さあ、お話を始めよう!
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「やられたらやり返す・・倍●しだ!」
夜、カービイは自分1人だけの家で、とある日曜劇場を見ていた。
「ああ、この至福の時間…」
ずっと続けばいいのに…。
ピーンポーン
ドアのチャイムだ。
「なんだこんな時間に…」
カービイはイラっとし、テレビを消してドア越しに来客に話しかけた。
「誰?メタナイト?こんな時間まで何の用?」
すると、小さな声で返事が来た。
「ピチューです…」
「・・・へ!?」
カービイはびっくりした。なぜ、こんな時間までこっちを訪ねてくるのか。そして、とりあえず中に入れようとし、ドアを開けてカービイは絶句した。
「・・・は!?」
ピチューはむごい状態だった。全身に切れ傷、あざ、火傷を負っていた。
そして、耳は両方倒れていて、可愛らしい尻尾は火傷を負い、むごい状態だった。
ようやくカービイは声を出した。
「どうしたのピチュー!?その傷跡!!!」
「ピカチュウ兄ちゃんが…いじめた・・・」
ピチューは目がうるおんでいる。
ははあ。喧嘩したんだ。カービイは感づいた。最近ピチューとピカチュウは対抗心を燃やしている。喧嘩など日常茶飯事。カービイもそれは承知で、まあ自然なことだろうと思って止めてはない。
しかし、今回はひどい。いつもは耳を引っ張り合うだけで終わることが多い。本気になっても両者にかすり傷がつくぐらいだ。なのにこの全身の傷…。何があったんだ・・・。
「とりあえず今日は家に泊まりな。」
家に連れ戻してもまた喧嘩になると思うので、カービイはそう言った。
そして、一緒にカービイ手作りの晩御飯を食べた。美味しい、とピチューは言ってくれた。カービイはうなずきながら、ああ、食費が、と思った。
早く仲直りさせよう。じゃないと食費が終わる。
カービイはそう思った。
次の日
とりあえず今日は病院に行った。
病院の受付窓口につき、受付のプリンに話しかけた。
「やあプリン。」
プリンとは体格が似てるので、仲がいい。なので、敬語は使わない。
「あらカービイ。あとピチューか。(傷を見て)! あっはっは!」
「笑うな!」
「あら、ごめんなさい。それにしてもピカチュウとピチュー、すごいやり合ったわね。逆にすごいわ。」
傷を見ても驚かないプリンって、すごいとカービイは思った。
「ま、とにかく待合室で待ってて。しばらくしたら呼ぶから。」
待っている間、ピチューはカービイにいろいろなことを話していた。
「Mii格闘タイプ速いなー。 あれどうしよう。」
「カービイさんってジャンプたくさんできるよねー。いいなー」
カービイは、相槌を打ちながら、ピチューは沈黙を避けていることに気づいた。
理由はたぶん、ピチューの近くにこれまた傷だらけのピカチュウがいるからだろう。ピカチュウも、あさっての方向を向いて気づかないふりをしている。
しかし、ピチューが「ピカチュウってざこすぎ」と言ったら、さすがにピカチュウもイラっと来たんだろう。こっちに鋭い視線を投げつけた。ピチューもそれに気づき、お互いにらみ合う形になり、止めようとしたら、ピチューは医師がいる部屋に来るよう指示を受けた。
助かった。 カービイは思った。
カービイは少し気になり、ピカチュウに聞いた。
「ねえ、なんでピチューと喧嘩したの?」
ピカチュウは、カービイが喧嘩したことを知っているのに驚いた様子を見せた。
「えーっと・・・こんな感じなんだ…」
ピカチュウは、昨日の出来事を話し始めた。
「今日のピカチュウ兄ちゃんのごはん、美味しくない!」
並んで座ってご飯を食べながら、そうピチューは言った。
ピカチュウはむっとした。
「あのねえ・・・そんなこと言われたらどう思う?」
「ご飯ぼく作ってない。」
「じゃあ、もし自分の作ったご飯がそう言われたら?」
「ご飯ぼく作ろうと思わないもん。ピザで十分。」
「・・・僕の作ったご飯けなすなんてひどい!」
「あっそ」
これはピカチュウも我慢の限界だった。そして、箸を置き、ピチューをにらみつける。
ピチューもそれに気づき、箸を置き、にらみ返す。
数秒の沈黙。そしてピカチュウが飛びかかり、取っ組み合いになってしまった。
