ロマンシングサ・ガ3

製品概要

『ロマンシングサ・ガ３』
（スーパーファミコン　1995年11月11日　定価11,400円）
　
『ロマンシングサ・ガ３　HDリマスター版』
（iOS/Android版　2019年11月11日　3,240円）
（PSV/PS4/One/NS/Steam版　2019年11月11日　3,500円）

ゲーム概要

300年に一度訪れる災厄〝死食〟は魔王を生み、世界を混沌に陥れた。
300年後、ニ度目の〝死食〟は聖王を残し、世界に平和をもたらした。
更に300年後、三度目の〝死食〟が世界を覆う。これがもたらす結果は聖王か、あるいは魔王か……。
　
８人の主人公達によるフリーシナリオシステムがロマンシングサ・ガより継承され、
主人公達はアビスゲートから復活した四魔貴族を倒す戦いに身を投じることとなっていく。
　
1995年11月、セガサターンやプレイステーションが発売され１年ほど経過し、
次年には『ニンテンドー６４』が世に産声をあげようとしている中、スーパーファミコンはまだまだ主戦場だった。
スーファミ中後期に差し掛かり、ゲーム表現の技術が円熟されつつあった。
四魔貴族を始めとした、前作よりも更に磨きのかかった美麗なドットグラフィック。
ポトールイの町や玄城バトルなどの、伊藤賢治氏による心を動かす楽曲達が印象に強く残る。

ロマサガ３の特徴

ロマサガ３で新たに追加された要素を挙げていく。

コマンダーバトル

主人公が後方に下がり、仲間を指揮して敵を撃破するシステムが新導入された。
ここではいくつかの指示が与えられるが、特定の技の使用といった細かい命令をすることはできない。
その代わりに毎ターン自動で〝HPの少量回復〟や、〝一部状態異常が自動で回復〟をする。
後方にいる主人公が、持ち物にあるアイテムを自由に使うことができるといったことがメリットとなる。
そして、コマンダーバトル限定の〝合体技〟や〝合成術〟といった強力な陣形技が使用できる。
この陣形技は強力すぎるゆえ、簡単にダメージカンスト（9999ダメージ）に到達してしまい勿体ない反面、
武器やレベルが整っていなくても高いダメージを与えることができる手段なので、あえて武器やレベルを上げない制限プレイならばの活躍がある。
　
通常プレイとは違う、味付けを変えた遊び方ができるのでこちらでも遊んでみてほしい。

マスコンバット

ロマサガとしては珍しい、〝リアルタイム〟で進行する戦闘となる。
小粒ほどに小さくたくさん描かれた兵士達が戦場に並び、自軍と敵軍に分かれて左右端から進んでいく。
両軍共に様々な戦術を駆使し、相手の戦意（モラル）を削ぎ落として、最終的に相手を画面端まで追いつめた方が勝利となる。
前へ進むことだけが勝利への道ではなく、後退することでモラルが回復するなどのテクニックもあるため、一筋縄ではいかない部分が魅力だ。
終盤に訪れることとなる黄京でのマスコンバット以外にも、主人公によってはより多くのマスコンバット戦がある。
マスコンバット戦を堪能したいならば、主人公にミカエルを選ぼう。

トレードイベント

『物件を買収して、会社を大きくしよう』
主人公の一人であるトーマスの会社を大きくするミニゲームになります。
商人のフルブライトから依頼を受け、それぞれの町に点在する物件を買収し、あるいは買収されるのを防ぎつつ、課された目的を達成していく。
自社やグループ会社から資金を募り、相手より多く買収資金を出すことが勝利への近道となる。
戦闘がメインではないが、画面のお皿の上に天秤をジャラジャラと金貨が乗る画面と共に、
〝相手を圧倒的な資金力で押しつぶす〟画面や、あるいはコマンドを駆使することで〝資金力を上回る影響力で勝利〟を掴み取る光景に病みつきになった人もいるほどだった。
　
　
その他、細かい点は多々あるが。
戦闘勝利をしなければ敵が無尽蔵に強くなることもなく、特別な敵に当たらなければ出会い頭に即全滅させられるようなこともあまりない。
また、ロマサガ２では回復する手段が限られていたLPを、宿屋で安価かつ簡単に回復を行えるようになったため、
ロマサガ１や２に比べて遊び易くなっていると言えるだろう。
筆者も、ロマサガシリーズで初めてクリアすることができたのは３である。

制限プレイ

人数制限あるいは、武器縛りといった制限プレイが数多く見られ、ニコニコ動画黎明期から多くの制限プレイが投稿されていった。
筆者もまた、ロマサガ３の制限プレイを始めて観た時には驚きとともに制限プレイの世界に魅了された。
この武器にはこういう戦い方があったのか、これは通常プレイにも応用できるじゃないかといった〝新たな発見〟ができることも魅力だ。
　
力押しよりも相手の戦術を受け流すかが重要で、その手段もロマサガ３には豊富に用意されている。
　
相手が水属性の強力な攻撃をしてくるのならば、水属性を無効化する防具を。
厄介な状態異常技を使ってくるのならば、その技に見切りをつけて回避を。
大ダメージをこちらに与えてくるのならば、カウンターで逆に相手へ大ダメージを。
　
などなど、枚挙にいとまがないので、是非先人たちが刻んだ、華麗な制限プレイを観ていただきたい。
投稿から10年以上経過してもなお色褪せない魅力がそこには詰まっている。