その他用語集

Last-modified: 2023-11-08 (水) 20:38:18

ルール用語とかではないが頻出する言葉をまとめるもの
スラングやミームを書いていこう






うみねこ本編に関連するもの

当然ながらネタバレ注意

うみねこのく頃に

同人サークル07th Expansion製作の推理サウンドノベル、またはそれを原作にしたメディアミックス作品。
何を隠そう屁理屈推理合戦の元ネタ。用語などもほぼ本作が由来。
当然ながらアバター、問題文、雑談に至るまで作中のキャラ、用語、展開が頻繁に引用される。
勿論原作を知らなくてもゲームは楽しめるのでご安心を。興味があったら調べてみよう。

ウェルギリアス

原作うみねこEP3にて登場。島に訪れたニンゲンの探偵で、戦人にとってはミスリードする推理をぶちまけまくる強力なライバル。異能力は真実や状況証拠を自分の望むようにパッチワークして、自分の望む推理で世界を”確定”させる力。一片のウソも混ぜずに真実を自在に動かす屁理屈推理合戦に向いた能力だと言える。決め台詞は「真実は、いつも2つ。愛がなければ視えない」通称ウェル。
……という設定で紹介された没キャラ。imgではキャラのことをよく知らない知りようがないため胡散臭い関西弁で適当にエミュされる。
クソ見取り図や飛び道具じみたギミックを扱う汎用アバターとして使用されることが多い。
実は原作で紹介された時に関西弁で喋っていた時期がある。

切る

青き真実を赤き真実で否定する行為。原作で赤き真実が伝家の宝刀に例えられた事から始まり、赤き真実を刃として推理を切り捨てるように演出された事からこう呼ばれるようになった。

小型爆弾

戦人が青を連打する過程で飛び出してきた珍解答。魔女が小型爆弾ンンン!?!?!?などと驚くのがお約束。全てを解決してくる心地よいほどの暴論だが、戦人の青ガトリングはこんなんばっかりである。

心臓

広義には真相と同じ意味。狭義では物語や動機を除いた事件のトリックの仕組み・内容そのものを指す。
真相を暴かれると終了するのがゲーム盤、心臓を貫かれると死亡するのが魔女。
imgでの変則ルールとして魔女に複数の心臓がある場合が存在する。その場合、全ての真相を青で貫けなければ山羊側の勝利にはならない。

ゲーム

六軒島で発生した連続殺人事件をチェスゲームになぞらえた言葉。
単にゲームと呼ぶなら一連の事件全体を意味する。
各事件を小単位に区切る場合は「第Nゲーム」のように舞台上実時間での事件発生順にナンバリングを行う。

[関連]ゲーム開始から終了まで

ゲーム盤

事件の舞台。10月4日~10月5日の六軒島のこと。
屁理屈推理合戦でも頻出する用語であり、その場合は概ね「この事件」や「この問題」という意味合いで用いられる。

チェス盤思考

主人公戦人とその母霧江が用いる推理方法。チェス盤をぐるりと回転させて相手の立場から状況を眺める事により、片側だけ見ていてはわからなかった相手の指し手を推理する。原作では「ここでチェス盤をひっくり返す!」などの掛け声とともに発動し、事件や謎を分析する推理パートに入っていく。数学的な考え方を基にしているためノイズに弱く、最善手を指さない相手の動きを読めないのが欠点。つまり、屁理屈推理合戦では何の役にも立たない。

ニンゲン

ふつうの人間のこと。カタカナで書かれているのは様々な意味が込められている。「魔法」を解さない人間に対する侮蔑の意味やゲーム盤の駒としての扱い、中国人のような能力を何も持たない事を示す、など。

猫箱

①事件の観測者が真相を語らない限り複数の真実(犯行説)が共存しうることをシュレディンガーの猫に喩えた用語。
本作で頻繁に描写される現実に起こり得ない魔法殺人も、観測者が不在であれば科学的説明と同格の「真実」となる。
状況証拠と科学的根拠に基づくだけの真実の信憑性など魔法説と大差ない、というアンチミステリー要素とも取れる。

