ここでは、Second LifeのRole Playと密接にかかわるCombat Systemについて説明します。
CS(Combat System)とは
これまでの説明であったように、ロールプレイの一環として暴力・戦闘といった行為に及ぶ場合もあります。SIMによっては、戦闘をSecond Lifeの中で実現させるためのシステムを導入しています。それがCombat System(コンバットシステム)というものです。
Second Lifeそれ自体にもリンデンダメージという一つの戦闘システムが導入されていますが、これは非常に使い勝手が悪く、RPには適していません。そこで、SLユーザーはさまざまなCombat Systemを開発してきました。その数はちょっと把握するのが難しいほど、多種多様なCombat Systemが存在します。その中でも、RP用のCSとして特に有名なものはDCS2、CCS、Osirisなどがあげられます。
これらのRP用のCSには、自分のキャラクターの種族やクラスを設定する機能があり、それぞれのRP SIMの世界観に適した種族などが設定できるようになっています。
CS戦闘は楽しいけれど
Combat Systemを使用した戦闘は非常に楽しいものです。筆者もCS戦闘は大好きであり、それがRP SIMにおける楽しみの一つであることを否定しません。しかしながら、CSを用いるRP SIMでいつも問題になるのが「ただ戦闘で誰かを倒すことだけを目的にしている人々」、Combat Junky(コンバットジャンキー)とよばれるプレイヤー達です。(単純に「戦闘好き」という意味でコンバットジャンキーという言葉が使われる場合もあり、それは必ずしも批判の意味ではありません。が、ここではRPを破壊する存在としての、悪いコンバットジャンキーの意味で用います。)
Combat Junkiesは大体、以下のような行動をとっています。
- 普段はSIMの中央などで、立って雑談したりジェスチャー鳴らしたりしている。
- あるいはビルの上など人の来ない場所でただ立っている。XPを溜めることだけが目的。
- 周囲で戦闘が始まると、事情は知らなくてもとりあえず戦闘に混ざる。
- あるいは、目に付いたキャラクターを突然射撃し始める。
- 戦闘に勝利したならば、そのまま敗者を放置して去る。あるいは、「/me binds you」などと2,3単語のRPを行う場合もある。
- 戦闘に敗北した場合は、ただ悪態をつき続ける。場合によっては相手のチート行為によって負けたと訴え始める。
このような行為は、RPを完全に破壊するものです。Combat Junkiesの数が増えてコントロールできなくなったSIMは、一時的に戦闘好きな人々によってトラフィックが増えますが、例外なくすぐに破綻してしまいます。ロールプレイの中で、名誉をかけて1対1で始めた決闘に、突然事情も知らない人々が大勢割り込んできて数の力であなたを蹂躙して、「/me binds you」などといって縛って、そして放置してただ去っていくなどということが繰り返されたら、そこでRPをしようという気は失せてしまうでしょう。
CSによる戦闘は楽しいものです。しかし、その楽しみが独りよがりのものになってはいけないということを、常に心がけておきたいものです。
CS戦闘を用いないRPもある
RP SIMによっては、戦闘・暴力といったRPも行うけれど、CSでの戦闘は行わない場所もあります。そのような場所では、例えばキャラクターAが「剣で斬りかかる」というアクションをとり、キャラクターBが「Aの剣をたてで受け止める」というアクションをとったならば、ダイスロール(さいころ)をふって目の合計が大きいほうのプレイヤーのアクションが優先される、などという判定を行う場所もあります。昔ながらのテーブルトークRPGのやり方のやり方ですね。