い!部屋にも近付くな!」
「しかし…」
エレオノールが言葉を引き継ぐ…
「言った通りよ!お楽しみの最中なの♪野暮は遠慮して下さらない?」
「これは、し、失礼致しました!」
廊下から人の気配が消えていく。
「さぁ続けましょ…♪」
「うぎゃ~!熱いぃ!」
「そのうちに良くなって来るから…少し我慢なさい!」
そう言いながらエレオノールは素足で犬の股間を踏みつける。
足の指を器用に動かし…そのモノに刺激を与える。
「まぁいやらしい…♪熱い熱いって大騒ぎしながら大きくなってきてるわ!」
「そ、それは…」
「じゃ…垂らすのをやめましょうか?」
「出来れば…熱いのは勘弁して貰いたい…」
「でもその代わり…こっちもなしよ♪」
と言いながら固くなったモノから足を離す。
「そ、そんな…」
ビシッ!と再びムチが飛ぶ!
「ハッキリと答えなさい!」
「つ、続けて下さい…」
ビシッ!
「言葉が足りないわ!」
ビシッ!
「お、お願いします…続けて下さい」
「良く出来ました♪ご褒美よ♪」
椅子に腰掛け…ロウを垂らしながら…今度は両足で挟むようにしてモノを刺激する。
「凄く固いわ♪自分の姿を見て御覧なさい…なんていやらしい犬なのかしらね♪」
ロウを垂らす度に声を上げ、体がピクンピクンと反応する。その反応に合わせて、
足の刺激を増していく。先端からは透明の液体がにじみ出る…。
エレオノールは射精のタイミングを見計らい徐々に足の刺激の速度を上げていく…
そしてロウソクの最後の一滴を魔法で温度変化させ、高温で垂らす・・・
突然の高温のロウによる刺激に大きく体を跳ね上げながら…それと同時に犬は…
最高潮に達し…大量に射精をした。
「こんな所で粗相をするなんて…まぁ足が汚れてしまったわ」
「も。申し訳ありません」
「綺麗にしなさい!」
「はい!喜んで…」
足の甲…足の裏…果ては丁寧に足の指の股まで舐めて綺麗にさせる。
「ついでよ…もう少し上も綺麗にして頂戴!」
足首からふくらはぎ…膝まで舐められて…エレオノールは快感に酔いしれていた。
椅子に座ったまま足を大きく開くと…その部分だけ湿度が増しているのが分かる。
布越しにでも…そこは濡れ透けて…その奥まで見えてしまうようにも思えた。
内股を舐め…舌先がその中央部分に至ろうとしたまさにその時…
ビシッ!
「誰がそこまでしていいって言ったの?!」
「す、すいません」
ビシッ!
「まるでサカリの付いた犬ね!」
エレオノールは自分の言葉に酔い…ムチを振るう度に股間の潤いを増していった。
「命令するまで『おあずけ』よ!」
犬の股間は先程射精したばかりだと言うのに、既に機能を回復しつつあった。
「いやらしい犬!どうしてまた大きくしてるのかしら?」
ビシッ!
なじられ、罵られ、ムチで打たれ、ロウを垂らされ、それでもまた大きく…。
エレオノールは椅子から立ち上がり…犬に見せ付けるように下着を脱いだ。
立ち上がった後の椅子には大きな水溜りとも呼べる程の染みが作り出されていた。
そして再び椅子に腰を浅く下ろすと、足を大きく広げ犬の前に突き出して見せる。
今度は布越しではない…濡れた股間の唇が水滴の付いた茂みの奥に見て取れた。
「舐めなさい!」
犬の舌がゆっくりと股間に近付く…熱い息が掛かる…舌先で茂みを掻き分ける…
濡れた股間の唇に軽いキスをして…その上に突出したマメを優しく刺激する!
ビシッ!
「な、何を!?」
「アナタは犬なの!ただがむしゃらに舐めてればいいの!」
「で、でも」
ビシッ!
「口答えせずに、犬みたいにただ舐めてなさい!余計な事はしなくていい!」
エレオノールは快感に打ち震えていた…股間への刺激では無く…征服感に。
犬は口の周りをベトベトにしながらも一生懸命に舐め続けた。
舌裏の腱が切れるかと思った…。
エレオノールは時折り艶のある声を漏らしたが…大きく喘ぐ様子は無かった。
もういいかげん勘弁して貰いたい…と思うほどの時間が過ぎた頃だろうか…
「もういいわ!」
そう言って立ち上がると今度はエレオノールは犬の股間をじっと見つめた。
そして縛っていた縄を緩めはじめる…。
しかし自由になったのは両足のみで…両手は依然として縛られたまま…。
「ベッドに行きなさい!」
「え?」
ビシッ!
「言われた事だけしてればいいの!」
「はい…」
犬をベッドに横にならせると両手、両足を天蓋柱に縛り…張り付け状態にし…
エレオノールは上半身も寝巻きを脱ぎ捨てた…。大きな形の良い胸が現れる。
思わず犬の下半身が反応して…むくむくと大きさを増した。
ビシッ!
「節操が無い!」
ムチで打たれ…一気に萎える。
「良いと言うまで待てないのかしら?この犬は…」
そして萎えたモノに唇を近づける。ふっ!と息を吹きかけるとピクンと反応をする。
「触って欲しい?」
ビシッ!
「答えが遅い!」
「お…お願いします」
その言葉に応えるように手を添えて乱暴にしごき始める。相手を喜ばせよう…
楽しませよう…気持ち良くしてあげよう…など皆無の…ただの刺激だった。
だがそんな些細な事など…エレオノールの知った事では無かった。
反応が悪いと言ってはムチで打ち!もう少し大きくしろと無茶を言う。
「仕方ない…」
やがてそう小さく呟くと…モノを口に含み舌を絡める刺激法に変えた。
「あぁ~いぃ~♪」
ビシッ!
「男の癖に気色の悪い声を出すな!わん!だけでいい!」
「わん…わぅん…わん…」
唾液を潤滑油代わりに胸の谷間に挟み激しく上下に動かす。
先端部分だけを口に入れ舌を絡め、その他の部分を手で激しく上下に動かす。
しばし繰り返し…やがて充分な大きさと固さ、という条件を満たした事を確認すると、
エレオノールは…その上にいきなりまたがった!
指先をペロリを一舐めすると…股間にそれをなすりつけ潤滑油代わりに湿らせた。
大きく反り立つモノを片手で握ると…その先端を何度か自らの割れ目に擦り付け…
もう片手で柔らかな茂みを分け入るようにすると…中心部の底なし沼へ導き入れた。
一気に腰を下ろし…深く奥まで差し入れる!一度腰を浮かせ…再び奥まで入れる。
最初はゆっくりと…何度もご馳走を味わうようにそれを繰り返した。
犬が思わず自分から腰を動かそうとするのを激しく制した!
ムチをしならせ見せ付けながら…
「余計な事はしなくていい!そのまま動かない!」
上半身をだらりと犬に預け…腰だけを小刻みに激しく動かし続ける…。
向きを変え、犬に尻を見せ付けるような格好でベッドの縁に手を掛け腰を振る。
また向きを変え…腰を大きくうねらせるように動かす。
感極まってキスの雨を降らせ…唇を息が止まるほど長い時間重ね合わせる…。
呼吸が荒くなり大きく仰け反ると…射精を待たずに自分だけイってしまった。