②屁理屈推理合戦における真相。なぜ犯行が行われたのかという経緯まで含めた事件のあらまし。
これを開示することを「猫箱を開く」と言う。
猫箱と真相を区別して用いられることも多く、その場合真相は「トリックに直接関係ない部分を省いた簡潔なトリックの答え合わせの説明」猫箱は「トリックには直接関係ない舞台設定やストーリーも含んだゲーム盤で何が起きたかの説明」を指す

③屁理屈推理合戦における、なぜ犯行が行われたのかという経緯まで含めた事件のあらまし。②と意味がほぼ同じだが、真相を含まない点で少し異なる。
事件のあらましはおかしくなるが、問題の心臓となる屁理屈トリック自体は成立する内容の復唱要求が来た場合、【猫箱はおかしくなるが成立する】という返し方がされることがある。
猫箱という単語を使わない場合、【それでも成立する】が近い意味を持つ。

戦人

読みは「バトラ」。原作うみねこの主人公。浮気性な父親に反発しているが、スケベで女たらしなところは父親譲り。外界から隔絶された孤島「六軒島」で起こる不可解な事件を、それでも人間の犯行で説明できると豪語し魔女幻想に立ち向かっていく。
無能。

古戸ヱリカ

六軒島の来訪者だったのかもしれないどこかで聞いたような名前のニンゲンの探偵。その正体は奇跡の魔女の駒にして真実の魔女。入念な準備と調査で恣意的な証拠をかき集め、自分の望む真相を塗りたくる「知的蹂躙者」を自称する。戦人とは幾度となく推理をぶつけあった好敵手。勝利のためならロジックエラー狙いも辞さないスタイルで、常軌を逸した下準備と調査で魔女幻想の入る余地を狭める戦法を使う。小さな仮想の密室殺人で赤青を撃ち合う屁理屈推理合戦に近い戦闘を最初に行った人物でもある。お箸に興奮する。
imgでは出題に使いやすい汎用アバターの一つ。その中でも一名すさまじい量のゲーム盤を出しているヱリカ(探偵ヱリカ)がおり、多数の魔女と影響を与えあっている事や一部の出題の悪辣さから話題に出る事も多い。

ベアトリーチェ

原作のメインキャラクターにしてメインヒロインでもある、無限と黄金の称号を持つ1000年を生きた魔女。
密室トリックを主軸とした人間の仕業とは思えない事件を見せて戦人に迫り、魔女幻想を受け入れさせようとする。
imgでは出題に使いやすい汎用アバターとして扱われているが、エミュが攻撃的になりがちなためか屁理屈マークに役割を取られつつある。
「ベアトリーチェ」を名乗る人物はじょろじょろ増えていくので、すこし紛らわしい。

魔女

魔女幻想をニンゲンに認めさせようとする者たちの総称。屁理屈推理合戦の敵役かつゲームマスター。男でも記号でも魔女扱いされる。

よく話題にあがる屁理屈や復唱

一部リザイン・部分リザイン

かわしきれない青が来た時に魔女がそれを(またはその一部を)赤で認めること。しかし全てを解き切る事ができていなければ魔女側は残りのトリックを用いて魔女幻想を再構築し、魔法説を主張できる。この場合は改めて出された魔女幻想定義を争点にゲームが続行される。
魔女幻想を主張できる限り魔女が死なない事を利用した延命策だが、実のところ、こんなんで死にたくないな……これを否定しちゃうともう真実までたどりつけないだろうな……という青の処理手段として使われている。
山羊の手詰まりを防ぎスムーズかつフェアな進行を行うためのシステムである。

