【封印によってサルーインの憎しみが増すことなど予想していなかった。】

Last-modified: 2025-11-29 (土) 19:51:06

RS1

【神々とて それほどさきのことが みえているわけではない・・・・】

MS

【最終試練】【エロール】に謁見した際に
【主人公】がエロールに結果が見えているのではないかと質問した際のエロールの台詞。

名前台詞
アイシャでも、あなたには結果が分かってるんじゃないですか?わたしたちの未来が。
アルベルトあなたには結果が分かっているのではないですか。私たちの未来が。
ジャミルあんたには結果が分かってるんじゃないのか。俺たちの未来が。
クローディアあなたには未来が見えるの?わたし達が勝つと分かっているから、そんな風に余裕があるの?
グレイあんたには結果が分かっているんじゃないか。 俺たちの未来が。
バーバラ本当は、もう結果が分かっているんじゃないの? だから、あたしなんかに任せても安心だったりとか。
シフそれをあたしに任せるのかい。重すぎるよ。村を守るのとはわけが違う。あたしは勝てるのかい? あたしじゃ無理なんだったら、他の人に任せるよ。
ホーク俺に世界のすべてを任せようッてのか! ずいぶんと買いかぶられたもんだな。それともよ、あんたは結果が見えてるんじゃねえのか。それで余裕ぶっこいてるとか。
エロール神々とて、それほど先のことが見えているわけではないよ。封印によってサルーインの憎しみが増すことなど予想していなかった。サルーインのミニオン、あのような者が生まれるとは思っていなかった。ディステニィストーンがこれほど世界を混乱させるとは思わなかった。すべてわたしの失敗だよ。
アイシャ分かったわ。わたしは自分と仲間と家族と、他のいろんな人達、生き物達、大地や風のために戦うわ。わたし、勝てるかな…
アルベルト分かりました。私は私と仲間たち、そして、私の周りのすべての者たちのために戦います。神よ、あなたはどういう結果をお望みですか?
ジャミル仕方ねぇな。俺は俺のために、仲間のために戦うぜ。あんたのためじゃねえ。その辺はよ~く覚えておいてくれよ。
クローディアそう。では、勝ち負けは決まっていないのね。良かったわ。負ける運命だったら悲しすぎるもの。でも、本当にわたしが負けたら?
グレイ俺は俺自身のために戦う。俺が生き延びるためにな。神よ、あんたはどういう結果を望む?
バーバラそうなんだ。勝ち負けはやって見なければ分からないということね。あたしには荷が重いな。でも、やるしかないわね。もし、あたしが負けても、恨まないでね。
シフそう、結局、戦ってみないと分からないってことだね。やるしかないね。よし、腹はくくれたよ。でも、どうなっても知らないからね。
ホークなんでえ、俺の勝ちが決まってるわけじゃねえのか。マジでやらねえと、世界滅亡ってわけだな。やるしかねえな。だがよ、俺が負けても恨みっこ無しだぜ。
エロールわたしは、この世界そのものと、世界に存在するすべてのものを、いとおしく思っているよ。どのような結果も受け入れるだけだ。サルーインはイスマス城の下にいる。イスマスの洞窟からサルーインの所へ行けるぞ。

それぞれが自らの立場や背景に応じて、未来が分かっているならなぜ自分たちに戦いを託すのか、敗北の可能性はあるのか、そしてその責任の所在はどこにあるのかを問いかけていたのである。

しかしエロールは、自身を全知の存在と誤解する人間たちの認識を否定し、神々であっても遥かな未来までは見通せないという事実を語っていた。
彼は過去の決断が予期せぬ結果を生み出したことを率直に認めていた。
【サルーイン】封印の結果として憎悪が増幅したこと、サルーインの【ミニオン】のような存在が生まれるとは想定していなかったこと、そして【ディステニィストーン】が世界を混乱させる核となってしまったことなど、いずれも自身の過ちだと述懐していたのである。
彼の言葉には、神としての慢心ではなく、世界の行く末を案じる深い悔恨と責任意識がにじんでいた。

仲間たちはその説明を受け、自分たちが担う戦いの意味を改めて理解し始めていた。
ある者は、自分と仲間、家族、世界に生きるあらゆる存在を守るために戦うという決意を固めていた。
またある者は、勝敗が決まっていないことを知り、運命が固定されていないという安堵と共に、敗北した場合に生じる恐怖と向き合い始めていた。
さらに別の者は、重責に押しつぶされそうになりながらも、自分が選ばれた理由を受け止め、戦う覚悟を整えていた。
彼らは、もし敗れたとしても神を恨むべきではないこと、そして自分たちの選択と行動によって世界の存亡が左右されることを自覚していたのである。

その中には、世界を託されることへの驚きと戸惑いを隠せない者もいた。
しかし、神であっても勝敗を断言できないと知ったことで、結局は自らの力と判断に頼るしかないことを悟っていた。
恐怖も迷いも消えはしないが、それでも戦わなければ世界は滅びるという現実が、彼らの背を強く押していた。

エロールは、そんな人間たちの揺れ動く心を受け止めながら、自身が世界そのものとそこに存在する全ての生命を深く愛していることを明かしていた。
彼はどのような結果であっても受け入れる覚悟を示しつつ、最後の戦いの場へ向かう道を示していた。
サルーインが【イスマス】城の地下に潜んでいること、そしてイスマスの洞窟を抜ければその元凶へ辿り着けることを告げ、人々が己の意思で歩み出すための指標を与えていたのである。

こうして主人公と仲間たちは、神の加護でも予言でもなく、自らの選択と責任のもとで最後の戦いへ向かうこととなった。
彼らはそれぞれに恐れを抱えながらも、自身の生きざまと仲間への信頼を支えに歩みを進めていったのである。


【デス】【シェラハ】が方法は違えど封印された状態からエロールへ復讐しようと考えなかったため、エロールからすればサルーインの動きは例外的だったと思われる。
また、逆説的に【ミルザ】の時代にはミニオンがいなかったことがわかる。
「エロールやミルザへ向けて溜めた感情としての憎しみ」「憎悪を意味する【ミニオン・ヘイト】の存在」という2つの意味で、エロールは1000年前には経験しなかったサルーインの憎しみを初めて知ったものと思われる。そういう意味では、ミルザの時代におけるサルーインとの戦いは、作中での主人公が挑んだサルーインとの戦いとはかなりの相違点があったのだろう。
ディステニィストーンはもともとサルーイン封印のための結界を作るものだった*1のだが、手にした人の運命を変えるだけでなく、これをめぐって【海賊シルバー】【バファル帝国】を襲撃したり、【ウェイ=クビン】が人体実験のエネルギーに利用するなど、邪神との戦い以外で実際影響を及ぼしている。
 
ちなみにここで語っている3つの失敗のうち2つが、サルーイン関連である。
サイヴァの小指から生まれたエロールが、サイヴァの心臓から生まれたサルーインのことをよくわかっていない、というのが意味深。
同じくサイヴァの身体から生まれたはずのデスやシェラハもサルーインに呆れているなどの点から、サイヴァとは身体の部位ごとにまるで違う性質を持った神であったりするのかもしれない。


*1 アルティマニアP35