Donner Pass Southern Pacific

Last-modified: 2020-09-16 (水) 15:00:16

目次

基本情報

アドオン名Donner Pass: Southern Pacific Route Add-On
アメリカ
開発元Dovetail Games
軌間1,435mm
電化方式非電化
時代設定1990年代前半
価格1,980円
発売日2011年11月24日
販売先Steam

路線解説

実物紹介

カリフォルニア州とネバダ州の間にそびえるシエラネバダ山脈の峠越え区間で、最初の大陸横断鉄道のルートの一部を形成している。峠の名は東部からカリフォルニアを目指した移民部隊「ドナー隊」に由来する。

セントラル・パシフィック鉄道の手により1860年代に開通。花崗岩の地質と大雪に阻まれて工事は難航し、建設に関わった中国人労働者など多くの人が工事で犠牲になった。

頂上付近は1868年開通以来の曲線の頂上ルートと、1925年に開通したトンネルルートがある。長らく双方のルートが併用されていたが、1993年に頂上ルートは廃止されトンネルルートのみとなった。

アムトラックの旅客列車「カリフォルニア・ゼファー」号もこの峠を越えるルートで運行されている。

収録内容

カリフォルニア州サクラメントの外れにあるローズビル操車場から、ネバダ州のリノを通った先にあるスパークス操車場までを結ぶ約140マイル(225km)の区間を再現。

時代設定は1990年代前半で、サザン・パシフィック鉄道(SP)が運行していた時代を再現している(1995年にユニオン・パシフィック鉄道に統合され消滅)。1990年代という時代設定は、上記の頂上ルートの現役時に合わせたためと言えよう。

配信開始は2011年11月24日。翌2012年の12月22日に大規模な更新が提供された。Steamでのリリース日はこの更新の日が記載されている。

が、線路の継ぎ目音が設定ミスで鳴らない。MODにより対処が可能。

2013年9月提供開始のTrain Simulator 2014の収録路線となった。

沿線概況

標高が高く、山がちな地形で冬は雪深い。標高が上がるに連れて曲線区間も多くなり、速度も遅くなる。

基本収録車両

C44-9W

1993年に登場したGE製の本線用ディーゼル機関車、Dash-9 44CW。出力4400馬力。北米各鉄道に納入され、BNSF鉄道が最多の1600両以上、SP鉄道では100両を導入した。排ガス規制に伴う後継機ES44DCへの生産移行により、2005年生産終了。

SD40T-2

EMD製の本線用ディーゼル機関車。SP鉄道とその子会社の特別仕様で、冷却空気取り入れ口を車体下部に置いている。これは勾配が連続するトンネルや雪覆いでオーバーヒートの原因となる天井付近の熱気を取り入れないようにする工夫である。このタイプの機関車を「トンネルモーター」と呼ぶ。

SP鉄道では250両近くを導入、一般のSD40-2よりもよく見られた。SD45-2にもトンネルモーターのSD45T-2が存在した。

運転操作もSD40-2と特段の差異はない。

SD40-2

EMD製の本線用ディーゼル機関車。標準仕様のSD40-2はSP鉄道では少数派である。

GP9

EMD製の本線用ディーゼル機関車。SD40-2の1世代前、同世代のGP9の強化版で、北米最多の4000両以上が製造された当時の代表車種。SP鉄道では255両を導入した。

後継機の投入で第一線からは退いたが、中小鉄道会社に多くが残る。元の事業者の塗装で残る機体もある。

SW1500

EMD製の入換用ディーゼル機関車。1966年から1974年にかけて808両を製造。操車場での入換、支線の短距離貨物列車などで使用。

貨車

USアセットパックの車両を中心に使用している。

コンテナ車は二段積み対応車だが、本作では各車とも1段しか積んでいない。これは当時のドナー峠のトンネルが二段積み列車が通行可能な建築限界に未対応なためである。

シナリオ

12件を収録。

Career・Standard

Donner Pass

ドナー峠へようこそ。GP9機関車の牽引で視察用の客車列車を運転する。ボーマンからコルファックス、峠の頂点を越えてトラッキーまで。随所で路線の沿線概況や歴史についてのメッセージが流れる。

所要時間は215分と、3時間を超える長丁場。セーブはF2キーでこまめに。

  • 運転車両:GP9 + ACF客車
  • 開始時刻:10時00分
  • 所要時間:215分
  • 難易度:簡単

Getting Involved / Powering Up

GP9とSD40T-2の2両連結で、コルファックスの手前から開始。前方の混載貨物列車の後ろに登り板の補助機関車として連結し、峠のシェルパを担う。シナリオ名「Getting Involved」が晴天、「Powering Up」が雨天での運転で、天候とシナリオ名以外は全く同じ。