クソ物件

「明らかにおかしい部屋割りや立地、仕掛けのある物件」の意味。
部屋や物件に常識的でない仕掛けがあることは多く、トリックの一要素として有名な部類である。

ゲーム開始から終了まで

「事件の発生から終了まで」「事件の間」を意味する枕詞。
現場状況を確定させるのに有用なキーワードであり、魔女・山羊ともに頻繁に用いる。

[用例]復唱要求「ゲーム開始から終了までこのゲーム盤には19人以上の人間は存在しない」

【それを認める】

復唱要求の内容をそっくりそのまま赤き真実で書いたのと同じ意味を持つ言葉。早指し文化のimgでは必須だが、復唱の改ざんがバレやすいため使わないスタイルの魔女もいる。この部分にトリックを仕込む悪辣な魔女もいる。

多重ゲーム盤

一つのスレで複数のゲーム盤が同時進行しているギミック。
①山羊側に問題は一つだと誤認させた状態でゲームを進め、都合のいい方のゲーム盤にだけ適用させた赤を返す事を心臓とする。一見山羊側の勝ちに見えても隠された魔女幻想まで解けなければ魔女側の勝利を主張する、というパターンもある。最初にやったもん勝ちの飛び道具じみた構造であり、後追いで単純な多重ゲーム盤を扱っても山羊を納得させる出来にするのは難しい面がある。

②本当に複数の問題を同時に出題し、それぞれの赤青を分けて同じスレで遊ぶ多面打ちのゲーム盤。複数の真相を持つゲーム盤と比べると、問題ごとに異なる不可能性・前提を持つ場合があるという点で異なる。
ただでさえ早指しの屁理屈推理合戦なのにより密度の高いゲームとなるため、魔女側は返答の速さが、山羊側は手数・人数が求められる。

卑猥はない

「エッチなトリックや状況は無い」の意味。
特殊性癖が絡む場合は魔女がその性癖を考えていない為に、この返しがされる事がごくまれに存在する。
余談ではあるが卑猥や下品が絡んだゲーム盤においては山羊(と魔女)の知能とか品性とか尊厳とかに著しいデバフが掛かる傾向にある。

魔法として扱わない

ニンゲンに不可能な幻想を屁理屈に使用する際に使用される言葉。
これを使うことで、空を飛んだり息継ぎ無しで水にずっと潜っていられたりといった、幻想・魔法描写を屁理屈に組み込むことが出来る。
普段の状態からは考えられないゲーム盤を産むことができるが、何でもありになる危険性も孕んでいるため、使う際には特定の内容のみに絞るなど調整が大事。
少なくとも、問題文に提示する以上の「魔法として扱わない」要素は無いようにした方が良い。

[用例]【このゲーム盤においてAが空を飛べることは魔法として扱わない】

見取り図

魔女が状況説明の為に用意した画像。
これが使われるという事は画像そのものの仕込みやトリックが存在するという事であり、難易度が高い傾向があるので山羊は身構える。

ムキムキ

「超人的な筋力を持つ人間」の意味。
常識的には開く事ができない扉を通過したり、一見通行する事が不可能なルートを踏破したり、死亡要件な攻撃を凌いで生きていたりと
前提条件を崩すトリックとして流行した時期があり、用語として定着した。
転じて、頭ムキムキなどの身体の一部位を付け足す場合は、筋力以外の能力に著しく秀でている事に用いられる場合も。

○○の設定に必ずしも準拠しない

○○の部分には、問題に登場するキャラクター・用語の原作の名前が入る。
原作設定を無視した屁理屈の際に、問題文の赤き真実で使われることがある。
必ずしも準拠しないだけなので準拠していてもいいし、準拠していない問題でもこの言葉が存在しないことはままある。
魅音と詩音が二重人格の同一人物だろうが富竹が妊娠しようが六軒島が宇宙ステーションだろうがなんとでも言えるようになる魔法の言葉。

推理小説・作劇用語

赤いニシン(red herring)

ある事柄の重要性から注意を逸らすために提示される偽の手掛かり、もしくは演出や描写。
「うみねこのなく頃に」では事件現場に残されるオカルティックな小道具が前者、幻想描写が後者に当たる。
屁理屈推理合戦に当てはめるなら撹乱のために貼られた意味のない見取り図や卑猥要素が似た役割を持つ。