 

エレオノールが絶頂に達した事により事が済み…やっと縄を解かれ開放された犬。
今度はこちらの番!とばかりに…いったいどう責めてやろうかと考えていると
「満足したわ!」
「え?」
「もう充分って言ったの!」
「もう寝るから帰って頂戴」
「な、何?」
それだけ言うとゴソゴソとベッドに潜り込み、面倒くさそうに杖を振った!
哀れな犬は開いた扉から放り出され…扉は再びロックの魔法で固く閉ざされた。
その時になって初めて悟った…この女にとって男は「道具」に過ぎないんだ…と。
今夜のことも…ただ自らの欲求を満たしたに過ぎない。
この女性は…とても美人で聡明で家柄も申し分無い…だが…しかし…
自分には扱いかねる…荷が重い…。

 

ラ・ヴァリエール家に「婚約破棄」の知らせが届くまで多くの時間は要しなかった。

 

夏休みの帰省用の馬車にルイズとエレオノールは乗っていた。
「おねえさま…ご婚約おめでとうございます」
ルイズのほっぺをむにゅ~とつねりながらエレオノールは言った。
「またこの!おちびは!知ってて言ってるのかしら?!」
「え?え?まさか?また?」
「えぇ!そ、の、まさかよ!」
「い、痛い~痛いおねえさま…知らなかったから~…でもどうして?」
「こっちが聞きたいわ!まったく何が気に入らないんだか…」
「おねえさまの魅力が分からないなんて…」
「ところで、おちびのトコの使い魔はどう?」
「ど、ど、ど、どうって?」
「ちゃんと使い魔の役目は果たせてるの?」
「そりゃもう!ちゃんと!」
「悪さしたら躾けなきゃダメよ」
「ちゃんとムチで躾けてますから大丈夫です、おねえさま!」
「おちび?あの子は一応人間でしょ?ムチは酷すぎない?」
シエスタと才人が一緒に乗っている使用人用の馬車を睨みながらルイズは言った。
「あ、あんな節操の無い犬はムチで充分です!」
「まったくこの子ったら、いったい誰に似たんだか…」
             完