PZB

Last-modified: 2019-03-01 (金) 10:15:13

ドイツで使われる保安装置。PZB90と呼ばれるタイプが主流である。TSで使われている保安装置内ではかなり複雑なので、実際に運転して覚えてみよう。
ドイツのH/V信号システムは独特な部分があります。信号機の種類(主信号機、遠方信号機etc…)などは「信号と標識/ドイツ」の項を参照してください。

設備

遠方信号機直下から主信号機直下まで順に1000Hz、500㎐、2000㎐の3つの地上子を線路の外側すぐ横に設置し、それぞれ照査を発生させる。
列車の種類(旅客電車、貨物列車etc…)によって3種の照査を発生させ、どの種類の列車でも無駄なく確実に赤信号で止まれるようにする。
車両側は運転席に表示機が設置されている。

Befehl、Frei、Wachsamの3つのスイッチが配置されている。

列車の種類と周波数

種類によって速度制限の設定が変わる。

  • O(Obere) - 旅客列車、85ランプ
  • M(Mittlere) - 高速貨物列車、70ランプ
  • U(Untere) - 低速・重量貨物列車、55ランプ

なお上記の車種別の数字のランプは、1000Hzの減速後の速度を示す。

  • 1000Hz - 主信号に対応する遠方信号の直下に設定、高速域から中速域。
  • 500Hz - 主信号の150 - 300m手前に設定、中速域から低速域。
  • 2000Hz - 主信号の直下に設定、停止現示の際は非常制動。

照査と速度

主信号機が進行現示以外の時に地上子を通過すると通常の照査(Normal Monitoring)が発生する。
1000Hz地上子の照査は通過して4秒以内に確認ボタン(Page Down)を操作する必要がある。
確認ボタンを操作せずに4秒経過すると非常制動がかかる。
他の地上子では確認ボタンの操作は不要。
照査の発生はそれぞれ運転台のPZBディスプレイの1000Hz、500Hzランプの点灯で確認できる。
連続照査ではないので指定された時間、走行距離までに指定された速度まで減速すれば制動はかからない。



1000hzまたは500hz地上子での照査発生中に(「主信号機が進行現示以外の時」に遠方信号機と主信号機の間で)「時速10km以下で15秒以上走行」または「途中で停車」すると、Restricted Monitoringと呼ばれるモードが発生し、連続照査を含むさらなる速度制限が課される。
Restricted Monitoringモードの発生はPZBディスプレイの70ランプと85ランプが交互に点灯することで確認できる。



照査と速度の対応表を以下に示す。

列車の種類通常の照査(Normal Monitoring)Restricted Monitoring
1000Hz500Hz1000Hz500Hz2000Hzは主信号直下地上子であり、停止現示の際に通過すると非常制動
O(Obere)23秒以内に165km/hから85km/h153m以内に65km/hから45km/h45km/hの連続照査153m以内に45km/hから25km/h
M(Mittlere)26秒以内に125km/hから75km/h(29秒以内に125km/hから70km/h)153m以内に50km/hから35km/h45km/hの連続照査25km/hの連続照査
U(Untere)34秒以内に105km/hから55km/h(38秒以内に105km/hから55km/h)153m以内に40km/hから25km/h45km/hの連続照査25km/hの連続照査

なお、上記の表はTSの「Munich to Augsburg」のマニュアルに基づくが、ドイツ語版wikipediaの「PZB」の項では照査内容に多少の差があった。日本のATSと同様に異なる種類のPZBがあり、別のシナリオでは照査内容が異なる恐れがあるので参考までにwikipediaの内容をカッコ内に記した。



通常の走行時でもPZBが有効の場合は最高速度を監視し、上回ると制動がかかる。列車ごとの最高速度は以下。

列車の種類最高速度
O(Obere)165km/h
M(Mittlere)125km/h
U(Untere)105km/h

キー操作

内容キー
有効化・無効化Ctrl+Enter(テンキー)
コマンド(Befehl40)Delete
解除(Frei)End
確認(Wachsam)PageDown

取り扱いの流れ

旅客列車(O(Obere))で説明します。英語ですが、Munich-AugsburgのSteamページで「マニュアルを読む」から詳しい解説を見れます。


また、照査は+0.9km/hまでが許容範囲です。45km/h照査の時に45.9km/hはセーフですが、46.0km/hになった瞬間非常制動がかかります。

投入

ロード直後はPZBが起動していないので、Ctrl+Enterで投入しよう。
列車種別はシナリオ作成時の種別で決まるのでプレイ中に変更することは出来ない(ただし、一部車両では種別を自由に選択できる。Ctrl+Enterで変わっていく)。


適切なライトが点灯したら発車しよう。ただし、初めて起動したときは85と70のライトが交互に点滅するので、Endキーで確認しよう。そうするまで45km/h照査が続くので確認忘れに注意。
発車したら信号現示が変わるまでPZBはノータッチで構わない。Sifaに気を付けておこう。

走行中→遠方信号

ドイツでは主信号のおよそ1~2km前方に遠方信号機がある。遠方信号機には白い長方形に黒のバツの標識を設置している。
主信号が停止現示の場合、遠方信号機は注意現示(黄二灯)になるので、この信号を通過したらPZBの照査(Normal Monitoring)が始まる。


PZBの地上子は進行方向右側のレールのすぐ外に沿うように設置されている。左側のものは逆方向の列車用(ドイツは信号取り扱いを単線並列にしている区間が多く、複線区間でも逆走用の信号が設置されているので注意)。
遠方信号機の脇には1000Hz地上子(黄色)があるので、この地上子を通過したらPageDownキーで確認しよう。この時警報等はなく、4秒以内に確認しないと非常制動がかかるので注意。
PageDownを押すと運転台の黄色の1000Hzランプが点灯し、段階照査が始まるので、165km/hから23秒以内に85km/hに減速しよう。
この時165km/hを超えるとすぐに非常制動になるが、160km/h以上の区間にはLZBがあるので下り勾配がよほどあるか、ノッチ切り忘れ以外でオーバーすることはない。
連続照査ではないので、23秒後に85km/hまで減速出来ればブレーキはかからない。


23秒後、1000Hzランプが点灯に変わると85km/h照査が続く。
700m走行すると1000Hzランプが消えるが、照査は続くので注意。

減速後進行現示になった場合

85km/hまで減速後、信号が進行現示になったら、線路脇の赤い地上子を通過してからEndキーを押そう。すると照査がキャンセルされる。

遠方信号→停止

主信号機の250m手前に500Hz地上子(赤色)があり、そこを通過すると照査が再開される。1000Hzと違い特に操作は必要ない。
運転台の赤色、500Hzランプが点灯するので、65km/hから45km/hに153m以内で減速しよう。
注意現示の85km/hから急に65km/hに下がる(予告なし)ので要注意。


153m以内に減速したら、85と70のランプが交互に点滅し45km/h照査になる。ここまでくると信号機も見えているはずなので、普通に停車しよう。
もし停止しないと主信号通過で非常制動がかかる。

減速後進行現示になった場合

主信号機を通過して250mが過ぎると自動で照査が終わるので加速しよう。

指令からの許可を得て停止現示を進行するとき

Deleteキーを押してから信号を通過しよう。

停止→運転再開

停止後信号現示が変わり運転を再開するときは、Deleteキーを長押ししてから信号を通過しよう。
信号通過後は40km/h照査が2km続くので注意。