[類]ミスディレクション、ミスリード

ノックスの十戒(Knox's Ten Commandments)

ロナルド・A・ノックスが考案した推理小説作法10項目。
(余談だがドラノールの名前はロナルド[Ronald]の逆さ読みである。)
「うみねこのなく頃に散」ではストーリーへの導入時、物語に合わせて幾つかの項目が改変されている。
以下はオリジナル十戒(編者訳)とうみねこ版十戒を並べて比較したものである。

第一条 犯人は物語当初から言及されている人物でなくてはならないが、語り手が犯人であってもならない。
 改変 犯人は物語当初の登場人物以外を禁ず。
第二条 超自然的な捜査手段は当然のことながらすべて除外されるべきだ。
    探偵方法に超自然能力の使用を禁ず。
第三条 秘密の通路や部屋は一つまでとする。
 改変 秘密の通路の存在を禁ず。
第四条 未発見の毒物、及び、最後に長大な科学的説明が必要になるような装置を用いてはならない。*1
    未知の薬物、及び、難解な科学装置の使用を禁ず。
第五条 物語に中国人を登場させてはならない。
 改変 (欠番)
第六条 いかなる偶然も探偵を助けてはならないし、その第六感が正しいと証明されることもない。
    探偵方法に偶然と第六感の使用を禁ず。
第七条 探偵が犯罪を犯してはならない。
    探偵が犯人であることを禁ず。
第八条 探偵は発見した手掛かりを読者に申告する義務がある。
    提示されない手掛かりでの解決を禁ず。
第九条 探偵の相棒である「ワトソンくん」(彼の知能は平均的な読者よりもほんの僅かに劣っているべきだろう)は自分の考えを読者に隠してはならない。
    観測者は自分の判断・解釈を主張することが許される。
第十条 手掛かりのない双子や一人二役は登場させてはならない。
 改変 手掛かりなき他の登場人物への変装を禁ず。

ヴァン・ダイン二十則(Twenty Rules for Writing Detective Stories)

S・S・ヴァン・ダイン(本名Willard Huntington Wright)が考案した推理小説作法20項目。
「うみねこのなく頃に散」では二十則すべては語られてはおらず大部分が未判明のままとなっている。
以下は原作に登場した項目の抜粋である。

第一則  手掛り全ての揃わぬ事件を禁ず
第七則  死体なき事件であることを禁ず。
第九則  探偵が複数あることを禁ず。
第十一則 使用人が犯人であることを禁ず。
第十二則 真犯人が複数であることを禁ず。
第十六則 物語に必要以上の描写を入れるべきではない。

原文引用・緑字はDeepL翻訳による訳文、出典表記は折りたたみ末尾

"Twenty rules for writing detective stories" (1928)
"探偵小説を書くための20のルール"(1928)
(Originally published in the American Magazine (1928-sep),
and included in the Philo Vance investigates omnibus (1936).
(オリジナルはアメリカン・マガジン(1928-p)に掲載され、フィロ・ヴァンスの調査オムニバス(1936)に収録)

by S.S. Van Dine
(pseud. for Willard Huntington Wright)
S.S.ヴァン・ダイン(ウィラード・ハンティントン・ライトのペンネーム)著

THE DETECTIVE story is a kind of intellectual game. It is more — it is a sporting event. And for the writing of detective stories there are very definite laws — unwritten, perhaps, but none the less binding; and every respectable and self-respecting concocter of literary mysteries lives up to them. Herewith, then, is a sort Credo, based partly on the practice of all the great writers of detective stories, and partly on the promptings of the honest author's inner conscience. To wit:
探偵物語は一種の知的ゲームである。探偵小説は、一種の知的ゲームであり、スポーツである。そして、探偵小説を書くために非常に明確な法律がある — おそらく不文律ではあるが、それは法にも劣らず拘束力がある。;そして、立派で自尊心のある文学的ミステリーを創作する者は皆、それらに従っているのである。そこで、探偵小説の偉大な作家たちが実践してきたことと、正直な作家の内なる良心の促しに部分的に基づいた、ある種の信条をここに記そう。つまり