頂上のノルデンに着いたらシナリオは完了、特に切り離し等の指示はない。このあと補助機関車は、次の登板列車の後押しのためコルファックスへ向けて山を降りることになる。

  • 運転車両:GP9 + SD40T-2
  • 開始時刻:12時00分
  • 所要時間:100分
  • 難易度:簡単

Together as One / A Joint Effort

GP9とSD40T-2の2両連結で、上り勾配で立ち往生したコンテナ貨物列車の救出に向かう。「Together as One」が晴天、「A Joint Effort」が雨天な以外は内容は全く同じ。

エミグラント・ギャップから少し下り、バルーンループでSD40T-2が先頭になるよう向きを変え、立ち往生した貨物列車の前方に連結。険しい旧線経由で峠を越え、坂を下ってトラッキーに着いた時点でシナリオは完了。

  • 運転車両:GP9 + SD40T-2
  • 開始時刻:14時00分
  • 所要時間:100分
  • 難易度:中

Cold Play

沿線が大雪となる中、列車の安全運行のための点検列車が運転されることに。SD40T-2の2両に車掌車を連結した編成で、トラッキーから峠へ向けて出発する。

峠越え区間は下側の長いトンネルを通るが、雪が線路に被さるなどの支障はなく、検知装置(Southern Pacific Detector... の音声が流れる)でも異常がないことが確認される。峠を越えたらひたすら下り、コルファックスの車掌車用側線に停車したら完了。

  • 運転車両:SD40T-2×2両 + 車掌車
  • 開始時刻:9時00分
  • 所要時間:130分
  • 難易度:中

Free Roam

フリー視点で複数の列車が登場し、乗りたい列車にクリックすることができる。他の列車の乗り換えも可。特にペナルティもない。

Colfax Depot

冬のシエラネバダ山脈。コルファックスに停車する列車の中から好きなのものを選んで運転、峠越えでリノまでの運転にチャレンジ。

  • 開始時刻:9時00分
  • 難易度:雪曇

Donner Summit

ドナー峠には、150年以上も前に最初の大陸横断鉄道となる線路が開通した。トラッキーの街から9マイル(14km)西、ドナー湖を眺望する標高7056フィート(2150m)の高所に位置している。

  • 開始時刻:12時00分
  • 難易度:雪

Roseville Yard

ローズビル操車場はカリフォルニア州北西部の大規模ヤード。選べる貨物列車も多数。

  • 開始時刻:17時00分
  • 難易度:雨曇

Sparks Yard

ネバダ州リノの近郊にあるスパークス操車場。当初はサザン・パシフィック鉄道の社長を務めた「ハリマン」の名であったが、後にネバダ州知事を務めたジョン・スパークスの名に由来して改称された。操車場は開設から80年経っても現役で使用されている。

  • 開始時刻:11時00分
  • 難易度:晴曇

Truckee Depot

日の短い春の日の夕方、暗くなりつつある峠越えに挑む列車を選んで運転する。

  • 開始時刻:16時00分
  • 難易度:雨曇

実績

別売アドオン

この路線に対応するシナリオを含む別売アドオン。発売が早い順。

Southern Pacific Cab Forward?
SP鉄道に多数存在する山岳線区のトンネルや雪覆いで機関士の窒息事故を防ぐため、通常と逆向きで運転室を前方に配置した特殊な蒸気機関車。燃料は重油。AC-10、AC-11、AC-12の各形式。1950年代まで活躍、保存機あり。
Amtrak F40PH 'California Zephyr'
アムトラックのEMD製旅客用機関車。
Southern Pacific GE 44?
GE製の入換用凸型機関車。SLの代替目的で1940 - 50年代に多数が製造された。狭軌版の47トン型もあり、戦後一部を進駐軍が日本に持ち込み後のDD12形となった。
Southern Pacific SD45
EMD製の本線用機関車。SD40より強力な3600馬力。
Southern Pacific GP20?
1959年登場のEMDの第二世代機関車。ターボチャージャー初搭載。全260両中34両がSP鉄道で活躍。アドオンでは機関始動手順まで本物通りに再現している。
Southern Pacific SD70M
EMD製の本線用機関車。1990年代に登場したSD70系列の代表型式。