お互い蹴り合ったり、噛みついたり、尻尾でたたき合ったり、さらに火花を飛ばしあったり。
そうしている間に、ピチューが「お兄ちゃんなんか知らない!」と、出て行ってしまった。
「そうなんだー・・・で、仲直りしたいと思ってる?」
カービイが話を聞いていると、ピカチュウが涙をこらえているのに気付いた。
「ほんとは・・・ほんとは僕だって仲直りしたいよ。
そして飛びかかった自分も悪かった。でも、今更それをピチューに言えないよ!ほら!」
ピカチュウが指さした方向には、ピチューがこっちをにらみつけていた。
ピチューが戻ってきた。しばらく病院生活になるらしい。
ふと、カービイが2匹だけにしたらどうなるのか気になった。そして、スマホと連動した超小型カメラを置き、トイレに行った。
カービイがカメラの映像を見ると、ピチューとピカチュウがものすごい形相でお互いにらみつけ、歯をむき出しにし、
今にも飛びかからんばかりの姿勢をとっていた。
ここで喧嘩されては困る。急いで待合室に戻った。
どうやって仲直りさせよう。 ピカチュウは思った。
「ピ」兄弟の傷が完全治癒し、ピチューとピカチュウは同時退院した。
お互いの姿を認識した瞬間、にらみ合うからすごく治しにくかった、とプリンは言っていた。
いったいどうやって仲直りさせよう。2匹だけにしてもにらみ合うだけだ。
カービイは、すごく悩んだ。
スマブラ大会が開催された。
実は、昨日、カービイは「ピ」兄弟に秘密でトーナメントで2匹が当たるように根回ししておいた。
お互いの力を再認識してもらうために。
ファイターたちは「面白そう」「最高だ」と賛成していた。
ピチューはカービイと一緒に観戦していた。
「それでは次の対戦カードです!対戦するキャラは…
「ピカチュウVS・・・
「ピカチュウ兄ちゃんが負ける姿が見たいなあ・・」
ピチューはいたずらっ子な笑みをしていた。
この後、ピチューはいたずらっ子な笑みを消し、驚くことだろう。
「ピチュー!」
「・・・・えええええええええええ!」
ピチューは驚きを隠せなかった。
観客席のあちこちでざわざわ声がする。
「すごいじゃん!こうなるなんて!」
カービイは知らないふりをしていた。
「対戦者はこちらまで来てください!」
「がんばれ!恨みを兄にぶつけて来い!」
カービイが見送る中、ピチューは観客席を降り、ステージに向かった。
決戦の時
2匹は、にらみ合っていた。
見えない火花があちこちに散っている。
「Ready・・・」
マスターの声が聞こえて、2匹は戦闘態勢に入った。
「GO!」
声がすると同時に、兄弟はダッシュし始めた。
まず優勢になったのは、ピカチュウ。冷静に判断して、でんこうせっかでピチューの後ろに回り、すごい電気を浴びせた。
「ピチュウ!?」
ピチューはいきなり吹っ飛ばされた。が、すぐに起き上がり、近くで待ち伏せていた兄をつかみ、地面に倒し、その上からのしかかった。
攻撃の応酬。でんげき、ロケットずつき、かみなり。様々な技で相手を飛ばそうとしている。
しかし、カービイには、別のものを感じた。
ダッシュし始めたピカチュウとピチューの口が笑っている。
この2匹の心は、今や恨みは残っていない。
むしろ相手を良きライバルと感じ、戦いを楽しんでいるように思う。
「でんげき!」
「甘い!かみなり!」
「うっ!」
(・・・楽しめ。)
カービイは、心の中でメッセージを送った。
「くらえ兄ちゃん!」
「うわっ!」
と思っていたら、ピチューがピカチュウを外に投げ、そのままピチューの勝ちとなった。
「すごい・・・・」
カービイは思った。
待合室でピチューと話していたら、ピカチュウに会った。
ピカチュウはこちらを見つけ、言った。
「ピチュー?」
「なに、お兄ちゃん。」
「・・・素晴らしい1げきだった」
「・・・お兄ちゃんこそ…。」
2匹は涙を流して抱きしめあった。
その途端、拍手が巻き起こった。
カービイも、拍手に加わった。
その後は、みんなでパーティーをした。普通に楽しかった。
ピチューは、自分の家に帰るといった。カービイは、食費が節約されるとほっと一息ついた。
「ありがとう!カービイさん!」
終わり
最初の小説がこれって・・・・
良かったのか?