1. The reader must have equal opportunity with the detective for solving the mystery. All clues must be plainly stated and described.
1.読者は探偵と同じように謎を解く機会を与えられなければならない。すべての手がかりはわかりやすく述べられ、説明されていなければならない。

2. No willful tricks or deceptions may be placed on the reader other than those played legitimately by the criminal on the detective himself.
2.故意のトリックや欺瞞は、犯罪者が探偵自身に対して合法的に行ったもの以外に、読者に仕掛けてはならない。

3. There must be no love interest. The business in hand is to bring a criminal to the bar of justice, not to bring a lovelorn couple to the hymeneal altar.
3.恋愛感情があってはならない。目の前の仕事は、犯罪者を司法の法廷に連行することであり、恋仲のカップルを婚姻の祭壇に連行することではない。

4. The detective himself, or one of the official investigators, should never turn out to be the culprit. This is bald trickery, on a par with offering some one a bright penny for a five-dollar gold piece. It's false pretenses.
4.探偵自身や正式な調査員の一人が犯人であることが判明してはならない。これは、5ドルの金貨を1ペニーで売るのと同じような、はげしいごまかしである。偽りである。

5. The culprit must be determined by logical deductions — not by accident or coincidence or unmotivated confession. To solve a criminal problem in this latter fashion is like sending the reader on a deliberate wild-goose chase, and then telling him, after he has failed, that you had the object of his search up your sleeve all the time. Such an author is no better than a practical joker.
5.犯人は論理的な推理によって特定されなければならない。偶然や偶然の一致、あるいは動機のない自白によって決定してはならない。この後者の方法で犯罪問題を解決するのは、読者を意図的に野放図な追跡劇に送り込み、失敗した後で、あなたは彼の捜索対象をずっと袖の中に隠し持っていたと告げるようなものである。このような作家は、実質的なジョーカーと変わらない。

6. The detective novel must have a detective in it; and a detective is not a detective unless he detects. His function is to gather clues that will eventually lead to the person who did the dirty work in the first chapter; and if the detective does not reach his conclusions through an analysis of those clues, he has no more solved his problem than the schoolboy who gets his answer out of the back of the arithmetic.
6.探偵小説には必ず探偵が登場しなければならない。探偵の役目は、第一章で汚れ仕事をした犯人に最終的にたどり着く手がかりを集めることであり、もし探偵がそれらの手がかりの分析を通して結論に達しなければ、算数の裏(算数の本の巻末(にある答え))から答えを導き出す小学生と同じように、問題を解決したことにはならない。

7. There simply must be a corpse in a detective novel, and the deader the corpse the better. No lesser crime than murder will suffice. Three hundred pages is far too much pother for a crime other than murder. After all, the reader's trouble and expenditure of energy must be rewarded.
7.探偵小説には必ず死体が登場する。殺人より軽い犯罪では十分ではない。殺人以外の犯罪に300ページはあまりにも多すぎる。結局のところ、読者の苦労とエネルギーの消費は報われなければならない。

8. The problem of the crime must he solved by strictly naturalistic means. Such methods for learning the truth as slate-writing, ouija-boards, mind-reading, spiritualistic se'ances, crystal-gazing, and the like, are taboo. A reader has a chance when matching his wits with a rationalistic detective, but if he must compete with the world of spirits and go chasing about the fourth dimension of metaphysics, he is defeated ab initio.
8.犯罪の問題は、厳密に自然主義的な手段によって解決されなければならない。真実を知るための方法として、スレートライティング(こっくりさん)、占いボード、読心術、霊視、水晶占いなどはタブーである。読者は、合理主義的な探偵と知恵を競わせればチャンスはあるが、霊の世界と競い合い、形而上学の四次元を追い求めなければならないのであれば、初めから負けているのである。

