Blog/東大阪市内に保存されている近鉄1470系モ1474

Last-modified: 2023-07-26 (水) 19:47:02

今回は大阪府東大阪市内の某所に保存されている近鉄1470系モ1474を紹介します。(写真は全て敷地外から2023年7月25日撮影)

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モ1474は1959年に相棒Mc車のモ1473と組んだ全電動車方式の2両編成で製造された大阪線向けの一般車両で、低出力のカルダン駆動モーターを採用した初期高性能車と呼ばれるグループです。
デビュー当時は上本町~伊賀神戸間で運用されたらしく、その後2M1T方式の1480系がデビューすると上本町~河内国分間の各駅停車や信貴線を主体に運用された模様。
1972年には1470系全編成の奇数車の運転台が撤去され、以降は上本町寄りにもう1編成の1470系と単独Tc車をつないだ5両編成などで運用されました。
モ1474については1985年に廃車され、その後時期は不明ですが東大阪市内某所の施設に譲渡の上で現在まで保存されています。

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車体塗装は廃車後に紅白ツートンカラー化が行われました。
近鉄では1986年に新造された3200系でツートンカラーが採用され、順次在来車も塗装変更が行われたのでモ1474もそれ以降にツートンカラー化されたものと思われますが、塗り分けラインなどが近鉄の所属車両とはやや異なる位置になっています。

最後にお色直しが行われた時期は不明ですが、近鉄では2000年代初頭に消滅した裾帯が残っているのが貴重です。

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前面貫通路の渡り板は撤去されていますが、1灯式の標識灯は原型で残っています。

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乗務員室扉の窓から車内を見ると現役当時の木目調の化粧板が確認できました。

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現役当時の優先座席表示や網棚が残されているのも確認できます。

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客用扉の窓には「ゆびにごちゅうい」も残っていますが、これは1950年代当時に採用されていたと思われるステンシルタイプのようです。

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車内に人が入る機会が一定程度あるようで車内の天井にはエアコンが設置されており、車体に穴を開けて配管を車外の室外機につないでいるようです。
非冷房車のまま廃車されたのに実質的な冷房改造が行われたと言えそうです(笑)

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台車は現役当時のKD36が黒色に塗装された状態で装備されていますが、それ以外の床下機器は大半が撤去されていました。

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車体に継ぎ目のような線がありますが、これは車体裾を鉄板(?)で補強したためのようです。

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妻面貫通路も鉄板(?)で塞がれているものの、銘板は残されています。

今回はここまでです。
数少ない近鉄の保存車両を記録することができて良かったと思います。