Blog/近鉄8400系モ8459の内外装に見られる特徴

Last-modified: 2023-07-24 (月) 18:31:33

今回は主に近鉄田原本線のワンマン列車で活躍している8400系B09のモ8459の内外装に見られる特徴を取り上げます。(写真は全て2023年7月24日撮影)

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同車は1966年に8000系E59のク8559として製造されたものの、1972年に発生した近鉄奈良線爆破事件(未解決事件)で被災し、以降証拠物件として西大寺検車区で保管されたのち1976年に電装改造、方向転換、運転台撤去、台車交換、改番などを行い、それまで2両編成だった8400系E09に組み込まれたものです。
また、B09は昨年までダークグリーンの600系復刻塗装が施されていたことでも有名な編成です。

ちなみに8000系時代の相方であるモ8059は電装解除、方向転換、運転台撤去、台車交換、改番などを行った上で8600系X67のサ8167として組み込まれましたが、2014年に1010系モ1062を電装解除したサ8177に置き換えられました。

話をモ8459に戻します。
まずは外装の特徴を紹介します。

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2位側の運転台撤去部分
中間車として編成に組み込むにあたって灯具類を撤去、縦樋を車体内部から外部に移設、乗務員室扉部分を側窓に改造したことが外観上の特徴です。

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屋根上の蒲鉾型ベンチレーター
8000系のラインデリア未搭載のグループとして製造されたため、冷房改造後も一部が残っています。
上写真は冷房改造時の位置変更により2つがほぼ合体したものです。
現在近鉄ではモ8459でしか見ることができないアイテムです。(養老鉄道の元近鉄車両には残存)

続いて内装の特徴を紹介します。

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運転台撤去部分の内装
座席が車端まで延長されています。
また、1段低くなった天井にもつり革が設置されていたり貫通扉がないなど独特な雰囲気です。
ちなみに奥のモ8409側は広幅貫通路で製造されていたため、モ8409側にアダプターを設置して狭幅の幌をつないでいます。

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天井の扇風機
ラインデリアを装備していないため、夏場には扇風機が設置されます。
8600系のラインデリア未搭載で落成したグループや養老鉄道の扇風機装備車の一部はローリーファンに交換されており、近鉄ではモ8459で夏場にのみ見られるアイテムです。

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窓際、窓柱に貼られた化粧板
ラインデリア未搭載車ではこの部分に化粧板が貼られています。
ただし1963年に6800系として製造された現養老鉄道606系D06では貼られておらず、ラインデリアを採用する直前の車両に限られるようです。
また、養老鉄道では消滅したサンドウェーブ柄の化粧板が貼られている点が貴重です。

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1位側貫通扉のレバータイプのノブ
広幅の貫通扉でノブがレバータイプとなっているのもラインデリア未搭載車に見られる特徴の一つで、ラインデリア装備車以降では小さめの取手タイプ、狭幅貫通扉の車両ではやや形状の異なるレバータイプが主流となっています。

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戸閉装置カバーの大きさ
他車より上下方向に小さいように見えます。
養老鉄道で活躍する同年代に製造された車両はまた別の形状でしたので、これもモ8459でのみ見られる特徴のようです。

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他にも細かい所に特徴がありますが、田原本線が遠隔地ゆえに合間での乗車・撮影しかできていないため今回はここまでです。
2024年度以降奈良線系統を皮切りに新型車両がデビューする予定となっており、8400系なども安泰とは言えないのでモ8459を記録するなら今のうちといったところでしょうか。