9. There must be but one detective — that is, but one protagonist of deduction — one deus ex machina. To bring the minds of three or four, or sometimes a gang of detectives to bear on a problem, is not only to disperse the interest and break the direct thread of logic, but to take an unfair advantage of the reader. If there is more than one detective the reader doesn't know who his codeductor is. It's like making the reader run a race with a relay team.
9.探偵は一人でなければならない — つまり、推理の主人公は一人でなければならない — デウス・エクス・マキナは一人でなければならない。三人、四人、時には一団の探偵の頭脳を問題に持ち込むことは、興味を分散させ、論理の直系を断ち切るだけでなく、読者を不当に利用することになる。複数の刑事がいれば、読者は自分のコード・ドクターが誰なのかわからなくなる。読者にリレー・チームでレースをさせるようなものだ。

10. The culprit must turn out to be a person who has played a more or less prominent part in the story — that is, a person with whom the reader is familiar and in whom he takes an interest.
10.犯人は、物語の中で多かれ少なかれ重要な役割を果たした人物でなければならない。つまり、読者が親しみ、関心を寄せる人物のことである。

11. A servant must not be chosen by the author as the culprit. This is begging a noble question. It is a too easy solution. The culprit must be a decidedly worth-while person — one that wouldn't ordinarily come under suspicion.
11.使用人が犯人として著者に選ばれてはならない。これは崇高な疑問を投げかけている。あまりにも安易な解決策だ。犯人は、明らかに価値のある人物でなければならない。

12. There must be but one culprit, no matter how many murders are committed. The culprit may, of course, have a minor helper or co-plotter; but the entire onus must rest on one pair of shoulders: the entire indignation of the reader must be permitted to concentrate on a single black nature.
12.殺人事件が何件起ころうとも、犯人は一人でなければならない。もちろん、その犯人にはちょっとした助っ人や共犯者がいてもよい。しかし、すべての責任は一組の肩にかかっていなければならない。読者のすべての憤りは、たった一人の黒い本性に集中することが許されなければならない。

13. Secret societies, camorras, mafias, et al., have no place in a detective story. A fascinating and truly beautiful murder is irremediably spoiled by any such wholesale culpability. To be sure, the murderer in a detective novel should be given a sporting chance; but it is going too far to grant him a secret society to fall back on. No high-class, self-respecting murderer would want such odds.
13.秘密結社、カモッラ、マフィアなどは、探偵小説にはふさわしくない。魅力的で真に美しい殺人事件は、そのような大規模な犯人像によって、どうしようもなく台無しにされてしまう。確かに、探偵小説の殺人犯にはスポーツの機会が与えられるべきだが、彼に頼るべき秘密結社を認めるのは行き過ぎである。高級で自尊心のある殺人犯は、そんな勝算を望まないだろう。

14. The method of murder, and the means of detecting it, must be be rational and scientific. That is to say, pseudo-science and purely imaginative and speculative devices are not to be tolerated in the roman policier. Once an author soars into the realm of fantasy, in the Jules Verne manner, he is outside the bounds of detective fiction, cavorting in the uncharted reaches of adventure.
14.殺人の方法とそれを発見する手段は、合理的かつ科学的でなければならない。つまり、疑似科学や純粋に想像的で思索的な仕掛けは、探偵小説では許されない。ジュール・ヴェルヌのように、ひとたびファンタジーの領域に飛び込んだ作家は、探偵小説の枠からはみ出し、冒険の未開の地を彷徨うことになる。

15. The truth of the problem must at all times be apparent — provided the reader is shrewd enough to see it. By this I mean that if the reader, after learning the explanation for the crime, should reread the book, he would see that the solution had, in a sense, been staring him in the face-that all the clues really pointed to the culprit — and that, if he had been as clever as the detective, he could have solved the mystery himself without going on to the final chapter. That the clever reader does often thus solve the problem goes without saying.
15.問題の真相は常に明らかでなければならない。つまり、読者が犯罪の説明を知った後、その本を読み返せば、ある意味、解決策が彼の目の前にあったこと、つまり、すべての手がかりが本当に犯人を指し示していたこと、そして、もし彼が探偵のように利口であれば、最終章に進まずとも、自分自身で謎を解くことができたことを知るだろう、ということである。賢い読者がしばしばこうして問題を解決することは言うまでもない。

16. A detective novel should contain no long descriptive passages, no literary dallying with side-issues, no subtly worked-out character analyses, no "atmospheric" preoccupations. such matters have no vital place in a record of crime and deduction. They hold up the action and introduce issues irrelevant to the main purpose, which is to state a problem, analyze it, and bring it to a successful conclusion. To be sure, there must be a sufficient descriptiveness and character delineation to give the novel verisimilitude.
16.探偵小説には、長い説明的な文章や、文学的なダラダラとした副次的な問題や、微妙に練られた人物分析や、「雰囲気」的なこだわりは含まれるべきではない。問題を提起し、それを分析し、成功裏に終結させるという主目的とは無関係な問題を持ち込むからだ。確かに、小説に真実味を与えるためには、十分な描写力と人物描写がなければならないが。

17. A professional criminal must never be shouldered with the guilt of a crime in a detective story. Crimes by housebreakers and bandits are the province of the police departments — not of authors and brilliant amateur detectives. A really fascinating crime is one committed by a pillar of a church, or a spinster noted for her charities.
17.探偵小説の中で、プロの犯罪者に罪を負わせてはならない。家宅侵入者や盗賊による犯罪は警察の管轄であり、作家や優秀なアマチュア探偵の管轄ではない。本当に魅力的な犯罪は、教会の柱(信心深いもの)や慈善活動で有名な独身女性が犯した犯罪である。

18. A crime in a detective story must never turn out to be an accident or a suicide. To end an odyssey of sleuthing with such an anti-climax is to hoodwink the trusting and kind-hearted reader.
18.探偵小説における犯罪は、決して事故や自殺であってはならない。探偵の旅をそのようなアンチクライマックスで終わらせることは、信頼できる心優しい読者をだますことになる。

19. The motives for all crimes in detective stories should be personal. International plottings and war politics belong in a different category of fiction — in secret-service tales, for instance. But a murder story must be kept gemütlich, so to speak. It must reflect the reader's everyday experiences, and give him a certain outlet for his own repressed desires and emotions.
19.探偵小説における犯罪の動機は、すべて個人的なものであるべきだ。国際的な陰謀や戦争政治は、フィクションの別のカテゴリーに属する。しかし、殺人事件は、いわばゲミュートリッヒ(居心地のいい(場所)を意味するドイツ語)でなければならない。それは読者の日常的な経験を反映し、読者自身の抑圧された欲望や感情のはけ口を与えるものでなければならない。

20. And (to give my Credo an even score of items) I herewith list a few of the devices which no self-respecting detective story writer will now avail himself of. They have been employed too often, and are familiar to all true lovers of literary crime. To use them is a confession of the author's ineptitude and lack of originality. (a) Determining the identity of the culprit by comparing the butt of a cigarette left at the scene of the crime with the brand smoked by a suspect. (b) The bogus spiritualistic se'ance to frighten the culprit into giving himself away. (c) Forged fingerprints. (d) The dummy-figure alibi. (e) The dog that does not bark and thereby reveals the fact that the intruder is familiar. (f)The final pinning of the crime on a twin, or a relative who looks exactly like the suspected, but innocent, person. (g) The hypodermic syringe and the knockout drops. (h) The commission of the murder in a locked room after the police have actually broken in. (i) The word association test for guilt. (j) The cipher, or code letter, which is eventually unraveled by the sleuth.
20. そして、(私の信条に均等な点数をつけるために)私はここに、自尊心のある探偵小説作家が今となっては利用しないような仕掛けのいくつかを列挙する。それらはあまりにも頻繁に使われてきたし、文学的犯罪の真の愛好者なら誰でも知っている。これらを使うことは、作者の無能さと独創性の欠如を告白することになる。(a) 事件現場に残されたタバコの吸殻と容疑者が吸ったタバコの銘柄を比較して犯人の身元を割り出すこと。(b)犯人を脅して自首させるためのインチキ霊言。(c)偽造指紋。(d)ダミーフィギュア(人型の偽装工作に使える大きな人形)のアリバイ。(e)吠えない犬によって、侵入者が顔見知りであることを明らかにする。(f)双子や、疑われているが無実の人物にそっくりな親族に、最終的に罪を着せること。(g)皮下注射器とノックアウト・ドロップ(混入した相手を昏睡させる薬品。つまり睡眠薬)。(h) 警察が実際に押し入った後、密室で殺人を実行すること。(i) 有罪かどうかの連想テスト。(j) 探偵によって最終的に解明される暗号(コードレター)。

(End.)

出典情報

Gaslight(http://gaslight-lit.s3-website.ca-central-1.amazonaws.com/gaslight/)というWebサイトより引用。
該当ページのURLはこちら → http://gaslight-lit.s3-website.ca-central-1.amazonaws.com/gaslight/vandine.htm
Gaslightは、カナダ合衆国アルバータ州カルガリーに在するマウント・ロイヤル・カレッジの英語学科後援のもとに運営されるボランティアプロジェクトであり、そこにおける掲載物は全てカナダ合衆国のパブリックドメインコンテンツとなります。
引用に際しての著作権上の問題については、引用者の国における関連法に準拠するとのことなので、日本国内における原本出版が1930年であり原作者であるヴァン・ダインの死後70年が経過していることから問題ないと判断します。

推理の役に立たない変な用語

青きガトリング/青きマシンガン

いくつもの種類の青を撃ちつづけ、魔女から情報を引き出す、あわよくばそのまま打ち取る事を目指す山羊側の考え方。もしくは戦略そのものを指す。単発の青でもそれが他の山羊の助けになる事もある。積極的に青を出していこう。imgでの屁理屈推理合戦初期において負け続けだった山羊たちに解説梨花が授けた武器で、これ以降山羊が勝利できるようになった。実は「大量の青を用いて面で制圧する」という考え方は原作の時点で登場しており、主に戦人がこの戦略で戦っている。原作ではショットガンなどに例えられていた。

アミバ

ん!? 間違ったかな…

クソクソヒィ!

山羊たちの負けた時の鳴き声。これが響くという事は魔女に文句がなく、完全に負けを認めたという事である。

【それを認め(したため)マス】

認める(したためる) - 文章を書き記すこと。
記録を取っただけで別に復唱は認めていない。
ある問題の心臓であり、その極悪さから山羊の間で笑いと共に語り継がれる伝説の屁理屈。
やった本人も二度と使わないと明言している劇物である。

つまり……イーヴンやな!

許す心。
猫箱そのものがロジックエラーしていた場合など、特に魔女は致命的なミスが発覚することはちょくちょくある。そのような場合に寛大に許しあう愛のある言葉。
広まったのはウェルギリアスの盤「テトリスハウス」にて。魔女ウェルギリアスは敗北を認めリザインした後に猫箱にロジックエラーを発見してしまう。そこでしれっとイーヴンという事にして帰宅。衝撃的な面の皮の分厚さに山羊からの総突っ込みが入り、イーヴン定型として定着した。

人ゴミ

ゲーム盤を立てた直後に真相を暴く(即死させる)事。人生ゴミにしてる名探偵の略。
imgの屁理屈推理合戦最初期にエヴァベアトリーチェが残した断末魔から定着した。
「ぐぅおおおおおおおおおおおおあああああああああぁああああああああああぁああああああああッ!
なぜェェェッ!なぜあんたはここにいるの?!こんな力を持ちえながらッ!
どうしてこんな掲示板に居続けて人生を捨てられるのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!?」

屁理屈マーク

スレに目印としてついてるアレ。
元は見取り図でありマーク誤認を狙った物がそのまま看板になっている。

wikiは何度貼っても良いとされる

そうだね


*1 "最後に"[at the end]は巻末注のことだと思われる